Google Meetで「画面を共有」ボタンを押したのに、ウィンドウの選択画面が表示されない。または、共有したいウィンドウが一覧に出てこない。そんな経験はありませんか?
資料を見せながらプレゼンテーションしたいのに、肝心のウィンドウが選択できないと困りますよね。画面全体は共有できるけど、特定のウィンドウだけが表示されないというパターンもあります。
この問題には、ブラウザの設定、OS側の権限、ウィンドウの表示状態など、様々な原因が考えられます。でも、落ち着いて一つずつチェックしていけば、ほとんどの場合は解決できるんです。
この記事では、Google Meetで画面共有のウィンドウが出ない原因を特定し、具体的な解決方法を詳しく解説していきます。
ウィンドウが出ない問題のパターン
まずは、どのパターンの問題なのかを特定しましょう。
パターン1:選択画面自体が表示されない
「画面を共有」ボタンを押しても、何も反応しない、または選択画面自体が開かない状態です。
これは、ブラウザの権限設定やポップアップブロックが原因のことが多いです。最も基本的な問題なので、まずはここから確認していきましょう。
パターン2:選択画面は出るが空っぽ
選択画面は表示されるけど、共有できるウィンドウが一つも表示されていない状態です。
「共有するものを選択してください」という画面は出るのに、その中身が空白またはグレーアウトしているパターンですね。これはOS側の権限設定が原因の可能性が高いです。
パターン3:特定のウィンドウだけ表示されない
他のウィンドウは表示されるのに、共有したい特定のウィンドウだけが一覧に出てこない状態です。
例えば、PowerPointやExcelなど、特定のアプリのウィンドウだけが見つからないケースです。これは、ウィンドウの表示状態や、アプリ側の設定が関係していることがあります。
パターン4:「ウィンドウ」タブ自体が選べない
「画面全体」タブは選択できるけど、「ウィンドウ」タブがグレーアウトしていて選択できない状態です。
これは比較的珍しいですが、ブラウザのバージョンや設定が原因のことがあります。
ブラウザの権限とポップアップ設定
選択画面自体が表示されない場合、まずはブラウザの設定を確認しましょう。
ポップアップブロックの解除
画面共有の選択画面は、技術的には「ポップアップウィンドウ」として開きます。ポップアップがブロックされていると、何も表示されません。
Chromeでの設定:
- 画面右上の三点リーダーをクリック
- 「設定」を選択
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「サイトの設定」を選択
- 「ポップアップとリダイレクト」をクリック
- 「サイトにポップアップの送信やリダイレクトの使用を許可する」をオンにする
- または、「許可」リストに「meet.google.com」を追加
ポップアップをブロックしていると、選択画面が開けないんです。
別の確認方法:
Google Meetの会議画面で「画面を共有」をクリックしたとき、アドレスバーの右端に「ポップアップがブロックされました」というアイコンが表示されることがあります。
そのアイコンをクリックして、「meet.google.comのポップアップとリダイレクトを常に許可する」を選択すれば、すぐに解決します。
Edgeでの設定
Edgeも同様の設定が必要です。
手順:
- 右上の三点リーダー→「設定」
- 「Cookieとサイトのアクセス許可」を選択
- 「ポップアップとリダイレクト」をクリック
- meet.google.comを許可リストに追加
Edgeは基本的にChromeと同じエンジンなので、操作も似ています。
Firefoxでの設定
Firefoxも確認しておきましょう。
手順:
- 右上の三本線メニュー→「設定」
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「許可設定」セクションまでスクロール
- 「ポップアップウィンドウをブロックする」の横にある「例外サイト」をクリック
- https://meet.google.com を追加
Firefoxは、サイトごとに細かく設定できるのが特徴です。
Safariでの設定
Macユーザーに多いSafariでも確認が必要です。
手順:
- Safari→「設定」(または「環境設定」)を開く
- 「Webサイト」タブを選択
- 左側のメニューから「ポップアップウィンドウ」を選択
- meet.google.comを「許可」に設定
Safariはセキュリティが厳しいので、特に注意が必要ですね。
画面収録・録画の権限設定
OS側で画面へのアクセスが許可されていないと、ウィンドウ一覧が表示されません。
Windowsの画面録画権限
Windows 10/11では、アプリごとに画面録画の権限を管理しています。
設定手順:
- 「設定」アプリを開く(Windowsキー + I)
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「アプリの権限」セクションを見つける
- 「スクリーンショット」または「画面録画」をクリック
- ブラウザ(Chrome、Edge、Firefoxなど)が許可されているか確認
- オフになっていたらオンに切り替える
Windows 11では設定画面のレイアウトが少し違いますが、基本的な流れは同じです。
Macの画面収録権限
前回の記事でも触れましたが、Macでは「画面収録」の許可が必須です。
macOS Ventura以降:
- Appleメニュー→「システム設定」
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「画面収録」を選択
- 使用しているブラウザのスイッチをオンにする
- パスワードを入力
- ブラウザを完全に終了(Cmd + Q)して再起動
macOS Monterey以前:
- Appleメニュー→「システム環境設定」
- 「セキュリティとプライバシー」をクリック
- 「プライバシー」タブ→「画面収録」
- 鍵マークをクリックして解除
- ブラウザにチェックを入れる
- ブラウザを再起動
この設定をしないと、ウィンドウ一覧が空っぽになります。
ウィンドウの表示状態を確認
特定のウィンドウだけが表示されない場合は、そのウィンドウの状態をチェックしましょう。
最小化されているウィンドウ
最小化(タスクバーに格納)されているウィンドウは、一覧に表示されないことがあります。
対処法:
- 共有したいウィンドウを、タスクバーやDockから開く
- ウィンドウを通常の状態(最小化していない状態)にする
- 他のウィンドウの後ろに隠れていないか確認
- その状態でGoogle Meetの画面共有を試す
ウィンドウが開かれていて、画面上に見えている状態にしておくことが大切です。
フルスクリーン表示のアプリ
アプリがフルスクリーン表示になっていると、ウィンドウとして認識されないことがあります。
対処法:
- フルスクリーンを解除する(多くの場合、F11キーまたはEscキー)
- 通常のウィンドウモードに戻す
- ウィンドウのサイズを調整
- 画面共有で選択できるか確認
特にMacの場合、フルスクリーンモードのアプリは別の「デスクトップ空間」にあるため、一覧に表示されにくいです。
仮想デスクトップの別画面にあるウィンドウ
WindowsやMacの仮想デスクトップ機能を使っていると、現在表示していないデスクトップのウィンドウは一覧に出ないことがあります。
対処法:
- 共有したいウィンドウが、今表示しているデスクトップにあるか確認
- 別のデスクトップにある場合は、同じデスクトップに移動させる
- Windowsの場合:タスクビューで確認(Windowsキー + Tab)
- Macの場合:Mission Control(F3キー)で確認
すべてのウィンドウを同じデスクトップに集めておくと、トラブルが少なくなります。
アプリが応答していない
アプリがフリーズしていたり、「応答なし」状態になっていると、一覧に表示されないことがあります。
対処法:
- タスクマネージャー(Windows)またはアクティビティモニタ(Mac)で確認
- 応答していないアプリを強制終了
- アプリを再起動
- ファイルを開き直す
アプリが正常に動作している状態にしてから、画面共有を試しましょう。
特定のアプリが表示されない原因
一部のアプリのウィンドウは、仕様上共有できないことがあります。
セキュリティで保護されたアプリ
銀行のオンラインバンキングアプリや、一部の企業専用アプリなど、セキュリティが厳しいアプリのウィンドウは、意図的に共有できないようになっていることがあります。
これは不正な画面キャプチャを防ぐためのセキュリティ対策なので、残念ながら回避できません。
DRM保護されたコンテンツ
Netflix、Amazon Prime Video、Apple TV+など、著作権保護(DRM)がかかっている動画再生アプリは、ウィンドウ共有できないことがあります。
共有しても黒い画面になったり、そもそも一覧に表示されなかったりします。これも仕様なので、どうしようもありません。
管理者権限で実行中のアプリ
Windowsで「管理者として実行」されているアプリのウィンドウは、通常のアプリから見えないことがあります。
対処法:
- 該当アプリを一度閉じる
- 通常の方法(管理者権限なし)で起動し直す
- または、ブラウザも管理者権限で起動する
ただし、ブラウザを管理者権限で動かすのはセキュリティリスクがあるので、おすすめしません。
ブラウザのトラブルシューティング
ブラウザ側に問題がある場合の対処法です。
キャッシュとCookieのクリア
ブラウザに溜まった古いデータが原因で、正常に動作しないことがあります。
Chromeでのクリア方法:
- 右上の三点リーダー→「設定」
- 「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」
- 「Cookieと他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 期間を「全期間」に設定
- 「データを削除」をクリック
- ブラウザを再起動
データ削除後、Google Meetに再度アクセスしてみてください。
ブラウザの拡張機能を無効化
一部の拡張機能(アドブロッカーやプライバシー保護ツール)が、画面共有機能を妨げることがあります。
確認方法:
- Chromeの右上の三点リーダー→「その他のツール」→「拡張機能」
- すべての拡張機能を一時的にオフにする
- Google Meetで画面共有を試す
- 正常に動作すれば、どの拡張機能が原因か特定
- 問題の拡張機能だけをオフにしたままにする
特にセキュリティ系の拡張機能は要注意です。
シークレットモードで試す
通常のブラウザウィンドウで問題が起こる場合、シークレットモード(プライベートブラウジング)で試してみましょう。
手順:
- Chromeの場合:Ctrl + Shift + N(Mac: Cmd + Shift + N)
- シークレットウィンドウが開く
- Google Meetにアクセス
- 画面共有を試す
シークレットモードでは拡張機能やキャッシュの影響を受けないので、原因の切り分けに役立ちます。
別のブラウザで試す
使っているブラウザ自体に問題がある可能性もあります。
試すべきこと:
- Chromeで問題が起こる→EdgeやFirefoxを試す
- Safariで問題が起こる→Chromeを試す
- Firefoxで問題が起こる→Chromeを試す
別のブラウザで正常に動作すれば、元のブラウザの設定や不具合が原因だと分かります。
ブラウザとOSのアップデート
古いバージョンを使っていると、様々な不具合が起こります。
ブラウザの更新確認
Chrome:
- 右上の三点リーダー→「ヘルプ」→「Google Chromeについて」
- 自動的に更新が確認され、あれば更新される
- 更新後、「再起動」をクリック
Edge:
- 右上の三点リーダー→「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」
- 自動更新を確認
- 必要に応じて再起動
Firefox:
- 右上の三本線→「ヘルプ」→「Firefoxについて」
- 自動更新を確認
- 再起動
ブラウザを最新版に保つことで、多くの不具合が解決されます。
OSの更新確認
Windows:
- 設定→「Windows Update」
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- 利用可能な更新があればインストール
- 再起動
Mac:
- Appleメニュー→「システム設定」(または「システム環境設定」)
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 更新があればインストール
- 再起動
OSが古いと、ブラウザが正常に動作しないことがあります。
代替手段と回避策
どうしてもウィンドウ共有ができない場合の代替案です。
画面全体を共有する
ウィンドウ単体が選択できない場合は、画面全体を共有する方法があります。
手順:
- 「画面を共有」をクリック
- 「あなたの全画面」タブを選択
- 共有したいディスプレイを選択
- 「共有」をクリック
デメリットは、デスクトップや他のウィンドウも見えてしまうことです。事前にデスクトップを整理して、見られたくないウィンドウは閉じておきましょう。
Chromeタブで共有
共有したい内容がブラウザで開けるなら、Chromeタブとして共有できます。
手順:
- 共有したいコンテンツをブラウザで開く(PDFや資料など)
- 「画面を共有」をクリック
- 「Chromeタブ」を選択
- 該当のタブを選択
- 「共有」をクリック
PowerPoint OnlineやGoogle スライドなど、ブラウザで動くアプリなら、この方法が使えます。
スクリーンショットを共有
動的なコンテンツでなければ、スクリーンショットを撮って画像として共有する方法もあります。
手順:
- 共有したいウィンドウのスクリーンショットを撮る
- 画像ビューアーで開く
- その画像ビューアーのウィンドウを共有
リアルタイムの操作は見せられませんが、静止画なら確実に共有できます。
PDFや画像ファイルに変換
PowerPointやWordなどは、PDFに変換してから共有すると安定します。
手順:
- 共有したいファイルをPDFとして保存
- PDFビューアーで開く
- PDFビューアーのウィンドウを共有
変換の手間はかかりますが、確実に共有できる方法です。
よくある質問と回答
ウィンドウ共有に関する、よくある疑問にお答えします。
Q1:PowerPointのウィンドウが表示されない
PowerPointがフルスクリーンモードやスライドショーモードになっていると、ウィンドウとして認識されません。
対処法:
- スライドショーを終了して、編集モード(通常表示)にする
- または、画面全体を共有してからスライドショーを開始する
Q2:複数のウィンドウを同時に共有できる?
Google Meetでは、一度に共有できるのは1つのウィンドウまたは画面のみです。
複数のウィンドウを見せたい場合は、画面全体を共有するか、ウィンドウを切り替えながら共有する必要があります。
Q3:外部モニターのウィンドウが表示されない
複数のディスプレイを使っている場合、外部モニターに表示されているウィンドウも一覧に表示されます。
表示されない場合は、そのモニターが正しく認識されているか確認してください。また、「画面全体」タブから該当のディスプレイを選択することもできます。
Q4:一部のウィンドウだけグレーアウトしている
一覧には表示されるけど、選択できない(グレーアウトしている)ウィンドウがある場合です。
これは、そのウィンドウが共有をブロックしているか、システムの重要なウィンドウ(パスワード入力画面など)の可能性があります。別の方法での共有を検討しましょう。
デバイスの再起動という最終手段
ここまでの方法を試しても解決しない場合は、デバイスを再起動してみましょう。
なぜ再起動が効果的か
再起動には以下の効果があります。
- メモリのクリア
- 一時ファイルの削除
- バックグラウンドプロセスのリセット
- システムのリフレッシュ
- 保留中のアップデートの適用
特に長時間使い続けているデバイスは、再起動で驚くほど調子が良くなることがあります。
再起動の手順
Windows:
- スタートメニュー→電源アイコン→「再起動」
Mac:
- Appleメニュー→「再起動」
再起動後、必要なアプリとファイルを開いてから、Google Meetで画面共有を試してみてください。
会議前の準備チェックリスト
トラブルを未然に防ぐために、会議前に確認しておきましょう。
事前確認項目
設定の確認:
- [ ] ブラウザのポップアップがmeet.google.comで許可されている
- [ ] OS側の画面収録権限がブラウザに与えられている
- [ ] ブラウザとOSが最新版
- [ ] 拡張機能で問題になりそうなものをオフにしている
ファイルとウィンドウの準備:
- [ ] 共有したいファイルやアプリを開いている
- [ ] ウィンドウが最小化されていない
- [ ] フルスクリーンモードを解除している
- [ ] すべて同じデスクトップ(仮想デスクトップを使っている場合)に配置
環境の確認:
- [ ] デスクトップを整理して、見られたくないものを隠している
- [ ] 通知をオフにしている
- [ ] バックグラウンドで重いアプリを動かしていない
テスト共有のすすめ
可能であれば、本番の会議前にテスト会議を作成して、画面共有が正常に動作するか確認しておきましょう。
テスト方法:
- Google Meetで自分だけの会議を作成
- 画面共有をクリック
- ウィンドウ一覧が正常に表示されるか確認
- 共有したいウィンドウが表示されるか確認
- 実際に共有してみて、問題なく映るか確認
5分程度の時間で、大きなトラブルを回避できます。
まとめ
Google Meetで画面共有のウィンドウが出ない問題は、原因を特定すれば解決できます。
この記事のポイント:
- 選択画面が出ない原因はポップアップブロックが多い
- ウィンドウ一覧が空っぽなのはOS側の画面収録権限が原因
- 特定のウィンドウだけ表示されないのは、最小化やフルスクリーンが原因のことが多い
- ブラウザのキャッシュクリアと最新版へのアップデートは基本
- MacとWindowsで権限設定の場所が異なる
- どうしてもダメなら画面全体の共有やChromeタブ共有を代替手段に
- 会議前に必ずテスト共有をしておく
まずはブラウザのポップアップ設定とOS側の権限設定を確認してください。それだけで、ほとんどの問題は解決します。
この記事を参考に、一つずつ確認していけば、きっと次の会議では問題なくウィンドウ共有ができるはずです。自信を持ってプレゼンテーションに臨んでくださいね!

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