「メールアドレスを入力したら、複数の候補が出てきてどれを選べばいいか分からない」「名前を入力しても『名前を確認できません』とエラーが出る」そんな経験はありませんか?
Outlookには「名前の確認」という機能があり、宛先に入力した名前やメールアドレスを自動的にアドレス帳と照合してくれます。便利な機能ではあるのですが、時には意図しない候補が表示されたり、正しいアドレスが見つからなかったりすることもあるんですよね。
この記事では、Outlookの「名前の確認」機能の使い方から、アドレス帳の管理方法まで、分かりやすく解説していきます。
Outlookの「名前の確認」とは?基本の仕組みを理解しよう

まずは、この機能がどのように動作するのか確認しましょう。
「名前の確認」機能の役割
宛先に入力した名前やアドレスを、登録されている連絡先と照合する機能です。
基本的な動作
- 宛先欄に名前やメールアドレスの一部を入力
- Outlookが自動的にアドレス帳を検索
- 候補が見つかればドロップダウンリストで表示
- 候補を選択すると、完全なメールアドレスに変換される
- 下線が引かれて確定状態になる
この機能により、完全なメールアドレスを覚えていなくても、名前だけで宛先を指定できるんですね。
検索される場所
Outlookは以下の場所から候補を探します。
検索対象(優先順)
- オートコンプリートリスト – 過去に送信したアドレスの履歴
- 連絡先(個人用) – 自分で登録した連絡先
- グローバルアドレス一覧(GAL) – 会社の社員名簿(Exchange環境のみ)
- その他のアドレス帳 – 追加で登録したアドレス帳
複数の場所に同じ名前があると、すべてが候補として表示されます。
名前が確定される仕組み
入力した情報が正しく解決されると、以下のように表示されます。
確定した状態
- 名前に下線が引かれる
- 表示名が「山田太郎 yamada@example.com」のような形式になる
- マウスカーソルを合わせると、連絡先カードが表示される
未確定の状態
- 赤い波線が表示される
- 「名前を確認できません」というエラー
- そのまま送信すると、エラーになる可能性がある
確定状態になっていることを確認してから送信しましょう。
宛先に名前を入力して確認する基本操作
実際の使い方を段階的に見ていきましょう。
基本的な入力方法
手順
- 新規メールを作成
- 「宛先」欄をクリック
- 名前やメールアドレスの一部を入力(例:「yamada」「山田」)
- 候補がドロップダウンで表示される
- 適切な候補をクリックまたはEnterキーで選択
入力のコツ
- 姓だけでも検索できる(例:「田中」だけで検索)
- メールアドレスの一部でもOK(例:「@example.com」)
- スペースを入れて複数の条件で絞り込める(例:「田中 営業」)
部分一致で検索してくれるので、完全に覚えていなくても大丈夫です。
複数の候補が表示された場合
同じ名前の人が複数いる場合の対処法です。
候補を見分ける方法
候補リストには以下の情報が表示されます。
- 表示名 – 「山田太郎」など
- メールアドレス – yamada@example.com
- 所属部署 – 営業部(GALの場合)
- アイコン – 連絡先の種類を示す
正しい候補を選ぶポイント
- メールアドレスを確認
- 所属部署を確認(社内メールの場合)
- 最近やり取りした相手は上位に表示される
- 不明な場合は候補をクリックして詳細を確認
間違った候補を選ばないよう、必ずメールアドレスまで確認することが大切です。
手動で「名前の確認」を実行する
自動で確定しない場合、手動で確認できます。
手順
- 宛先欄に名前やアドレスを入力
- Ctrl + K キーを押す(Macは Command + K)
- または「名前の確認」ボタンをクリック
- 一致する連絡先があれば自動的に確定
- 複数候補がある場合はダイアログが表示される
ショートカットキーを覚えておくと、素早く確認できて便利ですよ。
「名前の確認」ダイアログでの選択
複数の候補がある場合に表示されるダイアログです。
ダイアログの使い方
- 候補リストから正しい連絡先を選択
- 「OK」をクリック
- 選択した連絡先が宛先に設定される
「新しい連絡先として追加」を選ぶ場合
- 候補に該当者がいない場合に使用
- 入力したアドレスをそのまま使用
- 後で連絡先として保存できる
見つからない場合は、メールアドレスを直接入力しても問題ありません。
アドレス帳から直接選択する方法
入力せずに、アドレス帳を開いて選ぶ方法もあります。
アドレス帳を開いて選択する
デスクトップ版Outlookの手順
- 新規メール作成画面を開く
- 「宛先」ボタンをクリック(文字欄ではなくボタン)
- アドレス帳が開く
- 連絡先を検索または一覧から選択
- 「宛先」「Cc」「Bcc」のいずれかをクリック
- 「OK」をクリック
この方法なら、入力ミスの心配がありませんね。
アドレス帳の表示設定
表示される連絡先の種類を切り替えられます。
表示切替の方法
- アドレス帳画面の上部「アドレス帳」ドロップダウンをクリック
- 表示したいアドレス帳を選択
- 連絡先 – 個人用の連絡先
- グローバルアドレス一覧 – 社内の全員(Exchange環境)
- すべてのアドレス一覧 – すべての連絡先を統合表示
必要に応じて表示を切り替えることで、目的の連絡先を素早く見つけられます。
アドレス帳での検索
大量の連絡先がある場合の検索方法です。
検索手順
- アドレス帳を開く
- 上部の検索ボックスに名前やアドレスを入力
- 候補が絞り込まれて表示される
- 該当する連絡先を選択
詳細検索の活用
- 「ツール」→「詳細検索」をクリック
- 検索条件を細かく指定
- 名前
- 会社名
- 部署
- 電話番号
- 「検索開始」をクリック
詳細検索を使えば、部署名や役職からも検索できますよ。
オートコンプリートリストの管理
過去に送信したアドレスが自動的に候補に出る機能です。
オートコンプリートとは
宛先欄に入力すると、過去に送信したアドレスが候補として表示される機能です。
特徴
- Outlookが自動的に学習して蓄積
- 連絡先に登録していなくても候補に出る
- 最大500件まで保存(バージョンによる)
- 使用頻度が高いものが優先表示される
便利な反面、古いアドレスや間違ったアドレスも残ってしまうことがあります。
不要な候補を削除する
間違ったアドレスや退職者のアドレスを削除する方法です。
個別削除の手順
- 宛先欄に名前やアドレスの一部を入力
- 削除したい候補が表示される
- 候補にマウスカーソルを合わせる
- 右側に表示される「×」をクリック
または
- 候補が表示された状態で
- 削除したい候補を矢印キーで選択
- Deleteキーを押す
これで選択した候補だけが削除されます。
オートコンプリートリストを完全にクリアする
すべての履歴を削除したい場合の方法です。
手順
- 「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」を選択
- 「メール」をクリック
- 「メッセージの送信」セクションを探す
- 「オートコンプリートのリストを空にする」をクリック
- 確認画面で「はい」をクリック
- 「OK」で設定を保存
これで過去の送信履歴がすべてクリアされ、まっさらな状態になります。
オートコンプリート機能を無効にする
この機能自体を使いたくない場合の設定です。
無効化の手順
- 「ファイル」→「オプション」→「メール」を開く
- 「メッセージの送信」セクションを確認
- 「宛先、CC、BCC行でオートコンプリートの候補を使用する」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
オフにすると、過去の送信履歴からの候補は表示されなくなります。連絡先からの候補は引き続き表示されますよ。
連絡先(アドレス帳)の作成と編集

自分専用のアドレス帳を管理する方法です。
新しい連絡先を追加する
基本的な追加手順
- 「ホーム」タブの「新しい連絡先」をクリック
- または画面下の「People」アイコンをクリック→「新しい連絡先」
- 連絡先情報を入力
- 氏名 – フルネーム
- 電子メール – メールアドレス
- 会社名 – 所属会社
- 役職 – 肩書き
- 電話番号 – 各種連絡先
- 「保存して閉じる」をクリック
受信メールから直接追加
- 追加したい人からのメールを開く
- 差出人を右クリック
- 「Outlookの連絡先に追加」を選択
- 必要に応じて情報を編集
- 保存
この方法が最も簡単で確実です。
連絡先の表示名を編集する
宛先候補に表示される名前を変更できます。
編集手順
- 「People」または「連絡先」を開く
- 編集したい連絡先をダブルクリック
- 「表示名」フィールドを編集
- 例:「山田太郎」→「山田太郎(営業部)」
- 「保存して閉じる」をクリック
表示名を工夫すると、同姓同名の人を区別しやすくなりますよ。
連絡先グループ(配布リスト)を作成する
複数の人に一括送信する際に便利です。
作成手順
- 「ホーム」タブの「新しい連絡先グループ」をクリック
- グループ名を入力(例:「営業部メンバー」)
- 「メンバーの追加」をクリック
- 「Outlookの連絡先から」または「新しい電子メール連絡先」を選択
- メンバーを追加
- 「保存して閉じる」をクリック
使い方
メールの宛先にグループ名を入力すると、メンバー全員が宛先に追加されます。
連絡先をインポート・エクスポートする
他のメールソフトや別のPCとの連絡先のやり取りです。
エクスポート(バックアップ)
- 「ファイル」→「開く/エクスポート」をクリック
- 「インポート/エクスポート」を選択
- 「ファイルにエクスポート」を選択
- 「Outlook データファイル(.pst)」または「カンマ区切り値」を選択
- 「連絡先」フォルダを選択
- 保存場所とファイル名を指定
インポート(復元)
- 「ファイル」→「開く/エクスポート」をクリック
- 「インポート/エクスポート」を選択
- 「他のプログラムまたはファイルからのインポート」を選択
- ファイル形式を選択
- インポートするファイルを指定
- 「連絡先」フォルダを選択
定期的にバックアップを取っておくと安心です。
グローバルアドレス一覧(GAL)の使い方
会社のExchange環境で利用できる社内名簿です。
GALとは
組織全体の連絡先が登録されている共有アドレス帳です。
特徴
- 会社の全従業員が登録されている
- IT部門が一元管理
- 個人では編集できない
- 自動的に最新情報に更新される
- 部署、役職、電話番号なども確認できる
Exchange ServerやMicrosoft 365を使っている会社で利用できます。
GALから連絡先を検索する
検索方法
- 宛先欄に名前を入力
- 社内の該当者が自動的に候補に表示される
- または「宛先」ボタン→「アドレス帳」でGALを開く
- 名前や部署で検索
GALは社内メールを送る際の主要な検索先になります。
GALのオフラインアドレス帳
ネットワークに接続していない時でも使える機能です。
オフラインアドレス帳の更新
- 「送受信」タブをクリック
- 「アドレス帳の送受信」を選択
- 「オフラインアドレス帳のダウンロード」をクリック
定期的に更新することで、最新の社員情報をオフラインでも参照できます。
GALの連絡先を個人の連絡先に追加する
よく連絡する社員を個人用アドレス帳に登録できます。
追加手順
- GALで該当者を見つける
- 連絡先を右クリック
- 「Outlookの連絡先に追加」を選択
- 必要に応じて情報を編集
- 保存
個人の連絡先に追加すると、検索の優先度が上がります。
トラブルシューティング:名前の確認でよくある問題
名前の確認機能がうまく動作しない時の対処法です。
Q. 「名前を確認できません」と表示される
原因と対処法
いくつかの原因が考えられます。
原因1:メールアドレスの入力ミス
- スペルを再確認
- 全角文字が混じっていないか確認
- 前後にスペースが入っていないか確認
原因2:連絡先に登録されていない
- メールアドレスを完全に入力する
- または新しい連絡先として登録
原因3:GALとの同期の問題(Exchange環境)
- 「送受信」タブをクリック
- 「すべてのフォルダーを送受信」を実行
- オフラインアドレス帳を更新
対処法まとめ
- 完全なメールアドレスを直接入力すれば、確認できなくても送信可能
- ただし、赤い波線が出ている場合は要注意
Q. 古い(退職した)社員が候補に出てくる
対処法:
オートコンプリートリストから削除しましょう。
- 該当する候補が表示された時に「×」で削除
- またはオートコンプリートリスト全体をクリア
GALに残っている場合は、IT部門に削除を依頼してください。
Q. 同じ名前の人が複数いてどれか分からない
対処法:
候補をクリックして詳細情報を確認しましょう。
確認すべき情報
- 完全なメールアドレス
- 所属部署
- 役職
- 連絡先カードの写真(設定されている場合)
予防策
- 連絡先の表示名に部署や役職を追加
- 例:「山田太郎(営業部)」「山田花子(経理部)」
表示名を工夫すると、区別しやすくなります。
Q. 候補が全く表示されない
原因と対処法
オートコンプリート機能がオフになっている可能性があります。
確認手順
- 「ファイル」→「オプション」→「メール」を開く
- 「宛先、CC、BCC行でオートコンプリートの候補を使用する」にチェックが入っているか確認
- チェックが外れていたら、チェックを入れる
- 「OK」をクリック
また、連絡先やGALが空の場合も候補は表示されません。
Q. Web版で名前の確認ができない
Web版の動作の違い
Outlook on the webでは、名前の確認の動作が少し異なります。
- 入力と同時に候補が自動表示される
- Ctrl + K での手動確認はできない
- 候補が出ない場合は、完全なメールアドレスを入力
Web版は自動補完がメインで、手動確認機能は限定的です。
Q. 連絡先を編集したのに古い情報が表示される
原因と対処法
オートコンプリートリストに古い情報が残っている可能性があります。
解決策
- オートコンプリートリストから該当候補を削除
- またはリスト全体をクリア
- Outlookを再起動
連絡先を更新しても、オートコンプリートには即座に反映されないことがあるんですね。
名前の確認を効率的に使うためのヒント
さらに便利に使うためのテクニックです。
ショートカットキーを活用する
素早く確認できるキーボード操作です。
便利なショートカット
- Ctrl + K – 名前の確認を手動実行
- Ctrl + Shift + B – アドレス帳を開く
- Tab – 候補を選択して次のフィールドへ移動
- ↓↑ – 候補リストを移動
- Delete – 候補リストの項目を削除
これらを覚えておくと、マウスを使わずに操作できます。
よく使う相手は連絡先に登録しておく
オートコンプリートだけに頼らず、連絡先登録がおすすめです。
連絡先登録のメリット
- 検索の優先度が高い
- メールアドレス以外の情報も保存できる
- デバイス間で同期される
- オートコンプリートリストをクリアしても消えない
特に重要な取引先や上司は、必ず連絡先に登録しましょう。
表示名を分かりやすくする
連絡先の表示名を工夫することで、選択ミスを防げます。
おすすめの命名ルール
- 「山田太郎(○○株式会社)」
- 「佐藤花子【営業部】」
- 「鈴木一郎 – プロジェクトマネージャー」
会社名や部署、役職を含めると、同姓同名の人を区別しやすくなりますよ。
配布リストを活用する
同じメンバーに頻繁に送る場合は、グループ化が便利です。
活用例
- 「プロジェクトAメンバー」
- 「営業部全員」
- 「取締役会」
グループ名を入力するだけで、複数の宛先を一度に指定できます。
まとめ:名前の確認機能を使いこなして効率的なメール作成を
Outlookの「名前の確認」機能について解説してきました。
この記事のポイント:
- 名前の確認は、入力した名前やアドレスを連絡先と照合する機能
- オートコンプリート、個人の連絡先、GALから候補が表示される
- Ctrl + K で手動確認、候補をDeleteキーで個別削除できる
- 複数候補がある場合は、メールアドレスを確認して選択
- 連絡先に登録すると検索の優先度が上がる
- オートコンプリートリストは定期的にクリアするのがおすすめ
- 表示名を工夫すると、同姓同名の人を区別しやすい
- 配布リストで複数の宛先をまとめて管理できる
名前の確認機能を正しく理解して使いこなせば、メール作成の効率が大幅に向上します。特に大量のメールを扱う場合、ショートカットキーと連絡先管理を組み合わせることで、作業時間を大きく短縮できますよ。
定期的に連絡先やオートコンプリートリストを整理して、快適なメール環境を維持しましょう!


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