「取引先にメールしたはずなのに返事が来ない」「自分宛てのメールが受信トレイに入ってこない」そんなトラブルに遭遇したことはありませんか?
メールが届かない原因は実に様々です。送信者側の問題、受信者側の問題、サーバーの問題など、複数の要因が絡み合っていることもあります。原因を特定できないと、重要な連絡を見逃してしまうリスクもあるんですよね。
この記事では、Outlookでメールが届かない時の原因と、それぞれの解決方法を分かりやすく解説していきます。
メールが届かない原因は大きく3つに分けられる

まずは問題の全体像を把握しましょう。
送信者側の問題
メールを送る側に原因がある場合です。
主な原因
- メールアドレスの入力ミス
- 添付ファイルのサイズが大きすぎる
- 送信済みアイテムに残っているが実際は送信失敗
- インターネット接続の問題
- 送信サーバー(SMTP)の設定ミス
送信者本人は「送ったつもり」でも、実際には送信されていないケースがあります。
受信者側の問題
メールを受け取る側に原因がある場合です。
主な原因
- 迷惑メールフォルダに振り分けられている
- メールボックスの容量がいっぱい
- 受信拒否設定やフィルタルール
- 受信サーバー(POP/IMAP)の設定ミス
- 特定のドメインやアドレスをブロック
受信トレイには届いていないけど、実は別の場所に入っているパターンですね。
サーバー・ネットワークの問題
送信者と受信者の間にある問題です。
主な原因
- メールサーバーの一時的な障害
- スパムフィルターによる自動ブロック
- ドメインの評判(レピュテーション)が低い
- メールの認証(SPF、DKIM、DMARC)の失敗
- ネットワークの接続不良
これらは個人では解決が難しい場合もあります。
【受信側】届いているはずのメールが見つからない時の確認手順
相手は送ったと言っているのに、自分の受信トレイに見当たらない場合の対処法です。
手順1:迷惑メールフォルダを確認する
最も多いパターンです。
確認方法
- 左側のフォルダ一覧で「迷惑メール」フォルダをクリック
- 探しているメールがないか確認
- あった場合は、メールを右クリック
- 「迷惑メールではない」を選択
- 受信トレイに移動される
今後の対策
- 差出人を右クリック
- 「Outlookのアイテム」→「差出人を信頼できる差出人リストに追加」を選択
これで次回から受信トレイに届くようになります。
手順2:削除済みアイテムを確認する
誤って削除している可能性もあります。
確認方法
- 「削除済みアイテム」フォルダを開く
- 該当するメールを探す
- 見つかったら、受信トレイにドラッグ&ドロップ
完全削除の確認(Exchangeの場合)
- 「フォルダー」タブをクリック
- 「削除済みアイテムを復元」をクリック
- 完全に削除したアイテムも復元できる可能性がある
30日以内なら復元できることが多いですよ。
手順3:すべてのフォルダを検索する
自動仕分けルールで別のフォルダに移動している可能性があります。
検索方法
- 画面上部の検索ボックスをクリック
- 差出人のメールアドレスや件名の一部を入力
- 「すべてのメールボックス」または「すべてのフォルダー」を選択
- 検索を実行
フィルター機能の活用
- 検索結果が表示されたら「検索ツール」タブを確認
- 「送信者」「件名」「日付」などで絞り込み
検索範囲を広げることで、意外なフォルダに入っているメールを見つけられます。
手順4:受信トレイの表示設定を確認する
ビューの設定で特定のメールが非表示になっている場合があります。
確認方法
- 「表示」タブをクリック
- 「ビューの変更」を確認
- 「すべて」または「未読」など、フィルターがかかっていないか確認
- 「ビューのリセット」を試す
フィルタリングがかかっていると、条件に合わないメールは表示されません。
手順5:メールボックスの容量を確認する
容量がいっぱいだと新しいメールを受信できません。
容量確認方法(Microsoft 365の場合)
- 画面右下の「フォルダー」を確認
- または「ファイル」→「情報」→「アカウント設定」
- メールボックスの使用状況が表示される
容量を空ける方法
- 不要なメールを削除
- 大きな添付ファイル付きメールを削除
- 「削除済みアイテム」フォルダを空にする
- 古いメールをアーカイブ
容量制限に達すると、新しいメールは自動的に差し戻されます。
【送信側】送信したメールが相手に届いていない時の確認手順
自分が送ったメールが相手に届かない場合の対処法です。
手順1:送信済みアイテムを確認する
本当に送信されているか確認しましょう。
確認ポイント
- 「送信済みアイテム」フォルダを開く
- 該当するメールがあるか確認
- メールを開いて送信日時を確認
送信トレイに残っている場合
- 「送信トレイ」フォルダを確認
- メールが残っていたら、送信に失敗している
- メールを開いて再送信を試みる
送信トレイにメールが残っているなら、実際には送信されていません。
手順2:エラーメッセージを確認する
送信失敗時は、通常エラーメールが届きます。
エラーメールの例
- 件名:「Undeliverable(配信不能)」
- 件名:「Delivery Status Notification(配信状態通知)」
- 件名:「Mail Delivery Failed(メール配信失敗)」
エラーメッセージの読み方
- 550 5.1.1 User unknown – 宛先のメールアドレスが存在しない
- 552 5.2.2 Mailbox full – 相手のメールボックスが容量オーバー
- 554 5.7.1 Rejected – スパムと判定されてブロックされた
- 552 5.3.4 Message too big – 添付ファイルのサイズが大きすぎる
エラーコードを確認すると、原因が分かりますよ。
手順3:メールアドレスの入力ミスを確認する
意外と多い原因です。
よくある入力ミス
- @の前後のスペル間違い
- 「.」(ドット)と「,」(カンマ)の入力ミス
- 全角と半角の混在
- コピー&ペーストで余分なスペースが入る
確認方法
- 送信済みアイテムからメールを開く
- 宛先のメールアドレスを文字単位で確認
- 正しいアドレスと照合
特に手入力の場合は、念入りにチェックしましょう。
手順4:添付ファイルのサイズを確認する
大きすぎる添付ファイルは送信できません。
サイズ制限の目安
- Outlook.com:20MBまで
- Microsoft 365:25MBまで(デフォルト)
- 受信側のサーバー:10MB〜25MB程度
対処法
- ファイルを圧縮する
- ファイルを分割して複数回に分けて送る
- OneDriveやGoogleドライブで共有リンクを送る
大容量ファイルはクラウド共有が推奨されます。
手順5:インターネット接続を確認する
ネットワークの問題で送信できていない可能性もあります。
確認方法
- ブラウザで任意のWebサイトが開けるか確認
- Outlookで「送受信」を手動で実行
- 「ファイル」→「情報」→「アカウント設定」で接続状態を確認
オフライン作業モードになっていないか確認
- 「送受信」タブをクリック
- 「オフライン作業」のボタンを確認
- オンになっていたらクリックして解除
オフラインモードだと、送信トレイに溜まったまま送信されません。
特定の相手とだけメールのやり取りができない場合

一部の人とだけ問題が起きる場合の対処法です。
相手のメールアドレスがブロックされていないか確認
確認方法
- 「ホーム」タブの「迷惑メール」をクリック
- 「迷惑メールのオプション」を選択
- 「受信拒否リスト」タブを確認
- 該当するアドレスやドメインがあれば削除
誤ってブロックリストに追加している可能性があります。
受信ルールを確認する
自動仕分けルールで削除や移動されている可能性があります。
確認手順
- 「ファイル」→「仕様と規則の管理」を開く
- 設定されているルールを一つずつ確認
- 問題のアドレスやドメインに該当するルールがないか確認
- 不要なルールは削除または無効化
特に注意すべきルール
- 「完全に削除する」アクション
- 「指定のフォルダーへ移動する」アクション
- 「迷惑メールフォルダへ移動する」アクション
意図しないルールが設定されていることもあるので要注意です。
相手のドメインが信頼できる差出人に登録されているか確認
登録方法
- 相手からのメールを右クリック
- 「迷惑メール」→「差出人のドメインを信頼できる差出人リストに追加」を選択
ドメイン全体(例:@example.com)を登録すると、そのドメインからのすべてのメールが受信トレイに届きます。
相手側のサーバー設定を確認してもらう
受信できない場合、相手に確認してもらうべき項目です。
相手に依頼する確認内容
- SPFレコードが正しく設定されているか
- DMARCポリシーが適切か
- 送信サーバーのIPアドレスがブラックリストに載っていないか
- 送信ドメインの評判が低下していないか
これらは主に企業のIT部門が管理している設定です。
Microsoft 365・Exchangeサーバー特有の問題
会社のOutlookで起こりやすい問題です。
配信不能レポート(NDR)の確認
Exchange環境では、詳細なエラー情報が提供されます。
NDRの見方
- エラーメールを開く
- 「Diagnostic information for administrators」セクションを確認
- エラーコードと説明を読む
主なエラーコードと意味
- 5.1.1 – 受信者のメールアドレスが存在しない
- 5.2.1 – メールボックスが無効または削除されている
- 5.2.2 – メールボックスの容量超過
- 5.7.1 – アクセス拒否、認証の問題
- 5.7.606 – 送信が制限されている
IT部門に問い合わせる際は、このエラーコードを伝えると早く解決できます。
送信制限の確認
組織の管理者が送信制限を設定している場合があります。
制限の種類
- 1日あたりの送信数制限
- 1通あたりの宛先数制限
- 外部ドメインへの送信制限
- 添付ファイルサイズの制限
確認方法
IT部門に問い合わせて、自分のアカウントに制限がかかっていないか確認しましょう。
検疫済みメッセージの確認
Microsoft 365のスパムフィルターで隔離されている可能性があります。
確認方法(Microsoft 365管理センター)
- Office 365 Security & Compliance Centerにアクセス
- 「脅威の管理」→「レビュー」→「検疫」を開く
- 自分宛てに届いたはずのメールがないか確認
- あれば「リリース」をクリック
一般ユーザーでもアクセスできる場合がありますが、権限がない場合はIT部門に依頼してください。
Web版とデスクトップ版で同期がずれている場合
複数のデバイスで使用している時の問題です。
同期の状態を確認する
デスクトップ版の確認
- 画面下部のステータスバーを確認
- 「送受信」タブで「すべてのフォルダーを送受信」をクリック
- エラーが表示されないか確認
Web版の確認
- ブラウザを更新(F5キー)
- 「すべて同期」をクリック
両方で確認することで、どちらに問題があるか特定できます。
アカウントの再設定
同期が完全に壊れている場合は、再設定が必要です。
手順
- 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」を開く
- 該当するアカウントを選択
- 「削除」をクリック
- 「新規」で再度アカウントを追加
注意点
- POP3アカウントの場合、ローカルのメールが削除される可能性あり
- 再設定前にバックアップを取る
- IMAPやExchangeアカウントはサーバー上のデータが残るので安全
キャッシュモードの問題
Exchangeアカウントでキャッシュモードを使用している場合です。
キャッシュのクリア
- Outlookを閉じる
- Windowsキー + R を押す
- 「%localappdata%\Microsoft\Outlook」と入力
- 拡張子が「.ost」のファイルを削除
- Outlookを再起動
新しいキャッシュファイルが自動的に作成され、同期が修復されます。
スマートフォンアプリで届かない場合
モバイルデバイス特有の問題です。
プッシュ通知の設定を確認
iOS(iPhone・iPad)
- 「設定」アプリを開く
- 「通知」→「Outlook」を選択
- 「通知を許可」がオンになっているか確認
- 通知スタイルを設定
Android
- 「設定」→「アプリと通知」を開く
- 「Outlook」を選択
- 「通知」がオンになっているか確認
通知がオフだと、メールが届いても気づけません。
バックグラウンド更新の確認
iOS
- 「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」を開く
- 「Outlook」がオンになっているか確認
Android
- 「設定」→「アプリ」→「Outlook」を開く
- 「バッテリー」を選択
- 「バックグラウンド制限」がオフになっているか確認
バックグラウンド更新がオフだと、アプリを開かない限りメールを受信できません。
アプリの再インストール
設定を確認しても解決しない場合は、アプリの再インストールを試してください。
手順
- Outlookアプリをアンインストール
- デバイスを再起動
- App StoreまたはGoogle PlayからOutlookを再インストール
- アカウントを再設定
データはサーバー側に保存されているので、再インストールしても消えません。
それでも解決しない時の最終手段
上記の方法で解決しない場合の対処法です。
IT部門やサポートに問い合わせる
問い合わせ前に準備する情報
- 具体的な症状(送信できない、受信できない)
- 発生した日時
- 相手のメールアドレスやドメイン
- エラーメッセージの全文
- 試した対処法
詳細な情報を伝えることで、迅速に解決できます。
Microsoftサポートに連絡する
個人アカウントの場合は、Microsoftのサポートを利用できます。
サポートへのアクセス方法
- Microsoftサポートのウェブサイトにアクセス
- 「Outlook」を選択
- 問題の詳細を入力
- チャットまたは電話でサポートを受ける
Microsoft 365の有料プランなら、優先的なサポートを受けられます。
一時的な代替手段を使う
メールが復旧するまでの応急処置です。
代替連絡手段
- 別のメールアドレスを使用(Gmailなど)
- 電話やSMSで連絡
- ビジネスチャット(Teams、Slackなど)
- 相手に別のメールアドレスを教えてもらう
重要な連絡が滞らないよう、複数の連絡手段を持っておくと安心です。
メールが届かない問題を予防する方法
トラブルを未然に防ぐための対策です。
定期的なメールボックスの整理
容量問題を防ぐための習慣です。
整理のポイント
- 月に1回、不要なメールを削除
- 大きな添付ファイル付きメールをチェック
- 古いメールをアーカイブフォルダに移動
- 「削除済みアイテム」を定期的に空にする
容量を常に余裕のある状態に保ちましょう。
テストメールを送る習慣
重要なメールの前に、テスト送信をする習慣です。
テスト送信の方法
- 自分宛てにテストメールを送る
- 正しく届くか確認
- 問題なければ本番のメールを送信
特に新しい取引先や初めて連絡する相手には有効です。
複数の連絡手段を用意しておく
メールだけに頼らない体制を作ります。
おすすめの組み合わせ
- 主要連絡:Outlookメール
- 予備連絡:個人のGmailアカウント
- 緊急連絡:電話番号
- 社内連絡:Teams、Slackなどのチャットツール
一つの手段が使えなくても、他で連絡できる体制が理想的です。
重要なメールには開封確認を付ける
相手が確実に受け取ったか確認できます。
開封確認の設定
- メール作成画面で「オプション」タブをクリック
- 「開封確認を要求」にチェック
- メールを送信
相手が開封すると通知が届くので、届いたかどうか確認できますよ。
まとめ:メールが届かない時は冷静に原因を特定しよう
Outlookでメールが届かない問題について解説してきました。
この記事のポイント:
- メールが届かない原因は送信側・受信側・サーバー側の3つに大別される
- 受信できない場合は、まず迷惑メールフォルダと削除済みアイテムを確認
- 送信できない場合は、送信済みアイテムとエラーメールを確認
- メールアドレスの入力ミスと添付ファイルサイズは特に多い原因
- 受信ルールやブロックリストの設定も要確認
- モバイルアプリは通知とバックグラウンド更新の設定をチェック
- 解決しない場合はIT部門やMicrosoftサポートに相談
- 定期的なメールボックス整理と複数の連絡手段で予防
メールが届かないトラブルは、一つずつ原因を切り分けていけば、ほとんどの場合解決できます。焦らずに、この記事で紹介した手順を順番に試してみてください。
どうしても解決しない場合は、一時的に別の連絡手段を使いながら、専門家のサポートを受けることも検討しましょう。確実なメールのやり取りができる環境を整えて、安心して仕事を進めてくださいね!


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