「Outlookでオンライン状態を表示したいのに、設定がグレーアウトで変更できない」「プレゼンス情報が表示されない」そんな問題に困っていませんか?
Outlookの「名前の横にオンライン状態を表示する」という設定は、Microsoft TeamsやSkype for Businessとの連携で、相手の在席状況を確認できる便利な機能です。しかし、様々な理由でこの設定がグレーアウト(灰色)になり、変更できないことがあります。
今回は、この設定がグレーアウトする原因から、具体的な解決方法、関連する設定まで詳しく解説します。この記事を読めば、オンライン状態表示の問題を解決して、快適にOutlookを使えるようになりますよ!
オンライン状態表示とは

プレゼンス情報の概要
在席状況を視覚的に確認できます。
「オンライン状態」は、正式には「プレゼンス情報」と呼ばれます。これは、連絡先やメールの差出人の現在の状態を、色付きのアイコンで表示する機能です。
表示される状態の例
- 🟢 連絡可能(緑)
- 🟡 退席中(黄色)
- 🔴 取り込み中(赤)
- 🔴 応答不可(赤)
- ⚫ オフライン(灰色)
- 🟣 プレゼンテーション中(紫)
一目で相手の状態がわかります。
どこに表示されるか
複数の場所で確認できます。
表示場所
- メール一覧の差出人名の横
- メール本文の差出人名の横
- 連絡先カードの写真の横
- 会議出席者リストの名前の横
- 閲覧ウィンドウのヘッダー
様々な場所で活用できる機能です。
連携するサービス
他のアプリと連動します。
連携サービス
- Microsoft Teams(主要)
- Skype for Business(レガシー)
- Lync(旧バージョン)
現在はMicrosoft Teamsが主流です。
ビジネスでのメリット
効率的なコミュニケーションに役立ちます。
メリット
- 相手が対応可能か事前確認できる
- 緊急時に連絡可能な人を素早く特定
- 無駄な連絡を減らせる
- 会議中や離席中を避けられる
- チームの状況を把握しやすい
特にリモートワークで重宝します。
グレーアウトする主な原因
Microsoft Teamsがインストールされていない
最も一般的な原因です。
現在のOutlookでは、プレゼンス情報の表示にMicrosoft Teamsが必要です。Teamsがインストールされていないと、この設定は自動的にグレーアウトされます。
確認方法
- スタートメニューを開く
- 「Teams」で検索
- アプリが表示されるか確認
なければインストールが必要です。
Teamsにサインインしていない
インストールだけでは不十分です。
Teamsがインストールされていても、サインインしていないと機能しません。Outlookと同じアカウントでTeamsにサインインする必要があります。
確認方法
- Teamsを起動
- サインイン状態を確認
- Outlookと同じアカウントか確認
アカウントが一致していることが重要です。
組織のポリシーで無効化されている
管理者による制限です。
企業や組織によっては、セキュリティやプライバシーの理由で、プレゼンス情報の表示を管理者が無効化していることがあります。この場合、個人では設定を変更できません。
確認方法
- IT部門に問い合わせる
- 同僚も同じ問題か確認する
- 会社のポリシー文書を確認
アカウントの種類の問題
特定のアカウントでは使えません。
対応アカウント
- Microsoft 365(職場・学校アカウント)✓
- Exchange Onlineアカウント ✓
非対応アカウント
- Outlook.com(個人アカウント)✗
- Gmail、Yahoo!などのPOP3/IMAP ✗
- 古いExchangeバージョン ✗
ビジネスアカウントが前提です。
Outlookのバージョンが古い
更新が必要な場合があります。
古いバージョンのOutlookでは、この機能が完全にサポートされていないことがあります。
必要なバージョン
- Outlook 2016以降(推奨:Microsoft 365版)
- 最新のアップデート適用済み
確認して更新しましょう。
Skype for Businessとの競合
古いサービスが残っている場合です。
Skype for BusinessとTeamsが両方インストールされていると、競合して正常に動作しないことがあります。
確認事項
- Skype for Businessがインストールされているか
- どちらのサービスを使うべきか
- 組織の移行状況
Windows版Outlookでの解決方法

方法1:Microsoft Teamsをインストール
最も基本的な対処です。
インストール手順
- Microsoft Teams公式サイトにアクセス
(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams) - 「Teamsを無料で入手」または「ダウンロード」をクリック
- インストーラーをダウンロード
- 実行してインストール
- インストール完了後、PCを再起動
サインイン
- Teamsを起動
- Outlookと同じアカウントでサインイン
- 正常にサインインできたことを確認
これで設定が有効になるはずです。
方法2:設定を確認・有効化
Teamsインストール後の確認です。
Outlook設定の確認
- Outlookを起動
- 「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」を選択
- 「ユーザー」または「連絡先」を選択
- 「オンライン状態とフォト」セクションを確認
- 「名前の横にオンライン状態を表示する」にチェック
- 「OK」をクリック
グレーアウトが解除されているはずです。
方法3:Outlookを再起動
シンプルですが効果的です。
完全再起動の手順
- すべてのOutlookウィンドウを閉じる
- タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
- 「プロセス」タブで「Outlook」を探す
- 残っていれば「タスクの終了」
- 「Microsoft Office Click-to-Run」も確認
- 数秒待つ
- Outlookを再起動
設定が反映されることがあります。
方法4:PCを再起動
完全なリセットです。
TeamsとOutlookの連携は、システムレベルで動作します。PC再起動により、すべてのサービスが正しく起動し、連携が確立されることがあります。
手順
- 作業中のファイルを保存
- Teamsを終了
- Outlookを終了
- PCを再起動
- 起動後、まずTeamsを起動してサインイン
- 次にOutlookを起動
- 設定を確認
順番も重要です。
方法5:Teamsのキャッシュをクリア
一時ファイルの問題を解決します。
キャッシュクリア手順
- Teamsを完全に終了
- Windows + R キーを押す
- 以下を入力してEnter:
%appdata%\Microsoft\Teams
- 以下のフォルダを削除:
- Cache
- blob_storage
- databases
- GPUcache
- IndexedDB
- Local Storage
- tmp
- PCを再起動
- Teamsを起動してサインイン
新しいキャッシュが作成されます。
方法6:レジストリ設定を確認(上級者向け)
詳細設定の確認です。
警告:レジストリ編集は慎重に行ってください
手順
- Windows + R キーを押す
- 「regedit」と入力してEnter
- 以下の場所に移動:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\IM
(16.0はOfficeバージョンによって異なる)
- 右側で「TurnOffPresenceIntegration」を探す
- 値が「1」なら「0」に変更
- Outlookを再起動
注意
この設定は管理者ポリシーで上書きされることがあります。
管理者ポリシーによる制限の対処
企業ポリシーの確認
制限されているか確認します。
確認方法
- IT部門に問い合わせる
- 「プレゼンス情報の表示が無効化されているか」確認
- 有効化が可能か相談
個人では変更できない場合があります。
管理者への依頼内容
適切な依頼方法です。
依頼すべき内容
- プレゼンス表示を有効化してほしい
- ビジネス上の必要性を説明
- セキュリティ上の懸念があれば代替案を提案
依頼メールの例
件名:Outlookのプレゼンス情報表示の有効化依頼
お世話になっております。
現在、Outlookで「名前の横にオンライン状態を表示する」
設定がグレーアウトしており、変更できない状況です。
この機能は、チームメンバーの在席状況を確認し、
効率的なコミュニケーションを行うために必要です。
組織のポリシーで制限されている場合、
有効化をご検討いただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
グループポリシーの確認(IT管理者向け)
管理者が確認すべき設定です。
確認場所
- グループポリシー管理コンソールを開く
- 該当するOUを選択
- 「ユーザーの構成」→「ポリシー」→「管理用テンプレート」
- 「Microsoft Outlook 2016」→「その他」
- 「オンライン状態の情報を無効にする」ポリシーを確認
設定変更
- 「未構成」または「無効」に設定
- グループポリシーを更新(gpupdate /force)
Exchange管理センターでの設定
サーバー側の設定です。
管理者が確認すべき項目
- Microsoft 365管理センターにアクセス
- Exchange管理センターを開く
- プライバシー設定を確認
- プレゼンス情報の共有設定を確認
組織全体の設定に影響します。
Mac版Outlookでの対処
Mac版の特徴と制限
Windows版と少し違います。
Mac版Outlookでも、プレゼンス情報の表示は可能ですが、設定場所が異なります。
必要なもの
- Mac版Microsoft Teams
- Outlookと同じアカウントでサインイン
- Microsoft 365アカウント
Mac版での設定方法
Macでの手順です。
設定確認
- Outlookを開く
- メニューバーから「Outlook」→「環境設定」
- 「個人用設定」セクションの「全般」を選択
- 「プレゼンス情報を表示する」にチェック
- 環境設定を閉じる
Teamsのインストール
- App StoreまたはTeams公式サイトからダウンロード
- インストール
- サインイン
Mac版でのトラブルシューティング
問題が起きた時の対処です。
対処手順
- TeamsとOutlookを完全に終了
- Macを再起動
- まずTeamsを起動してサインイン
- 次にOutlookを起動
- 設定を確認
キャッシュのクリア
- Finderを開く
- メニューバー「移動」→「フォルダへ移動」
- 以下を入力:
~/Library/Group Containers/UBF8T346G9.Office/Outlook/Outlook 15 Profiles/
- 一時ファイルを削除
- 再起動
Outlook on the webでの状況

Web版でのプレゼンス表示
ブラウザ版の仕様です。
Outlook on the webでは、通常この設定は存在せず、自動的にプレゼンス情報が表示されます。Teamsと統合されているため、特別な設定は不要です。
表示される場所
- メール一覧の差出人名の横
- メール本文の差出人名
- 連絡先カード
Web版で表示されない場合
トラブル時の確認です。
確認事項
- Microsoft 365アカウントでログインしているか
- Teamsにもサインインしているか
- ブラウザのキャッシュをクリア
- 別のブラウザで試す
キャッシュクリア(Chrome/Edge)
- Ctrl + Shift + Delete
- 「キャッシュされた画像とファイル」を選択
- 「データを削除」
- ブラウザを再起動
モバイル版での状況
iOS/Android版Outlook
スマホアプリの仕様です。
モバイル版Outlookでは、プレゼンス情報の表示が制限されています。
表示される場所
- 連絡先詳細画面
- 一部のメール画面
制限
- デスクトップ版ほど広範囲に表示されない
- 設定項目が存在しない
- Teamsアプリとの連携が必要
モバイルでの設定
特別な設定は不要です。
必要なこと
- Teamsアプリをインストール
- 同じアカウントでサインイン
- バックグラウンドでの実行を許可
自動的に連携されます。
よくある質問
Q1: Teamsをインストールしたのにまだグレーアウト
A: 再起動とサインイン確認が必要です。
対処手順
- PCを再起動
- Teamsを起動してサインイン確認
- Outlookを起動
- 数分待つ(連携に時間がかかることも)
- それでもダメなら、Teamsキャッシュをクリア
Q2: 会社のPCだけグレーアウト、自宅は正常
A: 組織ポリシーの可能性が高いです。
対処法
- IT部門に確認
- 会社のポリシーで制限されている可能性
- 個人では変更できない場合が多い
業務上必要なら、正式に依頼しましょう。
Q3: 一部の連絡先だけ表示されない
A: 相手側の設定やアカウントの問題です。
原因
- 相手がTeamsを使っていない
- 相手がプレゼンス情報を非公開に設定
- 外部ドメインのユーザー
- 連絡先情報が古い
こちらでは対処できません。
Q4: Skype for Businessが残っている場合は?
A: Teamsへの移行を推奨します。
推奨手順
- Teamsをインストール
- Skype for Businessを段階的に廃止
- 組織の移行計画を確認
移行期間中
- 両方とも動作する設定にする
- IT部門の指示に従う
Q5: プライバシーが心配
A: 表示範囲を制限できます。
Teams側での設定
- Teamsを開く
- プロフィール写真→「設定」
- 「プライバシー」
- プレゼンス情報の共有範囲を設定
組織内のみなど、制限可能です。
プレゼンス情報の詳細設定
Teams側での設定
連携の中心はTeamsです。
状態の手動変更
- Teamsを開く
- 右上のプロフィール写真をクリック
- 状態を選択:
- 連絡可能
- 取り込み中
- 応答不可
- 退席中
- オフラインとして表示
自動ステータス
- 会議中:自動で「取り込み中」
- 画面共有中:「プレゼンテーション中」
- 一定時間操作なし:「退席中」
プライバシー設定
情報の公開範囲を管理します。
Teams設定
- 設定→「プライバシー」
- 以下を設定:
- 誰が自分のプレゼンス情報を見られるか
- 最終アクティブ時刻を表示するか
- 既読確認を表示するか
細かく制御できます。
Outlook側の追加設定
表示方法のカスタマイズです。
オプション設定
- ファイル→オプション→連絡先
- 「オンライン状態とフォト」セクション
- 以下を設定:
- 連絡先カードに写真を表示
- プレゼンス アイコンを表示
- アニメーションを有効化
好みに応じて調整しましょう。
トラブルシューティング
プレゼンス情報が正しく更新されない
同期の問題です。
対処法
- Teamsで手動で状態を変更してみる
- Teamsをサインアウト→サインイン
- Outlookを再起動
- ネットワーク接続を確認
確認ポイント
- Teamsがバックグラウンドで動作しているか
- インターネット接続は安定しているか
「組織外」と表示される
外部ユーザーの扱いです。
原因
- 異なる組織のMicrosoft 365アカウント
- ゲストユーザー
- フェデレーション設定
対処
特に問題ありません。外部ユーザーであることの表示です。
エラーメッセージが出る
具体的なエラーへの対応です。
「プレゼンス情報を読み込めません」
- Teamsの接続確認
- アカウント認証の再確認
- Outlookを再起動
「この機能を使用できません」
- アカウントの種類確認
- ライセンス確認
- 管理者ポリシー確認
まとめ:段階的に確認して解決しよう
「名前の横にオンライン状態を表示する」設定がグレーアウトする問題は、ほとんどの場合Microsoft Teamsのインストールとサインインで解決します。
解決の優先順位
ステップ1:基本確認(5分)
- Microsoft Teamsがインストールされているか
- Teamsにサインインしているか
- Outlookと同じアカウントか
↓ 解決しない場合
ステップ2:再起動(10分)
- PC再起動
- Teams→Outlookの順に起動
- 設定を確認
↓ 解決しない場合
ステップ3:キャッシュクリア(15分)
- Teamsキャッシュを削除
- PC再起動
- 再設定
↓ 解決しない場合
ステップ4:ポリシー確認(IT部門)
- 管理者に問い合わせ
- 組織ポリシーを確認
- 必要なら有効化を依頼
多くの場合、ステップ1と2で解決します。
個人アカウント(Outlook.com)や外部メールアカウントでは、この機能は使えないことを理解しておきましょう。ビジネスアカウント(Microsoft 365)が前提の機能です。
会社のPCで解決しない場合は、組織のポリシーによる制限の可能性が高いので、IT部門に相談するのが最も確実です。
この記事を参考に、プレゼンス情報を活用して、より効率的なコミュニケーションを実現してくださいね!


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