「新しいPCを買ったけど、Steamのゲームはどうすればいい?」
「別のPCでも同じアカウントでゲームを遊べる?」
「ゲームを全部ダウンロードし直すのは面倒すぎる…」
PCを買い替えたり、複数のPCを使い分けたりする時、こんな疑問が出てきますよね。
実は、Steamのゲームやデータは簡単に別のPCに移行できるんです。アカウントさえあれば、どのPCでも購入したゲームを遊べますし、セーブデータも引き継げます。
この記事では、Steamを別のPCで使う方法を分かりやすく解説します。ゲームデータの移行方法から、複数PC環境での使い方まで、あなたの状況に合った最適な方法が見つかるはずです。
Steamは別のPCでも使える?基本ルール

まず知っておきたい重要なポイントを確認しましょう。
Steamアカウントはどこでも使える
Steamで購入したゲームは、あなたのアカウントに紐付いています。
つまり:
- どのPCでもログインすれば購入済みゲームが遊べる
- ゲーム本体を買い直す必要はない
- アカウント情報さえあれば、何度でも再インストール可能
同時プレイには制限がある
便利な反面、ルールもあります。
重要な制限:
- 1つのアカウントで同時に複数のPCでゲームをプレイすることはできない
- 別のPCでゲームを起動すると、他のPCでは強制終了される
- ただし、オフラインモードなら例外あり
セーブデータはどうなる?
これは少し複雑です。
Steamクラウド対応ゲーム:
- セーブデータが自動的にクラウドに保存される
- 別のPCでも自動的に同期される
- 何もしなくても続きから遊べる
Steamクラウド非対応ゲーム:
- セーブデータは各PC内に保存される
- 手動でファイルをコピーする必要がある
- ゲームによって保存場所が異なる
【方法1】新しいPCでSteamにログインするだけ
最もシンプルな方法は、新しいPCでSteamをインストールしてログインすることです。
手順
- 新しいPCで公式サイト(steampowered.com)にアクセス
- 「Steamをインストール」をクリック
- ダウンロードしたインストーラーを実行
- インストールが完了したらSteamを起動
- 既存のアカウント情報でログイン
- ユーザー名またはメールアドレス
- パスワード
- Steam Guard(二段階認証)の確認コードを入力
- ログイン完了!
ゲームの再ダウンロード
ログイン後、ライブラリに購入済みゲームが全て表示されます。
遊びたいゲームを選んで「インストール」をクリックすれば、ダウンロードが始まります。
メリット
- 手順が超簡単
- 最新版のゲームがダウンロードされる
- Steamクラウド対応ゲームならセーブデータも自動同期
デメリット
- 全てのゲームを再ダウンロードする必要がある
- 大型ゲームは数十GB~100GB超えもあるため時間がかかる
- 通信量が膨大になる
この方法は、ゲーム数が少ない人や、高速なネット回線がある人におすすめです。
【方法2】Steamのバックアップ&復元機能を使う
大量のゲームがある場合、Steamの公式バックアップ機能が便利です。
バックアップの手順(古いPC)
- Steamクライアントを開く
- 左上の「Steam」→「ゲームのバックアップと復元」を選択
- 「現在インストールされているプログラムをバックアップする」を選ぶ
- バックアップしたいゲームを選択
- 複数選択可能
- Ctrlキーを押しながらクリックで複数選択
- バックアップ先を指定
- 外付けHDD
- USBメモリ
- ネットワークドライブ
- 必要に応じてDVDサイズに分割(光学メディアに保存する場合)
- 「次へ」をクリックしてバックアップ開始
復元の手順(新しいPC)
- 新しいPCにSteamをインストールしてログイン
- 「Steam」→「ゲームのバックアップと復元」
- 「以前のバックアップからプログラムを復元する」を選択
- バックアップファイルがある場所を指定
- 復元したいゲームを選択
- インストール先を指定
- 「次へ」で復元開始
メリット
- Steamの公式機能なので確実
- 複数のゲームを一括バックアップできる
- ネット回線を使わずに移行できる
デメリット
- バックアップ&復元に時間がかかる
- 外付けHDDなどの記憶媒体が必要
- 1ゲームずつしか復元できない(一括復元は不可)
大容量の外付けHDDがあり、ネット回線が遅い環境にいる人に最適な方法です。
【方法3】ゲームフォルダを直接コピーする
上級者向けですが、最も速い方法はゲームフォルダを直接コピーすることです。
手順
- 古いPCでSteamのゲームフォルダを開く
通常の場所:C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common - 移行したいゲームのフォルダをコピー
- 外付けHDDやネットワーク経由で新しいPCに転送
- 新しいPCの同じ場所にペースト
新しいPCの場所:C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common - Steamを起動
- ライブラリでゲームを見つける
- 「インストール」をクリック
- Steamがファイルを検出して「既存のファイルを使用」と表示される
- 確認作業が完了すれば、すぐにプレイ可能
注意点
この方法では、以下のファイルもコピーする必要があります:
steamappsフォルダ内の.acfファイル
- 各ゲームの情報ファイル
- ファイル名:
appmanifest_数字.acf
userdataフォルダ(セーブデータが含まれる場合)
- 場所:
Steam\userdata
複数のライブラリフォルダがある場合
Steamを複数のドライブにインストールしている場合、それぞれのフォルダを確認してください。
確認方法:
- Steam設定→「ストレージ」
- 登録されている全てのライブラリフォルダが表示される
メリット
- 最も速い(コピー速度のみに依存)
- 一度に全てのゲームを移行できる
- 再ダウンロード不要
デメリット
- 手順が複雑
- ファイル構造の理解が必要
- 失敗するとゲームが正常に起動しない可能性
PCの操作に慣れていて、大量のゲームを一気に移行したい人向けの方法です。
セーブデータの移行方法

ゲーム本体だけでなく、セーブデータも忘れずに移行しましょう。
Steamクラウド対応ゲームの場合
何もしなくてOKです。
Steamクラウド対応ゲームは:
- セーブデータが自動的にSteamのサーバーに保存される
- 新しいPCでログインすれば自動的にダウンロードされる
- ゲーム起動時に自動同期される
クラウド対応を確認する方法
- Steamライブラリでゲームを右クリック
- 「プロパティ」を開く
- 「一般」タブに「Steamクラウドを有効にする」のチェックボックスがあれば対応
- チェックが入っていれば、クラウド保存が有効
Steamクラウド非対応ゲームの場合
手動でセーブデータをコピーする必要があります。
一般的なセーブデータの保存場所:
Windows 10/11の場合:
C:\Users\ユーザー名\Documents\My Games
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming
C:\Users\ユーザー名\Saved Games
Steamフォルダ内:
C:\Program Files (x86)\Steam\userdata\数字\ゲームID
セーブデータのコピー手順
- 古いPCで上記の場所を確認
- ゲーム名のフォルダを探す
- フォルダごとコピー
- 外付けHDDやクラウドストレージ(Google Drive、OneDriveなど)に保存
- 新しいPCの同じ場所にペースト
具体例:Elden Ringのセーブデータ
保存場所:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\EldenRing
このフォルダを丸ごとコピーして、新しいPCの同じ場所に配置すればOK。
注意:AppDataフォルダが見えない場合
AppDataフォルダは初期設定で隠しフォルダになっています。
表示する方法:
- エクスプローラーを開く
- 「表示」タブをクリック
- 「隠しファイル」にチェックを入れる
複数のPCで同じアカウントを使う方法
デスクトップPCとノートPC、自宅PCと職場PCなど、複数のPCを持っている人向けの情報です。
基本ルール
同じSteamアカウントを複数のPCで使用できます。
ただし:
- 同時に複数のPCでゲームをプレイすることは禁止
- 別のPCでゲームを起動すると、他のPCでは「このアカウントは別の場所で使用中」と表示される
- 5分以内に応答しないと、自動的にログアウトされる
実用例
平日は職場のノートPCでプレイ、週末は自宅のデスクトップPCでプレイ、という使い方はまったく問題ありません。
オフラインモードの活用
1台をオフラインモードにすれば、もう1台でオンラインプレイが可能になります。
オフラインモード設定:
- Steam→「オフラインにする」を選択
- Steamがオフラインモードで再起動
- シングルプレイゲームならプレイ可能
制限事項:
- オンラインマルチプレイはできない
- フレンド機能が使えない
- Steamクラウドの同期が行われない
Steamクラウドで自動同期
Steamクラウド対応ゲームなら、複数PC間でセーブデータが自動的に同期されます。
使い方:
- PC-Aでゲームをプレイして終了
- セーブデータがクラウドにアップロード
- PC-Bでゲームを起動
- 自動的にクラウドからダウンロード
- 続きから遊べる
便利ですね!
同期の競合に注意
まれに、複数PCで同時期にプレイすると、セーブデータの競合が発生します。
競合が起きた場合:
- Steamが「どちらのセーブデータを使用しますか?」と確認してくる
- タイムスタンプを見て、新しい方を選択
- 念のため、重要なセーブデータは手動でバックアップを
ファミリーシェアリングで別のアカウントと共有
家族や友達と、ゲームを共有する機能もあります。
ファミリーシェアリングとは?
自分が購入したゲームを、最大5つの他のアカウント(10台のPC)と共有できる機能です。
メリット:
- 家族がそれぞれのアカウントで遊べる
- セーブデータも個別に管理される
- 実績も個別に記録される
設定方法
- Steam設定→「ファミリー」を開く
- 「ファミリーライブラリシェアリング」を有効化
- 共有したいアカウントがログインしているPCを承認
- 相手のライブラリに自分のゲームが表示される
制限事項
- 同時プレイはできない(本人が遊んでいる時、共有相手は遊べない)
- オンラインマルチプレイは制限される場合がある
- DLCやシーズンパスは共有されないことが多い
- VACバンされると、共有相手も影響を受ける可能性
実用例
家族で1つのゲームを購入して、それぞれのアカウントで遊ぶ、という使い方ができます。
ただし、同時に遊びたい場合は人数分購入する必要があるので注意してください。
Steam Deckとの連携

Steam Deckという携帯ゲーム機を持っている場合の連携方法です。
Steam Deckとは?
Valveが開発した携帯型PCゲーム機。Steamのゲームが外出先でも遊べます。
連携方法
Steam Deckも通常のPCと同じように扱えます。
- Steam Deckで同じアカウントにログイン
- ライブラリが自動的に同期される
- Steam Deck対応ゲームがプレイ可能
セーブデータの共有
Steamクラウド対応ゲームなら、PCとSteam Deck間でセーブデータが自動同期されます。
使用例:
- 自宅のPCでプレイ
- 外出先でSteam Deckで続きを遊ぶ
- 帰宅後、PCで再び続きから遊ぶ
シームレスな体験ができますよ。
別のPCに移行する時の注意点
トラブルを避けるために、知っておくべきポイントです。
古いPCのSteamを完全にアンインストールする前に
重要なデータのバックアップを確認してください。
確認すべきこと:
- Steamクラウド非対応ゲームのセーブデータ
- スクリーンショット(
Steam\userdata\数字\760\remoteに保存) - カスタム設定やMOD
ライセンスの確認
一部のゲームは、Steamとは別に追加のアクティベーションが必要です。
特に:
- 古いゲーム
- サードパーティDRM(Denuvo、Uplayなど)を使用しているゲーム
新しいPCでもアクティベーションできるか、ライセンス数を確認しましょう。
MODの移行
MODを使用しているゲームは、別途MODファイルの移行が必要です。
MODの保存場所:
- ゲームフォルダ内
Documents\My Games内- MOD管理ツールのフォルダ
手動でコピーするか、MOD管理ツール(Vortex、Mod Organizerなど)でバックアップを作成しましょう。
コントローラー設定
カスタマイズしたコントローラー設定は、Steamクラウドに保存されています。
新しいPCでログインすれば、自動的に同期されるはずです。
ダウンロード地域の設定
新しいPCでSteamをインストールしたら、ダウンロード地域を確認してください。
設定方法:
- Steam設定→「ダウンロード」
- 「ダウンロード地域」で最寄りの地域を選択
最適な地域に設定することで、ダウンロード速度が向上します。
トラブルシューティング
別のPCでSteamを使う際によくある問題と解決方法です。
トラブル1:ログインできない
原因:
パスワード忘れ、Steam Guardの問題
対処法:
- パスワードをリセット(ログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」)
- Steam Guardのコードをメールで確認
- スマホのSteamアプリでコード生成
トラブル2:ゲームが起動しない
原因:
ファイルの破損、互換性の問題
対処法:
- ライブラリでゲームを右クリック→「プロパティ」
- 「インストール済みのファイル」→「ゲームファイルの整合性を確認」
- 破損ファイルが自動修復される
- それでもダメなら再インストール
トラブル3:セーブデータが引き継がれない
原因:
Steamクラウドの同期ミス、手動コピー漏れ
対処法:
- Steam設定でクラウド同期が有効か確認
- ゲームのプロパティで「Steamクラウドを有効にする」をチェック
- 一度ゲームを起動して強制的に同期
- 非対応ゲームは手動でセーブデータをコピー
トラブル4:ダウンロードが遅い
原因:
サーバーの混雑、ダウンロード地域の設定ミス
対処法:
- ダウンロード地域を変更
- 帯域幅制限を「制限しない」に設定
- ルーターを再起動
- 有線LAN接続に切り替える
トラブル5:「ディスク書き込みエラー」が出る
原因:
空き容量不足、権限の問題
対処法:
- インストール先ドライブの空き容量を確認
- Steamを管理者権限で実行
- ドライブのエラーチェック(プロパティ→ツール→チェック)
- 別のドライブにインストール先を変更
トラブル6:2台目のPCで同時にプレイしたい
基本的に:
同じアカウントでの同時プレイは不可能です。
代替案:
- ファミリーシェアリングを使用(ただし同時プレイは不可)
- 協力プレイしたいなら、もう1本購入する
- 一方をオフラインモードにする(オンライン機能は使えない)
よくある質問
Q: PCを買い替えたら、ゲームは全部買い直し?
A: いいえ、買い直す必要はありません。新しいPCで同じアカウントにログインすれば、購入済みのゲームが全て遊べます。
Q: Steamアカウントは何台のPCで使える?
A: 台数制限はありません。ただし、同時に複数のPCでゲームをプレイすることはできません。
Q: ゲームデータの移行に費用はかかる?
A: 無料です。外付けHDDなどの記憶媒体が必要になる場合がありますが、Steam自体は無料で移行できます。
Q: ノートPCとデスクトップPCで交互に遊べる?
A: はい、問題なく交互に遊べます。Steamクラウド対応ゲームなら、セーブデータも自動的に同期されます。
Q: 友達のPCで自分のアカウントでログインしてもいい?
A: 技術的には可能ですが、セキュリティ上おすすめしません。パスワードを他人に知られるリスクがあります。ファミリーシェアリングを使う方が安全です。
Q: Steam以外(Epic、Origin)で買ったゲームも移行できる?
A: 各プラットフォームごとに移行が必要です。Steamの移行方法は、他のプラットフォームには適用されません。
まとめ
Steamを別のPCで使う方法について解説しました。
重要ポイント:
- Steamアカウントがあれば、どのPCでも購入済みゲームを遊べる
- ゲームを全て再ダウンロードするのが最も簡単
- 大量のゲームがある場合はバックアップ機能や直接コピーが効率的
- Steamクラウド対応ゲームならセーブデータも自動同期
- 複数のPCで同じアカウントを使えるが、同時プレイは不可
- ファミリーシェアリングで家族とゲームを共有できる
新しいPCを買った時も、出張先でゲームしたい時も、Steamなら柔軟に対応できます。
あなたの環境に合った方法で、快適なマルチPC環境を構築してくださいね!

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