「ターミナル?あの黒い画面でしょ?難しそう…」
そう思っていませんか?
確かにターミナルは一見とっつきにくく見えます。でも実は、慣れてしまえばMacをもっと便利に使える魔法のツールなんです。
この記事では、ターミナルの基本から実用的な使い方まで、初心者の方でも理解できるように解説していきます。一緒に「黒い画面」への苦手意識を克服しましょう!
そもそもターミナルって何?

コンピュータと直接対話する窓口
ターミナルは、マウスやアイコンを使わずに、文字(コマンド)を入力してMacを操作するためのアプリです。
普段私たちは、アイコンをクリックしてアプリを起動したり、ドラッグ&ドロップでファイルを移動したりしますよね。ターミナルでは、これらの操作を文字で指示するんです。
なぜターミナルを使うの?
ターミナルのメリット:
- 複雑な作業を一瞬で実行できる
- 同じ作業を繰り返すのが簡単
- Macの隠れた機能にアクセスできる
- プログラミングの学習に必須
例えば、100個のファイル名を一度に変更したい時、手作業だと大変ですが、ターミナルなら1行のコマンドで完了します。
ターミナルの開き方:3つの方法
方法1:Launchpadから(一番分かりやすい)
- Launchpadを開く
- 「その他」フォルダをクリック
- 「ターミナル」をクリック
方法2:Spotlight検索(一番速い!)
- 「command + スペース」を押す
- 「terminal」または「ターミナル」と入力
- Enterキーを押す
方法3:Finderから
- Finderを開く
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」
- 「ターミナル」をダブルクリック
どの方法でも、黒い(またはテーマによって白い)ウィンドウが開きます。これがターミナルです!
基本操作:最初に覚える5つのコマンド
1. pwd(今どこにいるか確認)
pwd
pwd = Print Working Directory(現在の場所を表示)
このコマンドを入力してEnterを押すと、今いるフォルダの場所が表示されます。
実行例:
/Users/あなたのユーザー名
2. ls(ファイルやフォルダを見る)
ls
ls = List(一覧表示)
現在のフォルダにあるファイルとフォルダの一覧が表示されます。
もっと詳しく見たい時は:
ls -la
これで隠しファイルも含めて詳細情報が見られます。
3. cd(フォルダを移動する)
cd フォルダ名
cd = Change Directory(ディレクトリを変更)
よく使う移動コマンド:
cd Desktop→ デスクトップへ移動cd ..→ 一つ上の階層へ移動cd ~→ ホームフォルダへ移動cd /→ 一番上の階層(ルート)へ移動
4. mkdir(新しいフォルダを作る)
mkdir 新しいフォルダ名
mkdir = Make Directory(ディレクトリを作成)
例:デスクトップに「test」フォルダを作る
cd Desktop
mkdir test
5. clear(画面をきれいにする)
clear
ターミナルの表示がごちゃごちゃしてきたら、このコマンドで画面をクリアできます。
過去の内容は消えていないので、スクロールすれば見られますよ。
実践!よく使う便利なコマンド
ファイル操作系
ファイルをコピー:
cp 元のファイル名 新しいファイル名
ファイルを移動:
mv ファイル名 移動先のフォルダ/
ファイル名を変更:
mv 古い名前 新しい名前
ファイルを削除(要注意!):
rm ファイル名
※ゴミ箱に入らず完全削除されるので注意!
フォルダを削除:
rm -r フォルダ名
便利な表示系コマンド
ファイルの中身を見る:
cat ファイル名
ファイルの最初の部分だけ見る:
head ファイル名
ファイルの最後の部分だけ見る:
tail ファイル名
ファイルを検索:
find . -name "探したいファイル名"
知っておくと便利な機能とテクニック

Tab補完(これは絶対覚えて!)
ファイル名やフォルダ名を途中まで入力してTabキーを押すと、自動的に補完してくれます。
例:「Desktop」と入力したい時
- 「Des」まで入力
- Tabキーを押す
- 自動的に「Desktop」に補完される
これで入力ミスが減り、作業が格段に速くなります!
履歴機能を活用
上下の矢印キーで過去に入力したコマンドを呼び出せます。
同じコマンドを何度も使う時に便利です。
コマンドの中断
間違えてコマンドを実行してしまった時は:
「control + C」で中断できます。
ドラッグ&ドロップが使える
ファイルやフォルダをターミナルにドラッグ&ドロップすると、そのパス(場所)が自動入力されます。
長いパスを入力する時にとても便利!
よくあるトラブルと対処法
Q1:「command not found」と表示される
原因と対策:
- コマンドのスペルミス → 正しいスペルを確認
- コマンドがインストールされていない → 必要なツールをインストール
- パスが通っていない → 環境変数の設定を確認
Q2:Permission denied(権限がありません)と出る
対策:
管理者権限が必要な操作の場合、コマンドの前にsudoを付けます:
sudo コマンド
パスワードを求められるので、Macのログインパスワードを入力します。
Q3:ターミナルが固まった、反応しない
対策:
- まず「control + C」で中断を試す
- それでもダメなら「control + Z」で一時停止
- 最終手段:ターミナルを強制終了して再起動
Q4:間違えてファイルを削除してしまった
残念ながら、rmコマンドで削除したファイルは復元できません。
大切なファイルを扱う時は、必ずバックアップを取ってから作業しましょう。
実用例:こんな時に使える!
隠しファイルを表示する
Finderで隠しファイルを表示:
defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles TRUE
killall Finder
元に戻す時:
defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles FALSE
killall Finder
スクリーンショットの保存形式を変更
JPEGに変更する例:
defaults write com.apple.screencapture type jpg
killall SystemUIServer
Macの情報を確認
システム情報を表示:
system_profiler SPSoftwareDataType
ディスク使用量を確認:
df -h
複数ファイルの一括処理
拡張子を一括変更(.txtを.mdに):
for file in *.txt; do mv "$file" "${file%.txt}.md"; done
ターミナルをカスタマイズしよう
見た目を変更する
- ターミナルを開く
- メニューバーの「ターミナル」→「環境設定」
- 「プロファイル」タブで好きなテーマを選択
おすすめ設定:
- フォントサイズを見やすく調整
- 背景の透明度を設定
- カラーテーマを目に優しいものに
プロンプトをカスタマイズ
プロンプト(コマンド入力前の表示)も変更できます。
現在時刻を表示する例:
export PS1="\t \u$ "
安全に使うための注意点
絶対にやってはいけないこと
1. よく分からないコマンドをコピペして実行
- ネットで見つけたコマンドは、必ず内容を理解してから実行
2. sudoを安易に使う
- 管理者権限は強力なので、本当に必要な時だけ使用
3. rm -rf / を実行(絶対ダメ!)
- システム全体を削除してしまう危険なコマンド
安全に練習する方法
- 専用の練習フォルダを作る
- 重要でないファイルで試す
- バックアップを取ってから実行
- 不安な時は
man コマンド名でマニュアルを確認
まとめ:ターミナルマスターへの第一歩
ターミナルは最初は難しく感じるかもしれませんが、基本的なコマンドから少しずつ覚えていけば大丈夫です。
今日から使えるポイント:
- まずは
pwd、ls、cdの3つから始める - Tab補完を活用して入力を楽にする
- 分からないコマンドは実行前に調べる
- 失敗を恐れず、安全な環境で練習する
ターミナルを使いこなせるようになると、Macでの作業効率が格段に上がります。
プログラミングを学ぶ際にも必須のスキルなので、ぜひこの機会にマスターしてください。
最初は「ls」と入力してEnterを押すところから。少しずつ慣れていけば、きっと「黒い画面」が頼もしい相棒になるはずです。
楽しいターミナルライフを送ってくださいね!

コメント