夜道をバイクで走っているとき、道端で手を上げている女性を見かけたら、あなたは乗せてあげますか?
もしそこが「七曲がり」と呼ばれる坂道だったなら、絶対に止まってはいけません。
なぜなら、その女性は首と体が別々に追いかけてくる恐ろしい怪異かもしれないからです。
この記事では、学校の怪談として語り継がれる「七曲がりの怪女」の恐怖体験について詳しくご紹介します。
概要

七曲がりの怪女(ななまがりのかいじょ)は、現代の怪談として広く知られる怪異です。
この話は、常光徹氏が編纂した『学校の怪談2』に収録されており、学校を中心に語り継がれてきました。
「七曲がり」というのは、坂道が何度も折れ曲がっている険しい道のことを指します。こうした地名は日本全国に存在するため、特定の場所を示すわけではありません。
怪女の特徴
- 七曲がりと呼ばれる曲がりくねった坂道に出現する
- 最初は普通の女性の姿で現れる
- バイクの後部座席に乗せると姿が消える
- 首と体が分離して追いかけてくる
- ミラーを通してその姿が見える
この怪異は、牛女や四つん這い女といった、人間を追いかける系の怪談と共通する要素を持っています。どちらも、異常な速度で人間を追跡してくるという恐怖が特徴なんです。
伝承

恐怖の遭遇体験
ある夜、一人の青年が七曲がりの坂道をバイクで下っていました。
前方を照らすヘッドライトの明かりの中に、手を上げている女性の姿が見えたんです。
青年がブレーキをかけてバイクを止めると、その女性が駆け寄ってきて「町まで乗せてほしい」と頼みました。青年は快く承諾し、女性を後部座席に乗せて走り出します。
異変の始まり
しばらく走っていると、青年はふとバックミラーを確認しました。
そこには誰も映っていなかったのです。
後ろに乗せたはずの女性の姿が、ミラーにまったく映っていません。
恐怖を感じた青年は、アクセルを全開にしてスピードを上げ、七曲がりを抜けて麓の道まで一気に下りました。
戦慄の真実
麓の道に出て、青年は再びミラーを見ました。
右のミラーには、首のない女性の体が、すごい勢いで道路を追いかけてくる姿が映っていました。
そして、さらに恐ろしいことに…
左のミラーには、女性の首だけが笑いながら宙を飛んで、ついてくる姿が映っていたのです。
伝承のポイント
この話の恐怖は、段階的にエスカレートしていく構成にあります。
恐怖の段階
- 普通の女性として登場(まだ怪しくない)
- ミラーに映らない(最初の異変)
- 首と体が分離して追跡(絶望的な恐怖)
また、ミラー越しにしか真の姿が見えないという設定も、この怪談の巧みなポイントです。直接振り返って見ることができず、ミラーを通してしか恐怖の真実を知ることができないというのは、逃げながら確認せざるを得ない状況の恐ろしさを強調しています。
まとめ
七曲がりの怪女は、現代の学校怪談を代表する恐怖体験の一つです。
重要なポイント
- 七曲がりという曲がりくねった坂道に現れる怪異
- 最初は普通の女性の姿で助けを求める
- バイクに乗せると姿が消える不可解な現象
- 首と体が分離して追いかけてくる恐怖
- ミラー越しにしか真の姿が見えない演出
- 牛女や四つん這い女と共通する「追跡型」の怪談
- 『学校の怪談2』に収録された現代の怪談
もし夜道で手を上げている人を見かけても、そこが七曲がりのような曲がりくねった坂道なら…安易に止まらない方がいいかもしれませんね。
親切心が、恐ろしい体験の引き金になってしまうかもしれないのですから。
参考文献
- 常光徹『学校の怪談2』
- 七曲がりは地名として全国に存在するため、特定の場所ではない
- 牛女、四つん這い女などの追跡型怪談との類似性


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