「プリンターを接続したい」
「外付けマウスやキーボードを使いたい」
「Webカメラやヘッドセットを設定したい」
「特殊なハードウェアを使いたい」
「Windowsのようにドライバをインストールする必要がある?」
こんな疑問を持っていませんか?
Chrome OSを使い始めると、プリンターや周辺機器を接続する方法が気になりますよね。WindowsやMacのように、ドライバをダウンロードしてインストールする必要があるのでしょうか?
実は、Chrome OSではほとんどの場合、ドライバのインストールは不要なんです!Chrome OSは自動的にデバイスを認識して、必要なドライバを内部で管理します。プラグアンドプレイで、接続するだけで使えることがほとんどです。
この記事では、Chrome OSのドライバの仕組みと、各種デバイスの接続方法を詳しく解説していきます。
Chrome OSのドライバの仕組み

まず、Chrome OSがどのようにドライバを管理しているか理解しましょう。
Chrome OSにドライバインストールは不要
重要:
Chrome OSでは、手動でドライバをインストールする必要がありません。
理由:
- ドライバはOS内に組み込まれている
- 新しいデバイスを接続すると自動認識
- 必要なドライバは自動でダウンロード・適用
- ユーザーが意識する必要がない
WindowsやMacとの違い:
| OS | ドライバの扱い |
|---|---|
| Windows | メーカーサイトからダウンロード・インストールが必要な場合が多い |
| Mac | 比較的自動だが、専用ソフトが必要な場合もある |
| Chrome OS | ほぼ完全自動、手動インストール不要 |
対応デバイスの種類
Chrome OSが標準対応しているデバイス:
入力デバイス:
- ✅ USBマウス
- ✅ Bluetoothマウス
- ✅ USBキーボード
- ✅ Bluetoothキーボード
- ✅ USBゲームパッド
出力デバイス:
- ✅ 外部ディスプレイ(HDMI、USB-C)
- ✅ プリンター(多くのモデル)
- ✅ USBヘッドフォン
- ✅ Bluetoothヘッドフォン・スピーカー
ストレージ:
- ✅ USBメモリ
- ✅ 外付けHDD/SSD
- ✅ SDカード
その他:
- ✅ Webカメラ
- ✅ マイク
- ✅ スキャナー(一部)
対応していないデバイス
基本的に使えないもの:
- ❌ Windows/Mac専用ソフトが必要なデバイス
- ❌ 特殊なドライバが必要な業務用機器
- ❌ 古い規格の周辺機器(一部)
【方法1】USBデバイスの接続
最も基本的な接続方法です。
USBマウス・キーボードの接続
手順:
- USB-A または USB-Cポートに接続
- 自動的に認識される(数秒)
- すぐに使用可能
特別な設定は不要:
- ドライバのインストール不要
- 設定画面も開く必要なし
- 接続するだけでOK
USB外部ストレージの接続
USBメモリ・外付けHDD/SSDの接続:
- USBポートに接続
- 画面右下に通知が表示
- 通知をクリック、または「ファイル」アプリを開く
- 左側に「外部ストレージ」として表示
- ファイルの読み書きが可能
対応ファイルシステム:
- ✅ FAT32
- ✅ exFAT
- ✅ NTFS(読み取りのみ)
- ✅ ext4(Linux使用時)
USB-Cハブの使用
USB-Cハブで複数デバイスを接続:
- USB-Cハブをポートに接続
- ハブに複数のUSBデバイスを接続
- HDMI出力、SDカードリーダーなども使用可能
推奨:
- USB-C PD(給電)対応のハブ
- データ転送と給電を同時に可能
【方法2】Bluetoothデバイスの接続
ワイヤレスデバイスの接続方法です。
Bluetoothマウス・キーボードのペアリング
手順:
- Bluetoothデバイスをペアリングモードにする
- マウス/キーボードのペアリングボタンを押す
- Chromebookの画面右下の時刻をクリック
- 「Bluetooth」アイコンをクリック
- 「Bluetoothをオンにする」(オフの場合)
- 「Bluetoothを管理」をクリック
- 「新しいデバイスをペア設定」をクリック
- デバイス一覧から目的のデバイスを選択
- 「接続」をクリック
- PINコードが表示される場合は入力
所要時間:
1〜2分程度
Bluetoothヘッドフォン・スピーカーの接続
手順:
- ヘッドフォン/スピーカーをペアリングモードに
- 上記と同様にBluetoothペアリング
- 自動的に音声出力先として設定される
音声出力先の変更:
- 画面右下の時刻をクリック
- スピーカーアイコンの右側の「>」をクリック
- 出力デバイスを選択
Bluetoothトラブルシューティング
接続できない場合:
- デバイスが本当にペアリングモードか確認
- デバイスの電源を入れ直す
- Chromebookを再起動
- 既にペアリング済みの場合は削除してから再ペアリング
削除方法:
- Bluetooth設定を開く
- デバイスの右側の「︙」
- 「削除」をクリック
【方法3】プリンターの接続と設定
最も質問が多いデバイスです。
Chrome OSのプリンター対応
Chrome OSのプリンター機能:
- Google Cloud Print(2020年12月終了)に代わり、IPP(Internet Printing Protocol)とIPP Everywhereをサポート
- 多くの最近のプリンターは自動認識
- ドライバインストール不要
対応プリンター:
- IPP Everywhere対応プリンター(多くの2015年以降のモデル)
- ネットワークプリンター(WiFi、有線LAN)
- 一部のUSB接続プリンター
WiFiネットワークプリンターの接続
手順:
- プリンターとChromebookを同じWiFiネットワークに接続
- Chromebookの「設定」を開く
- 左側のメニューから「詳細設定」を展開
- 「印刷とスキャン」をクリック
- 「プリンター」をクリック
- 「プリンターを追加」をクリック
- 自動検出されたプリンターが一覧表示
- 目的のプリンターを選択
- 「追加」をクリック
所要時間:
1〜3分
USB接続プリンターの接続
手順:
- プリンターをUSBケーブルでChromebookに接続
- 設定→「印刷とスキャン」→「プリンター」
- 自動的に検出される場合がある
- 検出されない場合は「プリンターを追加」から手動で追加
注意:
USB接続プリンターの対応は限定的です。WiFi対応プリンターの使用を推奨します。
プリンターが見つからない場合
手動で追加:
- 設定→「印刷とスキャン」→「プリンター」→「プリンターを追加」
- 「プリンターを手動で追加」を選択
- プリンターの情報を入力:
- 名前: 任意(例:オフィスのプリンター)
- アドレス: プリンターのIPアドレス
- プロトコル: IPP または IPP Everywhere
- キュー:
ipp/printまたは空欄
- 「追加」をクリック
プリンターのIPアドレス確認方法:
- プリンターの液晶画面で確認(設定→ネットワーク情報)
- ルーターの管理画面で確認
- プリンターの設定ページを印刷
【方法4】外部ディスプレイの接続

外部モニターやプロジェクターの接続方法です。
HDMI・USB-Cディスプレイの接続
手順:
- HDMIケーブルまたはUSB-Cケーブルで接続
- 自動的に認識され、映像が表示される
- 特別な設定は不要
表示モードの変更:
- 画面右下の時刻をクリック
- 「設定」をクリック
- 「デバイス」→「ディスプレイ」
- 表示モードを選択:
- ミラーリング: 同じ画面を両方に表示
- 拡張: デスクトップを拡張
- 外部ディスプレイのみ: Chromebookの画面を使わない
ディスプレイ設定の調整
解像度の変更:
- 設定→「デバイス」→「ディスプレイ」
- 接続したディスプレイを選択
- 「解像度」で変更
- 「組み込みディスプレイ」と「外部ディスプレイ」を個別に設定可能
配置の変更:
- 同じ画面で「配置」セクション
- ディスプレイをドラッグして物理的な配置に合わせる
【方法5】Webカメラ・マイクの設定
ビデオ会議などで使用します。
外付けWebカメラの接続
手順:
- USBでWebカメラを接続
- 自動的に認識される
- Google MeetやZoomなどのアプリで使用可能
カメラの切り替え:
- ほとんどのビデオ会議アプリで、設定からカメラを選択可能
- 内蔵カメラと外付けカメラを切り替え
マイク・ヘッドセットの設定
入力デバイスの選択:
- 画面右下の時刻をクリック
- 音量アイコンの右側の「>」
- 「入力」セクションで入力デバイスを選択
または:
- 設定→「音声」
- 「入力」でマイクを選択
- 入力レベルを調整
【方法6】Linuxを使った高度なデバイス管理
特殊なハードウェアを使う場合の方法です。
Linux環境の有効化
手順:
- 設定を開く
- 左側のメニューから「詳細設定」を展開
- 「デベロッパー」をクリック
- 「Linux開発環境」をオンにする
- 指示に従ってLinuxをインストール(数分)
Linuxでのドライバインストール
例:特殊なプリンターの場合
- Linuxターミナルを開く
- メーカー提供のLinux用ドライバをダウンロード
- ターミナルでインストールコマンドを実行
sudo apt update
sudo apt install printer-driver-[製品名]
注意:
高度な知識が必要です。通常のユーザーには推奨しません。
Linuxで使えるデバイスの例
Linux環境で使用可能:
- 特殊な開発ボード(Arduino、Raspberry Piなど)
- 一部の業務用プリンター
- Linux対応のスキャナー
デバイスが認識されない場合の対処法
トラブルシューティングです。
基本的な確認事項
チェックリスト:
- ✅ ケーブルがしっかり接続されているか
- ✅ デバイスの電源が入っているか
- ✅ 別のUSBポートで試す
- ✅ Chromebookを再起動
- ✅ デバイスを再接続
USBデバイスが認識されない
対処:
- USBポートを変える(USB-AとUSB-Cを試す)
- USBハブを経由している場合、直接接続
- 他のデバイスで動作確認(別のPCなど)
- Chrome OSのアップデートを確認
Bluetoothデバイスが接続できない
対処:
- デバイスをペアリングモードにし直す
- Chromebookのbluetoothをオフ→オン
- 既にペアリング済みなら削除して再ペアリング
- デバイスの電池を確認
- Chromebookを再起動
プリンターが見つからない
対処:
- プリンターとChromebookが同じWiFiネットワークか確認
- プリンターを再起動
- プリンターのファームウェアを最新に
- IPアドレスを手動で入力して追加
- メーカーの対応状況を確認
対応プリンターの確認:
Googleで「[プリンターのモデル名] Chrome OS 対応」と検索
Chrome OSで使えないデバイス
どうしても使えないものもあります。
基本的に対応していないデバイス
使えないもの:
- ❌ Windows専用ドライバが必要なデバイス
- ❌ 専用アプリが必要な特殊機器
- ❌ 古い規格の周辺機器(LPTポートなど)
- ❌ CD/DVDドライブ(読み取りのみ可能、書き込み不可)
代替手段
使えないデバイスの代替:
古いプリンター:
→ WiFi対応の新しいプリンターに買い替え
専用ソフトが必要な機器:
→ Webアプリで代用できないか検討
→ またはWindows/Macと併用
CD/DVDドライブ:
→ データをGoogleドライブにアップロード
→ 外付けドライブで読み取り(書き込みは不可)
よくある質問と回答

Q1: ドライバをダウンロードするサイトはある?
A: Chrome OSではドライバのダウンロードは不要です。
理由:
- 必要なドライバはOS内蔵
- 自動で認識・適用される
- ユーザーがダウンロードする必要なし
例外:
Linux環境を使用する場合のみ、Linuxパッケージとしてインストール。
Q2: Windowsで使っているプリンターは使える?
A: 多くの場合、使えます。
確認方法:
- プリンターのモデル名を確認
- Googleで「[モデル名] Chrome OS」と検索
- または実際に接続してみる(自動認識される場合が多い)
使えない場合:
- 専用ドライバが必要な古いモデル
- メーカーの対応リストにないモデル
Q3: ゲーミングマウスのカスタムボタンは使える?
A: 基本機能は使えますが、カスタマイズは限定的です。
使える:
- ✅ 標準的なボタン(左右クリック、ホイール)
- ✅ サイドボタン(戻る・進む)
使えない:
- ❌ 専用ソフトでのカスタマイズ
- ❌ マクロ機能
- ❌ RGB照明の設定
Q4: iPhoneは接続できる?
A: ファイル転送には制限があります。
できること:
- ✅ 充電(USBケーブル)
- ✅ テザリング(WiFi、Bluetooth)
できないこと:
- ❌ iTunesのような管理
- ❌ ファイルの直接転送(Googleドライブ経由で可能)
Q5: Android端末は接続できる?
A: はい、ファイル転送も可能です。
手順:
- AndroidをUSBでChromebookに接続
- Androidで「ファイル転送」モードを選択
- Chromebookの「ファイル」アプリに表示される
- ファイルの読み書きが可能
Q6: スキャナーは使える?
A: 一部のモデルは使えます。
対応スキャナー:
- IPP Scan対応モデル
- 一部のメーカー(HP、Canon、Epsonなど)
使い方:
- 設定→「印刷とスキャン」→「スキャナー」
- スキャナーを追加
- スキャンアプリを使用
おすすめの周辺機器
Chrome OSで快適に使える周辺機器です。
プリンター
おすすめ:
- HP(多くがChrome OS対応)
- Canon PIXUS シリーズ
- Epson Colorio シリーズ
選ぶポイント:
- ✅ WiFi対応
- ✅ IPP Everywhere対応
- ✅ 「Chrome OS対応」表記
マウス・キーボード
おすすめ:
- Logicool(多くのモデルが対応)
- Microsoft(基本モデルは対応)
- Elecom(USB/Bluetooth両方)
選ぶポイント:
- ✅ USB-A または Bluetooth
- ✅ 専用ソフト不要のモデル
外部ストレージ
おすすめ:
- SanDisk USBメモリ
- Samsung T7(外付けSSD)
- SanDisk SDカード
選ぶポイント:
- ✅ USB-A または USB-C
- ✅ FAT32 または exFAT形式
USB-Cハブ
おすすめ:
- Anker USB-Cハブ
- Satechi USB-Cハブ
- UGREEN USB-Cハブ
選ぶポイント:
- ✅ USB-C PD(給電)対応
- ✅ HDMI出力
- ✅ 複数のUSB-Aポート
まとめ: Chrome OSではドライバインストール不要で簡単
Chrome OSのドライバとデバイス接続について詳しく解説しました。
重要なポイント:
- Chrome OSではドライバのインストールは基本的に不要
- 接続するだけで自動認識(プラグアンドプレイ)
- WindowsやMacのような手動インストールは不要
デバイス別の接続方法:
| デバイス | 接続方法 | 難易度 |
|---|---|---|
| USBマウス/キーボード | 挿すだけ | ★☆☆ |
| Bluetoothデバイス | ペアリング設定 | ★☆☆ |
| プリンター | WiFi接続、設定から追加 | ★★☆ |
| 外部ディスプレイ | HDMI/USB-C接続 | ★☆☆ |
| Webカメラ | USB接続 | ★☆☆ |
| 外部ストレージ | USB接続 | ★☆☆ |
デバイス接続のベストプラクティス:
購入前:
- ✅ 「Chrome OS対応」を確認
- ✅ WiFi対応モデルを選ぶ(プリンターなど)
- ✅ 専用ソフト不要のモデル
接続時:
- ✅ まず接続してみる(自動認識を期待)
- ✅ 認識されない場合は再起動
- ✅ 最新のChrome OSにアップデート
トラブル時:
- ✅ 基本的な確認(ケーブル、電源、再起動)
- ✅ 別のポートで試す
- ✅ メーカーの対応状況を確認
対応していないデバイスの代替策:
古いプリンター:
→ WiFi対応の新しいモデルに買い替え
専用ソフトが必要な機器:
→ Webアプリや代替手段を検討
→ Windows/Macとの併用
特殊な業務用機器:
→ Linux環境で対応(上級者向け)
Chrome OSは「シンプルで使いやすい」ことを重視して設計されています。
そのため、ほとんどのデバイスは接続するだけで使えるようになっています。ドライバのインストールや複雑な設定は不要です。プリンターなどの周辺機器を購入する際は、「Chrome OS対応」や「WiFi対応」を確認すれば、スムーズに使えますよ!
この記事は2025年11月時点の情報に基づいています


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