Chromeで文字を入力すると、過去に入力した内容がずらっと表示されて困ったことはありませんか?
友達や家族にパソコンを貸すとき、プレゼンテーション中に画面を見せるとき、恥ずかしい検索履歴や個人的な情報が表示されてしまうのは避けたいですよね。特に共用パソコンでは、プライバシーの問題にもなります。
実はChromeには、入力履歴を非表示にする様々な方法があるんです。完全にオフにする設定から、一時的に隠す方法、そもそも記録させない方法まで、目的に応じて選べます。
この記事では、Chromeの入力履歴を非表示にする方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。プライバシーを守りながら快適にブラウジングできる環境を作りましょう!
Chromeの入力履歴とは?表示される仕組み

まず、入力履歴がどのように機能しているのか理解しましょう。
入力履歴が表示される3つの場面
Chromeでは主に3つの場所で入力履歴が表示されます。
1. アドレスバー(オムニボックス)
ブラウザ上部のURL入力欄に文字を打つと:
- 過去に訪問したサイトのURL
- 以前検索したキーワード
- ブックマークしているページ
これらが候補として自動表示されます。
2. 検索ボックス
GoogleやYahoo!などの検索サイトで入力すると:
- 過去の検索ワード
- よく検索されるキーワード
- 予測変換
が表示されるんです。
3. ウェブフォーム
ログイン画面や入力フォームでは:
- メールアドレス
- ユーザー名
- 住所、電話番号
- 名前
過去に入力した個人情報が候補に出てきます。
なぜ入力履歴が表示されるのか
この機能には「オートコンプリート」という名前がついています。
オートコンプリートとは
自動補完という意味で、過去の入力データを記憶して次回の入力を楽にする機能です。
便利な点
- 同じURLを何度も打つ必要がない
- よく使うメールアドレスをすぐ入力できる
- タイプミスが減る
確かに便利ですが、プライバシーの観点からは気になる機能でもありますね。
入力履歴が保存される場所
Chromeは複数の場所にデータを保存しています。
1. ローカルストレージ(パソコン内)
- 閲覧履歴
- フォーム入力データ
- Cookie
2. Googleアカウント(クラウド)
- 検索履歴
- 同期された閲覧履歴
- パスワード
3. ウェブサイト側
- Cookieに保存された情報
- サイト独自の履歴
それぞれ別々に管理されているため、非表示にするには複数の設定が必要なんです。
【基本設定】アドレスバーの入力候補を非表示にする
まず、最も目立つアドレスバーの候補を非表示にする方法です。
オートコンプリート機能を完全にオフ
Chromeの設定から、候補表示をオフにできます。
手順
- Chromeの右上「︙」(三点メニュー)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「自動入力とパスワード」を選択
- 以下の項目を確認
- 「パスワードを保存する」
- 「お支払い方法の保存と入力」
- 「住所やその他の情報の保存と入力」
- すべてのトグルスイッチをオフにする
これで、フォームへの自動入力が無効になります。
URL候補の非表示設定
アドレスバーに表示されるURL候補も調整できます。
Chrome://flags を使った設定
- アドレスバーに「chrome://flags」と入力してEnter
- 検索ボックスに「omnibox」と入力
- 以下の項目を探す
- Omnibox suggestion button row
- Omnibox UI Hide Steady-State URL
- これらを「Disabled」に設定
- 「Relaunch」ボタンをクリックして再起動
注意点
Flagsは実験的な機能なので、設定は慎重に行ってください。予期しない動作を引き起こす可能性があります。
検索候補だけをオフにする
URLは表示したいけど、検索候補は非表示にしたい場合の設定です。
手順
- Chromeの設定を開く
- 左側のメニューから「検索エンジン」を選択
- 「検索エンジンとサイト内検索の管理」をクリック
- 下にスクロール
- 「入力に応じて検索や URL の候補を表示する」をオフ
これでアドレスバーでの検索候補が表示されなくなります。ただし、過去に訪問したURLは引き続き表示されますよ。
【一時的】シークレットモードで履歴を残さない
履歴を記録させない最も簡単な方法が、シークレットモードです。
シークレットモードとは
プライベートブラウジングモードとも呼ばれる、履歴を残さない閲覧方法です。
特徴
- 閲覧履歴が保存されない
- Cookieがセッション終了時に削除される
- フォーム入力が記録されない
- ダウンロード履歴は残る(ファイル自体は保存される)
一時的なプライバシー保護に最適なんです。
シークレットモードの起動方法
パソコン版
方法1:ショートカットキー
- Windows:Ctrl + Shift + N
- Mac:Command + Shift + N
方法2:メニューから
- Chromeの右上「︙」をクリック
- 「新しいシークレット ウィンドウ」を選択
黒っぽい背景のウィンドウが開きます。
スマホ版
Android
- Chromeアプリで右上の「︙」をタップ
- 「新しいシークレット タブ」を選択
iPhone/iPad
- Chromeアプリで右下の「︙」をタップ
- 「新しいシークレット タブ」を選択
シークレットモードの使い分け
使うべき場面
- 共用パソコンでのブラウジング
- プレゼント探しなど、見られたくない検索
- 会社のパソコンでの個人的な調べ物
- 一時的なログイン
通常モードを使うべき場面
- 普段の調べ物
- 後で見返したいサイト
- パスワードを保存したいサイト
目的に応じて使い分けることが大切ですね。
シークレットモードの注意点
完全な匿名性があるわけではありません。
記録されるもの
- インターネットプロバイダは閲覧履歴を把握できる
- 会社や学校のネットワーク管理者には見える
- アクセスしたウェブサイトには記録される
あくまで「自分のパソコンに履歴を残さない」機能です。
【詳細設定】フォーム入力の自動補完を無効化

ウェブサイトのフォームで表示される入力候補の非表示設定です。
住所・名前の自動入力をオフ
個人情報の自動入力を完全に停止できます。
手順
- Chromeの設定を開く
- 「自動入力とパスワード」を選択
- 「住所やその他の情報」をクリック
- 「住所やその他の情報の保存と入力」をオフ
さらに、既に保存されているデータも削除しましょう。
保存済みデータの削除
- 同じ画面で保存されている住所や名前を確認
- 各項目の右側「︙」をクリック
- 「削除」を選択
これで住所や名前の候補が表示されなくなります。
メールアドレスの候補を非表示
メールアドレスも同様に管理できます。
手順
メールアドレスは「住所やその他の情報」に含まれています。
- 保存されているデータを確認
- メールアドレスを含む項目を削除
- 自動保存をオフにする
新しいメールアドレスを入力しても、今後は保存されません。
クレジットカード情報の非表示
支払い情報の自動入力も無効化できます。
手順
- 「自動入力とパスワード」を開く
- 「お支払い方法」をクリック
- 「お支払い方法の保存と入力」をオフ
セキュリティのために
共用パソコンでは、必ずこの設定をオフにしておくことをおすすめします。カード情報の漏洩を防げますよ。
【完全非表示】パスワード保存候補を表示しない
ログイン時に表示されるパスワード保存の候補を消す方法です。
パスワード保存機能をオフ
手順
- Chromeの設定を開く
- 「自動入力とパスワード」を選択
- 「パスワード マネージャー」をクリック
- 右上の歯車アイコン(設定)をクリック
- 「パスワードを保存する」をオフ
- 「自動ログイン」もオフにする
これで、ログイン時に「パスワードを保存しますか?」というポップアップが表示されなくなります。
保存済みパスワードの非表示
既に保存されているパスワードを削除する方法です。
個別削除
- パスワード マネージャーを開く
- サイトの一覧から削除したいサイトを選択
- 「削除」ボタンをクリック
一括削除
- Ctrl + Shift + Delete を押す
- 閲覧履歴データの削除画面が開く
- 「詳細設定」タブを選択
- 「パスワード」にチェック
- 「データを削除」をクリック
重要な注意
すべてのパスワードが削除されるので、重要なパスワードは別の場所に記録してから実行してください。
パスワード管理の代替案
Chromeにパスワードを保存しない場合、以下の方法がおすすめです。
1. パスワード管理ツール
- 1Password
- LastPass
- Bitwarden
より安全にパスワードを管理できます。
2. 紙のメモ
- 物理的に安全な場所に保管
- デジタルでのハッキングリスクがない
3. ブラウザに頼らない
- 必要なときだけ手入力
- 重要なサイトだけ別ツールで管理
セキュリティレベルに応じて選びましょう。
【スマホ版】Android/iOSでの入力履歴非表示
スマートフォンでの設定方法を見ていきましょう。
Android版Chromeの設定
オートフィル機能をオフにする
- Chromeアプリを開く
- 右上の「︙」をタップ
- 「設定」を選択
- 「自動入力」をタップ
- 以下をオフにする
- 「住所の保存と入力」
- 「お支払い方法」
検索候補をオフにする
- 設定画面で「同期とGoogleサービス」をタップ
- 「その他の Google サービス」をスクロール
- 「検索とブラウジングの改善」の項目で
- 「入力に応じて検索や URL の候補を表示する」をオフ
iOS版Chromeの設定
iPhone・iPadでの設定方法です。
オートフィル機能をオフ
- Chromeアプリを開く
- 右下の「︙」をタップ
- 「設定」を選択
- 「自動入力」をタップ
- 各項目をオフにする
iOS全体のオートフィル設定
iOS版Chromeは、iPhone自体のオートフィル機能も使用します。
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「パスワード」または「パスワードとアカウント」を選択
- 「パスワードを自動入力」をオフ
これで、Chrome以外のアプリでも自動入力が無効になります。
スマホでのシークレットモード活用
モバイル版でも、シークレットモードが最も手軽です。
素早く切り替える方法
Android
- タブ切り替えボタン(数字アイコン)を長押し
- 「新しいシークレット タブ」を選択
iOS
- タブボタンを長押し
- 「新しいシークレット タブ」をタップ
頻繁に使う場合は、ホーム画面にシークレットモードのショートカットを追加すると便利ですよ。
Google検索履歴を非表示にする方法

Chrome以外に、Googleアカウント側の設定も必要です。
Google検索履歴の無効化
手順
- myactivity.google.com にアクセス
- Googleアカウントでログイン
- 左側のメニューから「アクティビティ管理」を選択
- 「ウェブとアプリのアクティビティ」をオフにする
- 確認画面で「一時停止」をクリック
これで、今後の検索履歴がGoogleアカウントに保存されなくなります。
既存の検索履歴を削除
過去の履歴も消しておきましょう。
手順
- myactivity.google.com を開く
- 左側のメニューから「削除」を選択
- 削除する期間を選択
- 過去1時間
- 過去1日
- 全期間
- カスタム期間
- 「削除」をクリック
個別削除
特定の検索だけ消したい場合:
- マイアクティビティのページで履歴を表示
- 削除したい項目の右側「︙」をクリック
- 「削除」を選択
これで、その検索だけが履歴から消えます。
YouTube視聴履歴も忘れずに
YouTubeの視聴履歴も、検索候補に影響します。
手順
- myactivity.google.com にアクセス
- 「アクティビティ管理」を開く
- 「YouTube の履歴」をオフにする
動画の視聴履歴が保存されなくなります。
入力履歴を自動で削除する設定
毎回手動で削除するのが面倒な方向けの自動化設定です。
終了時に自動削除(拡張機能)
Chromeを閉じると同時に履歴を消す拡張機能があります。
おすすめ:Click&Clean
特徴
- ブラウザ終了時に自動削除
- 削除する項目を細かく設定可能
- ワンクリックで即座に削除も可能
インストールと設定
- Chromeウェブストアで「Click&Clean」を検索
- 「Chromeに追加」をクリック
- 拡張機能の設定を開く
- 「閉じる時に削除」で項目を選択
- 閲覧履歴
- Cookies
- キャッシュ
- フォームデータ
ブラウザを閉じるたびに自動的にクリーニングされます。
Google検索履歴の自動削除
Googleアカウントの履歴を自動で消す設定もあります。
手順
- myactivity.google.com にアクセス
- 左側のメニューから「自動削除」を選択
- 「次の期間が経過したアクティビティを自動的に削除」をオン
- 期間を選択
- 3ヶ月
- 18ヶ月
- 36ヶ月
- 「次へ」→「確認」をクリック
設定した期間より古い履歴が自動的に削除されるようになります。
履歴を非表示にできない場合の対処法
設定したのに候補が表示され続ける場合の対策です。
対処法1:同期設定を確認
他のデバイスから履歴が同期されている可能性があります。
手順
- Chromeの設定を開く
- 「同期とGoogleサービス」を選択
- 「同期の管理」をクリック
- 「履歴」のスイッチを確認
- オンの場合はオフにする
すべての同期を停止
- 同じ画面で「すべてをオフにする」を選択
- 履歴を削除
- 必要に応じて同期を再開
対処法2:Chromeを完全に再起動
設定変更後は必ず再起動が必要です。
Windows/Mac
- すべてのChromeウィンドウを閉じる
- タスクマネージャー(Windows)またはアクティビティモニタ(Mac)を開く
- Chromeのプロセスが残っていないか確認
- 残っている場合は「タスクの終了」
- Chromeを再度起動
スマホ
- マルチタスク画面を開く
- Chromeを上にスワイプして終了
- 再度アプリを起動
対処法3:キャッシュを完全削除
古いデータが原因の可能性もあります。
手順
- Ctrl + Shift + Delete を押す
- 期間を「全期間」に設定
- すべての項目にチェック
- 閲覧履歴
- Cookieと他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- 自動入力フォームのデータ
- サイトの設定
- 「データを削除」をクリック
徹底的に削除されますが、ログイン情報なども消えるので注意してください。
対処法4:Chromeプロファイルのリセット
最終手段として、プロファイルを初期化します。
手順
- Chromeの設定を開く
- 「設定のリセット」を選択
- 「設定を元の規定値に戻す」をクリック
- 「設定のリセット」をクリック
影響を受けるもの
- すべての設定が初期化
- 拡張機能が無効化
- ピン留めしたタブが解除
保持されるもの
- ブックマーク
- パスワード(別途保存されている場合)
よくある質問と回答
Q1:入力履歴を非表示にするとどんな影響がありますか?
A:便利な機能が使えなくなる反面、プライバシーが守られます。
使えなくなる機能
- URL の素早い入力
- フォームの自動入力
- パスワードの自動ログイン
得られるメリット
- プライバシーの保護
- 他人に見られる心配がない
- セキュリティの向上
必要に応じて、一部の機能だけオフにするのもおすすめです。
Q2:仕事用と個人用で設定を分けられますか?
A:はい、Chromeのプロファイル機能を使えば可能です。
プロファイルの作成
- Chromeの右上にあるアイコンをクリック
- 「追加」を選択
- 名前とアイコンを設定
設定の使い分け
- 仕事用プロファイル:履歴を残す設定
- 個人用プロファイル:履歴を非表示にする設定
それぞれ独立した設定を持てるので、状況に応じて切り替えられますよ。
Q3:家族で共用のパソコン、どう設定すべきですか?
A:各自がプロファイルを作成するのが最適です。
推奨設定
共用部分の設定
- オートフィル機能はオフ
- パスワード保存はオフ
- 定期的な履歴削除
個人プロファイル
- 各自が自分のGoogleアカウントでログイン
- 使用後はプロファイルからログアウト
ゲストモード
- 一時的な使用にはゲストモードを活用
- 自動的に履歴が残らない
これで家族のプライバシーを保ちながら共用できます。
Q4:会社のパソコンで個人的な検索をしてしまいました
A:すぐに履歴を削除し、今後はシークレットモードを使いましょう。
緊急対処
- Ctrl + Shift + Delete
- 期間を該当時間に設定
- すべての項目を削除
- Googleアカウントの検索履歴も削除
今後の対策
- 個人的な検索は必ずシークレットモード
- または自分のスマホを使用
- 会社のポリシーを確認
企業のIT部門で監視されている場合、完全には隠せない可能性があることも理解しておいてください。
Q5:特定のサイトだけ履歴を残したくありません
A:そのサイトだけシークレットモードで開くのが最適です。
方法
通常モードで普段使いのサイトを閲覧し、特定のサイトだけ:
- リンクを右クリック
- 「リンクをシークレット ウィンドウで開く」を選択
または、そのサイトのブックマークを作って:
- ブックマークを右クリック
- 「シークレット ウィンドウで開く」
これで、そのサイトだけ履歴に残りません。
プライバシーを守るための総合的なヒント
入力履歴以外でも、プライバシー保護のためにできることがあります。
1. 多要素認証の活用
パスワードだけでなく、追加の認証を設定しましょう。
設定できるもの
- SMSによる認証コード
- 認証アプリ(Google Authenticator等)
- 生体認証
万が一パスワードが漏れても、アカウントを守れます。
2. Cookie設定の見直し
推奨設定
- Chromeの設定→「プライバシーとセキュリティ」
- 「Cookieと他のサイトデータ」
- 「サードパーティのCookieをブロックする」を選択
トラッキングを防げますよ。
3. 定期的なセキュリティチェック
月に一度は以下を確認しましょう。
チェック項目
- 保存されているパスワードの見直し
- 不要な自動入力データの削除
- 拡張機能の整理
- 履歴の確認と削除
習慣化することで、セキュリティを保てます。
4. VPNの利用
より高度なプライバシー保護には、VPNの使用も検討しましょう。
VPNとは
インターネット接続を暗号化して、第三者からの監視を防ぐ技術です。
メリット
- IPアドレスが隠される
- 通信内容が暗号化される
- 公共Wi-Fiでも安全
有料サービスが多いですが、プライバシーを重視する方には価値があります。
まとめ:目的に応じた設定で快適なブラウジング
Chromeの入力履歴を非表示にする様々な方法を紹介してきました。
すぐできる簡単な方法
- シークレットモードの活用
- オートフィル機能をオフ
- 検索候補の非表示
徹底的に非表示にする方法
- すべての自動入力設定をオフ
- パスワード保存を無効化
- Google検索履歴の停止
- 自動削除の設定
状況別の使い分け
- 普段の利用:一部機能はオンで利便性確保
- 共用パソコン:すべてオフでプライバシー保護
- プレゼン時:一時的にシークレットモード
デバイス別の対応
- パソコン:詳細な設定が可能
- スマホ:基本設定+シークレットモード
- すべて:Googleアカウント側の設定も重要
プライバシーと利便性のバランスは人それぞれです。この記事を参考に、自分に合った設定を見つけて、安心してChromeを使ってくださいね!

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