Chromeでウェブサイトを見ようとしたら、「ネットワークエラー」や「このサイトにアクセスできません」と表示されて困った経験はありませんか?
ネットワークエラーにはいくつもの種類があり、原因も様々です。でも、落ち着いて順番に対処すれば、ほとんどの問題は解決できます。
この記事では、Chromeで表示されるネットワークエラーの種類と原因、そして具体的な解決方法を分かりやすく解説します。初心者でもすぐに試せる方法から、少し詳しい設定まで段階的に説明するので、ぜひ参考にしてください。
Chromeのネットワークエラーとは

ネットワークエラーは、Chromeがウェブサイトに接続できない時に表示されるメッセージです。
エラーが表示される理由
ウェブサイトを見るには、あなたのパソコンやスマホからインターネットを通じてサーバーに接続する必要があります。
この接続のどこかで問題が起きると、ネットワークエラーが表示されるんです。
エラーが出る場所
問題は以下のいずれかで起きています。
- あなたの端末(パソコン・スマホ)
- 自宅のWi-Fiルーター
- インターネット回線
- DNSサーバー(住所を変換するサービス)
- 相手のウェブサイトのサーバー
主なエラーメッセージと意味
Chromeが表示するエラーには、いくつかのパターンがあります。
ERR_INTERNET_DISCONNECTED
「インターネットに接続されていません」という意味です。
原因:
- Wi-Fiやモバイルデータがオフになっている
- ルーターが動いていない
- 回線業者の障害
ERR_NAME_NOT_RESOLVED
「サイトのアドレスが見つかりません」という意味です。
原因:
- DNSサーバーの問題
- URLの入力ミス
- サイトが閉鎖された
ERR_CONNECTION_REFUSED
「サーバーが接続を拒否しました」という意味です。
原因:
- サイトがダウンしている
- アクセスがブロックされている
- ファイアウォールの制限
ERR_CONNECTION_TIMED_OUT
「接続がタイムアウトしました」という意味です。
原因:
- ネットワークが遅い
- サーバーが応答していない
- ファイアウォールの制限
ERR_CONNECTION_RESET
「接続がリセットされました」という意味です。
原因:
- 通信が途中で切断された
- プロキシの問題
- セキュリティソフトの干渉
ERR_NETWORK_CHANGED
「ネットワークが変更されました」という意味です。
原因:
- Wi-Fiとモバイルデータを切り替えた
- VPNの接続・切断
- ネットワーク設定の変更
基本的な対処法(最初に試すこと)
まずは簡単な方法から試していきましょう。
対処法1:ページを再読み込みする
一時的な問題の場合、これだけで解決することがあります。
手順:
- F5キーを押す
- または Ctrl+R(Macは Command+R)
- またはアドレスバー左の更新アイコンをクリック
対処法2:他のサイトも開けないか確認
特定のサイトだけの問題か、すべてのサイトで問題が起きているか確認します。
手順:
- Google(google.com)を開いてみます
- Yahoo!(yahoo.co.jp)を開いてみます
- YouTube(youtube.com)を開いてみます
すべて開けない場合は、インターネット接続自体に問題があります。
対処法3:インターネット接続を確認
本当にインターネットに繋がっているか確認しましょう。
確認方法:
- タスクバー(画面下)のネットワークアイコンを確認
- Wi-Fiマークに「×」や「!」が付いていないか確認
- スマホなら、他のアプリ(LINE、メールなど)が使えるか試す
対処法4:Wi-Fi・モバイルデータをオン・オフする
接続をリセットすると改善することがあります。
手順:
- Wi-Fiをオフにします
- 10秒待ちます
- Wi-Fiをオンにします
- 接続されるまで待ちます
対処法5:Chromeを再起動する
ブラウザを再起動するだけで直ることもあります。
手順:
- Chromeをすべて閉じます
- タスクマネージャー(Ctrl+Shift+Esc)で完全に終了しているか確認します
- Chromeを再度開きます
対処法6:パソコン・スマホを再起動する
再起動でネットワーク設定がリセットされます。
手順:
- 作業中のファイルを保存します
- 端末を再起動します
- 再起動後、接続を確認します
ルーター・モデムの問題と対処法
自宅のネットワーク機器に問題がある場合の対処法です。
ルーターを再起動する
最も効果的な方法の一つです。
手順:
- ルーターの電源を抜きます
- モデムの電源も抜きます(別にある場合)
- 30秒以上待ちます
- まずモデムの電源を入れます
- ランプが安定したら、ルーターの電源を入れます
- すべてのランプが正常になるまで待ちます(2〜3分)
- 接続を確認します
ルーターの設定を確認
ルーターの管理画面にアクセスして状態を確認します。
手順:
- ブラウザで「192.168.1.1」または「192.168.0.1」を開きます
- ルーターの管理画面にログインします
- インターネット接続状態を確認します
- エラーが表示されていれば、ルーターに問題があります
有線接続を試す
Wi-Fiではなく、LANケーブルで直接接続してみます。
確認できること:
- Wi-Fiの問題か、回線自体の問題かを切り分けられます
- 有線で繋がるなら、Wi-Fiルーターに問題があります
DNSの問題と対処法

DNSサーバーの問題で接続できないことがあります。
DNSとは
DNS(Domain Name System)は、ウェブサイトの名前(google.comなど)を数字のアドレス(IPアドレス)に変換するサービスです。
このサーバーに問題があると、サイトが見つからなくなります。
DNSキャッシュをクリアする
古いDNS情報が残っていると問題が起きます。
Windows:
- コマンドプロンプトを管理者として実行します
- 以下のコマンドを入力します:
ipconfig /flushdns
- Enterキーを押します
- 「DNS リゾルバー キャッシュは正常にフラッシュされました」と表示されます
Mac:
- ターミナルを開きます
- 以下のコマンドを入力します:
sudo dscacheutil -flushcache; sudo killall -HUP mDNSResponder
- パスワードを入力します
GoogleのDNSに変更する
プロバイダーのDNSに問題がある場合、GoogleのDNSに変更すると解決することがあります。
Windows:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」を開きます
- 使用中の接続(Wi-Fiまたはイーサネット)をクリックします
- 「IPアドレスの編集」をクリックします
- 「手動」を選択します
- IPv4をオンにします
- 以下のDNSを入力します:
- 優先DNS:8.8.8.8
- 代替DNS:8.8.4.4
- 「保存」をクリックします
Mac:
- 「システム環境設定」→「ネットワーク」を開きます
- 接続中のネットワークを選択します
- 「詳細」をクリックします
- 「DNS」タブを選択します
- 「+」ボタンで以下のDNSを追加します:
- 8.8.8.8
- 8.8.4.4
- 「OK」をクリックします
プロキシ・VPNの問題と対処法
プロキシやVPNが原因でエラーが出ることがあります。
プロキシ設定を確認する
プロキシが間違って設定されていないか確認します。
Windows:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」を開きます
- 「プロキシ」をクリックします
- 「プロキシサーバーを使う」がオフになっているか確認します
- オンになっている場合、オフにします
Mac:
- 「システム環境設定」→「ネットワーク」を開きます
- 接続中のネットワークを選択します
- 「詳細」→「プロキシ」タブを開きます
- すべてのプロキシ設定がオフになっているか確認します
VPNを一時的に無効化する
VPN接続が問題を起こしている可能性があります。
手順:
- VPNアプリを開きます
- 接続を切断します
- Chromeで接続を確認します
- VPNをオフにして問題が解決したら、VPNの設定を見直します
Chromeの設定・キャッシュの問題
Chrome自体に問題がある場合の対処法です。
キャッシュとCookieを削除する
溜まったデータが問題を起こすことがあります。
手順:
- Chromeの「設定」を開きます
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリックします
- 「閲覧履歴データの削除」を選択します
- 期間を「全期間」にします
- 以下にチェックを入れます:
- キャッシュされた画像とファイル
- Cookieと他のサイトデータ
- 「データを削除」をクリックします
注意:
Cookieを削除すると、サイトからログアウトされます。
拡張機能を無効化する
拡張機能が通信を妨げている可能性があります。
手順:
- アドレスバーに「chrome://extensions/」と入力します
- すべての拡張機能をオフにします
- Chromeを再起動します
- 接続を確認します
- 問題が解決したら、拡張機能を一つずつオンにして原因を特定します
シークレットモードで確認する
拡張機能やキャッシュの影響を除外して確認できます。
手順:
- Ctrl+Shift+N(Macは Command+Shift+N)を押します
- シークレットウィンドウが開きます
- サイトにアクセスしてみます
- シークレットモードで開ける場合、拡張機能やキャッシュが原因です
Chromeをリセットする
設定を初期状態に戻します。
手順:
- 「設定」→「リセットとクリーンアップ」を開きます
- 「設定を元の既定値に戻す」をクリックします
- 「設定のリセット」をクリックして確認します
注意:
スタートページや検索エンジンの設定がリセットされますが、ブックマークやパスワードは残ります。
セキュリティソフトの影響
ファイアウォールやセキュリティソフトが原因の場合があります。
ファイアウォールの設定を確認
Windows Defender ファイアウォール:
- 「設定」→「更新とセキュリティ」を開きます
- 「Windows セキュリティ」をクリックします
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」を選択します
- Chromeが許可されているか確認します
セキュリティソフトを一時的に無効化
セキュリティソフトが原因かどうか確認します。
手順:
- セキュリティソフトを一時的に無効化します
- Chromeで接続を確認します
- 問題が解決したら、セキュリティソフトの設定でChromeを許可します
重要:
確認後は必ずセキュリティソフトを有効に戻してください。
ネットワーク設定のリセット
より高度な対処法です。
Windowsのネットワーク設定をリセット
手順:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」を開きます
- 「状態」を選択します
- 「ネットワークのリセット」をクリックします
- 「今すぐリセット」をクリックします
- パソコンが再起動します
または、コマンドで実行:
- コマンドプロンプトを管理者として実行します
- 以下のコマンドを順番に入力します:
netsh winsock reset
netsh int ip reset
ipconfig /release
ipconfig /renew
ipconfig /flushdns
- パソコンを再起動します
Macのネットワーク設定をリセット
手順:
- 「システム環境設定」→「ネットワーク」を開きます
- 左下の歯車アイコンをクリックします
- 「サービスを無効にする」を選択します
- 再度歯車アイコンをクリックします
- 「サービスを有効にする」を選択します
スマホでのネットワークエラー対処法
スマホ特有の対処法です。
Android版Chrome
対処法1:機内モードのオン・オフ
- 機内モードをオンにします
- 10秒待ちます
- 機内モードをオフにします
対処法2:モバイルデータとWi-Fiの切り替え
- Wi-Fiをオフにしてモバイルデータで試します
- またはその逆を試します
対処法3:Chromeのデータを削除
- 「設定」→「アプリ」を開きます
- 「Chrome」を選択します
- 「ストレージ」をタップします
- 「キャッシュを削除」をタップします
iPhone版Chrome
対処法1:Wi-Fiの再接続
- 「設定」→「Wi-Fi」を開きます
- 接続中のWi-Fiをタップします
- 「このネットワーク設定を削除」をタップします
- 再度Wi-Fiに接続します
対処法2:ネットワーク設定をリセット
- 「設定」→「一般」を開きます
- 「転送またはiPhoneをリセット」をタップします
- 「リセット」をタップします
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択します
特殊なケースの対処法
一般的でない状況での解決方法です。
会社や学校のネットワーク
組織のネットワークでは特殊な設定が必要な場合があります。
対処法:
- IT部門に問い合わせます
- プロキシ設定が必要か確認します
- 特定のサイトがブロックされていないか確認します
公共Wi-Fiでのエラー
カフェや駅などの公共Wi-Fiでエラーが出る場合です。
対処法:
- ブラウザを開くと認証ページが表示されるはずです
- 表示されない場合、適当なウェブサイト(google.comなど)を開きます
- 認証ページにリダイレクトされます
- 利用規約に同意して接続します
IPv6の問題
一部の環境では、IPv6が問題を起こします。
対処法:
- ネットワークアダプターの設定を開きます
- IPv6を無効化します
- 接続を確認します
予防策と日常のメンテナンス
エラーを防ぐための対策です。
定期的な再起動
ルーターとパソコンを週に1回程度再起動すると、問題を予防できます。
Chromeを最新版に保つ
古いバージョンでは問題が起きやすくなります。
確認方法:
- 「設定」→「Chromeについて」を開きます
- 自動的に更新がチェックされます
- 最新版にアップデートします
キャッシュを定期的に削除
月に1回程度、キャッシュを削除すると良いでしょう。
安定した接続環境を作る
- ルーターを適切な場所に設置する
- 電子レンジなど電波を妨害する機器から離す
- 5GHz帯のWi-Fiを使用する(可能なら)
よくある質問
ネットワークエラーに関する疑問にお答えします。
他のブラウザは繋がるのにChromeだけ繋がらない理由は?
Chromeの設定、拡張機能、またはキャッシュに問題がある可能性が高いです。この記事の対処法を試してください。
エラーコードの意味を確認する方法は?
Googleで「Chrome ERR_○○○」と検索すると、詳しい情報が見つかります。
ネットワークエラーはウイルスが原因?
可能性はゼロではありませんが、ほとんどの場合は設定やネットワークの問題です。心配ならセキュリティソフトでスキャンしましょう。
どの対処法から試せばいい?
この記事の順番通りに試すのがおすすめです。簡単な方法から始めて、徐々に詳しい対処法に進んでください。
何をしても解決しない場合は?
回線業者に問い合わせるか、専門家に相談しましょう。ハードウェアの故障の可能性もあります。
まとめ
Chromeのネットワークエラーは、原因を特定して適切に対処すれば解決できます。
この記事のポイント:
- まずページの再読み込みと再起動を試す
- 他のサイトも開けないか確認する
- ルーターの再起動が効果的
- DNSの変更やキャッシュの削除も有効
- プロキシやVPNが原因の場合もある
- セキュリティソフトの干渉も確認
- 最終手段はネットワーク設定のリセット
多くの場合、再起動やキャッシュの削除で解決します。
それでもダメなら、DNS設定の変更やネットワーク設定のリセットを試してみましょう。焦らず一つずつ対処すれば、必ず原因が見つかるはずです。
どうしても解決しない場合は、回線業者やメーカーのサポートに相談するのも選択肢の一つですよ。


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