Chromeでトラッキングを拒否する方法!プライバシー保護の設定完全ガイド

プログラミング・IT

インターネットを使っていると、見たサイトの広告が別のサイトでも表示されて驚いた経験はありませんか?

これは「トラッキング」という仕組みで、ウェブサイトがあなたの行動を追跡しているからです。便利な面もありますが、プライバシーが気になる人も多いでしょう。

この記事では、Google Chromeでトラッキングを拒否する方法を分かりやすく解説します。プライバシーを守りながら快適にインターネットを楽しむための設定を、初心者にも分かるように説明していきます。

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トラッキングとは?

トラッキングとは、ウェブサイトがあなたのオンライン行動を追跡する仕組みのことです。

トラッキングの仕組み

ウェブサイトを訪問すると、「Cookie(クッキー)」という小さなデータがブラウザに保存されます。このCookieを使って、サイトは以下のような情報を記録します。

  • どのページを見たか
  • どれくらいの時間滞在したか
  • どんな商品を見たか
  • どこから来たか(検索エンジン、SNSなど)

トラッキングの種類

ファーストパーティトラッキング

訪問したサイト自身が行うトラッキングです。例えば、ネットショップがあなたのカートの中身を覚えているのは、このトラッキングのおかげです。

サードパーティトラッキング

訪問したサイトとは別の会社が行うトラッキングです。広告会社が複数のサイトをまたいで、あなたの行動を追跡します。

プライバシーの観点で問題になるのは、主にサードパーティトラッキングの方です。

トラッキングのメリット

  • サイトにログインしたままにできる
  • ショッピングカートの中身が保存される
  • あなたの興味に合った広告が表示される
  • サイトが使いやすくなる

トラッキングのデメリット

  • プライバシーが侵害される可能性がある
  • 行動が記録され続ける
  • 個人情報が第三者に渡る可能性がある
  • 同じ広告が何度も表示される

Chromeのトラッキング拒否機能

Chromeには、トラッキングを制限するための機能がいくつか用意されています。

サードパーティCookieのブロック

Chromeは2024年から段階的に、サードパーティCookieを制限する方針を進めています。

サードパーティCookieとは:

訪問したサイト以外のドメインが設置するCookieです。主に広告会社が使用しており、複数のサイトをまたいであなたを追跡できます。

これをブロックすることで、サイト間での追跡を防げます。

プライバシーサンドボックス

Googleが開発した新しいプライバシー保護技術です。

特徴:

  • トラッキングを防ぎながら広告も機能する
  • 個人を特定せずに興味関心を推測する
  • サイトの収益も維持できる

完全にトラッキングを止めるのではなく、プライバシーと利便性のバランスを取る仕組みです。

トラッキング拒否の設定

Chromeでは、いくつかの設定を組み合わせてトラッキングを制限できます。次のセクションで具体的な方法を説明します。

トラッキング拒否の設定方法

パソコン版Chromeでの設定手順を詳しく説明します。

基本的なプライバシー設定

手順:

  1. Chromeの右上「︙」(三点メニュー)をクリックします
  2. 「設定」を選択します
  3. 左側メニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリックします
  4. ここでトラッキング関連の設定ができます

サードパーティCookieをブロックする

手順:

  1. 「プライバシーとセキュリティ」を開きます
  2. 「サードパーティCookie」をクリックします
  3. 以下の3つから選択できます:

選択肢1:サードパーティCookieを許可する

すべてのCookieを許可します。プライバシー保護は弱いですが、サイトの動作は安定します。

選択肢2:シークレットモードでサードパーティCookieをブロックする

通常のブラウジングではCookieを許可し、シークレットモードだけブロックします。

選択肢3:サードパーティCookieをブロックする(推奨)

すべてのサードパーティCookieをブロックします。最もプライバシーが保護されますが、一部のサイトで問題が起きる可能性があります。

トラッキング防止機能を有効にする

手順:

  1. 「プライバシーとセキュリティ」を開きます
  2. 「トラッキング防止」をクリックします
  3. 以下の機能をオンにできます:

Do Not Track リクエストを送信

訪問したウェブサイトに対して「トラッキングしないでください」というリクエストを送ります。

ただし、これは単なる「お願い」であり、強制力はありません。サイトが従うかどうかは任意です。

使い方:

  1. 「トラッキング防止」画面で「Do Not Track リクエストをブラウジングトラフィックと一緒に送信する」をオンにします

広告のカスタマイズをオフにする

Googleアカウントの広告設定も変更できます。

手順:

  1. 「プライバシーとセキュリティ」を開きます
  2. 「広告のプライバシー」をクリックします
  3. 以下の項目を設定できます:

広告トピック

あなたの興味に基づいて広告が表示される機能です。オフにすると、興味関連広告が減ります。

サイトが提案する広告

訪問したサイトがあなたの興味を推測して広告を表示する機能です。

広告の測定

広告の効果を測定する機能です。

これらをすべてオフにすることで、パーソナライズされた広告を減らせます。

すべてのCookieを削除する

溜まったCookieを一括削除する方法です。

手順:

  1. 「プライバシーとセキュリティ」を開きます
  2. 「閲覧履歴データの削除」をクリックします
  3. 期間を「全期間」にします
  4. 「Cookieと他のサイトデータ」にチェックを入れます
  5. 「データを削除」をクリックします

注意:

Cookieを削除すると、サイトからログアウトされます。IDとパスワードを覚えておきましょう。

特定のサイトのCookieだけを削除

すべてではなく、一部のサイトのCookieだけを削除することもできます。

手順:

  1. 「プライバシーとセキュリティ」を開きます
  2. 「サイトの設定」をクリックします
  3. 「すべてのサイトに保存されているデータと権限を表示」をクリックします
  4. サイトの一覧が表示されます
  5. 削除したいサイトを探して「ゴミ箱」アイコンをクリックします

シークレットモードを活用する

シークレットモードは、トラッキングを制限する簡単な方法です。

シークレットモードとは

通常のブラウジングとは別の、プライベートなブラウジングモードです。

特徴:

  • 閲覧履歴が保存されない
  • Cookieは一時的に保存され、閉じると削除される
  • サイトはあなたを追跡しにくくなる
  • ダウンロード履歴も残らない

シークレットモードの開き方

パソコン:

  • ショートカットキー:Ctrl+Shift+N(Macは Command+Shift+N)
  • メニューから:「︙」→「新しいシークレットウィンドウ」

スマホ:

  • Android:「︙」→「新しいシークレットタブ」
  • iPhone:「…」→「新しいシークレットタブ」

シークレットモードの注意点

完全に匿名ではない:

  • あなたのIPアドレスは見える
  • 勤務先や学校のネットワーク管理者には見える
  • インターネットプロバイダーにも記録される
  • 訪問したサイト自体は記録を残せる

シークレットモードは「自分のパソコンに履歴を残さない」ための機能です。完全な匿名性を保証するものではありません。

スマホ版Chromeでの設定

スマホでもトラッキング拒否の設定ができます。

Android版Chromeの設定

手順:

  1. Chromeアプリを開きます
  2. 右上の「︙」をタップします
  3. 「設定」をタップします
  4. 「プライバシーとセキュリティ」をタップします
  5. 以下の設定ができます:
  • 「Do Not Track」をオンにする
  • 「サードパーティCookie」をブロックする
  • 「閲覧データを削除」でCookieを消す

iPhone版Chromeの設定

手順:

  1. Chromeアプリを開きます
  2. 右下の「…」をタップします
  3. 「設定」をタップします
  4. 「プライバシー」をタップします
  5. 同様にトラッキング関連の設定ができます

拡張機能でさらに強化する

Chromeの標準機能に加えて、拡張機能を使うとより強力にトラッキングを防げます。

uBlock Origin

広告とトラッキングをブロックする人気の拡張機能です。

特徴:

  • 広告をブロック
  • トラッキングスクリプトをブロック
  • 軽量で高速
  • 無料でオープンソース

サイトの表示速度も上がるので、プライバシー保護と快適性の両方が得られます。

Privacy Badger

自動的にトラッキングを検出してブロックする拡張機能です。

特徴:

  • トラッキングを学習してブロック
  • 使えば使うほど賢くなる
  • EFF(電子フロンティア財団)が開発

設定不要で使えるので、初心者にもおすすめです。

Ghostery

トラッキング技術を可視化してブロックする拡張機能です。

特徴:

  • どのトラッカーが動いているか表示
  • 個別にブロックの設定ができる
  • トラッカーの詳細情報が見られる

トラッキングの仕組みを理解したい人に向いています。

拡張機能の注意点

信頼できるものだけをインストール:

怪しい拡張機能は、逆にあなたの情報を盗む可能性があります。評価が高く、有名な拡張機能だけを使いましょう。

入れすぎに注意:

拡張機能を入れすぎると、Chromeが重くなります。本当に必要なものだけに絞りましょう。

VPNでさらに匿名性を高める

より強力にプライバシーを守りたい場合、VPNの利用を検討できます。

VPNとは

Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)の略で、あなたのインターネット通信を暗号化して、別の場所を経由させる技術です。

効果:

  • IPアドレスが隠せる
  • 通信内容が暗号化される
  • 位置情報が分かりにくくなる
  • 公共Wi-Fiでも安全に通信できる

VPNの選び方

有料サービスがおすすめ:

無料VPNは、逆にあなたのデータを収集している場合があります。信頼できる有料サービスを選びましょう。

人気のVPNサービス:

  • NordVPN
  • ExpressVPN
  • ProtonVPN

ただし、VPNを使ってもウェブサイト自身によるトラッキングは防げません。Cookieの設定と組み合わせることが大切です。

トラッキング拒否の注意点

トラッキングを完全にブロックすると、いくつかの問題が起きる可能性があります。

サイトが正常に動かない

一部のサイトは、Cookieがないと正しく機能しません。

起きる問題:

  • ログインできない
  • ショッピングカートが使えない
  • サイトの機能が制限される
  • エラーメッセージが表示される

対処法:

信頼できるサイトだけ、Cookieを許可する設定にしましょう。

広告が増える可能性

トラッキングをブロックすると、あなたの興味に合わない広告が表示されるようになります。

パーソナライズされた広告の方が、関係ない広告よりマシだと感じる人もいるでしょう。

サイトの収益に影響する

多くの無料サイトは、広告収入で運営されています。トラッキングや広告をブロックすると、好きなサイトの収益が減る可能性があります。

応援したいサイトでは、広告を許可するのも一つの選択肢です。

プライバシーとバランスを取る

完全にトラッキングを拒否するか、ある程度は許容するか、バランスを考えましょう。

推奨設定レベル

レベル1:基本的な保護

  • サードパーティCookieをブロック
  • Do Not Track を有効化
  • 定期的にCookieを削除

これだけでも、かなりプライバシーが守られます。

レベル2:強めの保護

  • レベル1の設定に加えて
  • 広告ブロック拡張機能を導入
  • 広告のカスタマイズをオフ
  • シークレットモードを多用

より強力に保護したい人向けです。

レベル3:最大限の保護

  • レベル2の設定に加えて
  • VPNを使用
  • 複数のプライバシー拡張機能
  • 定期的にプロファイルをリセット

高度なプライバシー保護が必要な人向けです。ただし、一部のサイトが使いにくくなる可能性があります。

信頼できるサイトは許可する

すべてを拒否するのではなく、信頼できるサイトでは許可する柔軟性も大切です。

許可を検討すべきサイト:

  • よく使う銀行のサイト
  • 信頼できるネットショップ
  • 応援したいメディアサイト
  • 業務で必要なツール

よくある質問

トラッキング拒否に関する疑問にお答えします。

Do Not Track は本当に効果がある?

Do Not Track は強制力がないため、効果は限定的です。サイトがこのリクエストに従うかどうかは任意なので、過信は禁物です。

トラッキングを拒否すると違法?

いいえ、違法ではありません。あなたのプライバシーを守る権利があり、トラッキングを拒否することは正当な行為です。

完全に匿名でインターネットを使える?

完全な匿名性を実現するのは非常に難しいです。VPN、Tor、プライバシー重視のブラウザなどを組み合わせる必要があります。

トラッキングされているか確認できる?

拡張機能(GhosteryやPrivacy Badgerなど)を使えば、どのトラッカーが動いているか確認できます。

スマホとパソコンで設定は共有される?

Chromeにログインして同期をオンにすれば、一部の設定が共有されます。ただし、すべての設定が同期されるわけではありません。

まとめ

Chromeでトラッキングを拒否する設定を行えば、プライバシーを守りながらインターネットを楽しめます。

この記事のポイント:

  • トラッキングは主にCookieを使って行われる
  • サードパーティCookieをブロックするのが効果的
  • Do Not Track は補助的な機能
  • シークレットモードでさらに保護できる
  • 拡張機能で強化も可能
  • 完全な拒否はサイトの動作に影響する
  • プライバシーと利便性のバランスが大切

まずはサードパーティCookieをブロックする設定から始めてみましょう。

プライバシーは大切ですが、あまり厳格にしすぎると不便になります。自分にとって快適なバランスを見つけて、安全で楽しいインターネット生活を送ってください!

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