「さっき閉じたタブをもう一度開きたい」
「クラッシュ前に開いていたページを復元したい」
「複数のタブをまとめて保存しておきたい」
Chromeのセッション管理を理解すると、タブを失う心配がなくなり、作業効率が大幅に向上します。
この記事では、Chromeのセッションとは何か、確認方法、保存・復元の仕方、便利な拡張機能まで詳しく解説していきます。タブを開きすぎて困っている方も、これで安心ですよ。
Chromeのセッションとは?

セッションとは、ブラウザで開いているタブやウィンドウの状態をまとめて指す言葉です。
もっと簡単に言うと、「今、Chromeで何を開いているか」という情報のことですね。
セッションに含まれる情報
Chromeのセッションには、以下のような情報が含まれます。
タブの情報:
- 開いているすべてのタブのURL
- タブの順番
- 各タブの閲覧履歴(戻る・進むボタンで移動できる範囲)
ウィンドウの情報:
- 開いているウィンドウの数
- 各ウィンドウのサイズや位置
- どのウィンドウにどのタブがあるか
その他の状態:
- スクロール位置(一部保存される)
- フォームに入力中のテキスト(場合による)
なぜセッション管理が重要?
セッション管理ができると、以下のような場面で役立ちます。
作業の継続:
- Chromeをいったん閉じても、後で同じ状態から再開できる
- PCの再起動が必要な時も安心
タブの整理:
- 大量に開いたタブを整理しやすくなる
- プロジェクトごとにセッションを分けられる
バックアップ:
- クラッシュや誤操作からの復旧
- 重要な作業状態を保存
複数デバイスでの同期:
- 自宅と職場で同じタブを開ける
- スマホで見ていたページをPCで続きから見られる
現在のセッション(開いているタブ)を確認する方法
今、Chromeでどんなタブを開いているか確認する方法です。
方法1:タブバーで確認
最もシンプルな方法は、画面上部のタブを見ることです。
見方:
- タブのタイトルが表示されている
- ファビコン(サイトのアイコン)で視覚的に識別
- タブをクリックすると、そのページに切り替わる
タブが多すぎる場合:
右端に「→」アイコンが表示され、クリックすると隠れているタブが見られます。
方法2:タブ検索機能を使う
Chrome 89以降では、タブ検索機能が使えます。
手順:
1. タブ検索アイコンをクリック
タブバーの右端にある「∨」(下向き矢印)をクリックします。
または、ショートカットキー:
- Windows/ChromeOS:
Ctrl + Shift + A - Mac:
Command + Shift + A
2. タブのリストが表示
開いているすべてのタブが一覧表示されます。
3. 検索する
検索ボックスにキーワードを入力すると、該当するタブだけが表示されます。
4. タブに移動
リストからタブをクリックすると、そのタブに切り替わります。
メリット:
- 数十個のタブを開いていても、すぐに目的のタブを見つけられる
- 最近開いたタブが上位に表示される
方法3:履歴から確認
手順:
1. 履歴を開く
ショートカットキー:
- Windows/ChromeOS:
Ctrl + H - Mac:
Command + Y
または、「︙」→「履歴」→「履歴」
2. タブが時系列で表示
最近開いたページが新しい順に並びます。
3. 再度開く
クリックすると、そのページが開きます。
注意点:
これは閉じたタブも含む履歴なので、現在開いているタブだけではありません。
方法4:タスクマネージャーで確認
Chromeの内部タスクマネージャーで、タブとメモリ使用量を確認できます。
手順:
1. タスクマネージャーを開く
ショートカットキー:
- Windows/ChromeOS:
Shift + Esc - Mac:
Command + Option + Escではなく、メニューから
または、「︙」→「その他のツール」→「タスク マネージャ」
2. タブの一覧が表示
各タブの情報が表示されます:
- タブ名
- メモリ使用量
- CPU使用率
- ネットワーク使用量
3. 重いタブを特定
メモリやCPUを多く使っているタブが分かります。
4. タブを終了
選択して「プロセスを終了」をクリックすると、そのタブだけを閉じられます。
セッションの保存方法
現在のセッション(開いているタブ)を保存する方法です。
方法1:ブックマークにすべてのタブを保存
手順:
1. ブックマークマネージャーを開く
ショートカットキー:
- Windows/ChromeOS:
Ctrl + Shift + O - Mac:
Command + Option + B
2. すべてのタブをブックマーク
Windows/ChromeOS:
- すべてのタブが開いている状態で
Ctrl + Shift + D
Mac:
Command + Shift + D
3. フォルダ名を入力
「すべてのタブをブックマークに追加」というダイアログが表示されます。
分かりやすい名前をつけます(例:「2025年11月6日の作業」)。
4. 保存
「保存」をクリックすると、新しいフォルダにすべてのタブがブックマークされます。
後で開く方法:
- ブックマークバーまたはブックマークマネージャーで、保存したフォルダを右クリック
- 「すべてのブックマークを開く」を選択
- すべてのタブが一度に復元されます
方法2:Chrome標準の「前回開いていたページを開く」
手順:
1. 設定を開く
「︙」→「設定」
2. 起動時の設定
「起動時」セクションで「前回開いていたページを開く」を選択します。
3. 次回起動時に復元
Chromeを閉じて再度開くと、前回のセッションが復元されます。
メリット:
自動的に復元されるので、設定するだけでOK
デメリット:
最新のセッションしか保存されない(複数の状態を保存できない)
方法3:拡張機能を使う(詳しくは後述)
SessionBuddy、OneTab などの拡張機能を使うと、より高度なセッション管理ができます。
閉じたタブ・ウィンドウを復元する方法
誤ってタブを閉じてしまった場合の復元方法です。
直前に閉じたタブを復元
ショートカットキー:
- Windows/ChromeOS:
Ctrl + Shift + T - Mac:
Command + Shift + T
このショートカットを押すと、最後に閉じたタブが復元されます。
連続して押す:
何度も押すと、閉じた順番に遡ってタブが復元されます。
例:
- 1回目:最後に閉じたタブ
- 2回目:その前に閉じたタブ
- 3回目:さらに前に閉じたタブ
どこまで復元できる?:
通常、10個程度まで遡れます。
右クリックメニューから復元
手順:
1. タブを右クリック
タブバーの適当なタブを右クリックします。
2. メニューから選択
「閉じたタブを再度開く」を選択します。
これも最後に閉じたタブが復元されます。
履歴から特定のタブを復元
手順:
1. 履歴を開く
Ctrl + H(Windows)または Command + Y(Mac)
2. 最近閉じたタブを確認
履歴の上部に「最近閉じたタブ」セクションがあります。
3. 開きたいタブをクリック
復元したいタブをクリックすると、再度開きます。
ウィンドウごと復元
ウィンドウ全体を誤って閉じた場合も、Ctrl + Shift + T で復元できます。
動作:
ウィンドウを閉じた場合、そのウィンドウに含まれていたすべてのタブが復元されます。
クラッシュ後のセッション復元
Chromeがクラッシュした場合の対処法です。
自動復元機能
通常の動作:
Chromeがクラッシュすると、次回起動時に自動的に復元の提案が表示されます。
表示内容:
「Chromeが正しくシャットダウンされませんでした」
「復元」ボタン
復元方法:
「復元」ボタンをクリックすると、クラッシュ前のセッションが復元されます。
復元画面が出ない場合
手順:
1. 履歴を確認
Ctrl + H で履歴を開きます。
2. 最近閉じたタブを確認
クラッシュ直前のタブが「最近閉じたタブ」に表示されることがあります。
3. 手動で開く
履歴から、必要なページを1つずつ開きます。
セッションファイルから復元(上級者向け)
Chromeはセッション情報をファイルとして保存しています。
ファイルの場所:
Windows:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\Default\
Mac:
~/Library/Application Support/Google/Chrome/Default/
ファイル名:
Current Session:現在のセッションLast Session:前回のセッション
注意:
これらのファイルを直接編集するのは推奨されません。バックアップ目的で別の場所にコピーしておくことは有効です。
セッション管理の便利な拡張機能
より高度なセッション管理をしたい場合は、拡張機能がおすすめです。
Session Buddy
特徴:
- セッションを名前を付けて保存
- 複数のセッションを管理
- 自動バックアップ
- タブの検索機能
使い方:
1. インストール
Chrome ウェブストアで「Session Buddy」を検索してインストールします。
2. セッションを保存
拡張機能のアイコンをクリック →「Save Session」
3. 名前を付ける
分かりやすい名前を入力(例:「プロジェクトA」「調査タブ」)
4. 後で復元
Session Buddyのアイコンから保存済みセッションを選んで「Open」
メリット:
- プロジェクトごとにセッションを分けられる
- 自動保存機能で安心
- タブの整理がしやすい
OneTab
特徴:
- 複数のタブを1つのリストにまとめる
- メモリ使用量を大幅削減
- タブの共有機能
使い方:
1. インストール
Chrome ウェブストアで「OneTab」を検索してインストール
2. タブをまとめる
拡張機能のアイコンをクリックすると、すべてのタブがOneTabのリストに保存され、タブが閉じられます。
3. 必要なタブだけ復元
OneTabのページで、開きたいタブをクリックすると個別に復元できます。
4. すべて復元
「すべて復元」をクリックすると、まとめたタブが一度に開きます。
メリット:
- メモリを節約できる(タブを大量に開いても重くならない)
- タブが視覚的に整理される
- シンプルで使いやすい
Toby for Chrome
特徴:
- 美しいUIでタブを管理
- コレクション機能
- チームでの共有
使い方:
新しいタブを開くと、Tobyの画面が表示されます。
タブをドラッグ&ドロップでコレクションに追加できます。
メリット:
- 視覚的に分かりやすい
- デザインが美しい
- チーム作業に便利
Tab Session Manager
特徴:
- 自動保存機能
- セッション名の編集
- 定期的なバックアップ
- クラウド同期(有料)
使い方:
自動的にセッションが保存されるため、設定不要で使えます。
拡張機能のアイコンから、保存されたセッションを確認・復元できます。
メリット:
- 自動保存で手間いらず
- 定期的なバックアップ
- 細かい設定が可能
セッションの同期と共有
複数のデバイス間でセッションを同期する方法です。
Chrome標準の同期機能
設定方法:
1. Googleアカウントでログイン
Chrome右上のプロフィールアイコンをクリック →「同期を有効にする」
2. 同期の設定
「設定」→「同期とGoogle サービス」→「同期の詳細設定」
3. 開いているタブを同期
「開いているタブ」にチェックが入っているか確認します。
確認方法:
他のデバイスのタブを見る:
- 「︙」→「履歴」を開く
- 「他のデバイスからのタブ」セクションを確認
- スマホやタブレットで開いているタブが表示される
メリット:
- 自動で同期される
- 追加設定不要
- すべてのデバイスで最新の状態
デメリット:
- リアルタイム同期ではない(多少のタイムラグあり)
- セッションの「名前付き保存」はできない
セッション管理のベストプラクティス
効果的にセッションを管理するコツです。
コツ1:定期的にタブを整理
おすすめの頻度:
- 毎日:不要なタブを閉じる
- 週1回:セッションを保存して新しくスタート
方法:
OneTabやSession Buddyでタブをまとめてから、ブラウザを軽い状態にリセットします。
コツ2:プロジェクトごとにセッションを分ける
例:
- 「仕事プロジェクトA」セッション
- 「趣味の調べ物」セッション
- 「買い物リスト」セッション
Session Buddyなどで名前を付けて保存すると、管理しやすくなります。
コツ3:重要なタブはブックマークに
一時的なタブはセッション管理で、長期的に必要なページはブックマークに保存しましょう。
使い分け:
- セッション管理:数日〜数週間の作業
- ブックマーク:いつでも参照したいページ
コツ4:自動保存を活用
Tab Session Managerのような自動保存機能がある拡張機能を使えば、手動保存を忘れても安心です。
コツ5:クラウドバックアップ
重要なセッションは、クラウドにバックアップしておくと安全です。
方法:
- Session Buddyのエクスポート機能でファイルとして保存
- Google DriveやDropboxに保管
トラブルシューティング
セッション管理に関するよくある問題と解決方法です。
トラブル1:「前回のセッションを復元」が効かない
症状:
設定しているのに、前回のタブが復元されない。
原因と対処法:
1. 設定を再確認
「設定」→「起動時」→「前回開いていたページを開く」が選択されているか確認します。
2. シークレットモードのタブは復元されない
シークレットモードで開いたタブは、セッションに含まれません。
3. Chromeを正常に終了する
タスクマネージャーから強制終了すると、セッションが保存されないことがあります。
必ず「×」ボタンで正常に終了しましょう。
4. 拡張機能が干渉
一部の拡張機能がセッション復元を妨げることがあります。
拡張機能を一時的にオフにして確認してください。
トラブル2:Ctrl + Shift + T が効かない
症状:
ショートカットキーを押しても、タブが復元されない。
対処法:
1. 履歴が残っているか確認
履歴を削除していると、復元できません。
2. 限界数に達している
復元できるタブ数には限りがあります(通常10個程度)。
3. Chromeを再起動
一度完全に終了してから、もう一度開いてみます。
トラブル3:セッションファイルが破損
症状:
クラッシュ後、セッションが復元できない。
対処法:
1. Last Sessionファイルを確認
セッションファイルの場所にアクセスし、Last Session ファイルが存在するか確認します。
2. バックアップから復元
事前にバックアップを取っていれば、そこから復元します。
3. 履歴から手動復元
履歴を頼りに、手動でタブを開き直します。
トラブル4:タブが多すぎて動作が重い
症状:
大量のタブを開いていて、Chromeが重くなる。
対処法:
1. OneTabでまとめる
使わないタブをOneTabでまとめると、メモリが解放されます。
2. タブを閉じる
本当に必要なタブだけを残します。
3. 拡張機能「The Great Suspender」
しばらく使っていないタブを自動的にサスペンド(一時停止)してメモリを節約します。
セキュリティとプライバシー
セッション管理に関するセキュリティの注意点です。
注意点1:他人と共有するPCでは注意
リスク:
他人があなたのセッションを復元できてしまいます。
対策:
- 共有PCでは「前回のセッションを復元」をオフ
- 使用後は履歴とCookieを削除
- シークレットモードを使用
注意点2:ログイン状態が復元される
セッションを復元すると、Cookieも含めて復元されるため、ログイン状態も維持されます。
対策:
重要なサイトは、使用後に必ずログアウトしましょう。
注意点3:セッションファイルのバックアップ
セッションファイルには、開いていたURLがすべて記録されています。
対策:
- バックアップファイルは安全な場所に保管
- 他人に見られないように注意
- 必要なくなったら削除
よくある質問(FAQ)
Q1:セッションとブックマークの違いは?
A:
- セッション:今開いているタブの状態。一時的な作業向け。
- ブックマーク:永続的に保存されたURL。いつでも参照したいページ向け。
Q2:何個までタブを復元できますか?
A:制限はありませんが、あまり多いと動作が重くなります。
実用的には20〜30個程度が快適です。
Q3:スマホのChromeでもセッション管理できますか?
A:モバイル版は機能が限定的です。
「最近閉じたタブ」から復元することはできますが、拡張機能は使えません。
Q4:セッションを他の人と共有できますか?
A:拡張機能(Session BuddyやToby)を使えば可能です。
エクスポートしたファイルを相手に送ることで共有できます。
Q5:セッションファイルを手動でバックアップすべきですか?
A:重要な作業をしている場合は推奨します。
定期的に Current Session と Last Session ファイルをコピーしておくと安心です。
Q6:Chromeの同期とセッション管理の拡張機能、どちらがいいですか?
A:用途によります。
- Chrome同期:複数デバイス間での自動同期
- 拡張機能:プロジェクト別の管理、名前付き保存
両方を併用するのもおすすめです。
まとめ:セッション管理でタブを失わない
Chromeのセッション管理について、重要なポイントをまとめます。
セッションとは:
ブラウザで開いているタブやウィンドウの状態
確認方法:
- タブバーで視覚的に確認
- タブ検索機能(
Ctrl + Shift + A) - 履歴(
Ctrl + H) - タスクマネージャー(
Shift + Esc)
保存方法:
- すべてのタブをブックマーク(
Ctrl + Shift + D) - 「前回開いていたページを開く」設定
- 拡張機能(Session Buddy、OneTab)
復元方法:
- 閉じたタブを復元(
Ctrl + Shift + T) - 履歴から復元
- クラッシュ後の自動復元
- 拡張機能から復元
おすすめ拡張機能:
- Session Buddy:セッションを名前付きで管理
- OneTab:タブをまとめてメモリ節約
- Tab Session Manager:自動保存機能
- Toby:美しいUIで管理
同期:
- Chrome標準の同期機能で複数デバイス間で共有
- 「他のデバイスからのタブ」で確認
ベストプラクティス:
- 定期的にタブを整理
- プロジェクトごとにセッション分け
- 重要なページはブックマークに
- 自動保存を活用
- クラウドバックアップ
トラブル対処:
- 復元が効かない → 設定確認、正常終了
- ショートカットが効かない → 履歴確認
- 動作が重い → OneTabでまとめる
セキュリティ:
- 共有PCでは注意
- ログアウトを忘れずに
- バックアップファイルの管理
セッション管理をマスターすると、タブを失う心配がなくなり、作業効率が大幅に向上します。
特に、Ctrl + Shift + T でタブを復元できることを覚えておけば、誤って閉じてしまっても安心です。
拡張機能を使えば、さらに高度な管理も可能になります。
Session BuddyやOneTabは無料で使えるので、ぜひ試してみてください。
大量のタブを開きがちな方も、これで整理整頓できるようになりますよ。
この記事を参考に、快適なタブ管理を実現してくださいね!

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