「メール一覧で、同じ件名のメールが折りたたまれて見づらい…」
「スレッド表示って何?普通の一覧表示に戻したい」
「返信メールが元のメールの下に隠れて、気づきにくい」
Thunderbirdでメールを見ていると、同じ件名や関連するメールが自動的にまとまって表示されることがありますよね。これがスレッド表示という機能です。
便利な機能なのですが、慣れていないと「メールが消えた?」と思ったり、見落としたりすることも。普通の一覧表示(時系列順)の方が好きという方も多いはずです。
この記事では、Thunderbirdのスレッド表示を無効にする方法を、メリット・デメリットも含めて初心者の方にも分かるように丁寧に解説していきます。自分に合った表示方法を見つけましょう!
スレッド表示って何?基本を理解しよう

まず、スレッド表示がどんな機能か確認しておきましょう。
スレッド表示とは
スレッド表示は、関連するメール(同じ件名や返信・転送のメール)を1つのグループにまとめて表示する機能です。
例えば:
元のメール:「プロジェクトの件」
└─ 返信1:「Re: プロジェクトの件」
└─ 返信2:「Re: プロジェクトの件」
└─ 返信3:「Re: プロジェクトの件」
このように、会話の流れが木構造(ツリー)で表示されます。
通常表示との違い
通常表示(スレッド表示OFF):
2024/01/10 10:00 - プロジェクトの件(山田)
2024/01/10 11:30 - 会議の件(佐藤)
2024/01/10 14:00 - Re: プロジェクトの件(田中)
2024/01/10 15:20 - Re: 会議の件(山田)
2024/01/10 16:00 - Re: プロジェクトの件(佐藤)
全てのメールが時系列順に並びます。
スレッド表示(ON):
▼ プロジェクトの件(山田) 2024/01/10 10:00 [3]
└─ Re: プロジェクトの件(田中) 14:00
└─ Re: プロジェクトの件(佐藤) 16:00
▼ 会議の件(佐藤) 2024/01/10 11:30 [2]
└─ Re: 会議の件(山田) 15:20
関連メールがグループ化され、▼マークで折りたたまれます。
スレッド表示の見分け方
スレッド表示がONになっているかは、メール一覧の左端を見れば分かります。
スレッド表示ON:
- 左端に
▶(三角形)や▼マークが表示される - 同じ件名のメールが1つにまとまっている
- 展開すると、下に関連メールが表示される
スレッド表示OFF:
- 三角形マークがない
- 全てのメールが独立して表示される
- 時系列順に並んでいる
なぜスレッド表示があるの?
目的:
- 会話の流れを追いやすくする
- 受信トレイをスッキリさせる
- 関連メールを見つけやすくする
- メーリングリストの管理に便利
特にビジネスメールで、長い議論のやり取りがある場合に威力を発揮します。
スレッド表示が不便なケース
でも、以下のような場合は不便に感じることも:
不便な理由1:新着メールに気づきにくい
折りたたまれていると、返信メールが来たことに気づかないことがあります。
不便な理由2:件名が変わらないメールが混ざる
「Re: 会議の件」という件名で、全く別の話題が始まることもありますが、同じスレッドにまとまってしまいます。
不便な理由3:操作が面倒
いちいち展開しないと、中身が見られません。
不便な理由4:慣れていない
昔ながらの時系列表示に慣れている方には、分かりにくいです。
スレッド表示を無効にする方法
それでは、実際にスレッド表示を解除してみましょう。
方法1:メニューから切り替え(最も簡単)
最も簡単で、すぐに切り替えられる方法です。
手順:
ステップ1:表示メニューを開く
- Thunderbirdのメニューバーから「表示」をクリック
- メニューバーが表示されていない場合は、
Altキーを押すと表示されます
ステップ2:並べ替えを選択
「表示」→「並べ替え」を選択します。
ステップ3:スレッド表示を解除
「並べ替え」の中に「スレッド」という項目があります。
- チェックが入っている→スレッド表示ON
- チェックを外す→スレッド表示OFF
「スレッド」をクリックして、チェックを外しましょう。
結果:
すぐにメール一覧が変わり、全てのメールが時系列順に表示されます。
方法2:ツールバーのボタンから切り替え
もっと素早く切り替えたい方向けです。
手順:
ステップ1:列ヘッダーを確認
メール一覧の上部、「差出人」「件名」「日付」などが表示されている部分を見ます。
ステップ2:右端のアイコンをクリック
列ヘッダーの右端に、小さなアイコン(3本線や歯車のようなマーク)があります。これをクリックします。
ステップ3:スレッドのチェックを外す
表示されるメニューの中から「スレッド」を探し、チェックを外します。
これで、スレッド表示が解除されます。
方法3:キーボードショートカット
キーボード操作が好きな方向けです。
Windows/Linux:
Ctrl + Shift + T
Mac:
Cmd + Shift + T
このショートカットキーを押すと、スレッド表示のON/OFFが切り替わります。
一瞬で切り替えられるので、状況に応じて使い分けたい方におすすめです。
方法4:フォルダごとに設定
特定のフォルダだけスレッド表示を変えたい場合です。
手順:
- スレッド表示を変更したいフォルダを選択
- 上記の方法1〜3のいずれかでスレッド表示を切り替え
- そのフォルダだけが設定変更される
例:
- 受信トレイ:スレッド表示OFF(時系列で見たい)
- メーリングリスト:スレッド表示ON(会話を追いたい)
- 送信済み:スレッド表示OFF
このように、フォルダごとに使い分けられます。
デフォルト設定を変更
新しいフォルダを作った時のデフォルト設定を変更できます。
手順:
- メニュー(≡)→設定
- 「一般」の中の「既定の表示設定」を探す
- 「スレッド表示」のチェックを外す
これで、新しいフォルダやアカウントは、最初からスレッド表示OFFになります。
スレッド表示のメリット・デメリット
どちらが良いかは、使い方次第です。比較してみましょう。
スレッド表示のメリット
メリット1:会話の流れが分かりやすい
誰が何に返信したのか、一目で分かります。
例:
営業担当と顧客、複数の社内メンバーが入り混じった長いやり取りも、スレッド表示なら整理されます。
メリット2:受信トレイがスッキリ
同じ件名のメールが10通あっても、1行にまとまります。画面がスッキリして見やすいです。
メリット3:関連メールをまとめて処理
スレッド全体を選択して、一気に削除やフォルダ移動ができます。
メリット4:メーリングリストに最適
技術的な議論や、プロジェクトのやり取りなど、長いスレッドが発生する場合に便利です。
メリット5:古いメールを探しやすい
過去の議論を振り返る時、スレッドをたどれば全体像が分かります。
スレッド表示のデメリット
デメリット1:新着に気づきにくい
折りたたまれていると、返信が来たことに気づかないことがあります。
デメリット2:件名が変わらない問題
「Re: 会議の件」という件名で、全く別の議題が始まっても、同じスレッドに入ってしまいます。
デメリット3:操作が増える
いちいち展開しないと、全てのメールが見られません。
デメリット4:時系列が分かりにくい
「いつのメールか」が分かりにくくなります。最新のメールを時系列で見たい場合は不便です。
デメリット5:慣れが必要
初心者には、仕組みが分かりにくいです。
通常表示(スレッドOFF)のメリット
メリット1:全てのメールが見える
隠れるメールがないので、見落としが減ります。
メリット2:時系列順で分かりやすい
「昨日届いたメール」「午前中のメール」など、時間で探しやすいです。
メリット3:シンプルで直感的
昔ながらの一覧表示で、誰でもすぐに理解できます。
メリット4:件名で判断しやすい
各メールが独立しているので、件名だけで内容を判断できます。
通常表示のデメリット
デメリット1:同じ件名が並ぶ
返信メールが増えると、受信トレイが同じ件名で埋め尽くされます。
デメリット2:会話の流れが追いにくい
誰が誰に返信したのか、前後関係が分かりにくいです。
デメリット3:スクロールが大変
メールが多いと、目的のメールを見つけるまでスクロールが必要です。
おすすめの使い分け

状況に応じて、スレッド表示を使い分けるのが賢い方法です。
スレッド表示ONが向いているケース
1. プロジェクトメール
複数人でのやり取りが続くプロジェクトは、スレッド表示が便利です。
2. メーリングリスト
議論の流れを追いたいメーリングリストには最適です。
3. 長期的なやり取り
数週間〜数ヶ月続く案件は、スレッドでまとめた方が管理しやすいです。
4. 過去のメールを参照する
「あの時の議論、どうなったっけ?」という確認には、スレッド表示が役立ちます。
スレッド表示OFFが向いているケース
1. 受信トレイ(新着確認)
毎日チェックする受信トレイは、時系列順の方が見落としが減ります。
2. 短期的な対応
「今日中に処理すべきメール」など、時間軸で管理する場合は通常表示が便利です。
3. 個別の単発メール
返信がほとんどないメール(通知、レポートなど)は、スレッド表示の恩恵が少ないです。
4. 初心者や不慣れな方
Thunderbirdを使い始めたばかりの方は、まず通常表示で慣れるのがおすすめです。
私のおすすめ設定
参考までに、私がおすすめする設定をご紹介します。
受信トレイ:スレッド表示OFF
新着メールを見落とさないため、全て時系列で表示します。
プロジェクトフォルダ:スレッド表示ON
プロジェクトごとに作ったフォルダは、会話の流れを追いやすくします。
送信済み:スレッド表示OFF
自分が送ったメールを時系列で確認したいので、OFFにします。
メーリングリスト:スレッド表示ON
議論の流れを理解するために、ONにします。
アーカイブ:スレッド表示ON
過去のメールを探す時は、スレッドでまとまっていた方が便利です。
スレッド表示の細かい設定
もっと細かく調整したい方向けの設定です。
スレッドの並べ替え順
スレッド内のメールを、どの順番で表示するか選べます。
設定方法:
- 「表示」→「並べ替え」→「スレッド内の並べ替え」
- 「昇順」または「降順」を選択
昇順:
古いメールが上、新しいメールが下
降順:
新しいメールが上、古いメールが下
お好みで選んでください。
スレッドペインの展開
スレッドを自動で展開するか選べます。
設定方法:
- メニュー(≡)→設定→一般
- 「既定の表示設定」の中にある「スレッドペイン」の設定を確認
展開する:
スレッドを選択すると、自動的に全てのメールが展開されます。
展開しない:
手動で ▶ をクリックしないと展開されません。
未読メールのあるスレッドを強調
未読メールが含まれるスレッドを目立たせる設定です。
これは標準機能では難しいですが、テーマやアドオンでカスタマイズできることがあります。
特定の差出人でスレッド化しない
特定の差出人からのメールは、スレッド化したくない場合もありますよね。
残念ながら、標準機能では「全体でON/OFF」しか選べません。差出人ごとの設定は、フィルター機能と組み合わせる必要があります。
代替案:
特定の差出人のメールを自動で別フォルダに移動し、そのフォルダをスレッド表示OFFにします。
よくあるトラブルと解決法
スレッド表示の設定でよくある問題と対処法です。
問題1:スレッド表示を解除したのに変わらない
症状:
「表示」→「並べ替え」→「スレッド」のチェックを外したのに、変化がない。
原因:
ブラウザのキャッシュのような問題、または別の設定が影響している。
解決法:
方法1:Thunderbirdを再起動
- Thunderbirdを完全に終了
- もう一度起動
- 設定が反映されているか確認
方法2:フォルダを選び直す
- 別のフォルダをクリック
- 元のフォルダに戻る
- 表示が更新される
方法3:インデックスを再構築
- フォルダを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「フォルダーを修復」をクリック
問題2:一部のフォルダだけスレッド表示になる
症状:
全体でOFFにしたはずなのに、特定のフォルダだけスレッド表示になっている。
原因:
フォルダごとに設定が保存されている。
解決法:
各フォルダを開いて、個別にスレッド表示をOFFにします。
一括で変更するには:
残念ながら、Thunderbirdには「全フォルダ一括設定」機能がありません。手動で1つずつ変更するか、設定ファイルを直接編集する(上級者向け)必要があります。
問題3:スレッド表示OFFなのに、メールがまとまっている
症状:
スレッド表示を解除したのに、同じ件名のメールが並んで表示される。
原因:
これは正常です。スレッド表示OFFでも、並べ替え順を「件名」にしていると、同じ件名が連続します。
解決法:
並べ替え順を「日付」に変更します。
- 「表示」→「並べ替え」→「日付」を選択
- または、列ヘッダーの「日付」をクリック
これで、時系列順に並びます。
問題4:返信メールが元のメールと離れて表示される
症状:
スレッド表示ONなのに、返信メールが別の場所に表示される。
原因:
- 件名が変更されている
- メールヘッダーの「In-Reply-To」が欠けている
- 並べ替え順が「日付」になっている
解決法:
並べ替え順を確認:
「表示」→「並べ替え」→「スレッド」を選択
件名の統一:
返信する時、件名を変更しないようにします。
問題5:スレッドが深くなりすぎて見づらい
症状:
▼ 元メール
└─ 返信1
└─ 返信2
└─ 返信3
└─ 返信4
└─ 返信5(画面からはみ出る)
原因:
長いやり取りで、スレッドの階層が深くなっている。
解決法:
方法1:横スクロール
メール一覧を横にスクロールすれば見られます。
方法2:スレッド表示をOFFにする
長いスレッドは、通常表示の方が見やすいことも。
方法3:別のビューを試す
「カード表示」など、別の表示形式を試してみます。
スレッド表示と検索機能
スレッド表示と検索の組み合わせについてです。
スレッド表示中の検索
スレッド表示ONの状態で検索すると:
動作:
検索にヒットしたメールを含むスレッド全体が表示されます。
例:
「予算」というキーワードで検索すると、「予算」という言葉を含むメールだけでなく、そのスレッド全体(返信・転送も含む)が表示されます。
検索結果でスレッド表示を使う
検索結果のフォルダでも、スレッド表示のON/OFFを切り替えられます。
会話全体を見たい時はON、該当メールだけ見たい時はOFFが便利です。
よくある質問
スレッド表示について、よくある質問をまとめました。
Q1:スレッド表示を完全に無効にできる?
A:
はい、できます。
各フォルダでスレッド表示をOFFにし、設定の「既定の表示設定」でもOFFにすれば、完全に無効化できます。
Q2:他のメールソフトと同じ表示にしたい
A:
OutlookやGmail(Webmail)の会話ビューとは、少し動作が異なります。
完全に同じにはできませんが、スレッド表示OFFにすれば、従来のメールソフトに近い表示になります。
Q3:スレッド表示だと処理が遅くなる?
A:
通常は影響ありません。
ただし、数万通のメールがあるフォルダでは、スレッド表示ONの方がわずかに表示が遅くなることがあります。
Q4:スマホ版Thunderbirdでも設定できる?
A:
Android版Thunderbirdでも、スレッド表示の設定があります。
設定→表示設定→会話表示(または類似の項目)から変更できます。
Q5:スレッド内の1通だけ削除したい
A:
可能です。
スレッドを展開して、削除したいメールを選択し、Deleteキーを押すか、右クリック→「削除」を選択します。
スレッド全体ではなく、選択したメールだけが削除されます。
Q6:スレッド表示で未読数が合わない
A:
スレッド表示ONの場合、フォルダの未読数は正確ですが、スレッドの数字は「このスレッド内のメール数」を表示することがあります。
混乱しやすいので、未読数を確認したい場合は、フォルダ名の横の数字を見ましょう。
まとめ:自分に合った表示方法を選ぼう
スレッド表示のON/OFFは、好みと使い方次第です。
この記事のポイントをおさらい:
- スレッド表示は関連メールをグループ化する機能
- メニューから簡単に切り替え可能(表示→並べ替え→スレッド)
- ショートカットキー:Ctrl+Shift+T(Win/Linux)、Cmd+Shift+T(Mac)
- フォルダごとに設定できる
- スレッド表示のメリット:会話の流れ、受信トレイがスッキリ
- デメリット:新着に気づきにくい、時系列が分かりにくい
- おすすめ:受信トレイはOFF、プロジェクトフォルダはON
- トラブル時は再起動やフォルダ修復を試す
メールの使い方は人それぞれです。
- 「とにかく新着をすぐ確認したい」→スレッド表示OFF
- 「長い議論を整理したい」→スレッド表示ON
- 「状況に応じて使い分けたい」→フォルダごとに設定
どの方法が正解ということはありません。実際に両方試してみて、自分に合った方法を見つけてください。
設定はいつでも変更できるので、気軽に試してみてくださいね。この記事が、あなたのThunderbird活用の助けになれば嬉しいです!


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