「8bit」という言葉、どこかで聞いたことありませんか?
レトロゲーム、チップチューン音楽、ドット絵アート…。昔懐かしいゲームや音楽の話題でよく出てくる言葉ですよね。
でも、「8bitって結局何のこと?」と聞かれると、答えられない人も多いのではないでしょうか。
実は8bitは、コンピュータやデジタル機器の基本単位なんです。スマホもパソコンもゲーム機も、すべて「bit(ビット)」という単位で情報を処理しています。
この記事では、8bitの意味から、なぜレトロゲームが「8bit」と呼ばれるのか、さらに現代のコンピュータとの違いまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
読み終わる頃には、あなたも「8bit」について語れるようになっているはずです!
8bitの基本的な意味

まず、「bit(ビット)」とは何かから説明しましょう。
bitとは情報の最小単位
コンピュータは、すべての情報を0と1の2つの数字だけで表現しています。
この0か1のどちらか1つ分の情報が、1bitです。
身近な例で考えてみましょう
- 電気のスイッチ:オン(1)かオフ(0)
- コインの表裏:表(1)か裏(0)
- YES/NO:はい(1)かいいえ(0)
このように、2つの状態のどちらかを表すのが1bitなんですね。
8bitは「8個分のbit」
では、「8bit」とは何でしょうか?
答えは簡単。1bitが8個集まったものです。
8個の0と1を組み合わせると、こんな感じになります:
10110011
01001110
11111111
00000000
これらはすべて8bitで表された数字なんです。
8bitで表せる数の範囲
8個の0と1の組み合わせで、いくつの種類を表現できるでしょうか?
計算すると、2×2×2×2×2×2×2×2 = 256通りです。
つまり、8bitでは0から255までの256種類の数を表現できます。
なぜ256なのか?
- 00000000 = 0
- 00000001 = 1
- 00000010 = 2
- …
- 11111111 = 255
0から数えるので、256種類になるわけですね。
バイト(byte)との関係
8bitについて語るなら、「バイト(byte)」も知っておく必要があります。
1バイト = 8bit
実は、8bitは1バイトと同じです。
コンピュータの世界では、8bitをまとめて「1バイト」という単位で扱うことが多いんです。
なぜ8bitを1バイトと呼ぶの?
昔のコンピュータが、文字を1文字表現するのに8bitを使っていたからです。
英語のアルファベット(A〜Z)、数字(0〜9)、記号(!、?など)を合わせると約100種類。
これらを表現するには、256通り表せる8bitで十分だったんですね。
データ容量の単位
8bit(1バイト)を基準に、さらに大きな単位も作られました:
- 1KB(キロバイト) = 1,024バイト = 約1,000バイト
- 1MB(メガバイト) = 1,024KB = 約100万バイト
- 1GB(ギガバイト) = 1,024MB = 約10億バイト
- 1TB(テラバイト) = 1,024GB = 約1兆バイト
スマホの容量「64GB」とか「128GB」も、この単位ですね。
8bitゲーム機とレトロゲーム
「8bit」という言葉が有名になったのは、レトロゲームの影響が大きいです。
8bitゲーム機って何?
1980年代に発売されたゲーム機は、8bitのCPU(コンピュータの頭脳)を搭載していました。
これらのゲーム機を「8bitゲーム機」と呼びます。
代表的な8bitゲーム機
- ファミリーコンピュータ(ファミコン):1983年発売
- ゲームボーイ:1989年発売
- セガ・マスターシステム:1985年発売
- PCエンジン:1987年発売(一部16bitの機能も)
あの名作「スーパーマリオブラザーズ」や「ドラゴンクエスト」も、8bitゲーム機で動いていたんです。
8bitの制限が生んだ独特の表現
8bitゲーム機は、今のゲーム機と比べると性能が限られていました。
そのため、独特の表現スタイルが生まれたんです。
ドット絵
画像を細かいマス目(ドット)で表現する手法。
8bitゲームのキャラクターは、みんなカクカクしたドット絵でしたね。
色数も限られていたので、シンプルで印象的なデザインが多かったです。
シンプルな音楽
8bitゲーム機の音源は、同時に鳴らせる音が3〜4音程度でした。
だからこそ、印象的でキャッチーなメロディーが生まれたんです。
これらの「制限の中で生まれた美しさ」が、今でも愛される理由なんですね。
8bit音楽(チップチューン)の世界
8bitは、音楽のジャンルにもなっています。
チップチューンとは?
8bitゲーム機の音源を使った音楽ジャンルを「チップチューン」や「8bit音楽」と呼びます。
ピコピコ・ピロピロした独特の電子音が特徴です。
なぜ今も人気?
- ノスタルジックで懐かしい雰囲気
- シンプルだけどキャッチーなメロディー
- レトロゲームへの愛情
- 現代音楽との融合で新しい表現が生まれる
実際、今でも多くのアーティストが8bit風の音楽を作っています。
8bit音楽の作り方
専用のソフトウェアを使えば、誰でも8bit音楽を作れます。
- FamiTracker:ファミコン風の音楽を作れる無料ソフト
- LSDJ:ゲームボーイで音楽を作るソフト
- Bosca Ceoil:初心者向けの簡単な8bit音楽制作ソフト
音楽制作に興味がある人は、試してみると面白いですよ!
16bit、32bit、64bitとの違い
8bitの次には、16bit、32bit、64bitのコンピュータが登場しました。
これらの違いを簡単に説明しましょう。
bitが増えると何が変わる?
bitの数が増えると、一度に処理できる情報量が増えます。
つまり、より複雑な計算や、より豊かな表現ができるようになるんです。
8bit
- 一度に256種類の情報を扱える
- シンプルな処理に向いている
16bit
- 一度に65,536種類の情報を扱える
- より滑らかなグラフィックや音楽が可能に
- 代表例:スーパーファミコン(1990年)、メガドライブ
32bit
- 一度に約43億種類の情報を扱える
- 3Dグラフィックスが実現できるように
- 代表例:プレイステーション(1994年)、セガサターン
64bit
- 一度に約1844京種類の情報を扱える
- 現代のパソコンやスマホの標準
- 大容量メモリを扱える
数字が大きいほど、より高性能というわけです。
現代のコンピュータは何bit?
今あなたが使っているパソコンやスマホは、ほとんどが64bitです。
Windows 11、macOS、iPhone、Androidスマホ、すべて64bitのCPUを搭載しています。
8bitから見ると、なんと256倍もの進化ですね!
8bitは今でも使われている?
「8bitは過去のもの?」と思うかもしれませんが、実は今でも様々な場所で使われています。
組み込みシステム
家電製品やセンサーなど、シンプルな処理だけが必要な機器では、今でも8bitのマイコン(小さなコンピュータ)が使われています。
- 電子レンジ
- エアコンのリモコン
- 温度センサー
- LEDの制御
シンプルな処理なら、8bitで十分だし、コストも安く済むからです。
レトロゲームのリバイバル
最近、8bit風のグラフィックやサウンドを使った新作ゲームがたくさん登場しています。
- Shovel Knight(ショベルナイト)
- Undertale(アンダーテール)
- Celeste(セレステ)
これらは現代のハードで動いていますが、あえて8bit風の表現を使っているんです。
ノスタルジーとアートの融合ですね。
教育の場
プログラミング教育でも、8bitの概念は重要です。
2進数(0と1)の考え方や、データの表現方法を学ぶのに、8bitは最適な教材なんです。
芸術・カルチャー
ドット絵アート、8bit音楽、ピクセルアートなど、8bitは一つのアートスタイルとして確立されています。
Instagram、TikTok、YouTubeでも、8bit風のコンテンツは人気です。
色の表現と8bit
8bitは、色の表現でも使われる概念です。
8bitカラーとは?
画像の色情報を8bitで表現することを「8bitカラー」と言います。
8bitで表せるのは256色まで。
昔のパソコンやゲーム機は、この256色で画像を表示していました。
現代は何bitカラー?
今の画像は主に24bitカラー(約1,677万色)や32bitカラーです。
- 赤:8bit(256段階)
- 緑:8bit(256段階)
- 青:8bit(256段階)
- 合計:24bit(256×256×256 = 約1,677万色)
スマホで撮った写真がキレイなのは、この豊富な色数のおかげなんですね。
8bit風の色使いの魅力
あえて色数を制限した8bit風のイラストやアニメーションは、今でも人気があります。
限られた色だからこそ、印象的で味のある表現ができるんです。
8bitに関するよくある疑問
Q1:8bitゲームは今でも遊べる?
遊べます!
方法はいくつかあります:
- Nintendo Switch Online:ファミコンのゲームが遊べる
- レトロゲーム機の復刻版:ミニファミコンなど
- エミュレータ:パソコンで昔のゲームを動かすソフト(合法的な範囲で)
- レトロゲーム専門店:中古の本体とソフトを購入
Q2:8bitのゲームを自分で作れる?
作れます!
初心者向けのゲーム制作ツールがあります:
- GB Studio:ゲームボーイ風のゲームを作れる
- Pico-8:8bit風ゲームを作る専用環境
- RPGツクール:プログラミング不要でRPGが作れる
プログラミングの勉強にもなるので、挑戦してみるのもおすすめです。
Q3:8bitと16bitの違いは見た目でわかる?
わかります。
8bitゲームはドット絵が粗く、色数も少なめ。
16bitになると、ドットが細かくなり、色も豊富で、動きも滑らかになります。
例えば、ファミコンのマリオとスーファミのマリオを比べると、違いがはっきりわかりますよ。
Q4:8bitの反対語は?
特に決まった反対語はありませんが、より多いbitを指す言葉として「32bit」や「64bit」があります。
また、「8bit」をレトロな表現とすると、対照的なのは「HD(高精細)」や「リアルタイムレンダリング」といった現代的な表現技術ですね。
まとめ
8bitは、コンピュータの基本的な情報単位であり、同時にレトロゲームや音楽の世界を象徴する言葉でもあります。
技術的な制限の中で生まれた独特の表現は、今なお多くの人に愛され、新しい作品にも影響を与え続けています。
この記事のポイント
✓ 8bitは「8個の0と1の組み合わせ」で256通りの情報を表現できる
✓ 1バイト = 8bitという関係がある
✓ ファミコンやゲームボーイは8bitゲーム機の代表例
✓ 8bit音楽(チップチューン)は今も人気のジャンル
✓ 16bit、32bit、64bitと進化してきた
✓ 現代でも組み込みシステムや教育で使われている
✓ 8bit風の表現はアートスタイルとして確立されている
8bitの世界は、シンプルだからこそ奥が深いんです。
レトロゲームをプレイしたり、チップチューンを聴いたり、ドット絵を描いたり。
あなたも8bitの魅力に触れてみませんか?きっと新しい発見があるはずですよ!


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