山奥の柵に囲まれた場所で、絶対に触れてはいけない「何か」を見つけたことはありませんか?
もしそれが六角形に張られた注連縄と、その中心に置かれた楊枝のような棒だったら、すぐにその場を離れてください。
それは、人間だった巫女が恐ろしい妖怪に変貌した「姦姦蛇螺(かんかんだら)」を封印している結界かもしれません。
この記事では、インターネット怪談から生まれ、現代の都市伝説として語り継がれる妖怪「姦姦蛇螺」について、その恐ろしい姿と悲劇的な誕生秘話を詳しくご紹介します。
概要

姦姦蛇螺(かんかんだら)は、2009年頃からインターネット上で語られ始めた新しいタイプの妖怪です。
別名として「蠱蠱蛇蠱(こうこうだこう)」「生離蛇蠱(なりだら)」とも呼ばれ、単に「だら」と呼ばれることもあります。
この妖怪の最大の特徴は、もともと人間の巫女だったという点なんです。村を守ろうとした巫女が、悲劇的な死を遂げて怨念の塊となり、恐ろしい姿に変貌してしまった存在として描かれています。
山の中の特定の区域に封印されていて、その封印を破った者には恐ろしい災いが降りかかるとされています。特に姦姦蛇螺の下半身を見てしまった人は、命を落とすという恐怖の伝承が残されているんですね。
姿・見た目
姦姦蛇螺の姿は、まさに悪夢から出てきたような恐ろしさです。
姦姦蛇螺の身体的特徴
- 上半身:裸の女性の姿で、なんと腕が6本もある
 - 下半身:大蛇のような形状(詳細は不明)
 - 全体の印象:人間と蛇が融合した異形の存在
 
特に恐ろしいのは、下半身の正確な形状が誰にも分からないという点です。
なぜなら、姦姦蛇螺の下半身を見た者は全員命を落としてしまうから。生きて帰った者がいないため、下半身がどんな姿をしているのか、誰も知らないんです。
6本の腕は、後述する悲劇的な死に方と関係があります。巫女だった頃に村人たちによって腕を切り落とされたという説もあり、その恨みが6本の腕として現れたのかもしれません。
特徴
姦姦蛇螺には、他の妖怪とは異なる独特な特徴があります。
封印の方法
姦姦蛇螺は、非常に特殊な方法で封印されています。
- 封印場所:山の中の柵と有刺鉄線で囲まれた区域
 - 封印の形:6本の木に注連縄を張った六角形の結界
 - 封印の要:中央に置かれた楊枝状の棒
 
この封印は完全ではないんです。定期的に封印の場所を移動させる必要があり、もし下半身を見られてしまうと、すぐに別の場所に封印を移さなければならないそうです。
怨念の強さ
姦姦蛇螺の怨念は非常に強く、以下のような特徴があります。
- 封印を破った者への攻撃:容赦なく襲いかかる
 - 死体の特徴:犠牲者の片腕が必ずなくなっている
 - 下半身を見た者:確実に命を落とす
 
片腕がなくなるというのは、姦姦蛇螺が巫女だった頃の記憶と関係があるようです。自分が腕を切り落とされた恨みを、犠牲者にも同じように与えているのかもしれません。
伝承

姦姦蛇螺の誕生には、とても悲しく恐ろしい物語があります。
巫女から妖怪への変貌
昔、ある村に代々神の力を受け継ぐ巫女の一族がいました。
村が人食いの大蛇に悩まされていた時、村人たちは巫女の一族に助けを求めたんです。一族の中でも特に力の強い一人の巫女が、村を守るために大蛇退治に向かいました。
しかし、戦いの最中に隙を突かれ、巫女は下半身を大蛇に食べられてしまいます。
それでも巫女は村人を守ろうと必死に抵抗を続けましたが、勝ち目がないと悟った村人たちは恐ろしい決断をしたんです。
村人たちの裏切り
村人たちは大蛇と交渉し、巫女を生贄として差し出すことで村の安全を確保しようとしました。
大蛇は一つ条件を出します。「巫女の腕を切り落として、飲み込みやすくしろ」と。
村人たちはその要求に従い、まだ生きている巫女の腕を切り落としたんです。この裏切りと残酷な仕打ちに対する巫女の怨念が、姦姦蛇螺という恐ろしい妖怪を生み出してしまいました。
封印の経緯
妖怪と化した巫女は、裏切った村人たちを次々と襲い始めました。
恐怖に震えた村人たちは、なんとか姦姦蛇螺を山の中に封印することに成功しますが、完全に無力化することはできませんでした。
現在も年に一度、神楽を舞い、祝詞を奏上して供養が行われているといいます。しかし、封印が解かれれば再び人を襲う可能性があるため、常に警戒が必要なんです。
インターネットでの広まり
この伝承は2009年頃、インターネット上の怪談として投稿されたことがきっかけで広く知られるようになりました。
特に「体験談」として語られた内容が話題となり、現代の都市伝説として定着。ネット怪談特有の「詳細不明な部分」が恐怖を増幅させ、多くの人々の想像力をかき立てています。
まとめ
姦姦蛇螺は、人間の裏切りと残酷さが生み出した悲劇の妖怪です。
重要なポイント
- 2009年頃からネット上で語られる現代の妖怪
 - 上半身は6本腕の女性、下半身は蛇という異形の姿
 - 元は村を守ろうとした巫女だった
 - 村人の裏切りによって妖怪と化した悲劇的存在
 - 山中の六角形の結界で封印されている
 - 下半身を見た者は命を落とすという恐怖の伝承
 
姦姦蛇螺の物語は、単なる怪談以上の意味を持っています。
自己犠牲の精神で戦った者への裏切り、そしてその結果生まれた怨念の恐ろしさ。これは現代にも通じる教訓を含んでいるのかもしれませんね。
もし山の中で不自然な柵や注連縄を見つけたら、決して近づかないようにしてください。それは、今も怨念を抱えた姦姦蛇螺が封じられている場所かもしれないのですから。
  
  
  
  
              
              
              
              
              

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