【地底を這う恐怖】クトゥルフ神話の怪物「クトーニアン」とは?その姿・特徴・伝承を徹底解説!

神話・歴史・伝承

地面の下から不気味な震動を感じたことはありませんか?

それは単なる地震ではなく、巨大な地底の怪物が岩盤を掘り進んでいる音かもしれません。

クトゥルフ神話に登場する恐ろしい地底種族「クトーニアン」は、地球の地下深くに潜み、人類の知らないところで活動を続けている存在なんです。

この記事では、ブライアン・ラムレイが創造した地底の支配者「クトーニアン」について、その恐るべき姿や能力、そして人類との戦いの歴史を詳しくご紹介します。

スポンサーリンク

概要

クトーニアンは、クトゥルフ神話における地底に棲む巨大な怪物種族です。

1974年にイギリスの作家ブライアン・ラムレイの小説『地を穿つ魔』(The Burrowers Beneath)で初めて登場しました。この作品は、クトゥルフ神話の世界観を拡張した重要な作品として知られています。

クトーニアンは「地を穿つもの(バロワーズ・ビニース)」とも呼ばれ、地球の地殻を自在に掘り進む能力を持っています。彼らは高度な知性とテレパシー能力を備えており、単なる怪物ではなく、独自の社会を築いている種族なんです。

その中でも特に恐ろしいのが、クトーニアンの長である「シュド=メル」(Shudde M’ell)という個体。なんと体長が1マイル(約1.6キロメートル)にも達する超巨大生物で、地底世界の支配者として君臨しています。

系譜

クトーニアンは、クトゥルフ神話の中でも独特な位置を占める存在です。

クトゥルフ神話における立ち位置

クトーニアンは「独立種族」として分類されます。つまり、旧支配者(グレート・オールド・ワン)や外なる神(アウター・ゴッド)の直接的な眷属ではなく、地球に古くから生息している原住種族なんです。

ただし、彼らはクトゥルーの勢力に協力的とされています。『地を穿つ魔』では、クトゥルーが地上への総攻撃を始める際の先兵として活動している様子が描かれました。

アフリカの地底都市との関係

クトーニアンたちは、もともと北アフリカの地底都市グ=ハーン(G’harne)に封印されていました。この都市は、太古に旧神たちがクトーニアンを幽閉するために作った牢獄だったんです。

しかし、時が経つにつれて封印は弱まり、シュド=メルをはじめとするクトーニアンたちは脱出に成功。現在は世界中の地底に巣を作り、潜伏しているとされています。

姿・見た目

クトーニアンの姿は、まさに悪夢から出てきたような異形の生物です。

基本的な外見

巨大なイカやミミズを思わせる形態をしています。具体的な特徴はこんな感じです。

  • 全体的な形状:細長い円筒形の体
  • 頭部:イカのような触手が無数に生えている
  • :なんと目がない!振動や熱で周囲を感知
  • 体表:ぬめぬめとした粘液に覆われている
  • :灰色から黒褐色

サイズの違い

クトーニアンのサイズは個体によって大きく異なります。

  • 幼体:クルミ程度の大きさから始まる
  • 生後半年:約2.7メートル(9フィート)まで成長
  • 成体:数十メートルから数百メートル
  • シュド=メル:約1.6キロメートル(1マイル)という桁外れの巨体

つまり、地下鉄のトンネルを埋め尽くすような大きさから、山そのものと見紛うような超巨大個体まで存在するんです。

特徴

クトーニアンには、地底生活に特化した恐るべき能力があります。

主な能力

1. 高熱の溶解液
体内で生成する特殊な溶解液を吐き出して、岩盤を溶かしながら地中を掘り進みます。この液体は数千度の高温に達し、花崗岩すら溶かしてしまうんです。

2. テレパシー能力
クトーニアン同士で精神的な交信ができるだけでなく、人間の精神にも干渉できます。悪夢を見せたり、特定の場所に引き寄せたり、混乱させたりすることが可能です。

3. 地震の誘発
地中を移動する際の振動で、局地的な地震を引き起こします。実際、歴史上の地震の中には、クトーニアンの活動が原因だったものもあるかもしれませんね。

弱点

一見無敵に思えるクトーニアンにも、明確な弱点があります。

  • 水に極端に弱い:体に水をかけられると組織が崩壊して死んでしまう
  • 放射能も苦手:核兵器レベルの放射線なら、シュド=メル以外は殺せる
  • 幼体は火に弱い:生まれたばかりなら焼き殺すことも可能

繁殖と社会性

クトーニアンのメスはわずかな数の卵しか産まないため、種族全体の数は推定100匹程度とされています。そのため、彼らは卵や幼体を命がけで守る習性があるんです。

卵の殻は厚さ10センチメートルもあり、X線すら通さないほど頑丈。これは有害な放射線から中身を守るためだと考えられています。

伝承

クトーニアンにまつわる最も有名な伝承が、『地を穿つ魔』で描かれた1960年代のイギリス侵攻事件です。

ウェンディー=スミス卿の悲劇

1933年、考古学者エイマリー・ウェンディー=スミス卿は、古代文書『グ=ハーン断章』を頼りにアフリカ奥地の古代都市グ=ハーンを探検しました。

探検隊は全滅し、卿だけが錯乱状態で生還。彼は「シュド=メルの卵」を持ち帰ってしまったんです。その後、卿は地震への異常な恐怖に取りつかれ、最終的にクトーニアンに拉致されてしまいました。

なんと30年以上も地底で生かされ、脳だけを汚泥の器に移植された状態で、クトーニアンの伝言役として利用されたという恐ろしい話が残っています。

タイタス・クロウとの戦い

1968年、オカルト研究家のタイタス・クロウは、頻発する地震と悪夢からシュド=メルのイギリス侵攻を察知します。

クロウは仲間と共に「ウィルマース財団」という対邪神組織を結成。五芒星の護符や白魔術、そして水を武器として、クトーニアンたちと壮絶な戦いを繰り広げました。

最終的にシュド=メルをイギリスから撤退させることに成功しましたが、多くの犠牲者を出し、クロウ自身も行方不明になってしまったんです。

世界各地での目撃例

小説内では、クトーニアンの活動範囲が世界中に及んでいることが示唆されています。

  • 北米:1964年には既に侵入に成功
  • 中国・中東:現在も活発に活動中
  • 日本:地震の多い地域には潜んでいる可能性も?

出典

クトーニアンが登場する主な作品をご紹介します。

初出作品

『地を穿つ魔』(The Burrowers Beneath)

  • 著者:ブライアン・ラムレイ
  • 発表年:1974年
  • 日本語版:2006年(創土社)

タイタス・クロウ・サーガ6部作の第1作で、クトーニアンの詳細な設定が初めて明かされた記念碑的作品です。

その他の登場作品

  • 『タイタス・クロウの帰還』:シリーズ第2作
  • 各種TRPGルールブック:「クトゥルフ神話TRPG」でモンスターとして登場
  • ゲーム作品:様々なクトゥルフ神話系ゲームに敵として登場

まとめ

クトーニアンは、地底世界を支配する恐るべき怪物種族です。

重要なポイント

  • ブライアン・ラムレイが1974年に創造したクトゥルフ神話の地底種族
  • 巨大なイカのような姿で、目がなく触手を持つ
  • 高熱の溶解液で岩を溶かし、地中を自在に移動
  • テレパシー能力で仲間と交信し、人間の精神にも干渉
  • 水が最大の弱点で、放射能にも弱い
  • 長のシュド=メルは体長1.6キロという超巨大個体
  • アフリカの地底都市グ=ハーンから脱出し、世界中に潜伏中

もしあなたの住む地域で原因不明の地震が続いたり、地下から不気味な音が聞こえたりしたら…それはクトーニアンが近くにいる証拠かもしれません。

水を常備しておくことをお勧めします。いざという時、それがあなたを救う唯一の武器になるかもしれませんから。

コメント

タイトルとURLをコピーしました