Safariのプライベートブラウズモードを使っていても、誰かにiPhoneを渡した瞬間、見られたくないページが丸見えになってしまう…そんな心配、ありませんか?
実は、iOS 17以降のSafariには、プライベートブラウズをFace IDやTouch IDでロックできる機能が追加されました。
これを設定しておけば、プライベートモードのタブを開こうとした時に、本人認証が要求されます。家族や友人にiPhoneを貸す時も、プライバシーをしっかり守れるんです。
この記事では、Safariのプライベートモードをロックする方法を、iPhone、iPad、Macそれぞれで詳しく解説します。設定方法から、ロックが解除できない時の対処法まで、すべてカバーします。
プライバシーを大切にしたいあなたに、ぜひ知っておいてほしい機能です。
プライベートブラウズモードとは?基本を理解しよう
まず、プライベートブラウズモードについて基本を押さえておきましょう。
プライベートブラウズの特徴
簡単に言うと:
閲覧履歴やCookie(サイトの訪問記録)を残さないブラウジングモードです。
何が記録されないのか:
- 閲覧履歴
- 検索履歴
- 自動入力の情報
- Cookie(一時的なものを除く)
何が記録されるのか:
- ブックマークに追加したページ
- ダウンロードしたファイル
プライベートブラウズの使い道
使い道1:プレゼントの検索
家族共用のiPadでプレゼントを探す時、履歴を残したくない場合に便利です。
使い道2:共用デバイスでの利用
職場や学校の共用パソコンで、自分のログイン情報を残したくない時。
使い道3:広告追跡の回避
Cookieによる行動追跡を最小限に抑えたい時。
プライベートブラウズの限界
注意点:
プライベートブラウズは、デバイス上の履歴を残さないだけです。以下は防げません:
- ISP(インターネットサービスプロバイダ)による記録
- 会社や学校のネットワーク管理者による監視
- 訪問したウェブサイト側の記録
完全な匿名性を求める場合は、VPNやTorブラウザなど別の手段が必要です。
プライベートモードのロック機能とは
iOS 17、iPadOS 17以降で追加された新機能です。
ロック機能でできること
主な機能:
プライベートブラウズのタブを開く時に、Face ID、Touch ID、またはパスコードでの認証を要求できます。
どんな時に役立つか:
- iPhoneやiPadを誰かに貸す時
- デバイスを置いたまま席を離れる時
- 家族と共用しているデバイスで使う時
ロックされると:
プライベートタブを開こうとすると、「プライベートブラウズのロックを解除」という画面が表示され、認証が求められます。
対応デバイス
iPhone:
iOS 17以降を搭載したiPhone
iPad:
iPadOS 17以降を搭載したiPad
Mac:
macOS Sonoma(14.0)以降を搭載したMac
認証方法
デバイスによって使える認証方法が異なります。
Face ID搭載デバイス:
顔認証でロック解除
Touch ID搭載デバイス:
指紋認証でロック解除
どちらもない場合:
パスコードでロック解除
【iPhone/iPad編】プライベートモードのロック設定方法
それでは、実際の設定手順を見ていきましょう。
前提条件の確認
設定を始める前に、以下を確認してください。
確認1:iOSのバージョン
iOS 17以降が必要です。
確認方法:
- 設定アプリを開く
- 「一般」→「情報」
- 「システムバージョン」を確認
確認2:Face IDまたはTouch IDの設定
デバイスでFace IDまたはTouch IDが設定されている必要があります。
確認方法:
- 設定アプリを開く
- 「Face IDとパスコード」または「Touch IDとパスコード」
- 設定済みか確認
ロック機能を有効にする手順
ステップ1:設定アプリを開く
ホーム画面から「設定」アプリをタップします。
ステップ2:Safariの設定に移動
下にスクロールして「Safari」をタップします。
ステップ3:プライベートブラウズのロックをオンにする
- 「プライベートブラウズ」のセクションを探す
- 「プライベートブラウズを使用するにはFace IDが必要」(またはTouch ID)をオンにする
- トグルが緑色になれば設定完了
設定完了後:
次回からプライベートブラウズのタブを開く時に、Face IDまたはTouch IDでの認証が必要になります。
実際の動作を確認
設定が完了したら、実際に動作するか確認しましょう。
確認手順:
- Safariアプリを開く
- タブボタン(右下の四角が重なったアイコン)をタップ
- タブグループの一覧で「プライベート」をタップ
- Face IDまたはTouch IDでの認証画面が表示される
- 認証が完了するとプライベートタブが開く
認証をスキップした場合:
認証画面で「キャンセル」をタップすると、通常のタブに戻ります。
【Mac編】プライベートモードのロック設定方法
Macでも同様の機能が使えます。
前提条件の確認
確認1:macOSのバージョン
macOS Sonoma(14.0)以降が必要です。
確認方法:
- Appleメニューから「このMacについて」
- バージョン番号を確認
確認2:Touch IDまたはパスワード
Mac本体にTouch IDが搭載されているか、Appleパスワードが設定されている必要があります。
ロック機能を有効にする手順
ステップ1:システム設定を開く
Appleメニューから「システム設定」を選択します。
ステップ2:Safari設定に移動
- 左側のサイドバーから「Safari」を選択
- または検索ボックスで「Safari」を検索
ステップ3:プライベートブラウズのロックをオンにする
- 「プライベートブラウズ」のセクションを探す
- 「プライベートブラウズを使用するにはパスワードが必要」をオンにする
- チェックボックスにチェックが入れば設定完了
Touch ID搭載Macの場合:
Touch IDでの認証が可能になります。
Touch IDがないMacの場合:
ユーザーパスワードでの認証になります。
Macでの動作確認
確認手順:
- Safariを開く
- 「ファイル」メニュー→「新規プライベートウインドウ」
- または既存のプライベートウインドウを選択
- 認証画面が表示される
- Touch IDまたはパスワードで認証
プライベートブラウズの基本的な使い方
ロック機能と合わせて、プライベートブラウズの使い方もマスターしましょう。
iPhone/iPadでプライベートブラウズを開始
方法1:タブグループから切り替え
- Safariを開く
- タブボタン(右下の四角アイコン)をタップ
- 下部のタブグループ名をタップ
- 「プライベート」を選択
- 認証を完了(ロック設定している場合)
方法2:長押しから開始
- Safariを開く
- タブボタンを長押し
- 「新規プライベートタブ」をタップ
- 認証を完了(ロック設定している場合)
Macでプライベートブラウズを開始
方法1:メニューから
- Safariを開く
- 「ファイル」メニュー→「新規プライベートウインドウ」
- 認証を完了(ロック設定している場合)
方法2:ショートカットキー
Command + Shift + N
認証が必要な場合は、ショートカット実行後に認証画面が表示されます。
プライベートブラウズを終了
iPhone/iPad:
- タブボタンをタップ
- タブグループ一覧で通常のタブグループを選択
- またはすべてのプライベートタブを閉じる
Mac:
プライベートウインドウを閉じるだけです。
ロックが解除できない時の対処法
認証がうまくいかない場合の対処法です。
対処法1:パスコードで認証する
Face IDやTouch IDが反応しない場合、パスコードで認証できます。
手順:
- 認証画面で「パスコードを使用」をタップ(またはキャンセル後に選択)
- デバイスのパスコードを入力
Mac の場合:
ユーザーパスワードを入力します。
対処法2:デバイスを再起動
一時的な不具合の可能性があります。
iPhone/iPad:
- 電源ボタンと音量ボタンを長押し
- 「スライドで電源オフ」
- 電源を切ってから再度起動
Mac:
Appleメニューから「再起動」
対処法3:設定を確認し直す
ロック設定が正しく有効になっているか確認します。
iPhone/iPad:
- 設定 → Safari
- 「プライベートブラウズを使用するにはFace IDが必要」がオンか確認
- オフになっていたら再度オンにする
Mac:
- システム設定 → Safari
- 「プライベートブラウズを使用するにはパスワードが必要」がオンか確認
対処法4:Face ID/Touch IDの再設定
認証システム自体に問題がある可能性があります。
iPhone/iPad:
- 設定 → Face IDとパスコード(またはTouch IDとパスコード)
- パスコードを入力
- 顔または指紋を再登録
Mac(Touch ID):
- システム設定 → Touch IDとパスワード
- 指紋を削除して再登録
対処法5:Safariをリセット
最終手段として、Safariの設定をリセットできます。
注意:
この操作を行うと、履歴やWebサイトデータが削除されます。
iPhone/iPad:
- 設定 → Safari
- 「履歴とWebサイトデータを消去」をタップ
- 確認画面で「履歴とデータを消去」
Mac:
Safariのメニューから「Safari」→「すべての履歴を消去」
プライベートモードロックのよくある質問
Q1:ロックを設定すると毎回認証が必要?
A: はい、プライベートブラウズのタブを開くたびに認証が必要になります。
ただし、プライベートタブを開いたままであれば、そのセッション中は認証不要です。プライベートタブを閉じたり、通常タブに切り替えて再度プライベートタブに戻る時に認証が求められます。
Q2:認証に失敗したらどうなる?
A: プライベートブラウズのタブは開けず、通常のブラウジング画面に戻ります。
データが削除されたり、アカウントがロックされたりすることはありません。
Q3:プライベートタブを開いたまま誰かに渡したら?
A: プライベートタブを開いたままデバイスを渡すと、そのタブの内容は見られてしまいます。
完全にプライバシーを守りたい場合は、プライベートタブを閉じてから渡しましょう。
Q4:家族とデバイスを共有している場合は?
A: ロック機能は有効ですが、Face IDやTouch IDに家族の顔や指紋が登録されていると、その人も開けてしまいます。
完全に分けたい場合は、ユーザーアカウントを分けるか、個別のデバイスを使うことをおすすめします。
Q5:設定をオフにするとどうなる?
A: プライベートブラウズのタブは、認証なしで誰でも開けるようになります。
既存のプライベートタブの内容は保持されます。
Q6:VPNとの併用は?
A: 問題なく併用できます。
ロック機能はアクセス制御、VPNは通信の暗号化なので、目的が異なります。両方使うことで、より強固なプライバシー保護が可能です。
プライベートブラウズをさらに活用する方法
ロック機能と合わせて、プライバシーを守る他の方法も紹介します。
方法1:トラッキング防止機能を有効にする
Safariには、ウェブサイトによる追跡を防ぐ機能があります。
設定方法(iPhone/iPad):
- 設定 → Safari
- 「プライバシーとセキュリティ」のセクション
- 「サイト越えトラッキングを防ぐ」をオンに
- 「IPアドレスを隠す」を設定
Mac:
- Safari → 設定
- 「プライバシー」タブ
- 「サイト越えトラッキングを防ぐ」にチェック
方法2:プライベートリレーを使う
iCloud+加入者向けの機能です。
プライベートリレーとは:
あなたのIPアドレスと閲覧内容を誰にも見られないようにする機能です。
有効化方法:
- 設定 → 自分の名前
- iCloud → プライベートリレー
- オンにする
方法3:定期的にCookieとキャッシュを削除
プライベートブラウズを使っていない時のデータも定期的に削除しましょう。
手順:
- 設定 → Safari
- 「履歴とWebサイトデータを消去」
- 定期的(週1回など)に実行
方法4:パスワード管理を強化
プライベートブラウズと併せて、パスワード管理も見直しましょう。
おすすめ:
- iCloudキーチェーンを使う
- 強力なパスワードを自動生成
- 2要素認証を有効にする
他のブラウザとの比較
Safari以外のブラウザのプライベートモード機能も確認しておきましょう。
Chromeのシークレットモード
特徴:
- 履歴を残さないモード
- デフォルトではロック機能なし
- 拡張機能で追加の保護が可能
開き方:
「新しいシークレットタブ」から
Firefoxのプライベートブラウジング
特徴:
- トラッキング防止が標準で強力
- ロック機能は別途設定が必要
開き方:
「新しいプライベートタブ」から
Safari(iOS 17以降)の優位性
Safariの強み:
- OS標準のロック機能
- Face ID/Touch IDとの統合
- 設定が簡単
- Appleエコシステム全体で統一
iPhoneやMacを使っているなら、Safariのロック機能が最も手軽で安全です。
子供のデバイス利用を管理する場合
家族で使う場合、お子さんのプライバシーも考慮しつつ、適切な管理が必要です。
スクリーンタイムの活用
できること:
- Safariの使用時間を制限
- 特定のウェブサイトへのアクセス制限
- 年齢に応じたコンテンツ制限
設定方法:
- 設定 → スクリーンタイム
- 「コンテンツとプライバシーの制限」
- 「コンテンツ制限」→「Webコンテンツ」
ファミリー共有の活用
家族それぞれにApple IDを持たせて管理できます。
メリット:
- 個別のプライバシー設定
- 年齢に応じた制限
- 親が管理できる範囲を設定
まとめ:プライベートモードのロックでプライバシーをしっかり守ろう
Safariのプライベートモードをロックする方法をまとめます。
設定方法(iPhone/iPad):
- 設定アプリ → Safari
- 「プライベートブラウズを使用するにはFace IDが必要」をオン
- 次回からプライベートタブを開く時に認証が必要
設定方法(Mac):
- システム設定 → Safari
- 「プライベートブラウズを使用するにはパスワードが必要」をオン
- 次回から認証が必要
必要な条件:
- iOS 17以降(iPhone/iPad)
- macOS Sonoma以降(Mac)
- Face ID、Touch ID、またはパスコードの設定
ロック機能のメリット:
- デバイスを貸す時も安心
- プライバシーを二重に保護
- 簡単な設定で使える
- 追加のアプリ不要
覚えておきたいポイント:
- プライベートタブを開くたびに認証が必要
- パスコードでも解除可能
- タブを開いたままだと認証は不要
- Face ID/Touch IDが使えない時はパスコードで
プライバシー保護の組み合わせ:
- プライベートブラウズのロック機能
- サイト越えトラッキング防止
- プライベートリレー(iCloud+)
- 定期的なデータ削除
こんな人におすすめ:
- 家族とデバイスを共用している
- 職場でiPhoneを使っている
- プライバシーを重視している
- デバイスを人に貸すことがある
iOS 17以降の新機能なので、まだ知らない人も多いかもしれません。でも、設定はとても簡単。たった数タップで、プライバシーをぐっと強化できます。
プライベートブラウズは「履歴を残さない」機能、ロック機能は「アクセスを制限する」機能。この2つを組み合わせることで、より安心してインターネットを楽しめるようになります。
今すぐ設定して、あなたのプライバシーをしっかり守りましょう!
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