学校のトイレで用を足した後、紙がないことに気づいたあなた。
その瞬間、どこからともなく「赤い紙が欲しいか?青い紙が欲しいか?」という不気味な声が聞こえてきたら、どうしますか?
これは、日本の学校で90年以上も語り継がれている恐怖の都市伝説「赤い紙・青い紙」の始まりです。
選んだ紙の色によって、恐ろしい運命が待ち受けているという、究極の二択を迫る怪異なんです。
この記事では、学校のトイレに潜む恐怖の存在「赤い紙・青い紙」について、その正体や特徴、そして生き延びる方法まで詳しくご紹介します。
概要
赤い紙・青い紙(あかいかみ・あおいかみ)は、主に学校のトイレを舞台とする日本の代表的な都市伝説です。
その歴史は意外と古く、1930年代の奈良市ではすでに小学生の間で広まっていたという記録があります。つまり、「トイレの花子さん」よりもずっと昔から存在していた怪談なんですね。
基本的な内容は、トイレで紙がない時に「赤い紙が欲しいか?青い紙が欲しいか?」という謎の声が聞こえてきて、答えた色によって恐ろしい死に方をするというもの。単純そうに見えて、実は「正解のない究極の選択」を迫られる恐怖が、この話の本質なんです。
姿・見た目
ここが「赤い紙・青い紙」の最も不気味なところなんですが、声の主の姿はほとんど目撃されていません。
声の主の正体は?
多くの場合、この怪異は以下のような形で現れます:
- 声だけが聞こえる:どこからともなく質問の声が響く
- 姿が見えない:トイレの個室内を見回しても誰もいない
- 逃げられない:ドアが開かなくなることもある
ただし、まれに目撃談もあります:
- 長身で青白い顔の男:一部の学校では、不気味な男が個室に現れるという
- 血まみれの手:便器から赤い手や青い手が伸びてくるパターン
- 紙そのもの:天井から赤い紙や青い紙が落ちてくるという話も
姿が見えないからこそ、想像力がかきたてられて恐怖が増すんですね。声だけが聞こえるという設定は、まさに恐怖を最大限に演出する仕掛けといえるでしょう。
特徴
赤い紙・青い紙には、明確な行動パターンと恐ろしい特徴があります。
現れる条件
出現場所と時間帯
- 主に学校のトイレ(特に古い校舎や体育館横の使われていないトイレ)
- 夕方や放課後の人気のない時間帯
- トイレットペーパーがない時に現れやすい
恐怖の二択システム
この怪異の最大の特徴は、どちらを選んでも死んでしまうという絶望的な選択を迫ることです。
赤い紙を選んだ場合の結末
- 全身から血が噴き出して血まみれになる
- 天井から血の雨が降ってくる
- ナイフや鎌で切り刻まれる
青い紙を選んだ場合の結末
- 首を絞められて窒息死(顔が真っ青になる)
- 全身の血を抜き取られる
- 体が青く変色していく
つまり、赤を選べば「血の赤」、青を選べば「死体の青」という、色に関連した死に方をするんです。
特殊な性質
- トイレットペーパーが消える:問題のトイレに紙を補充しても必ず消えてしまう
- 特定の個室で起きる:4番目の個室など、決まった場所で発生することが多い
- 伝染する恐怖:この話を聞いた人が次の犠牲者になりやすい
伝承
赤い紙・青い紙の伝承には、興味深い起源と様々なバリエーションが存在します。
起源説その1:便所神の風習
京都には古くから、節分の夜に便所に入ると「カイナデ」という妖怪が現れるという言い伝えがありました。
これを防ぐために「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」と唱える風習があったんです。
また、茨城県などでは、便所神に赤と白(または赤と青)の紙人形を供える習慣がありました。
この「神様に紙を供える」という行為が、いつしか「妖怪が紙を要求する」という恐怖の物語に変化したと考えられています。
起源説その2:戦時中の悲劇
稲川淳二の怪談では、この話の背景に戦時中の悲劇があるとされています。
特攻隊員の寮として使われていた学校で、息子の名前を見つけた母親が自殺したという話。
赤い紙は兵士の血、青い紙は栄養失調の顔色を表しているという解釈もあるんです。
地域による違い
実は、地域によってかなりバリエーションがあります:
大阪府の場合
- 赤い紙:舌で尻を舐められる
- 白い紙:手で尻を撫でられる
東京都東久留米市の場合
- 「赤と紫どちらが好きか」と聞かれる
- 紫と答えれば助かる
山形県の場合
- 「青・赤・黄色」の3択
- 全部要求すると消されてしまう
生き延びる方法
では、この恐怖から逃れる方法はあるのでしょうか?
実は、いくつかの回避方法が伝えられています:
効果があるとされる答え方
- 「白い紙」と答える:第三の選択肢を提示する
- 「何もいらない」と答える:要求自体を拒否する
- 「黄色い紙」など違う色を言う:ただし逆効果という説もある
- 無視する:反応しないでやり過ごす
ただし、これらの方法も地域によって効果が違うので、絶対安全とは言えません。
一番の対策は、怪しいトイレには近づかないことかもしれませんね。
まとめ
赤い紙・青い紙は、90年以上も語り継がれる日本の代表的な学校怪談です。
重要なポイント
- 1930年代から存在する歴史ある都市伝説
- 声だけが聞こえ、姿はほとんど見えない
- 赤と青、どちらを選んでも死ぬ究極の二択
- 便所神の風習が恐怖の物語に変化した可能性
- 地域によって様々なバリエーションが存在
- 「白い紙」や「何もいらない」で回避できる説がある
この都市伝説が長く語り継がれている理由は、「正解のない選択」という普遍的な恐怖を扱っているからでしょう。
テストの答えに悩む学生たちの不安が、このような形で表現されたのかもしれません。
もしあなたが学校のトイレで不気味な声を聞いたら…冷静に第三の選択肢を探してみてください。
でも一番いいのは、そんな状況に遭遇しないことですけどね。
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