会社のOutlookで予定表を共有していると、「病院の予約」「面接」「プライベートな用事」など、他の人に知られたくない予定をどう扱うか悩むことがあります。
実は、Outlookには個別の予定を非公開にしたり、カレンダー全体の公開範囲を細かく設定したりする機能が充実しています。
この記事では、Outlookで予定を非公開にする方法を、デスクトップ版からWeb版、モバイルアプリまで、すべてのプラットフォームで詳しく解説します。
Outlookの「非公開」とは?他の人にどう見える?
まず、Outlookで予定を非公開にすると、具体的に何が起こるのかを理解しておきましょう。
非公開予定の表示のされ方
予定を「非公開」に設定すると、あなたのカレンダーを閲覧できる他の人には以下のように表示されます。
他の人から見た場合
- 予定の時間帯は「予定あり」として表示される
- タイトルや場所などの詳細は表示されない
- 「非公開」または鍵マークが表示される(設定による)
- あなたが忙しいことは分かるが、何をしているかは分からない
自分から見た場合
- すべての詳細が通常通り表示される
- 予定のタイトル、場所、メモなどすべて見える
- 鍵マークが付いて非公開であることが分かる
つまり、時間は押さえられるけれど、内容は守られるという仕組みです。
「非公開」と「予定表の共有を停止」の違い
混同しやすい2つの概念を整理しましょう。
個別の予定を非公開にする
- 特定の予定だけを他の人に見せない
- カレンダー自体は共有したまま
- 他の予定は通常通り表示される
予定表全体の共有を停止する
- カレンダー全体を他の人に見せない
- すべての予定が非表示になる
- 空き時間情報も共有されない
この記事では主に「個別の予定を非公開にする方法」を解説していきます。
【デスクトップ版】Outlookで予定を非公開にする方法
Windows版やMac版のOutlookデスクトップアプリでの設定方法です。
新規予定を作成時に非公開にする
手順
- 予定表を開く
- Outlookの左下にあるカレンダーアイコンをクリック
- 新しい予定を作成
- 予定を入れたい日時をダブルクリック
- または上部の「新しい予定」ボタンをクリック
- 予定の詳細を入力
- タイトル、場所、開始時刻、終了時刻などを入力
- 「非公開」に設定
- 予定作成ウィンドウの上部にある「分類」セクションを探す
- 「非公開」というボタンまたはチェックボックスを探してクリック
- または、リボンメニューの「タグ」セクションに鍵マークがあります
- 保存する
- 「保存して閉じる」をクリック
- 予定に鍵マークが付いて、非公開として保存されます
既存の予定を非公開に変更する
すでに作成済みの予定を後から非公開にすることもできます。
手順
- 予定をダブルクリックして開く
- カレンダー上の該当する予定をダブルクリック
- 編集モードで「非公開」を選択
- 予定の詳細画面で「非公開」ボタンまたは鍵マークをクリック
- 変更を保存
- 「保存して閉じる」をクリック
複数の予定を一括で非公開にする
たくさんの予定をまとめて非公開にしたい場合の方法です。
手順
- カレンダービューを開く
- 予定表を表示した状態にします
- 複数の予定を選択
- Ctrlキー(Macの場合はCommand)を押しながら、非公開にしたい予定を順番にクリック
- 連続した予定の場合は、最初をクリックして、Shiftキーを押しながら最後をクリック
- 右クリックメニューから設定
- 選択した予定のいずれかを右クリック
- 「分類」または「プライバシー」のオプションを探す
- 「非公開」を選択
- 確認
- すべての選択した予定に鍵マークが付きます
【Web版】Outlook on the webでの非公開設定
ブラウザ版のOutlook(outlook.office.com)での操作方法です。
Web版での基本的な非公開設定
手順
- Outlook on the webにアクセス
- ブラウザで「outlook.office.com」または「outlook.com」を開く
- Microsoft アカウントでサインイン
- カレンダーを開く
- 左下のカレンダーアイコンをクリック
- 新しい予定を作成
- カレンダー上の任意の時間帯をクリック
- 簡易入力画面が表示されます
- 詳細画面で非公開に設定
- 「その他のオプション」または「詳細」をクリック
- 予定の詳細画面が開きます
- 画面上部または右側のパネルに「非公開」または鍵マークのトグルスイッチがあります
- これをオンにする
- 保存
- 「保存」ボタンをクリック
Web版での一括変更
Web版では複数予定の一括変更は制限されているため、個別に設定する必要があります。
【モバイルアプリ】スマホでの非公開設定
iPhone、iPad、Android端末でのOutlookアプリでの設定方法です。
モバイルアプリでの手順
手順
- Outlookアプリを開く
- スマートフォンまたはタブレットでOutlookアプリを起動
- カレンダータブに移動
- 画面下部または左側のメニューからカレンダーアイコンをタップ
- 新しい予定を作成
- 右上の「+」ボタンをタップ
- 「イベント」または「予定」を選択
- 予定の詳細を入力
- タイトル、日時、場所などを入力
- 非公開設定を探す
- 画面を下にスクロール
- 「非公開」または「プライベート」というトグルスイッチを探す
- これをオンにする
- 保存
- 右上の「完了」または「保存」をタップ
モバイルでの既存予定の編集
手順
- カレンダー上の予定をタップ
- 予定の詳細画面で「編集」をタップ
- 「非公開」トグルをオンにする
- 「保存」をタップ
予定表全体の公開範囲を設定する方法
個別の予定ではなく、カレンダー全体の共有設定を変更する方法です。
デスクトップ版での予定表共有設定
手順
- 予定表を開く
- Outlookのカレンダービューを表示
- 共有設定を開く
- 上部の「ホーム」タブを選択
- 「予定表の共有」または「アクセス許可」ボタンをクリック
- 共有相手を選択
- 共有したい相手のメールアドレスを入力
- または、既存の共有相手を選択
- アクセス許可レベルを設定
- 空き時間情報のみ表示可能:予定があるかどうかだけ見える
- 制限付き詳細:タイトルと場所が見える
- 全詳細:すべての情報が見える(非公開の予定を除く)
- 編集者:予定の作成・編集が可能
- 設定を保存
- 「送信」をクリック
重要なポイントは、どのアクセス許可レベルを選んでも、「非公開」に設定した予定の詳細は表示されないということです。
Web版での予定表共有設定
手順
- Outlook on the webでカレンダーを開く
- 左側のカレンダー一覧で、自分のカレンダーを右クリック
- 「共有とアクセス許可」を選択
- 共有相手のメールアドレスを入力
- アクセス許可レベルを選択
- 「共有」をクリック
会議出席依頼と非公開設定
会議の招待を受けた場合や、自分が主催者の場合の非公開設定について解説します。
受信した会議を非公開にする
他の人から会議の招待を受けた場合でも、自分のカレンダー上で非公開にできます。
手順
- 受信した会議出席依頼を承諾する
- 自分のカレンダーに追加された会議予定を開く
- 「非公開」を選択
- 保存
これにより、あなたのカレンダーを見る他の人には、その会議の詳細が表示されなくなります。
ただし、会議の主催者や他の参加者には影響しません。
主催者として会議を非公開に設定できる?
結論:できません
会議の主催者が会議自体を非公開にすることはできません。会議出席依頼は、すべての参加者に詳細が表示される必要があるためです。
代替案
- 会議のタイトルを抽象的にする(例:「定例ミーティング」)
- 詳細な情報は会議の本文に書かず、別途メールで送る
- 参加者を最小限にする
よくある質問と解決策
Q1. 非公開にした予定が他の人に見えてしまう?
原因と解決法
原因1:共有設定が「全詳細」になっている
- 予定表の共有設定を確認
- 「制限付き詳細」または「空き時間情報のみ」に変更
原因2:実は非公開に設定されていない
- 予定を開いて、鍵マークが付いているか確認
- 付いていなければ、改めて「非公開」に設定
原因3:Outlook以外のカレンダーアプリで見ている
- 他のアプリ(Google カレンダーなど)では、非公開設定が正しく反映されない場合があります
Q2. 非公開の予定も「予定あり」と表示されるのを消せる?
A. 完全に消すことはできません。
非公開設定では、時間帯が「予定あり」として表示されることは避けられません。これは、他の人があなたとの会議をスケジュールする際に、時間が空いているかを確認するために必要な情報だからです。
代替案
- 本当に誰にも知られたくない場合は、別のカレンダー(個人用Outlook、Googleカレンダーなど)に入力する
- 予定表の共有自体を停止する
Q3. 既存の予定をすべて非公開にする一括設定はある?
A. デスクトップ版では可能、Web版では個別対応が必要です。
デスクトップ版Outlookでは、複数選択して一括で非公開に設定できます(前述の方法を参照)。
Web版では、残念ながら一つずつ手動で変更する必要があります。
Q4. 繰り返しの予定を非公開にしたい
A. シリーズ全体を一括で非公開にできます。
手順
- 繰り返し予定のいずれか一つを開く
- 「シリーズ全体を開く」を選択
- 「非公開」に設定
- 保存
これで、過去・現在・未来のすべての繰り返し予定が非公開になります。
Q5. 非公開にしても予定のタイトルが見える?
A. 設定が正しくない可能性があります。
以下を確認してください:
- 予定に鍵マークが付いているか
- 予定表の共有設定が「全詳細」になっていないか
- 他の人が「代理人アクセス」権限を持っていないか(この場合、非公開でも見える)
Q6. 他の人の非公開予定を見る方法はある?
A. 基本的にはありません。
非公開に設定された予定の詳細を見る方法は、以下の場合を除いてありません:
例外的に見える場合
- 予定表の所有者が、あなたに「代理人アクセス」権限を与えている
- 会社のIT管理者が特別な権限を持っている
これらの場合も、組織のポリシーによります。
組織のポリシーと非公開設定
会社や組織によっては、Outlookの非公開設定に関するポリシーがある場合があります。
よくある組織ルール
1. 勤務時間中の予定は非公開禁止
- 業務の透明性を保つため
- チーム内での予定調整を円滑にするため
2. 終日予定の非公開禁止
- 休暇や出張など、チーム全体で知るべき情報のため
3. 一定時間以上の予定は理由を記載
- 長時間の予定を非公開にする場合、上司に理由を説明
プライバシーと透明性のバランス
個人的な用事をスケジュールする際のベストプラクティス
- 可能なら勤務時間外に設定
- 病院の予約などは、出勤前や退勤後に
- 抽象的なタイトルを使う
- 「私用」「外出」など、具体的でないタイトル
- ただし組織のルールに従って
- 上司には事前に相談
- 勤務時間中にプライベートな用事がある場合
- 非公開にする前に、口頭で伝えておく
- 個人用カレンダーを併用
- 完全にプライベートな予定は、会社のOutlookとは別のカレンダーに
Outlookの空き時間情報とは?
非公開設定と関連する「空き時間情報」について理解しておきましょう。
空き時間情報の種類
Outlookの予定には、以下の4つのステータスがあります。
1. 空き時間
- 予定は入っているが、他の人との会議も入れられる
- 緑色で表示
2. 仮の予定
- まだ確定していない予定
- 青色で表示(斜線が入る)
3. 予定あり
- 確定した予定で、その時間は忙しい
- 青色で表示
4. 外出中
- オフィスにいない予定
- 紫色で表示
非公開設定との組み合わせ
非公開に設定した予定でも、これらのステータスは選択できます。
例:非公開 × 外出中
- 詳細は表示されない
- でも「外出中」であることは他の人に分かる
- 病院や私用での外出に適している
例:非公開 × 空き時間
- 詳細は表示されない
- でも「空いている」として表示される
- あまり使われないが、柔軟な予定に使える
トラブルシューティング
非公開設定が正常に機能しない場合の対処法です。
問題1:非公開ボタンが見つからない
原因
- Outlookのバージョンが古い
- 表示設定が変わっている
解決法
- Outlookを最新版にアップデート
- 予定作成画面の「タグ」または「分類」セクションを探す
- リボンメニューを展開(小さい画面の場合、一部が隠れている)
- 右クリックメニューから「プライバシー」を選択
問題2:設定したのに非公開にならない
原因
- 保存されていない
- キャッシュの問題
解決法
- 「保存して閉じる」を必ずクリック
- Outlookを再起動
- Web版で確認してみる(デスクトップ版とWeb版でデータが同期されているか)
- それでもダメなら、予定を削除して作り直す
問題3:モバイルアプリで非公開設定が見つからない
原因
- アプリのバージョンが古い
- 画面をスクロールしていない
解決法
- App StoreまたはGoogle PlayでOutlookアプリを最新版に更新
- 予定の編集画面で、画面を一番下までスクロール
- 「詳細設定」や「その他」のセクションを展開
まとめ|プライバシーを守りつつ効率的なスケジュール管理を
Outlookの非公開設定をうまく活用すれば、プライバシーを守りながら、チームとのスケジュール共有も両立できます。
この記事の重要ポイント
- 個別の予定を非公開にすると、時間帯は分かるが詳細は表示されない
- デスクトップ版、Web版、モバイルアプリすべてで非公開設定が可能
- 予定表全体の共有設定と、個別予定の非公開は別物
- 会議出席依頼は、受信者側で非公開にできる
- 組織のポリシーを確認してから使用する
- 空き時間情報と非公開設定を組み合わせて柔軟に対応
使い分けのコツ
- 病院の予約、面接など:非公開 × 外出中
- 個人的な作業時間:非公開 × 予定あり
- まだ確定していない私用:非公開 × 仮の予定
ビジネスシーンでは透明性が求められる一方、個人のプライバシーも大切です。Outlookの非公開機能を正しく理解して、自分に合った使い方を見つけてくださいね。
適切な設定で、仕事もプライベートも快適に管理していきましょう。
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