もし、あなたが米俵を12俵もまとめて運べる怪力の持ち主だったら、自分より強い存在なんているはずがないと思いますよね?
でも、鳥取県には、そんな怪力男でさえ全く歯が立たなかった不思議な小僧の伝説が残されているんです。
しかも、その怪力男は死後も不思議な力を示し続けたという、なんとも奇妙な話なんですよ。
この記事では、鳥取県に伝わる「赤頭と小僧の妖怪」について、その正体と不思議な出来事を詳しくご紹介します。
赤頭と小僧の妖怪ってどんな話なの?

「赤頭と小僧の妖怪(あかあたまとこぞうのようかい)」は、鳥取県西伯郡名和村(現在の大山町)に伝わる不思議な伝説です。
この話の主人公は「赤頭(あかあたま)」と呼ばれた怪力の男。
米俵を12俵も一度に運べるというとんでもない力持ちだったんです。
そんな彼が、ある日観音堂で出会った謎の小僧との力比べで完敗してしまうという、ちょっと信じられない出来事が起こりました。
概要
赤頭という怪力男
赤頭は、ただの力自慢ではありませんでした。
米俵12俵といえば、1俵が約60キログラムですから、合計で約720キログラム!
これを梯子(はしご)ごと運んでいたというのですから、まさに超人的な怪力の持ち主だったわけです。
村の人々は、その力を見て驚き、また頼りにしていたことでしょう。
観音堂での不思議な出会い
ある日、赤頭が観音堂で休憩していると、とんでもない光景を目にします。
4、5歳くらいの小さな男の子が現れ、観音堂の太い柱に五寸釘(約15センチの釘)を素手で刺し始めたのです。
しかも、使っているのはたった指一本!釘を刺したり抜いたりを、まるで遊びのように繰り返していました。
怪力自慢の赤頭も負けじと挑戦しましたが、両手を使って全力で押し込んでも、やっと刺さる程度。抜くことなんて、とてもできませんでした。
小僧の正体は謎のまま
その様子を見た小僧は、ケラケラと笑いながらどこかへ去っていきました。
この不思議な小僧の正体について、伝説では明らかにされていません。
ただの人間の子供とは思えない怪力を持っていたことから、何か超自然的な存在、つまり妖怪だったのではないかと考えられています。
赤頭の死後の不思議な現象
赤頭の伝説には、もう一つ不思議な後日談があります。
赤頭が亡くなった後、村の若者たちが「あの怪力にあやかりたい」と考え、彼の墓で夜を過ごすようになりました。すると、夜中になると不思議なことが起こったのです。
墓前にいた若者たちの体験:
- 背中に重い石が乗せられたような感覚
- 何者かに押さえつけられる重圧
- とても我慢できないほどの重さ
- 立ち上がることさえできない状態
これが赤頭の霊による力の授与だったのか、それとも別の何かだったのか、今となっては分かりません。
まとめ
「赤頭と小僧の妖怪」は、人間の限界を超えた力比べの物語です。
重要なポイント
- 赤頭は米俵12俵を運ぶ超人的な怪力の持ち主
- 観音堂で指一本で五寸釘を抜き差しする謎の小僧と出会う
- 怪力自慢の赤頭でも小僧には全く歯が立たなかった
- 小僧の正体は不明だが、妖怪である可能性が高い
- 赤頭の死後、墓で不思議な重圧現象が起こった
この伝説は、どんなに強い人間でも、この世には理解を超えた存在がいるということを教えてくれます。赤頭自身も死後に不思議な力を示したことから、彼もまた普通の人間を超えた特別な存在だったのかもしれませんね。
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