真夜中、暗い部屋で鏡をのぞき込んだことはありませんか?
もし、そこに血まみれの少女が映ったとしたら…それは「ブラッディ・メアリー」かもしれません。
アメリカで語り継がれるこの恐ろしい都市伝説は、今でも多くの若者たちを震え上がらせ、肝試しの定番として知られています。
この記事では、鏡の中から現れる血まみれの霊「ブラッディ・メアリー」について、その恐ろしい姿から呼び出し方法、そして彼女の悲しい正体まで詳しくご紹介します。
概要

ブラッディ・メアリーは、アメリカで広く知られる都市伝説に登場する女性の幽霊です。
鏡の前で彼女の名前を唱えると姿を現すという、呪いのような儀式で呼び出される存在として恐れられています。特に10代の若者たちの間で肝試しとして行われることが多く、パーティーや泊まり会での定番の怖い遊びになっているんです。
日本でいう「こっくりさん」や「ひとりかくれんぼ」のような位置づけで、超自然的な存在とコンタクトを取る危険な遊びとして知られています。
面白いことに、この伝説はアメリカ全土で語られているものの、地域によって細かい部分が違うんですね。これが都市伝説の特徴で、口コミで広がりながら少しずつ変化していくのです。
姿・見た目
ブラッディ・メアリーの姿は、まさに恐怖そのものです。
基本的な外見
- 全身血まみれ:名前の通り、血に染まった衣装を着ている
- 長い髪の女性:黒く長い髪が顔を覆うように垂れ下がっている
- 若い女性の姿:10代後半から20代前半の比較的若い女性として描かれる
- 白いドレス:血で汚れた白いドレスを着ていることが多い
鏡に映る彼女の姿は、最初はぼんやりとしていて、だんだんはっきりしてくるそうです。顔は青白く、目は虚ろで、まるで死んだ時の苦しみをそのまま残しているような表情だといいます。
地域によっては、顔が腐敗している、目がくり抜かれている、口から血を流しているなど、より恐ろしい描写もあります。
特徴
ブラッディ・メアリーには、他の幽霊とは違う独特の特徴があります。
呼び出し方法の特徴
ブラッディ・メアリーは能動的に呼び出される幽霊なんです。つまり、勝手に現れるのではなく、人間が特定の儀式を行うことで初めて姿を見せます。
現れた時の行動パターン
呼び出された後の彼女の反応は、実にさまざまです。
- 顔を引っかく:鋭い爪で呼び出した人の顔を引っかき、傷を残す
- 鏡に引きずり込む:鏡の中の世界に連れ去ってしまう
- 発狂させる:恐ろしい姿を見せて精神を破壊する
- 呪いをかける:不幸や災いを呼び出した人にもたらす
- 魂を奪う:最悪の場合、命を奪われることも
鏡という媒体の重要性
ブラッディ・メアリーは鏡なしには現れません。鏡は現実世界と霊の世界をつなぐ通り道として機能しているんですね。古来から鏡は魔術的な道具として扱われてきましたが、この伝説でも同じような役割を果たしています。
伝承

ブラッディ・メアリーを呼び出す儀式には、いくつかのバリエーションがあります。
基本的な呼び出し方
最も一般的な方法:
- 真夜中に一人で暗い部屋(主にバスルーム)に入る
- ろうそくを1本だけ灯す
- 鏡の前に立つ
- 「ブラッディ・メアリー」と3回唱える
- 鏡をじっと見つめる
その他のバリエーション
- 13回唱える:より強力な召喚になるとされる
- その場で3回まわる:唱えながら回転する
- 階段を後ろ向きに上る:手鏡とろうそくを持ちながら行う
- 「Hell Mary」や「Mary Worth」と唱える:地域による名前の違い
実際の事件や体験談
アメリカでは、この儀式を試した少女が行方不明になった、鏡の前で気絶しているのが発見された、顔に原因不明の傷ができたなどの話が報告されています。
もちろん、これらの話の真偽は定かではありませんが、心理的な影響で実際に体調を崩したり、パニックになったりする人がいるのは事実です。暗い部屋で鏡を見つめることで、脳が錯覚を起こし、実際には存在しないものが見えてしまうこともあるんです。
起源
ブラッディ・メアリーの正体には、いくつかの説があります。
歴史上の人物説
最も有力な説:イングランドのメアリー1世
- 16世紀のイングランド女王(1553-1558年在位)
- プロテスタント(新教徒)を約300人火あぶりにした
- この残虐な行為から「Bloody Mary(血まみれのメアリー)」と呼ばれた
- カトリック復活を目指した宗教弾圧の歴史が背景に
民間伝承の人物説
メアリー・ワース説
- 魔女として火あぶりにされた女性
- あるいは、奴隷解放運動の地下鉄道で逃亡奴隷を殺害した女性
- 無実の罪で処刑された恨みが霊となって現れる
悲劇の母親説
- 子供を失った、または殺してしまった若い母親
- 罪悪感と悲しみから自殺し、霊となった
- 鏡を通じて自分の子供を探し続けている
古い占い儀式との関連
実は、ブラッディ・メアリーの儀式にはもっと古い起源があります。
19世紀のヨーロッパでは、若い女性が将来の結婚相手を知るために、暗い部屋で鏡を見る占いが行われていました。階段を後ろ向きに上りながら手鏡を見ると、未来の夫の顔が映るというものです。
ただし、もし髑髏(どくろ)や死神の顔が見えたら、結婚前に死ぬという不吉な予言だったそうです。この古い占いが、現代の恐怖の都市伝説に変化したと考えられています。
まとめ
ブラッディ・メアリーは、アメリカの都市伝説の中でも特に有名な血まみれの幽霊です。
重要なポイント
- 鏡の前で名前を唱えることで呼び出される女性の霊
- 血まみれの若い女性の姿で現れる
- 呼び出した人に危害を加える恐ろしい存在
- 正体はイングランドのメアリー1世、または悲劇的な死を遂げた女性
- 19世紀の占い儀式が現代の都市伝説に変化した
- アメリカの若者の間で肝試しとして今も行われている
この伝説が長く語り継がれているのは、鏡という身近な道具を使うことと、誰でも簡単に試せる(でも怖くて試したくない)という絶妙なバランスがあるからかもしれません。
あなたも今夜、鏡の前に立つときは気をつけてくださいね。うっかり「ブラッディ・メアリー」と口にしてしまったら…彼女があなたの前に現れるかもしれませんから。
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