「あっ、送る相手を間違えた!」
「添付ファイルを付け忘れた…」
「誤字脱字に気づいたけど、もう遅い」
メールの送信ボタンを押した直後に気づく間違い。誰もが一度は経験したことがあるはずです。
実は、iCloudメールには送信を取り消す機能が用意されています。ただし、使える条件や制限時間があるんです。
この記事では、iCloudメールの送信取り消し機能の使い方と、誤送信を防ぐための設定を詳しく解説します。
iCloudメールの送信取り消し機能とは

どんな機能なのか
送信取り消しとは、送信したメールを相手に届く前にストップできる機能のことです。
英語では「Undo Send」と呼ばれていて、Gmailなどでも採用されている便利な機能です。
取り消せる時間は限られている
重要なポイントがあります。
制限時間:送信後わずか10秒〜30秒
この短い時間内だけ、取り消しが可能です。時間が過ぎると、もう取り消せません。
「あれ?さっき送ったメール、ちょっと変だったかも…」と数分後に気づいても手遅れなので注意してください。
この機能が使える条件
送信取り消し機能は、すべてのデバイスで使えるわけではありません。
対応バージョン:
- iOS 16以降(iPhone・iPad)
- macOS Ventura(13)以降(Mac)
- Web版(iCloud.com) には未対応
古いOSを使っている場合は、アップデートが必要です。
iPhoneでの送信取り消し方法
まずは、最も使う頻度が高いiPhoneでの操作方法です。
基本の取り消し手順
手順:
- メールを作成して「送信」をタップ
- 送信直後、画面下部に 「送信を取り消す」 というメッセージが表示される
- すぐに 「取り消す」 をタップ
- メールの送信が中止され、編集画面に戻る
これだけです。シンプルでしょ?
表示が出ない場合
「送信したのに、取り消すボタンが出ない…」という時は、設定を確認しましょう。
確認手順:
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして 「メール」 をタップ
- 「送信を取り消す」 の項目を確認
- オフになっていたらオンにする
この設定がオフだと、取り消しボタンが表示されません。
取り消し可能時間の設定
実は、取り消せる時間を自分で選べるんです。
設定方法:
- 「設定」→ 「メール」 を開く
- 「送信を取り消す」 をタップ
- 時間を選択:
- 10秒(デフォルト)
- 20秒
- 30秒
- 好みの時間を選ぶ
慌てやすい人は、30秒に設定しておくと安心ですよ。
iPadでの送信取り消し方法
iPadも基本的にiPhoneと同じですが、画面が大きい分だけ少し違います。
取り消しボタンの位置
手順:
- メールを送信
- 画面下部(またはフローティングメッセージ)に 「送信を取り消す」 が表示
- 「取り消す」 をタップ
iPadは画面が広いので、表示位置に気をつけてください。
Split View使用時の注意
2つのアプリを同時に表示している時は:
- 取り消しメッセージが見えにくいことがある
- 画面の端に小さく表示される場合も
見逃さないよう、送信直後は画面をよく見ましょう。
Macでの送信取り消し方法
Macのメールアプリでも使えます。
基本の取り消し手順
手順:
- メールを作成して「送信」ボタンをクリック
- 画面上部(または下部)に 「送信を取り消す」 の通知が表示される
- すぐに 「取り消す」 をクリック
- メールが未送信状態に戻る
Macの場合、通知センター経由で表示されることもあります。
設定の確認と変更
手順:
- メールアプリを開く
- メニューバーの 「メール」 → 「設定」 を選択
(古いバージョンでは「環境設定」) - 「作成」 タブをクリック
- 「送信を取り消す」 の項目を確認
- 時間を選択(10秒/20秒/30秒)
iPhoneと同じく、自分に合った時間を設定できます。
ショートカットキーはない
残念ながら、Macには送信取り消しのキーボードショートカットはありません。
マウスやトラックパッドで「取り消す」ボタンをクリックする必要があります。
Webブラウザ版(iCloud.com)での対応状況
パソコンのブラウザからiCloudメールを使っている方へ。
Web版には送信取り消し機能がない
残念ながら、現時点ではiCloud.comのWebメールに送信取り消し機能はありません。
これは技術的な制約や、ブラウザ環境の違いが理由と考えられます。
代替策
Webブラウザから使う場合は:
1. 下書き保存を活用
送信前に必ず下書き保存して、もう一度読み直す習慣をつける
2. 送信前に確認する癖をつける
宛先、件名、本文、添付ファイルをチェックリスト化
3. 重要なメールはアプリで送る
特に大切なメールは、iPhone・iPad・Macのメールアプリから送る
Web版を使う時は、より慎重になりましょう。
取り消せなかった時の対処法
時間内に取り消せなかった場合、どうすればいいでしょうか。
すぐに訂正メールを送る
最も基本的な対処法です。
訂正メールの書き方:
件名:【訂正】(元の件名)
本文例:
先ほどお送りしたメールに誤りがありましたので、
訂正させていただきます。
【誤】〇〇〇〇
【正】××××
大変申し訳ございませんでした。
素早く丁寧に訂正すれば、印象は悪くなりません。
相手がまだ読んでいない可能性
送信してすぐなら、相手がまだメールを開いていないかもしれません。
できること:
- 電話やチャットで先に連絡
- 「メールを送りましたが、訂正版を再送します」と伝える
- 相手が確認する前に対応できれば最善
タイミング次第で、大きな問題にならずに済みます。
添付ファイルを忘れた場合
「添付ファイルを付け忘れた」は、よくあるミスですよね。
対処法:
件名:【添付ファイル送付】(元の件名)
本文例:
先ほどのメールで添付ファイルをお送りするのを
失念しておりました。
改めて添付いたしますので、ご確認ください。
ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
正直に伝えることが大切です。
相手を間違えた場合
これは最も深刻なケースです。
緊急対応:
- すぐに正しい相手にも送る
- 誤送信先には即座に連絡
- 電話が確実
- 「大変申し訳ございません。誤送信でした。削除いただけますでしょうか」
- 機密情報が含まれる場合は上司に報告
誤送信は誰にでも起こりうるので、素早く誠実に対応しましょう。
誤送信を防ぐための設定と工夫

そもそも間違って送らないことが一番ですよね。
アドレス自動補完の注意
メールアドレスを入力し始めると、自動的に候補が表示されます。
よくある失敗:
- 「佐藤さん」に送りたいのに「佐々木さん」を選んでしまう
- 名前が似ている人を間違える
対策:
- 最後まで入力してから選ぶ
- フルネームで確認
- 送信前に宛先を必ず目視確認
CcとBccの使い分けを理解
Cc(カーボンコピー):
全員のアドレスが全員に見える
Bcc(ブラインドカーボンコピー):
他の受信者にアドレスが見えない
複数の人に一斉送信する時は、プライバシー保護のためBccを使いましょう。
送信前の確認習慣
チェックリスト:
✓ 宛先は正しいか
✓ 件名は適切か
✓ 本文に誤字脱字はないか
✓ 敬称や名前は正しいか
✓ 添付ファイルは付いているか
✓ 添付ファイルは正しいものか
毎回このチェックをすれば、ミスは激減します。
重要メールは下書き保存
すぐに送らず、一度下書きに保存してみてください。
方法:
- メールを作成
- 「キャンセル」を押して下書き保存
- 5分後に見直す
- 問題なければ送信
冷静になって読み直すと、間違いに気づきやすくなります。
定型文を活用
よく使う文章は、定型文として保存しておきましょう。
Macの場合:
- テキスト置換機能を使う
- システム環境設定 → キーボード → テキスト
iPhoneの場合:
- 設定 → 一般 → キーボード → ユーザ辞書
入力ミスを減らせますよ。
よくある質問と回答
送信取り消しについて、よくある疑問にお答えします。
Q1:相手に取り消したことはバレる?
A:基本的にバレません。
取り消しに成功すれば、相手のメールボックスには届きません。相手には何も通知されないので安心してください。
ただし、送信から取り消しまでの間に相手がたまたまメールを開いていたら、見られてしまう可能性はあります。
Q2:取り消せる回数に制限はある?
A:制限はありません。
何度でも取り消せます。ただし、毎回送信直後の短い時間内だけという条件は変わりません。
Q3:別のメールアプリでも使える?
A:標準メールアプリのみです。
Gmail、Outlook、Sparkなど、サードパーティ製のメールアプリには、iCloudメールの送信取り消し機能は実装されていません。
それぞれのアプリ独自の取り消し機能があるか確認してください。
Q4:Androidスマホでは使える?
A:使えません。
この機能はAppleデバイス専用です。AndroidでiCloudメールを使っている場合、送信取り消しはできません。
Q5:送信取り消しできないメールはある?
A:すべてのメールで使えます。
宛先の数やメールのサイズに関係なく、どんなメールでも取り消し可能です。ただし時間制限だけは必ず守る必要があります。
送信取り消し機能の限界を知る
便利な機能ですが、万能ではありません。
できないこと
❌ 時間制限(10〜30秒)を過ぎた後の取り消し
❌ Web版(iCloud.com)での取り消し
❌ サードパーティ製アプリでの取り消し
❌ 古いOS(iOS 15以前など)での使用
❌ 相手が既に開いてしまったメールの「未読化」
過信は禁物
「取り消せるから大丈夫」と思って雑に送るのは危険です。
基本姿勢:
- 送信前の確認が最も重要
- 取り消し機能はあくまで「最後の砦」
- できる限りミスをしない工夫をする
予防が第一、取り消しは保険と考えましょう。
まとめ:送信取り消しを使いこなして安心メール
iCloudメールの送信取り消し機能は、誤送信から私たちを守ってくれる便利な機能です。
この記事のポイント:
✓ 対応OS:iOS 16以降、macOS Ventura以降
✓ 制限時間:10秒/20秒/30秒(設定で変更可能)
✓ 操作方法:送信直後に「取り消す」をタップ
✓ 設定場所:設定 → メール → 送信を取り消す
✓ Web版:現時点では未対応
✓ 代替策:取り消せなければ即座に訂正メール
誤送信を防ぐポイント:
- 送信前に必ず宛先・件名・本文を確認
- 重要なメールは下書き保存してから見直す
- アドレス自動補完に頼りすぎない
- チェックリストを習慣化
- 取り消し機能はあくまで保険
「送信」ボタンを押す前の確認が最も大切。でも、万が一の時には取り消し機能があることを知っているだけで、心の余裕が生まれます。
設定を確認して、安心してメールを使えるようにしておきましょう!
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