「Windowsボイスレコーダーで録音したファイルが再生できない…」
「カーオーディオやMP3プレーヤーで聞きたいのに、形式が違う」
こんな経験はありませんか?
実は、Windowsのボイスレコーダーで録音した音声は、M4A形式で保存されます。この形式は高音質ですが、古い機器やソフトでは再生できないことがあります。そんな時は、より汎用性の高いMP3形式に変換すれば解決します。
この記事では、ボイスレコーダーで録音したファイルをMP3に変換する方法を、初心者の方にも分かるように詳しく解説します。無料ツールから有料ソフトまで、様々な方法を紹介するので、自分に合った方法が見つかるはずです。
Windowsボイスレコーダーのファイル形式

デフォルトはM4A形式
Windowsボイスレコーダーで録音すると、自動的にM4A形式で保存されます。
M4A形式の特徴:
- 正式名称:MPEG-4 Audio
- 高音質で容量が小さい
- Appleデバイスと相性が良い
- Windows 10以降で標準対応
保存場所:
C:\Users\(ユーザー名)\Documents\サウンド レコーディング
ファイル名:
「録音 2025-10-06 15-30-45.m4a」のような形式
M4Aとは?
音声ファイルの形式の一つ。MP3より新しく、同じ音質ならファイルサイズが小さくなるのが特徴です。
M4AとMP3の違い
M4A形式:
✅ 高音質
✅ ファイルサイズが小さい
✅ 新しい規格
❌ 古い機器で再生できないことがある
❌ 一部のソフトで非対応
MP3形式:
✅ ほぼすべての機器で再生可能
✅ 互換性が非常に高い
✅ 編集ソフトが豊富
❌ 同じ音質ならファイルサイズが大きい
❌ やや古い規格
MP3が必要な場面:
- カーオーディオで再生
- 古いMP3プレーヤーで使用
- 編集ソフトで加工
- 他の人と共有(確実に再生できる)
- 古いパソコンやスマホで使用
MP3に変換する方法の選択肢
変換方法は大きく分けて3つあります。
方法1:オンライン変換サイト
メリット:
✅ ソフトのインストール不要
✅ 無料で使える
✅ 操作が簡単
デメリット:
❌ インターネット接続が必須
❌ ファイルをアップロードする必要あり
❌ プライバシーの懸念(機密録音は不向き)
おすすめの人:
たまにしか変換しない、手軽に使いたい
方法2:無料変換ソフト
メリット:
✅ オフラインで使える
✅ プライバシーが守られる
✅ 一括変換が可能
✅ 音質設定が細かくできる
デメリット:
❌ ソフトのインストールが必要
❌ 使い方を覚える必要がある
おすすめの人:
定期的に変換する、プライバシー重視
方法3:Windows Media Player
メリット:
✅ Windowsに標準搭載
✅ 追加インストール不要
✅ 安全性が高い
デメリット:
❌ 設定がやや複雑
❌ 一部のバージョンで制限あり
おすすめの人:
ソフトを入れたくない、標準機能で済ませたい
【方法1】オンライン変換サイトを使う
主要な変換サイト
安全性の高いサイト:
- Online Audio Converter
- Convertio
- CloudConvert
- FreeConvert
注意点:
機密性の高い録音(会議、インタビューなど)は、オンラインツールを避けましょう。
基本的な変換手順
どのサイトも基本的に同じ流れです。
手順:
- 変換サイトにアクセス
- ブラウザで「m4a mp3 変換」と検索
- 信頼できるサイトを選択
- ファイルをアップロード
- 「ファイルを選択」をクリック
- 変換したいM4Aファイルを選ぶ
- またはドラッグ&ドロップ
- 出力形式を選択
- 「MP3」を選択
- ビットレートを設定(128kbps〜320kbps)
- 変換を実行
- 「変換」ボタンをクリック
- 数秒〜数分待つ
- ダウンロード
- 「ダウンロード」ボタンが表示される
- クリックしてパソコンに保存
ビットレートとは?
音質を決める数値。数字が大きいほど高音質ですが、ファイルサイズも大きくなります。
- 128kbps:標準音質(音楽には物足りない)
- 192kbps:良好な音質(音声録音に十分)
- 320kbps:高音質(音楽向け)
一括変換の方法
複数ファイルを一度に変換できるサイトもあります。
手順:
- 複数ファイル対応のサイトを選ぶ
- Convertio、CloudConvertなど
- 複数ファイルを選択
- Ctrlキーを押しながら複数選択
- またはフォルダごとドラッグ
- まとめて変換
- 一括ダウンロード
- ZIPファイルでダウンロードされることが多い
【方法2】無料ソフトで変換する
おすすめの無料変換ソフト
1. Audacity(オーダシティ)
特徴:
- 完全無料
- オープンソース(安全)
- 録音・編集・変換が可能
- 日本語対応
ダウンロード:
公式サイト(audacityteam.org)から入手
変換手順:
- Audacityを起動
- ファイルを開く
- ファイル→開く
- M4Aファイルを選択
- エクスポート
- ファイル→エクスポート→MP3としてエクスポート
- 保存設定
- ビットレートを選択(192kbpsを推奨)
- 保存先とファイル名を指定
- エクスポート実行
2. XMedia Recode
特徴:
- 多形式対応
- 一括変換が得意
- 詳細な設定が可能
変換手順:
- XMedia Recodeを起動
- ファイル追加
- 「ファイルを開く」からM4Aファイル選択
- 形式設定
- 「形式」タブで「MP3」を選択
- ビットレートを設定
- リストに追加
- 「リストに追加」ボタン
- エンコード実行
- 「エンコード」ボタンをクリック
3. Format Factory
特徴:
- シンプルな操作
- 初心者向け
- 様々な形式に対応
変換手順:
- Format Factoryを起動
- MP3を選択
- 左側メニューの「オーディオ」→「MP3」
- ファイル追加
- 「ファイル追加」でM4Aファイル選択
- 設定
- 音質設定(標準・高品質など)
- 保存先の指定
- 変換開始
- 「開始」ボタンをクリック
【方法3】Windows Media Playerで変換

Windows標準機能での変換方法です。
変換の準備
前提条件:
- Windows Media Player 12以降
- Windows 10/11で利用可能
注意:
Windows 11の一部バージョンでは、Windows Media Playerが更新されており、この方法が使えない場合があります。
変換手順
手順:
- Windows Media Playerを起動
- スタートメニューから検索
- M4Aファイルをライブラリに追加
- ファイル→ライブラリの管理→音楽の追加
- サウンド レコーディングフォルダを追加
- 取り込み設定を変更
- 「取り込みの設定」→「その他のオプション」
- 「取り込みの設定」タブ
- 形式:「MP3」を選択
- 音質:「192 Kbps」を推奨
- ファイルを右クリック
- 変換したいM4Aファイル
- CDに書き込むプレイリストに追加
- (この手順は不要な場合あり)
注意:
Windows Media Playerでの変換は、やや分かりにくいため、他の方法を推奨します。
【方法4】VLCメディアプレーヤーで変換
無料で人気の再生ソフトでも変換できます。
VLCでの変換手順
VLCメディアプレーヤーとは?
多形式対応の無料メディアプレーヤー。再生だけでなく変換機能も持っています。
手順:
- VLCを起動
- メディア→変換/保存
- 上部メニューから選択
- ファイル追加
- 「追加」ボタンでM4Aファイル選択
- 変換/保存を選択
- 下部の「変換/保存」ボタンのドロップダウン
- 「変換」を選択
- プロファイル設定
- プロファイルで「Audio – MP3」を選択
- または設定ボタンで詳細設定
- 保存先を指定
- 「参照」で保存先とファイル名を決定
- 開始
- 「開始」ボタンをクリック
メリット:
- 再生も変換もできる
- 完全無料
- 信頼性が高い
音質設定の選び方
ビットレートの目安
用途別の推奨設定:
音声録音(会議、インタビュー):
- 128kbps:最低限の品質
- 192kbps:推奨(十分な音質)
- 256kbps:高品質
音楽録音:
- 256kbps:良好な音質
- 320kbps:高音質(CDに近い)
ポッドキャスト配信:
- 128kbps〜192kbps:一般的
容量を節約したい:
- 96kbps〜128kbps:音質は低いが小容量
サンプリングレートの設定
サンプリングレートとは?
音をデジタル化する際の細かさ。一般的には44.1kHzまたは48kHz。
推奨設定:
- 44.1kHz:CD品質、一般的
- 48kHz:動画音声に適している
特にこだわりがなければ、デフォルト設定で問題ありません。
一括変換・バッチ処理の方法
大量のファイルを効率的に変換する方法です。
Audacityでの一括変換
Audacityには「チェーン処理」(マクロ)機能があります。
手順:
- ツール→マクロ
- 新規マクロを作成
- コマンド追加
- 「Export MP3」を追加
- ファイルに適用
- 複数ファイルを選択して適用
注意:
やや複雑なので、初心者にはXMedia Recodeの方が簡単です。
XMedia Recodeでの一括変換
手順:
- 複数ファイルを追加
- ドラッグ&ドロップで複数選択
- すべてに同じ設定を適用
- 「すべて選択」→形式設定
- リストに追加
- 一括エンコード実行
数十個のファイルでも一度に処理できます。
変換後のファイル管理
ファイル名の変更
変換後のファイル名は、分かりやすく変更しましょう。
命名例:
- 変換前:「録音 2025-10-06 15-30-45.m4a」
- 変換後:「会議_営業部_10月6日.mp3」
一括リネーム:
- エクスプローラーで複数選択
- F2キーで一括リネーム
フォルダで整理
整理のコツ:
- 元ファイルと分ける
- M4A:オリジナルフォルダ
- MP3:変換済みフォルダ
- 用途別に分類
- 会議
- インタビュー
- 音楽練習
- 日付順に並べる
- ファイル名に日付を含める
バックアップ
重要な録音は:
- 元のM4Aファイルを保持
- MP3に変換
- 両方をバックアップ
バックアップ先:
- 外付けHDD
- クラウドストレージ
- USBメモリ
直接MP3で録音する方法
ボイスレコーダーの代わりに、最初からMP3で録音できるソフトもあります。
おすすめの録音ソフト
1. Audacity
- MP3形式で直接保存可能
- 録音→エクスポート
2. Rec Button
- フリーソフト
- シンプルな操作
- MP3形式選択可能
3. ボイスメモ(フリーソフト)
- 軽量
- MP3/WAV選択可能
設定方法(Audacityの例):
- 録音準備
- 赤い録音ボタンをクリック
- 録音終了
- 停止ボタン
- エクスポート
- ファイル→エクスポート→MP3としてエクスポート
- 自動的にMP3で保存
トラブルシューティング
トラブル1:変換後のファイルが再生できない
原因:
- ファイルが破損
- コーデックの問題
対処法:
- 別のプレーヤーで試す
- VLC Media Playerなど
- 再度変換
- 別のソフトやサイトで変換
- 設定を変更
- ビットレートを下げる
- サンプリングレートを変更
トラブル2:音質が悪くなった
原因:
- ビットレートが低すぎる
- 変換時の圧縮
対処法:
- ビットレートを上げる
- 192kbps以上に設定
- 元ファイルから再変換
- 一度変換したものを再変換すると劣化する
- 別の変換ソフトを試す
トラブル3:変換に時間がかかりすぎる
原因:
- ファイルサイズが大きい
- パソコンのスペック不足
対処法:
- 複数ファイルを分けて処理
- 他のアプリを閉じる
- メモリを解放
- 軽量な変換ソフトを使う
- Format Factoryなど
トラブル4:オンライン変換でアップロードできない
原因:
- ファイルサイズ制限
- ネット接続の問題
対処法:
- ファイルサイズを確認
- 多くのサイトは100MB〜200MBまで
- ローカルソフトに切り替え
- Audacityなど
- ファイルを分割
- 長時間録音は分割してから変換
セキュリティとプライバシー
オンライン変換の注意点
リスク:
- アップロードしたファイルが保存される可能性
- 第三者に内容を見られるリスク
- プライバシー侵害
対策:
- 機密性の高いファイルはローカルソフト使用
- 信頼できるサイトのみ使用
- 利用規約を確認
- 変換後にファイルが削除されるか確認
機密録音の扱い
推奨方法:
- オフライン変換ソフトを使用
- Audacity、XMedia Recodeなど
- 変換後は元ファイルを削除
- 必要に応じて
- 暗号化フォルダに保存
- BitLockerなど
- パスワード保護
- ZIPファイルでパスワード設定
MP3の代替形式
MP3以外にも、互換性の高い形式があります。
WAV形式
特徴:
- 無圧縮(最高音質)
- ファイルサイズが非常に大きい
- ほぼすべての機器で再生可能
用途:
- 音楽制作
- 高音質が必須の場合
AAC形式
特徴:
- MP3より高音質
- Appleデバイスで標準
- M4Aの圧縮形式
用途:
- iPhone、iPadで使用
- Apple Musicなど
OGG形式
特徴:
- オープンソース
- MP3より高音質・小容量
- 一部の機器で非対応
用途:
- ゲーム音声
- オープンソースプロジェクト
よくある質問(Q&A)
Q1:変換すると音質は劣化しますか?
M4AからMP3への変換では、多少の音質劣化があります。ただし、192kbps以上で変換すれば、通常の用途では問題ない音質を保てます。
Q2:M4AとMP3、どちらで保存すべきですか?
互換性重視ならMP3、音質・容量重視ならM4Aです。両方保存しておくのも一つの方法です。
Q3:著作権のある音楽を変換しても大丈夫ですか?
個人的な使用範囲であれば問題ありませんが、配布や公開は著作権侵害になります。
Q4:変換したMP3をCDに書き込めますか?
はい、Windows Media PlayerやiTunesなどを使って、音楽CDとして書き込めます。
Q5:スマホで録音したM4Aも同じ方法で変換できますか?
はい、スマホからパソコンにファイルを転送すれば、同じ方法で変換できます。
Q6:無料ソフトと有料ソフト、どちらがおすすめですか?
一般的な用途なら無料ソフト(Audacity、XMedia Recode)で十分です。プロ用途なら有料ソフトを検討してください。
まとめ:用途に合わせて変換方法を選ぼう
Windowsボイスレコーダーで録音したM4AファイルをMP3に変換する方法を解説しました。
変換方法の選び方:
🌐 オンライン変換サイト
→ たまに変換する、手軽に使いたい
💻 無料変換ソフト
→ 定期的に変換、プライバシー重視
📀 Windows Media Player
→ ソフトを入れたくない
🎵 VLC Media Player
→ 再生と変換を一つのソフトで
おすすめの変換ソフト:
- Audacity(初心者向け、多機能)
- XMedia Recode(一括変換に強い)
- Format Factory(シンプル操作)
- VLC Media Player(再生ソフトとしても使える)
音質設定の目安:
- 音声録音:192kbps
- 音楽:256〜320kbps
- 容量節約:128kbps
注意点:
⚠️ 機密録音はオンライン変換を避ける
⚠️ ビットレートは用途に応じて設定
⚠️ 元ファイルも保存しておく
⚠️ 著作権に配慮
直接MP3で録音するなら:
- Audacity
- Rec Button
- ボイスメモ(フリーソフト)
変換方法を理解すれば、どんな機器でも録音ファイルを活用できます。この記事を参考に、最適な変換方法を見つけてください!
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