「Google Driveの『閲覧者』って、何ができるの?」
「ファイルを見せたいだけなんだけど、どの権限を選べばいいか分からない…」
Google Driveでファイルを共有する時、権限の選択で迷うことはありませんか?
閲覧者権限は、ファイルを「見てもらう」ための基本的な権限です。でも、実際には見る以外にもできることがあります。逆に、できないこともたくさんあります。
この記事では、Google Driveの閲覧者権限について、できること・できないこと、設定方法、他の権限との違いまで、誰にでも分かるように解説します。適切な権限設定で、安全で効率的なファイル共有を実現しましょう。
Google Driveの閲覧者権限とは?

閲覧者の基本的な意味
閲覧者は、Google Driveで設定できる3つの権限レベルの中で、最も制限が多い権限です。
閲覧者の基本コンセプ: 「ファイルを見ることはできるが、変更はできない」
資料を配布したり、情報を共有したりする時に最適な権限です。
権限とは? ユーザーがファイルやフォルダに対して実行できる操作の範囲のこと。権限が低いほど制限が多く、高いほど自由度が増します。
3つの権限レベルの比較
Google Driveには以下の3つの権限があります。
1. 閲覧者(Viewer)
- ファイルを見るだけ
- 最も制限が多い
- 安全性が高い
2. 閲覧者(コメント可)(Commenter)
- 閲覧者+コメント追加
- 意見を求める時に便利
- 編集はできない
3. 編集者(Editor)
- 閲覧、編集、共有まで可能
- 最も権限が強い
- チーム作業に適している
閲覧者ができること
閲覧者権限でも、意外と多くのことができます。
できること一覧
基本的な閲覧: ✅ ファイルを開いて内容を見る ✅ ページをスクロールする ✅ 拡大・縮小表示 ✅ ファイル内を検索(ドキュメント等)
ダウンロードと保存: ✅ ファイルをダウンロード(設定により) ✅ 印刷(設定により) ✅ コピーを作成(Google形式ファイルの場合) ✅ 自分のDriveに保存
共有関連: ✅ ファイルへのリンクを取得 ✅ 他の人にリンクを送る ✅ スター(お気に入り)に追加
その他: ✅ ファイルの情報を確認(所有者、サイズなど) ✅ バージョン履歴の閲覧(Google形式ファイル) ✅ アクティビティの確認
ダウンロードについての重要な注意
閲覧者でもダウンロードは初期設定では可能です。
ただし、ファイルの所有者が設定を変更すれば、ダウンロード・印刷・コピーを禁止できます。
ダウンロード禁止の表示:
- ダウンロードボタンが表示されない
- 右クリックメニューに「ダウンロード」がない
- 「このファイルはダウンロードできません」と表示
Google形式ファイルの特殊な動作
Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドの場合、閲覧者でも「コピーを作成」できる場合があります。
コピーを作成すると:
- 自分のGoogle Driveに複製が保存される
- 複製は自分が所有者になる
- 元のファイルとは別物として編集可能
所有者が禁止することも可能: 設定により「コピーを作成」も禁止できます。
閲覧者ができないこと
制限も多いので、事前に理解しておきましょう。
できないこと一覧
編集関連: ❌ ファイルの内容を編集 ❌ テキストの追加・削除 ❌ 画像の挿入 ❌ 書式の変更 ❌ 名前の変更
コメント・提案: ❌ コメントの追加(コメント可権限が必要) ❌ 提案モードでの編集 ❌ 既存コメントへの返信
ファイル管理: ❌ ファイルの削除 ❌ ファイルの移動 ❌ フォルダへの追加 ❌ 共有設定の変更
権限関連: ❌ 他のユーザーを招待 ❌ 権限の変更 ❌ 共有を停止
その他: ❌ アドオンの使用(一部) ❌ スクリプトの実行 ❌ フィルタや並び替え(スプレッドシートで保存不可)
よくある誤解
誤解1:「閲覧のみ=ダウンロード不可」 → 実際は初期設定でダウンロード可能
誤解2:「閲覧者は何も操作できない」 → 拡大縮小、検索、コピー作成などは可能
誤解3:「閲覧者には通知が届かない」 → ファイルに招待されれば通知メールが届く
閲覧者権限の設定方法
特定のユーザーに閲覧者権限を付与
手順:
- ファイルまたはフォルダを右クリック
- Google Driveで共有したいファイルを選択
- 共有をクリック
- 共有設定画面が開きます
- ユーザーまたはグループを追加
- メールアドレスを入力
- 複数人の場合はカンマで区切る
- 権限を選択
- 右側のドロップダウンから「閲覧者」を選択
- メッセージを追加(任意)
- 相手へのメッセージを入力可能
- 送信をクリック
- 相手にメール通知が届く
招待メールの内容:
- 誰が共有したか
- ファイル名
- アクセス用のリンク
- 追加メッセージ(入力した場合)
リンク共有で閲覧者権限を設定
不特定多数に共有する場合の方法です。
手順:
- ファイルを右クリック→共有
- 一般的なアクセス
- 「制限付き」の横にある「変更」をクリック
- 共有範囲を選択
- 「リンクを知っている全員」を選択
- または組織内限定など
- 権限レベルを設定
- 「閲覧者」を選択
- 「閲覧者(コメント可)」「編集者」も選べます
- リンクをコピー
- 「リンクをコピー」ボタンをクリック
- 完了
- リンクを共有したい人に送る
リンク共有の注意点:
- URLを知っている人は誰でもアクセス可能
- 予期しない拡散に注意
- 重要ファイルは特定ユーザー共有を推奨
フォルダ全体に閲覧者権限を設定
フォルダを共有すると、中のファイルすべてに権限が適用されます。
手順:
- フォルダを右クリック
- 共有→ユーザー追加
- 権限を「閲覧者」に設定
- 送信
フォルダ共有の特徴:
- フォルダ内の既存ファイルに適用
- 今後追加するファイルにも自動適用
- サブフォルダにも継承される
- 個別ファイルで権限変更も可能
閲覧者権限の変更と削除

権限レベルの変更
既に閲覧者権限を付与した相手の権限を変更できます。
閲覧者→編集者に変更:
- ファイルを右クリック→共有
- ユーザー一覧を表示
- 現在共有しているユーザーが表示
- 権限を変更
- 対象ユーザーの横のドロップダウン
- 「編集者」または「閲覧者(コメント可)」を選択
- 保存
- 自動的に保存されます
変更は即座に反映: 相手は次にファイルを開いた時から、新しい権限で操作できます。
閲覧者権限の削除(アクセス停止)
共有を完全に停止する方法です。
手順:
- 共有設定を開く
- ファイルを右クリック→共有
- ユーザーを削除
- 削除したいユーザーの横の「×」をクリック
- または権限ドロップダウンから「削除」
- 確認
- 確認画面で「削除」をクリック
削除後の動作:
- 相手はファイルにアクセスできなくなる
- 「権限が必要です」と表示される
- 通知は届かない(黙って削除される)
閲覧者(コメント可)との違い
コメント可権限の特徴
閲覧者の上位権限である「閲覧者(コメント可)」との違いを理解しましょう。
追加でできること: ✅ コメントを追加 ✅ 既存コメントに返信 ✅ 提案モード(ドキュメントの場合) ✅ コメントの解決
できないこと(閲覧者と同じ): ❌ 直接編集 ❌ ファイルの削除 ❌ 共有設定の変更
どちらを選ぶべきか
閲覧者を選ぶ場面:
- 単に資料を配布したい
- 意見は不要、見てもらうだけ
- セキュリティを重視
- 大勢に一斉配信
閲覧者(コメント可)を選ぶ場面:
- フィードバックが欲しい
- レビューを依頼
- 意見交換したい
- 少人数での共有
スマホアプリでの閲覧者設定
iPhone・iPadでの設定
権限付与の手順:
- Google Driveアプリを開く
- ファイルの「︙」をタップ
- 共有したいファイルの横
- 「共有」をタップ
- ユーザーを追加
- メールアドレスを入力
- 権限を選択
- 「閲覧者」をタップして選択
- 完了
- 画面右上の「送信」
Androidでの設定
手順:
- ファイルの「︙」をタップ
- 「共有」を選択
- ユーザー追加
- メールアドレス入力
- 権限設定
- 「閲覧者」を選択
- 送信
スマホでの便利機能:
- 連絡先から直接選択可能
- 最近共有した相手がリスト表示
- その場でメッセージ追加
閲覧者としてファイルを使う方法
自分が閲覧者権限でファイルを受け取った場合の使い方です。
閲覧者として招待された時の流れ
受信から閲覧まで:
- 招待メールを受信
- 件名「[所有者名] さんがアイテムを共有しました」
- 「開く」をクリック
- メール内のボタンまたはリンク
- ファイルが開く
- ブラウザまたはアプリで表示
- 閲覧開始
- 内容を確認
閲覧者でできる便利な操作
お気に入り登録:
- ファイルを開く
- 画面上部のスター(★)アイコンをクリック
- 左側メニューの「スター付き」から素早くアクセス
自分のDriveに追加:
- ファイルを右クリック
- 「マイドライブに追加」を選択
- 自分のDrive内にショートカットが作成される
オフライン利用(一部ファイル):
- ファイルを右クリック
- 「オフラインで使用可」を選択
- ネット接続なしで閲覧可能に
権限不足で困った時の対処
「このファイルを編集する権限がありません」と表示されたら:
- 所有者に連絡
- 編集が必要なら権限変更を依頼
- コピーを作成(可能な場合)
- 「ファイル」→「コピーを作成」
- 自分のDriveで自由に編集
- ダウンロードして編集
- ダウンロード可能なら保存
- ローカルで編集して再アップロード
閲覧者権限のトラブルシューティング
トラブル1:閲覧者がファイルを開けない
原因と対処:
原因1:共有設定が間違っている → 相手のメールアドレスを再確認 → 共有リストに表示されているか確認
原因2:相手が別のアカウントでログイン → 招待したメールアドレスでログインしているか確認
原因3:組織のポリシー制限 → 管理者に外部共有が許可されているか確認
原因4:リンクが無効 → 共有リンクを再発行して送信
トラブル2:ダウンロードできないと言われる
確認事項:
- ダウンロード禁止設定を確認
- 共有→歯車アイコン
- 「ダウンロード、印刷、コピーの項目を表示」を確認
- 設定を変更
- チェックを入れて保存
- 相手に再試行してもらう
- 別の方法を提案
- スクリーンショット(簡易的)
- コピーを作成(Google形式のみ)
トラブル3:勝手に編集されてしまう
原因: 誤って「編集者」権限を付与している
対処:
- バージョン履歴で確認
- 誰が編集したか確認
- 権限を変更
- 編集者→閲覧者に変更
- 以前のバージョンに復元
- 「ファイル」→「バージョン履歴」
- 正しいバージョンを復元
トラブル4:共有したくない人に見られた
原因: 「リンクを知っている全員」で共有し、URLが拡散
緊急対処:
- 即座に共有を停止
- 共有設定→「制限付き」に変更
- または特定ユーザーのみに変更
- 新しいファイルを作成
- 元のファイルをコピー
- 新しいリンクで再共有
- 今後の対策
- 重要ファイルは特定ユーザー共有のみ
- 有効期限を設定(Google Workspace)
セキュリティとプライバシーの注意点
閲覧者権限でも注意すべきこと
完全に安全ではない:
- スクリーンショットを撮られる可能性
- 画面を写真撮影される可能性
- ダウンロード禁止でも内容は見られる
機密情報の扱い:
- 本当に重要な情報は共有しない
- または透かし(ウォーターマーク)を入れる
- 期間限定の共有を心がける
閲覧者に最適なファイル種類
適しているファイル: ✅ 説明資料・マニュアル ✅ レポート・報告書 ✅ プレゼンテーション ✅ カタログ・パンフレット ✅ 議事録(確定版)
適していないファイル: ❌ 機密性の高い個人情報 ❌ パスワードや認証情報 ❌ 契約書の原本(編集不可が重要) ❌ 進行中の作業ファイル
組織・チームでの閲覧者活用法
社内資料の配布
活用例:
- 会社規定の共有
- 研修資料の配布
- 全社アナウンスメント
- 参考資料の提供
設定のポイント:
- フォルダごと共有で管理が楽
- ダウンロード許可でオフライン閲覧可
- 定期的な権限見直し
プロジェクト管理
活用例:
- プロジェクト計画書の共有
- マイルストーン資料
- ステークホルダーへの報告
- 参考ドキュメント
運用方法:
- プロジェクトフォルダ作成
- メンバーは編集者
- 関係者・上司は閲覧者
- 外部パートナーは閲覧者(コメント可)
教育現場での活用
先生→生徒:
- 授業資料の配布
- 課題の提示
- 参考文献の共有
設定:
- 生徒には閲覧者権限
- ダウンロード許可で復習可能
- 各自がコピーして課題作成
よくある質問(Q&A)
Q1:閲覧者と閲覧者(コメント可)、どちらを選べばいい?
意見やフィードバックが必要なら「閲覧者(コメント可)」、単に見てもらうだけなら「閲覧者」を選びましょう。迷ったら閲覧者で開始し、必要に応じて変更できます。
Q2:閲覧者は何人まで追加できますか?
制限はありませんが、大人数(数百人以上)になるとパフォーマンスが低下する可能性があります。不特定多数の場合はリンク共有が効率的です。
Q3:閲覧者に通知せずに共有できますか?
はい、共有時に表示される「通知する」のチェックを外せば、メール通知なしで共有できます。ただしリンク共有の場合は通知されません。
Q4:後から閲覧者を編集者に変更すると、相手に通知されますか?
デフォルトでは通知されませんが、重要な変更なので手動で連絡することをおすすめします。
Q5:閲覧者は自分がそのファイルの閲覧者であることを知られますか?
ファイルの所有者はアクティビティ履歴で閲覧者を確認できます。また、他の共有ユーザーも共有設定を見れば分かります(設定により)。
Q6:Google Workspaceと無料版で閲覧者権限に違いはありますか?
基本機能は同じですが、Google Workspaceでは有効期限設定、詳細な監査ログ、高度なセキュリティ設定などの追加機能があります。
まとめ:閲覧者権限を使いこなそう
Google Driveの閲覧者権限について解説しました。
閲覧者権限の特徴: ✅ ファイルの閲覧が主な機能 ✅ ダウンロードは初期設定で可能(禁止も可能) ✅ 編集やコメントはできない ✅ 最も安全性の高い共有方法
設定の基本手順:
- ファイル右クリック→共有
- メールアドレス入力
- 権限で「閲覧者」選択
- 送信
使い分けのポイント:
📄 単に見せたい → 閲覧者
💬 意見が欲しい → 閲覧者(コメント可)
✏️ 一緒に作業 → 編集者
セキュリティ注意点:
- 完全な保護ではない
- スクリーンショット等は防げない
- 機密情報は別の方法も検討
活用シーン:
- 資料配布
- レポート共有
- プレゼン資料の提供
- マニュアル公開
閲覧者権限を適切に使えば、安全で効率的なファイル共有が実現できます。この記事を参考に、用途に合わせた権限設定を行ってください!
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