「Windows Updateしたら、パソコンが起動しなくなった」
「更新後、動作が異常に重くなった…」
「アップデートのせいで、周辺機器が使えなくなった」
Windows Updateは重要なセキュリティ対策ですが、時々不具合を引き起こすことがありますよね。でも安心してください。ほとんどの不具合は、正しい手順で解決できます。
この記事では、Windows Update後によくある不具合の症状から、具体的な解決方法、予防策まで、すべて分かりやすく解説します。
Windows Update不具合の基礎知識

まず、不具合が起きる仕組みを理解しましょう。
Windows Updateとは?
Windowsを最新の状態に保つための更新プログラムです。
更新内容:
🔒 セキュリティパッチ(脆弱性の修正)
🐛 バグ修正
✨ 新機能の追加
⚙️ システムの改善
更新の種類:
1. セキュリティ更新プログラム
- 月1回(通常第2火曜日)
- セキュリティの穴を塞ぐ
- 最優先で適用すべき
2. 機能更新プログラム
- 年2回程度
- 大きな機能追加
- Windows 10→11のような大型更新
3. 累積更新プログラム
- 過去の更新をまとめたもの
- これだけで最新状態に
なぜ不具合が起きるのか?
原因1:ハードウェアとの相性問題
- 古いパソコンや特殊な構成
- ドライバー(制御プログラム)の不一致
原因2:ソフトウェアとの競合
- セキュリティソフトとの衝突
- 古いアプリとの非互換
原因3:更新プログラム自体のバグ
- Microsoftのテスト不足
- 特定環境でのみ発生する問題
原因4:不完全なインストール
- 途中で中断された
- ディスク容量不足
不具合が起きやすいタイミング
⚠️ 大型アップデート直後(機能更新)
⚠️ 古いパソコン(5年以上前)
⚠️ 特殊な周辺機器を使用
⚠️ 非正規のドライバー使用時
よくある不具合10パターン
代表的な症状を見ていきましょう。
不具合1:起動しない・ブルースクリーン(BSOD)
症状:
- 電源を入れても起動しない
- 青い画面にエラーメッセージ
- 「STOP エラー」と表示
エラーコード例:
- CRITICAL_PROCESS_DIED
- SYSTEM_SERVICE_EXCEPTION
- DRIVER_IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL
不具合2:動作が異常に重い・遅い
症状:
- 起動に時間がかかる(10分以上)
- アプリの起動が遅い
- マウスカーソルがカクカク
不具合3:Wi-Fi・ネットワークに接続できない
症状:
- Wi-Fiアイコンに「×」マーク
- 「インターネットに接続されていません」
- 有線LANも認識しない
不具合4:音が出ない
症状:
- スピーカーから音が出ない
- デバイスが認識されていない
- 音量ミキサーに「オーディオデバイスがインストールされていません」
不具合5:プリンターや周辺機器が使えない
症状:
- プリンターが認識されない
- 「ドライバーが利用できません」エラー
- 外付けHDDやUSB機器が動かない
不具合6:アプリが起動しない・強制終了
症状:
- 特定のアプリだけ起動しない
- 起動してもすぐ落ちる
- 「互換性の問題」と表示
不具合7:ファイルが消えた・見えない
症状:
- デスクトップのファイルが消えた
- ドキュメントフォルダが空
- ユーザープロファイルの問題
不具合8:更新プログラムのインストールが終わらない
症状:
- 「更新プログラムを構成しています」のまま
- 進行度が0%から進まない
- 何時間待っても終わらない
不具合9:画面表示がおかしい
症状:
- 解像度が変わった(画面が大きい/小さい)
- 画面がちらつく
- 外部モニターが映らない
不具合10:ライセンス認証が解除される
症状:
- 「Windowsはライセンス認証されていません」
- デスクトップに透かし表示
- 一部機能が制限される
【最優先】不具合発生時の初期対応
まず、これを試してください。
ステップ1:パソコンを再起動する
手順:
- Ctrl + Alt + Deleteを押す
- 右下の電源アイコン→「再起動」
- 再起動を待つ
これだけで解決することも多い!
反応しない場合:
- 電源ボタンを長押し(5秒以上)
- 強制シャットダウン
- もう一度電源を入れる
ステップ2:更新プログラムの確認
どの更新が原因か特定します。
手順:
- 設定→「Windows Update」
- 「更新履歴を表示する」
- 最近インストールされた更新を確認
- 「KB番号」をメモ
- 例:KB5034441
ステップ3:問題のある更新をアンインストール
手順:
- 設定→「Windows Update」→「更新履歴」
- 「更新プログラムのアンインストール」
- 問題がある更新を選択
- 「アンインストール」をクリック
- 再起動
注意:
セキュリティ更新を削除すると、一時的に脆弱になります。解決後は再インストール推奨。
【症状別】具体的な解決方法
症状ごとの対処法です。
起動しない・ブルースクリーンの解決法
方法1:セーフモードで起動
セーフモードは、最小限の機能だけで起動するモードです。
セーフモードの起動手順:
起動できる場合:
- 設定→「システム」→「回復」
- 「PCの起動をカスタマイズする」の「今すぐ再起動」
- 青い画面→「トラブルシューティング」
- 「詳細オプション」→「スタートアップ設定」
- 「再起動」
- F4キーでセーフモード起動
全く起動しない場合:
- 電源ボタンで強制終了
- 再度電源を入れる
- Windowsロゴが出たら、すぐ電源ボタン長押しで強制終了
- これを3回繰り返す
- 4回目に自動修復モードが起動
- トラブルシューティング→セーフモードへ
セーフモード起動後:
- 問題の更新プログラムをアンインストール
- 通常起動で問題が解決するか確認
方法2:システムの復元
更新前の状態に戻します。
手順:
- セーフモードで起動
- 「復元ポイントの作成」と検索
- 「システムの復元」をクリック
- 更新前の日付の復元ポイントを選択
- 画面の指示に従って復元
動作が重い・遅いの解決法
方法1:不要なスタートアッププログラムを無効化
手順:
- Ctrl + Shift + Escでタスクマネージャー
- 「スタートアップ」タブ
- 不要なプログラムを選択
- 「無効にする」
方法2:Windows Searchのインデックス再構築
更新後、検索のインデックス作成で重くなることがあります。
手順:
- 数時間〜1日待つ(自動で終わる)
- または、「インデックスのオプション」で手動停止
方法3:ディスククリーンアップ
手順:
- 「ディスク クリーンアップ」と検索
- Cドライブを選択
- 「システム ファイルのクリーンアップ」
- 「以前のWindowsのインストール」にチェック
- 「OK」
Wi-Fi・ネットワークトラブルの解決法
方法1:ネットワークアダプターのドライバー更新
手順:
- Windowsキー + X→「デバイス マネージャー」
- 「ネットワーク アダプター」を展開
- Wi-Fiアダプターを右クリック
- 「ドライバーの更新」
- 「ドライバーを自動的に検索」
方法2:ネットワーク設定のリセット
手順:
- 設定→「ネットワークとインターネット」
- 下にスクロール→「ネットワークのリセット」
- 「今すぐリセット」
- 再起動
方法3:ドライバーのロールバック
手順:
- デバイスマネージャー→ネットワークアダプター
- 右クリック→「プロパティ」
- 「ドライバー」タブ
- 「ドライバーを元に戻す」(灰色の場合は不可)
音が出ない問題の解決法
方法1:オーディオのトラブルシューティング
手順:
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック
- 「サウンドの問題のトラブルシューティング」
- 画面の指示に従う
方法2:オーディオドライバーの再インストール
手順:
- デバイスマネージャー→「オーディオの入力および出力」
- スピーカーを右クリック→「デバイスのアンインストール」
- 「このデバイスのドライバー ソフトウェアを削除します」にチェック
- 「アンインストール」
- パソコンを再起動(自動でドライバー再インストール)
周辺機器が使えない問題の解決法
方法1:ユニバーサル印刷ドライバーを使う
プリンターの場合:
- 設定→「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」
- 「デバイスの追加」
- 「手動で追加」
- Windowsの汎用ドライバーを選択
方法2:メーカーサイトから最新ドライバー入手
- メーカーの公式サイトにアクセス
- 製品型番で検索
- Windows 11/10対応の最新ドライバーをダウンロード
- インストール
更新プログラムを一時的に停止する方法

不具合が解決するまで更新を止めます。
Windows 11/10での停止方法
手順:
- 設定→「Windows Update」
- 「更新の一時停止」をクリック
- 期間を選択:
- 1週間
- 2週間
- 3週間
- 4週間
- 5週間
- その期間、自動更新が停止
注意:
最大5週間までしか停止できません。セキュリティリスクがあるため、問題解決後は必ず再開してください。
特定の更新を非表示にする(上級者向け)
Show or hide updates トラブルシューターを使う:
- Microsoftの公式サイトから「wushowhide.diagcab」をダウンロード
- 実行
- 「Hide updates」を選択
- 問題のある更新プログラムにチェック
- 次へ
最終手段:大型アップデートのロールバック
機能更新(大型アップデート)後10日以内なら、元のバージョンに戻せます。
手順
- 設定→「システム」→「回復」
- 「復元」セクションを確認
- 「戻る」ボタンがあればクリック
- 10日経過後は表示されない
- 理由を選択(任意)
- 「次へ」
- 注意事項を確認
- 「以前のビルドに復元する」
- 1〜2時間かけて復元
注意:
- 最近インストールしたアプリは削除される可能性
- ファイルは保持される
- 復元後、しばらく更新を停止推奨
不具合を予防する5つの方法
トラブルを未然に防ぐコツです。
予防策1:更新前にバックアップ
手順:
- 設定→「システム」→「記憶域」
- 「バックアップ オプション」
- 外付けHDDを接続
- 「ドライブの追加」で選択
- 「ファイルのバックアップを自動的に実行」をオン
または:
- OneDriveで重要ファイルを同期
- 外付けHDDに手動コピー
予防策2:復元ポイントを作成
手順:
- 「復元ポイントの作成」と検索
- 「作成」ボタンをクリック
- 名前を入力(例:更新前_2025-01-15)
- 「作成」
- 完了を待つ
これで、いつでも元に戻せます!
予防策3:段階的に更新
手順:
- 大型更新はすぐに適用しない
- 1〜2週間様子を見る
- ネット上の不具合報告を確認
- 問題なさそうなら更新
予防策4:重要な作業前は更新しない
例:
- プレゼン前日
- 締切直前
- 長期休暇前
タイミング:
時間に余裕がある時に更新しましょう。
予防策5:ドライバーを最新に保つ
手順:
- デバイスマネージャーを開く
- 主要デバイスのドライバーを確認:
- ディスプレイアダプター
- ネットワークアダプター
- オーディオ
- 定期的に更新
それでも解決しない時の最終手段
すべて試しても改善しない場合です。
方法1:Windows修復インストール(上書きインストール)
ファイルを保持したままWindowsを再インストールします。
手順:
- Microsoftの公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロード
- 実行
- 「このPCをアップグレードする」を選択
- 「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択
- インストール開始
- 1〜2時間で完了
メリット:
- ファイルは保持
- 多くのアプリも保持
- システムファイルのみ修復
方法2:クリーンインストール(完全初期化)
完全にまっさらな状態に戻します。
手順:
- 重要なファイルをバックアップ
- 設定→「システム」→「回復」
- 「このPCをリセット」
- 「すべて削除する」を選択
- 「クラウド ダウンロード」または「ローカル再インストール」
- 画面の指示に従う
注意:
すべてのアプリとファイルが削除されます。必ずバックアップを!
方法3:専門家に相談
相談先:
- Microsoftサポート(公式)
- メーカーサポート(PC購入元)
- パソコン修理店
- 詳しい知人
伝える情報:
- 症状の詳細
- エラーメッセージ
- 更新プログラムのKB番号
- 試した解決策
よくある質問(FAQ)
Q1:更新を完全に無効化できる?
A:
できますが、おすすめしません。セキュリティリスクが高まります。一時停止(最大5週間)で対応しましょう。
Q2:更新後、いつ頃不具合が出る?
A:
- 即座〜数時間:インストール直後
- 数日後:特定の操作をした時
- 1週間後:累積的な問題
Q3:すべての更新が危険?
A:
いいえ。ほとんどは問題なく適用できます。不具合は一部の環境・条件でのみ発生します。
Q4:どの更新が原因か分からない
A:
「更新履歴」で、最近の更新を確認。直近のものから順にアンインストールして試してください。
Q5:更新の自動インストールを止められる?
A:
Windows 11 Homeは難しいですが、「一時停止」機能で5週間延期可能。Pro以降はグループポリシーで制御できます。
まとめ:落ち着いて対処すれば必ず解決できる
Windows Updateの不具合は、正しい手順で対処すれば解決できます。
この記事のポイント:
✅ よくある不具合10パターン:起動しない、重い、ネットワーク、音、周辺機器等
✅ 初期対応3ステップ:再起動、更新確認、アンインストール
✅ 症状別解決法:セーフモード、ドライバー更新、システム復元
✅ 更新停止方法:最大5週間の一時停止
✅ 予防策5つ:バックアップ、復元ポイント、段階的更新
✅ 最終手段:修復インストール、クリーンインストール
トラブル解決の基本フロー:
- 再起動(これで30%解決)
- 問題の更新をアンインストール(50%解決)
- ドライバー更新/ロールバック(70%解決)
- システムの復元(85%解決)
- 修復インストール(95%解決)
- クリーンインストール(100%解決)
今後の予防:
💾 定期的なバックアップ(週1回)
📌 更新前の復元ポイント作成(必須)
⏰ 大型更新は様子見(1〜2週間後)
🔄 ドライバーを最新に(月1回確認)
Windows Updateは重要ですが、不具合が起きても慌てる必要はありません。この記事の方法を順番に試せば、必ず解決できます。落ち着いて対処していきましょう!
緊急時の一言メモ:
「起動しない→セーフモード→更新アンインストール→システム復元」
この流れを覚えておけば、ほとんどの不具合に対応できますよ!
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