「会議の内容を録音して後で確認したい」
「オンライン授業や講義を音声で保存したい」
「アイデアをメモ代わりに音声で記録したい…」
Windowsには、誰でも簡単に使える「ボイスレコーダー」という録音アプリが標準搭載されています。追加ソフト不要で、すぐに高品質な音声録音ができるんです。
この記事では、Windowsボイスレコーダーの基本的な使い方から、便利な編集機能、トラブル対処、活用シーンまで、すべて分かりやすく解説します。
Windowsボイスレコーダーとは?

まず、基本的な特徴を理解しましょう。
標準搭載の音声録音アプリ
Windowsボイスレコーダーは、Windows 10と11に最初から入っている無料の録音アプリです。
正式名称:
- Windows 10:「ボイスレコーダー」
- Windows 11:「ボイスレコーダー」または「サウンドレコーダー」
主な機能:
✅ ワンクリックで録音開始
✅ 録音中にマーカー追加
✅ 基本的な編集(トリミング)
✅ 音声ファイルの共有
✅ 自動保存機能
ボイスレコーダーでできること
📝 会議・講義の録音
- オンライン会議の音声記録
- 授業やセミナーの内容保存
- 大切な話し合いの記録
🎤 音声メモの作成
- アイデアの音声記録
- To-Doリストの音声版
- 忘れたくないことをすぐ録音
🎵 音楽・楽器の録音
- 歌の練習記録
- 楽器演奏の録音
- 作曲のデモ制作
💬 インタビュー・取材
- 対面インタビューの記録
- 電話取材の録音(スピーカーフォン使用時)
他の録音方法との違い
スマホの録音アプリ:
- 手軽で持ち運び便利
- ただし、長時間録音はバッテリー消費大
専用ICレコーダー:
- 高音質・長時間録音可能
- 追加費用がかかる(数千円〜)
Windowsボイスレコーダー:
- パソコンで作業しながら録音
- 無料で高品質
- 録音データをすぐにパソコンで編集可能
ボイスレコーダーの起動方法
アプリを開く方法は複数あります。
方法1:スタートメニューから起動
手順:
- 画面左下のWindowsマーク(スタートボタン)をクリック
- アプリ一覧をスクロール
- 「ボイスレコーダー」を探してクリック
- Windows 11では「サウンドレコーダー」の場合も
見つからない場合:
アルファベット順に並んでいるので、「は行」または「V」(Voice Recorder)を探してください。
方法2:検索から起動(最も簡単)
手順:
- タスクバーの検索ボックスをクリック
- またはWindowsキーを押す
- 「ボイス」「voice」「録音」などと入力
- 「ボイスレコーダー」アプリが表示される
- クリックして起動
方法3:ファイル名を指定して実行
手順:
- Windowsキー + Rを同時押し
- 「ファイル名を指定して実行」が開く
- soundrecorderと入力
- Enterキーを押す
- ボイスレコーダーが起動
初回起動時の設定
マイクのアクセス許可:
初めて起動すると、マイクへのアクセス許可を求められます。
- 「許可」をクリック
- これで録音が可能に
許可しなかった場合:
後から設定で変更できます(後述)。
基本的な録音方法
実際に録音してみましょう。
録音の開始
手順:
- ボイスレコーダーを起動
- 中央の大きなマイクボタン(●)をクリック
- 録音開始!
- 画面に録音時間が表示される
ショートカットキー:
Ctrl + Rで録音開始・停止ができます。
録音中の操作
マーカーの追加:
録音中に重要なポイントで「旗マーク」ボタンをクリックすると、マーカーが追加されます。
用途:
- 会議で重要な発言があった時
- 質問があった箇所
- 後で聞き返したい部分
一時停止:
録音を一時停止したい場合は、一時停止ボタン(||)をクリック。
再開するには、再び録音ボタンをクリック。
録音の停止と保存
手順:
- 停止ボタン(■)をクリック
- 自動的にファイルが保存される
- 保存された録音が一覧に表示
自動保存される場所:C:\Users\[ユーザー名]\Documents\サウンド レコーディング
ファイル名:
- 自動:「録音 [日付と時刻].m4a」
- 例:「録音 2025-01-15 14-30.m4a」
名前の変更:
- 録音ファイルを右クリック
- 「名前の変更」を選択
- 分かりやすい名前に変更
- 例:「2025年1月会議」「英語レッスン第3回」
録音ファイルの再生と管理
保存した録音を再生・管理する方法です。
録音の再生
基本的な再生:
- ボイスレコーダーのアプリで録音一覧を表示
- 再生したい録音をクリック
- 再生ボタン(▶)をクリック
再生速度の変更:
- 再生中に画面下の速度調整をクリック
- 0.25倍、0.5倍、1倍、1.5倍、2倍から選択
便利な使い方:
- 0.5倍:聞き取りにくい箇所をゆっくり確認
- 1.5倍〜2倍:長い録音を時短で聞く
マーカーを使った移動
録音中に追加したマーカーを活用できます。
手順:
- 録音を開く
- 画面下に旗マークが表示される
- マーカーをクリックすると、その位置にジャンプ
活用例:
会議で「予算の話」「スケジュールの話」などポイントごとにマーカーを付けておけば、後で該当箇所だけ聞き直せます。
録音の削除
不要になった録音を削除する方法です。
手順:
- 削除したい録音を右クリック
- 「削除」を選択
- 確認画面で「削除」をクリック
ゴミ箱から復元可能:
削除した録音は、一旦Windowsのゴミ箱に移動します。間違って削除した場合は、ゴミ箱から復元できます。
録音ファイルの共有
録音を他の人に共有する方法です。
方法1:ファイルを直接送る
- 録音を右クリック
- 「ファイルの場所を開く」
- エクスプローラーでファイルが表示される
- メール添付やクラウドにアップロード
方法2:共有機能を使う
- 録音を右クリック
- 「共有」を選択
- 共有先アプリを選択(メール、OneDriveなど)
録音の編集機能(トリミング)

不要な部分をカットする方法です。
トリミング(前後のカット)
録音の最初や最後の不要な部分を削除できます。
手順:
- 編集したい録音を開く
- 画面右下の「トリミング」アイコン(ハサミマーク)をクリック
- トリミング画面が表示される
開始位置と終了位置の設定:
- 再生バーの左端をドラッグ→開始位置を設定
- 再生バーの右端をドラッグ→終了位置を設定
- 範囲外の部分がグレーアウト(削除される部分)
- プレビュー再生で確認
- 「保存」をクリック
注意点:
⚠️ トリミングすると、元のファイルが上書きされます
⚠️ 保存前に必ず範囲を確認しましょう
元ファイルを残したい場合:
- トリミング前にファイルをコピー
- コピーをトリミング
- 元ファイルは保護される
途中の部分をカットする方法
ボイスレコーダーには、途中の部分だけを削除する機能はありません。
代替方法:
方法A:2回に分けてトリミング
- 前半部分を残してトリミング→保存
- 後半部分を残してトリミング→別ファイルとして保存
- 必要に応じて、動画編集ソフトで結合
方法B:別の編集ソフトを使う
Audacityなど無料の音声編集ソフトで細かい編集が可能です(後述)。
マイクの設定と音質向上
より良い音質で録音するための設定です。
マイクの選択
複数のマイクがある場合、使用するマイクを選べます。
手順:
- Windowsの「設定」を開く(Windowsキー + I)
- 「システム」→「サウンド」を選択
- 「入力」セクションを確認
- 「入力デバイスを選択」から使いたいマイクを選ぶ
マイクの種類:
- 内蔵マイク(ノートPC)
- 外付けUSBマイク
- ヘッドセットマイク
- Bluetoothマイク
マイクのテスト
録音前に音がきちんと入っているか確認しましょう。
手順:
- 設定→「システム」→「サウンド」
- 「入力デバイスをテスト」で話してみる
- インジケーターが反応すればOK
反応しない場合:
- マイクが正しく接続されているか確認
- 音量が小さすぎないか確認
- 別のマイクを試す
マイク音量の調整
音が小さい・大きすぎる場合の調整方法です。
手順:
- 設定→「システム」→「サウンド」
- 「入力」の音量スライダーを調整
- テストしながら適切な音量に設定
目安:
- 普通に話した時、インジケーターが50〜70%程度
- 大声で80〜90%程度が理想
音質を向上させるコツ
📌 静かな環境で録音
- エアコンやファンの音を消す
- 窓を閉めて外の騒音を遮断
📌 マイクの位置
- 口から15〜30cm程度の距離
- 正面に向ける(横や上は音質低下)
📌 外付けマイクを使う
- 内蔵マイクより高音質
- USB接続マイク(2,000円〜)でも大きく改善
📌 ポップガード使用
- 「パ行」「タ行」の破裂音を軽減
- スポンジや専用フィルターを装着
ファイル形式と保存場所
録音データの詳細です。
保存形式と音質
Windowsボイスレコーダーは、M4A形式で保存されます。
M4A形式とは:
- 音声用の圧縮形式
- AACコーデックを使用
- MP3よりも高音質・小サイズ
- iPhoneなどApple製品と互換性あり
音質の仕様:
- サンプリングレート:48kHz
- ビットレート:約192kbps
- チャンネル:ステレオ(2ch)
ファイルサイズの目安:
- 1分間:約1.5〜2MB
- 10分間:約15〜20MB
- 1時間:約90〜120MB
保存場所の確認と変更
デフォルトの保存場所:
C:\Users\[ユーザー名]\Documents\サウンド レコーディング
保存場所を開く:
- エクスプローラーを開く
- 「ドキュメント」フォルダを開く
- 「サウンド レコーディング」フォルダを確認
別の場所に移動:
ボイスレコーダーアプリ自体の保存先は変更できませんが、録音後にファイルを移動できます。
- 録音ファイルを右クリック→「ファイルの場所を開く」
- ファイルを選択
- 切り取り(Ctrl + X)
- 移動先フォルダで貼り付け(Ctrl + V)
他の形式に変換する方法
M4AをMP3やWAVに変換したい場合です。
方法A:Windows標準の「映画 & テレビ」アプリ
残念ながら、Windows標準では音声形式変換機能がありません。
方法B:オンライン変換サービス
- ブラウザで「M4A MP3 変換」と検索
- 無料変換サイト(Online-Convert.com、Convertio等)にアクセス
- M4Aファイルをアップロード
- 変換形式を選択(MP3、WAV等)
- 変換してダウンロード
方法C:専用ソフトを使用
- Audacity(無料)
- iTunes(無料)
- XMedia Recode(無料)
プライバシーとセキュリティ設定
安全に使うための設定です。
マイクのアクセス許可管理
どのアプリがマイクを使えるか管理できます。
手順:
- 設定→「プライバシーとセキュリティ」
- 「マイク」を選択
- 「マイクへのアクセス」をオン/オフ
- 「アプリにマイクへのアクセスを許可する」でアプリごとに設定
ボイスレコーダーの許可確認:
一覧から「ボイスレコーダー」を探して、オンになっているか確認。
録音ファイルの暗号化
重要な録音を保護する方法です。
方法A:フォルダを暗号化(Windows Pro以上)
- 保存フォルダを右クリック→「プロパティ」
- 「詳細設定」→「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」にチェック
- 適用
方法B:ZIPでパスワード保護
- 録音ファイルを選択
- 圧縮ソフト(7-Zip等)でパスワード付きZIP作成
方法C:クラウドの暗号化機能
OneDriveやGoogle Driveの個人用Vaultに保存。
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法です。
問題1:録音ボタンが押せない・グレーアウト
原因: マイクのアクセス許可がない
解決策:
- 設定→「プライバシーとセキュリティ」→「マイク」
- 「マイクへのアクセス」をオンにする
- 「ボイスレコーダー」のアクセス許可をオンにする
- アプリを再起動
問題2:音が録音されない・無音
原因: マイクが認識されていない、音量が小さい
解決策:
- マイク接続を確認
- USBマイクなら抜き差し
- Bluetoothならペアリング確認
- 既定のデバイス設定
- 設定→「サウンド」→入力デバイスを確認
- 使いたいマイクが選択されているか
- 音量を上げる
- マイクの音量スライダーを80%程度に
- ドライバーの更新
- デバイスマネージャーでマイクのドライバーを更新
問題3:音質が悪い・ノイズが多い
原因: マイク品質、環境音、設定の問題
解決策:
- 環境を改善
- 静かな場所で録音
- マイクに近づく(15〜30cm)
- マイクブーストを調整
- 設定→「サウンド」→「デバイスのプロパティ」
- 「追加のデバイスのプロパティ」
- 「レベル」タブでマイクブーストを調整
- 別のマイクを試す
- 内蔵マイクより外付けUSBマイク推奨
問題4:ファイルが見つからない
原因: 保存場所が分からない
解決策:
- ボイスレコーダーアプリで確認
- アプリ内の録音一覧を見る
- 右クリック→「ファイルの場所を開く」
- 検索機能を使う
- エクスプローラーで「*.m4a」と検索
- ドキュメントフォルダ内を探す
- 日付で絞り込み
- 録音した日付で検索
問題5:アプリが起動しない
原因: アプリの不具合、システムエラー
解決策:
- パソコンを再起動
- 最も簡単で効果的
- アプリを修復
- 設定→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- ボイスレコーダーの「︙」→「詳細オプション」
- 「修復」をクリック
- アプリを再インストール
- 「詳細オプション」から「リセット」
- Microsoft Storeから再インストール
代替・上級者向け録音ソフト
より高機能な録音が必要な場合のソフトです。
Audacity(オーダシティ)- 無料
高機能な音声編集ソフトです。
特徴:
✅ 完全無料・オープンソース
✅ 高度な編集機能(カット、エフェクト、ノイズ除去)
✅ 複数形式で保存(MP3、WAV、FLAC等)
✅ 多トラック録音・編集
こんな人におすすめ:
- 音声を細かく編集したい
- ノイズを除去したい
- ポッドキャストや音楽制作
ダウンロード:
公式サイトから無料でダウンロード可能。
OBS Studio – 無料
配信・録画・録音に特化したソフトです。
特徴:
✅ システム音声とマイク音声を同時録音
✅ 画面録画と同時に音声録音
✅ 配信にも対応
こんな人におすすめ:
- オンライン会議を画面と音声で記録
- ゲーム実況や配信
- 画面と音声を同時に録画
RecExperts – 有料
シンプルで使いやすい画面・音声録画ソフトです。
特徴:
✅ 画面録画と音声録音
✅ スケジュール録音
✅ 自動停止機能
料金:
買い切り数千円、または月額サブスク。
活用シーン別の使い方
具体的な活用方法です。
シーン1:オンライン会議の録音
手順:
- 会議開始前にボイスレコーダーを起動
- スピーカーの音量を適切に設定
- 録音開始
- 重要な発言でマーカー追加
- 会議終了後、録音停止
- ファイル名を会議名に変更
注意点:
⚠️ 録音する旨を参加者に伝える(録音の許可が必要)
⚠️ 機密情報の取り扱いに注意
シーン2:語学学習(発音練習)
手順:
- お手本の音声を聞く
- 自分の発音を録音
- 再生して比較
- 気になる箇所にマーカー
- 繰り返し練習
コツ:
- 日付や練習内容をファイル名に
- 定期的に聞き返して上達を確認
シーン3:インタビュー・取材
手順:
- 事前にマイクテスト
- 相手の了承を得て録音開始
- 質問ごとにマーカー追加
- 録音終了後、すぐにファイル名を変更(取材相手、日付)
バックアップ:
大切な取材は、スマホでも同時録音すると安心。
シーン4:音声メモ・アイデア記録
手順:
- 思いついたらすぐに録音
- 短い説明をファイル名に
- 定期的に聞き返して整理
- 不要なものは削除
便利な使い方:
「To-Do音声メモ」として活用。やるべきことを声で記録。
まとめ:Windowsボイスレコーダーで快適な録音生活を
Windowsボイスレコーダーは、シンプルながら実用的な録音アプリです。
この記事のポイント:
✅ 起動方法:スタートメニュー、検索、ファイル名指定で実行
✅ 基本操作:ワンクリックで録音、マーカー追加、自動保存
✅ 編集機能:トリミングで不要部分をカット
✅ 音質向上:マイク設定、静かな環境、外付けマイク活用
✅ トラブル対処:アクセス許可、音量調整、アプリ修復
こんな時に使える:
📝 会議・講義録音 → マーカー機能で重要箇所マーク
🎤 音声メモ → アイデアをすぐ記録
🎵 音楽・歌の練習 → 自分の演奏を客観的に聞く
💬 インタビュー → 高音質で会話を記録
さらに高度な録音が必要なら:
- 細かい編集 → Audacity(無料)
- 画面と音声同時録画 → OBS Studio(無料)
- システム音声録音 → 別途専用ソフト
標準アプリでも、工夫次第で十分実用的。この記事の方法を使って、快適な録音環境を作ってくださいね!
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