「プレゼント選びでネットを見たけど、検索履歴を残したくない」
「共用のMacで、自分の閲覧履歴を他の人に見られたくない」
「プライベートモードって何?どうやって使うの?」
Macでインターネットを使っていると、プライバシーが気になる場面がありますよね。
プライベートモード(またはプライベートブラウズモード)を使えば、閲覧履歴やCookieを残さずにウェブサイトを見ることができるんです。
この記事では、Macのプライベートモードとは何か、各ブラウザでの使い方、できること・できないこと、そして本当にプライバシーを守れるのかまで、詳しく解説していきます。
プライバシーを守りながら快適にネットを楽しみたい方は、ぜひ最後まで読んでください!
プライベートモードとは?基本を理解しよう

まずは、プライベートモードの基礎知識から見ていきましょう。
プライベートモードの正式名称
ブラウザによって呼び方が異なります。
Safari:
プライベートブラウズモード
Google Chrome:
シークレットモード
Firefox:
プライベートウィンドウ
Microsoft Edge:
InPrivateブラウズ
機能はほぼ同じですが、名称が違うだけなんですね。
プライベートモードで何が起こるか
通常のブラウジングとの違いを理解しましょう。
通常モード:
- 閲覧履歴が保存される
- Cookieが保存される
- 検索履歴が残る
- フォームの入力内容が記憶される
- ダウンロード履歴が残る
プライベートモード:
- 閲覧履歴が保存されない
- Cookieが削除される
- 検索履歴が残らない
- フォームの入力内容が記憶されない
- ダウンロード履歴は残る(ファイル自体も残る)
どんな時に使うか
以下のような場面で便利です。
プレゼント選び
家族と共有のMacで、サプライズプレゼントを探す時に使えます。
共用パソコン
図書館や学校など、他の人も使うMacでログインする場合ですね。
複数アカウントの使い分け
同じサイトに別のアカウントでログインしたい時にも活用できます。
プライバシー重視のリサーチ
検索履歴を残したくない調べ物をする時に便利でしょう。
実例
例えば、家族の誕生日プレゼントを探している時、通常モードで見ると検索履歴やブラウザの候補に残ってしまいます。
プライベートモードを使えば、ウィンドウを閉じた瞬間に履歴が消えるので安心ですね。
【Safari】プライベートブラウズモードの使い方
Macの標準ブラウザであるSafariの設定方法です。
プライベートブラウズを開始する方法
方法1:メニューバーから
ステップ1: Safariを開く
ステップ2: メニューバーから「ファイル」→「新規プライベートウインドウ」をクリック
ステップ3: 新しいウィンドウが開く
アドレスバーが暗い色(グレー)になっていれば、プライベートモードです。
方法2:キーボードショートカット
shift + command + N
このショートカットが最も速い方法でしょう。
プライベートブラウズの見分け方
アドレスバーの色:
通常モードは白色、プライベートモードは暗いグレー色です。
スタートページの表示:
「プライベートブラウズ中です」というメッセージが表示されます。
プライベートブラウズを終了する方法
方法1:
プライベートウィンドウを閉じる(通常のウィンドウは残る)
方法2:
通常のウィンドウに切り替えて作業を続ける
常にプライベートブラウズで開始する設定
毎回プライベートモードで使いたい場合の設定です。
ステップ1: Safari→「設定」を開く
ステップ2: 「一般」タブを選択
ステップ3: 「Safariの起動時」で「新規プライベートウインドウを開く」を選択
これで、Safari起動時に常にプライベートモードになります。
実例
例えば、家族と共有のMacで、毎回プライベートモードを使いたい場合、この設定をしておけば起動のたびに手動で切り替える必要がありません。
【Chrome】シークレットモードの使い方
Google Chromeでのプライベートモード設定です。
シークレットモードを開始する方法
方法1:メニューから
ステップ1: Chromeを開く
ステップ2: 右上の三点メニュー(︙)をクリック
ステップ3: 「新しいシークレットウィンドウ」を選択
方法2:キーボードショートカット
shift + command + N
Safariと同じショートカットです。
シークレットモードの見分け方
ウィンドウの色:
ウィンドウ全体が黒っぽい色になります。
帽子とメガネのアイコン:
右上に帽子をかぶった人のアイコンが表示されるでしょう。
メッセージ:
「シークレットモードです」という説明が表示されます。
拡張機能の扱い
Chromeの拡張機能は、デフォルトではシークレットモードで無効になっています。
有効にする方法:
ステップ1: chrome://extensions/ にアクセス
ステップ2: 各拡張機能の「詳細」をクリック
ステップ3: 「シークレットモードでの実行を許可する」をオンにする
ただし、プライバシー保護の観点からは、基本的にオフのままがおすすめです。
実例
例えば、仕事用のGoogleアカウントでログイン中に、個人用のGmailをチェックしたい場合、シークレットモードで開けば別アカウントでログインできます。
【Firefox】プライベートウィンドウの使い方
Firefoxのプライベートモード設定です。
プライベートウィンドウを開始する方法
方法1:メニューから
ステップ1: Firefoxを開く
ステップ2: 右上のメニュー(三本線)をクリック
ステップ3: 「新しいプライベートウィンドウ」を選択
方法2:キーボードショートカット
shift + command + P
FirefoxだけはPキーである点に注意してください。
プライベートウィンドウの見分け方
紫色のマスクアイコン:
ウィンドウ右上に紫色のマスクアイコンが表示されます。
説明メッセージ:
「Firefoxはこのセッションでの検索やページ履歴を記録しません」と表示されるでしょう。
トラッキング防止機能
Firefoxのプライベートウィンドウには、強化型トラッキング防止機能が標準で有効です。
ブロックされるもの:
- ソーシャルメディアトラッカー
- クロスサイトトラッキングCookie
- 暗号通貨マイニング
- フィンガープリント採取
他のブラウザより、プライバシー保護が強力なんですね。
実例
広告トラッキングを避けたいなら、Firefoxのプライベートウィンドウが最も効果的です。
【Edge】InPrivateブラウズの使い方

Microsoft Edgeのプライベートモード設定です。
InPrivateブラウズを開始する方法
方法1:メニューから
ステップ1: Edgeを開く
ステップ2: 右上の三点メニュー(…)をクリック
ステップ3: 「新しいInPrivateウィンドウ」を選択
方法2:キーボードショートカット
shift + command + N
ChromeやSafariと同じショートカットです。
InPrivateウィンドウの見分け方
青色のアイコン:
左上に「InPrivate」という青いバッジが表示されます。
説明文:
「InPrivateブラウズ中」というメッセージが表示されるでしょう。
Microsoft Defender SmartScreen
EdgeのInPrivateモードでも、危険なサイトからの保護機能は有効です。
フィッシングサイトやマルウェアからは守られます。
プライベートモードでできること・できないこと
誤解されやすいポイントを明確にしましょう。
できること(保護される範囲)
Mac本体に残らないもの:
- ブラウザの閲覧履歴
- Cookie(ウェブサイトの記憶情報)
- 検索履歴
- フォーム入力の自動補完データ
- キャッシュ(一時保存ファイル)
これらは、プライベートウィンドウを閉じた瞬間に削除されます。
できないこと(保護されない範囲)
Mac本体に残るもの:
- ダウンロードしたファイル
- ブックマーク(手動で追加した場合)
- ダウンロード履歴
外部から見えてしまうもの:
- インターネットプロバイダからは閲覧履歴が見える
- 職場や学校のネットワーク管理者からは見える
- 訪問したウェブサイトには記録が残る
- IPアドレスは隠されない
重要な注意点
プライベートモードは「匿名化ツール」ではありません。
あくまで、使用しているMac上に履歴を残さない機能です。
完全に匿名でネットを使いたい場合は、VPNやTorブラウザなど別のツールが必要になるでしょう。
実例
例えば、会社のWi-Fiを使ってプライベートモードでネットを見ても、ネットワーク管理者には閲覧履歴が記録されています。
家庭内の閲覧履歴を家族に見られないようにする用途には有効ですが、完全な匿名性はないんですね。
iCloudプライベートリレーとの違い
似た名前の別機能について解説します。
iCloudプライベートリレーとは
iCloud+(有料プラン)の機能の一つで、ネットワークレベルでプライバシーを保護する仕組みです。
機能の違い
プライベートブラウズモード:
- Mac上の履歴を残さない
- 無料
- ブラウザの機能
iCloudプライベートリレー:
- IPアドレスを隠す
- ネットワーク通信を暗号化
- 有料(iCloud+ 50GB以上)
- システムレベルの機能
併用がおすすめ
2つの機能は別物なので、併用することでより強固なプライバシー保護が実現できます。
有効化する方法
ステップ1: システム設定→「Apple ID」を開く
ステップ2: 「iCloud」→「プライベートリレー」を選択
ステップ3: オンに切り替える
※ iCloud+(月額130円~)への加入が必要です。
実例
例えば、カフェの公衆Wi-Fiを使う時、プライベートリレーを有効にすれば、他の利用者やカフェの管理者にIPアドレスや通信内容を見られるリスクが減ります。
プライバシーを守るその他の機能
プライベートモード以外の保護機能も知っておきましょう。
インテリジェント・トラッキング防止(Safari)
ITP(Intelligent Tracking Prevention)は、Safariに標準搭載されている追跡防止機能です。
機能:
- ウェブサイト間の追跡を防ぐ
- 広告会社のトラッキングをブロック
- 24時間後にCookieを削除
通常モードでも自動的に動作しています。
サイトごとの設定(Safari)
特定のサイトでカメラやマイクの使用を制御できます。
設定場所:
Safari→「設定」→「ウェブサイト」
ここで、カメラ、マイク、位置情報などの許可を個別に設定可能です。
履歴とデータの消去
プライベートモードを使わず、後から履歴を削除することもできます。
Safari:
履歴→履歴を消去→期間を選択→履歴を消去
Chrome:
設定→プライバシーとセキュリティ→閲覧履歴データの削除
Cookieのブロック
すべてのCookieをブロックする設定も可能です。
ただし、一部のウェブサイトが正常に動作しなくなる可能性があります。
実例
オンラインショッピングをした後、広告で同じ商品がずっと表示されるのは、Cookieによる追跡です。
インテリジェント・トラッキング防止機能を使えば、こうした追跡を減らせます。
よくある誤解と正しい知識
プライベートモードについて誤解されやすいポイントです。
誤解1:完全に匿名になる
真実:
プライベートモードは、Mac上の履歴を残さないだけです。
インターネット上では、IPアドレスやサイトへのアクセス記録は通常通り残ります。
誤解2:ウイルスから守られる
真実:
プライベートモードは、マルウェアやウイルスからの保護機能ではありません。
セキュリティソフトは別途必要です。
誤解3:すべての追跡を防げる
真実:
ログインしたサイト内での行動は記録されます。
例えば、Googleアカウントにログインして検索すれば、その履歴はGoogleに残るでしょう。
誤解4:職場や学校のネットワークから隠せる
真実:
ネットワーク管理者は、プライベートモードでも閲覧履歴を見ることができます。
あくまで使用しているMac上に残らないだけなんですね。
誤解5:違法行為ができる
真実:
プライベートモードでも、違法行為は違法です。
法執行機関は必要に応じて、プロバイダやウェブサイトから情報を取得できます。
実例
例えば、会社のパソコンでプライベートモードを使っても、会社のIT部門はあなたの閲覧履歴を把握できます。
業務時間中の私的利用は控えるべきでしょう。
プライベートモードの賢い使い方
効果的な活用方法を紹介します。
使い分けのコツ
通常モード:
- 日常的なブラウジング
- よく使うサイト
- ログインしたまま使うサイト
プライベートモード:
- 一時的な調べ物
- 共用パソコンでの利用
- プレゼント選びなど秘密にしたいこと
- 複数アカウントの使い分け
複数ウィンドウの活用
通常モードとプライベートモードを同時に開けます。
活用例:
- 通常モード:仕事用Googleアカウント
- プライベートモード:個人用Googleアカウント
終了時の確認
プライベートウィンドウを閉じる前に、必要な情報をメモしておきましょう。
ウィンドウを閉じると、すべての情報が消えてしまいます。
組み合わせ技
最強のプライバシー保護を実現する組み合わせです。
- プライベートブラウズモード
- iCloudプライベートリレー
- VPN接続
- 広告ブロッカー
これらを併用すれば、かなり高いレベルでプライバシーを守れます。
実例
例えば、海外旅行中にホテルのWi-Fiを使う場合、VPN + プライベートモードの組み合わせで、安全性とプライバシーの両方を確保できるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: プライベートモードを使うと通信速度は遅くなりますか?
A: いいえ、基本的に速度は変わりません。
プライベートモードは履歴を保存しないだけで、通信自体は通常と同じです。ただし、iCloudプライベートリレーやVPNを併用すると、若干遅くなることがあります。
Q2: プライベートモードでもログインできますか?
A: はい、できます。
ただし、ウィンドウを閉じるとログアウトされ、次回は再度ログインが必要です。頻繁に使うサイトは、通常モードでログインしたままにする方が便利でしょう。
Q3: 検索エンジンの予測変換にも影響しますか?
A: Mac上の予測変換には影響しません。
ただし、Googleなどにログインしている場合は、検索履歴はアカウントに記録されます。完全に履歴を残したくない場合は、ログアウトした状態で使用してください。
Q4: プライベートモードでも広告は表示されますか?
A: はい、表示されます。
ただし、過去の閲覧履歴に基づくパーソナライズ広告は減ります。完全に広告をブロックしたい場合は、広告ブロッカーの使用を検討しましょう。
Q5: 家族と共用のMacで、常にプライベートモードを使うべきですか?
A: 必ずしもそうとは限りません。
毎回ログインし直すのは手間がかかります。Macのユーザーアカウントを分けて使う方が、より便利で確実にプライバシーを守れるでしょう。
まとめ
Macのプライベートモードについてまとめます。
プライベートモードとは:
- ブラウザの閲覧履歴を残さない機能
- Cookieや検索履歴も削除される
- Mac上の記録を消すだけで、完全な匿名化ではない
各ブラウザでの呼び方:
- Safari:プライベートブラウズモード(shift + command + N)
- Chrome:シークレットモード(shift + command + N)
- Firefox:プライベートウィンドウ(shift + command + P)
- Edge:InPrivateブラウズ(shift + command + N)
できること:
- Mac上の閲覧履歴を残さない
- Cookieを保存しない
- 検索履歴を残さない
- フォーム入力を記憶しない
できないこと:
- ネットワーク管理者から隠す
- IPアドレスを隠す
- ダウンロードファイルを消す
- 完全な匿名化
おすすめの使い方:
- 共用パソコンでの利用
- プレゼント選びなど秘密にしたいこと
- 複数アカウントの使い分け
- 一時的な調べ物
より強固な保護:
- iCloudプライベートリレー(有料)
- VPN接続
- 広告ブロッカー
- これらの組み合わせ
注意点:
- 完全な匿名性はない
- ウイルス対策にはならない
- ログインサイトでは記録が残る
- 違法行為は違法のまま
プライベートモードは、Mac上の履歴を残さない便利な機能です。
ただし、万能ではないことを理解して、用途に応じて適切に使い分けましょう。本当に高いプライバシー保護が必要な場合は、VPNなどの追加ツールも検討してください!
コメント