「会議の録音をメールで送りたい」
「インタビュー音声を文字起こしソフトで使いたい」
「大切な録音データをバックアップしておきたい」
Macのボイスメモアプリで録音した音声を、他の場所に保存したり共有したりしたいとき、ありますよね。
この記事では、ボイスメモから音声ファイルを書き出す(エクスポートする)方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。複数の方法を紹介するので、あなたに合ったやり方が見つかりますよ。
ボイスメモアプリとは?基本を理解しよう

まず、Macのボイスメモアプリについて簡単に説明します。
ボイスメモアプリの特徴
ボイスメモは、AppleがmacOSとiOSに標準搭載している録音アプリです。
主な特徴:
- シンプルな操作:ワンタップで録音開始
- 高音質録音:クリアな音声で保存
- 編集機能:トリミングや不要部分の削除
- iCloud同期:iPhoneやiPadと自動で同期
- 無料:追加費用なしで使える
ボイスメモの保存場所
録音した音声は、以下の場所に保存されています:
- アプリ内:ボイスメモアプリのライブラリ
- iCloud:iCloud同期が有効な場合
- ローカルストレージ:Mac内蔵のストレージ
ただし、通常のFinderからは直接アクセスしにくい場所にあります。
だから、「書き出し」という作業が必要になるんです。
ボイスメモのファイル形式
ボイスメモで録音された音声は、通常m4a形式で保存されます。
m4a形式とは:
- AACという高音質コーデックを使用
- MP3より音質が良い
- ファイルサイズが比較的小さい
- Apple製品との相性が抜群
多くのプレーヤーで再生できますが、一部の古いソフトでは対応していないこともあります。
書き出しが必要になる場面
どんなときにボイスメモの書き出しが必要になるのか、具体例を見てみましょう。
よくある使用シーン
他の人と共有したい:
- 会議の録音を参加者にメールで送る
- インタビュー音声を編集者に渡す
- 語学学習の音声を友達とシェア
バックアップを取りたい:
- 重要な録音を外付けドライブに保存
- iCloud容量を節約するために別の場所へ
- 長期保存用にアーカイブ
他のアプリで使いたい:
- 動画編集ソフトにナレーションとして取り込む
- 文字起こしソフトでテキスト化
- 音楽制作ソフトで素材として活用
ファイル形式を変換したい:
- MP3に変換して互換性を高める
- WAVに変換して高音質編集
- 特定のデバイスで再生できる形式に
基本的な書き出し方法:ドラッグ&ドロップ
最もシンプルで直感的な方法から紹介します。
ドラッグ&ドロップでデスクトップに保存
- ボイスメモアプリを開く
- アプリケーションフォルダから起動
- またはSpotlight検索で「ボイスメモ」と入力
- 書き出したい録音を選択
- 左側のリストから目的のボイスメモをクリック
- ボイスメモをデスクトップにドラッグ
- 選択した録音をクリックしたまま
- デスクトップまでドラッグして離す
- ファイルが作成される
- デスクトップに「新規録音.m4a」などの名前でファイルが作成されます
これだけです!とても簡単ですね。
Finderウィンドウにドラッグして保存
デスクトップ以外の場所にも保存できます。
- Finderで保存先フォルダを開く
- 書類フォルダ、外付けドライブなど
- ボイスメモアプリと並べて表示
- 画面を半分ずつ表示すると便利
- ボイスメモをFinderウィンドウにドラッグ
- 目的の場所に保存完了
複数のボイスメモを一度に書き出し
複数の録音を同時に保存することもできます。
- Commandキーを押しながら複数選択
- または Shift + クリックで範囲選択
- 選択したファイルをまとめてドラッグ
- 全てのファイルが一度に保存される
大量の録音を整理するときに便利です。
共有メニューから書き出す方法
macOSの共有機能を使った、もう一つの方法です。
メールで送信
- ボイスメモアプリで録音を選択
- 上部メニューバーの「共有」アイコン(□に↑)をクリック
- または右クリック→「共有」
- 「メール」を選択
- メールアプリが起動
- ボイスメモが添付された状態でメール作成画面が開く
- 宛先と本文を入力して送信
ファイルサイズが大きい場合は、Mail Dropという機能で自動的にクラウド経由になります。
AirDropで近くのAppleデバイスに送る
同じ部屋にいる人に、ワイヤレスで簡単に送れます。
- ボイスメモを選択
- 「共有」→「AirDrop」を選択
- 近くのデバイス一覧が表示される
- 送りたい相手のデバイスをクリック
- 相手が受け入れると、瞬時に転送完了
AirDropは、iPhoneやiPadにも送れます。
メッセージアプリで送信
iMessageやSMSで音声ファイルを送ることもできます。
- ボイスメモを選択
- 「共有」→「メッセージ」を選択
- メッセージアプリが起動
- 送りたい相手を選んで送信
家族や友人との共有に便利ですね。
その他の共有オプション
共有メニューには、他にも様々な選択肢があります:
- メモに追加:Appleのメモアプリに保存
- リマインダーに追加:タスクと一緒に管理
- “ファイル”に保存:iCloudドライブやローカルに保存
- 写真に追加:写真ライブラリに保存(音声ファイルとして)
Finderのサイドバーから直接アクセス

実は、Finderから直接ボイスメモにアクセスする方法もあります。
Finderでボイスメモを探す方法
- Finderを開く
- 左側のサイドバーから「ボイスメモ」を探す
- 「場所」セクションにある場合があります
- 見当たらない場合は、次の手順へ
- Finderメニューバー → 「移動」→「フォルダへ移動」
- 以下のパスを入力してEnter
~/Library/Application Support/com.apple.voicememos/Recordings/
- ボイスメモのファイルが一覧表示される
- 必要なファイルをコピー
この方法は少し上級者向けですが、覚えておくと便利です。
注意:直接ファイルを削除しない
Finderからファイルを直接削除すると、ボイスメモアプリとの同期が崩れる可能性があります。
ファイルはコピーするだけにして、削除はボイスメモアプリから行いましょう。
ファイル名を変更して整理
書き出したボイスメモは、分かりやすい名前に変更しましょう。
ボイスメモアプリ内で名前変更
書き出す前に、アプリ内で名前を変更できます。
- ボイスメモを選択
- 録音名の部分をダブルクリック
- または右クリック→「名前を変更」
- 分かりやすい名前を入力
- 例:「2024年10月会議録音」「英語インタビュー」
- Enterキーで確定
この名前がファイル名になります。
Finderで名前変更
書き出した後でも、通常のファイルと同じように名前を変更できます。
- ファイルを選択
- Enterキーを押す
- または右クリック→「名前を変更」
- 新しい名前を入力
日付や内容で整理
大量の録音がある場合、命名規則を決めると便利です。
おすすめの命名例:
- 日付付き:「2024-10-04_会議録音.m4a」
- カテゴリ別:「語学_英語リスニング01.m4a」
- プロジェクト別:「プロジェクトA_インタビュー_田中氏.m4a」
ファイル形式の変換方法
m4aファイルを別の形式に変換したい場合の方法を紹介します。
MP3に変換する理由
互換性が高い:
- ほぼ全ての再生機器で対応
- カーオーディオでも再生可能
- 古いデバイスでも問題なし
広く普及している:
- 多くの人が使い慣れている
- 共有相手が確実に開ける
iTunesやミュージックアプリで変換
Macの標準アプリで変換できます。
- ミュージックアプリを開く
- macOS Catalina以降はミュージック
- それ以前はiTunes
- ボイスメモファイルをミュージックアプリにドラッグ
- ライブラリに追加される
- 追加したファイルを選択
- メニューバー → 「ファイル」→「変換」→「MP3バージョンを作成」
- 変換が完了
- 元のm4aファイルと変換後のMP3が両方表示される
- MP3ファイルを右クリック → 「Finderで表示」
- 変換されたMP3ファイルをコピー
オンライン変換サービスを利用
ブラウザで簡単に変換できるサービスもあります。
代表的なサービス:
- CloudConvert
- Online Audio Converter
- Convertio
使用手順(一般的な流れ):
- サイトにアクセス
- m4aファイルをアップロード
- 変換先の形式を選択(MP3、WAV、FLACなど)
- 変換ボタンをクリック
- 変換完了後、ダウンロード
注意点:
- インターネット接続が必要
- ファイルサイズに制限がある場合も
- 重要な音声は信頼できるサービスで
専用アプリで変換
より高度な変換が必要なら、専用アプリもあります。
おすすめアプリ:
- Switch Audio Converter(無料版あり)
- MediaHuman Audio Converter(無料)
- XLD(無料、オープンソース)
これらのアプリなら、複数ファイルの一括変換や、詳細な音質設定も可能です。
iPhoneとの同期と書き出し

iPhoneで録音したボイスメモも、Macで書き出せます。
iCloud同期の確認
iPhoneとMacのボイスメモが同期されているか確認しましょう。
iPhone側の設定:
- 設定アプリを開く
- 一番上のApple IDをタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「ボイスメモ」がオンになっているか確認
Mac側の設定:
- システム設定を開く
- Apple IDをクリック
- 「iCloud」をクリック
- 「ボイスメモ」にチェックが入っているか確認
両方オンになっていれば、自動的に同期されます。
iPhoneの録音をMacで書き出す
同期されていれば、iPhoneで録音した音声も、Macのボイスメモアプリに表示されます。
あとは、前述の方法で書き出すだけです。
iCloud同期を使わずに転送
iCloudを使わない方法もあります。
AirDropを使う:
- iPhoneのボイスメモアプリを開く
- 転送したい録音をタップ
- 共有アイコン → AirDrop
- Macを選択
- Macで受信したファイルを保存
ケーブル接続:
- iPhoneをMacにUSBで接続
- Finderでデバイスを選択
- ファイル共有機能を使用
(iOS 13以降、iTunesの代わりにFinderが使用されます)
書き出し時のよくあるトラブルと解決方法
実際に使っていると、時々問題が起こることもあります。
トラブル1:ドラッグ&ドロップできない
原因:
- アプリの一時的な不具合
- ファイルが破損している
対処法:
- ボイスメモアプリを再起動
- Macを再起動
- 共有メニューから書き出しを試す
- それでもダメなら、ファイルが破損している可能性
トラブル2:ファイルサイズが大きすぎてメール送信できない
多くのメールサービスには添付ファイルのサイズ制限があります(通常20〜25MB)。
対処法:
方法1:Mail Dropを使う
- Macの純正メールアプリなら自動的に使用される
- 最大5GBまで送信可能
方法2:クラウドストレージ経由
- Dropbox、Google Drive、iCloud Driveなどにアップロード
- 共有リンクを送る
方法3:ファイル圧縮
- ZIP形式で圧縮してサイズ削減
- ただし音声ファイルは圧縮率が低い
方法4:音質を下げて変換
- ビットレートを下げてMP3に変換
- ファイルサイズが小さくなる
トラブル3:書き出したファイルが再生できない
原因:
- 再生デバイスがm4a形式に対応していない
- ファイルが破損している
対処法:
- 別のプレーヤーで試す
- MP3に変換する
- QuickTime Playerで再生できるか確認(Macの標準プレーヤー)
- ボイスメモアプリ内では再生できるか確認
トラブル4:iCloud同期されない
対処法:
- 両方のデバイスでiCloudにサインインしているか確認
- 両方でボイスメモの同期がオンか確認
- インターネット接続を確認
- iCloudストレージに空きがあるか確認
- 設定 → Apple ID → iCloud
- 同期を強制する
- ボイスメモアプリを一度終了して再起動
- それでもダメなら
- デバイスを再起動
- iCloudからサインアウト→再サインイン
トラブル5:ボイスメモが見つからない
削除したつもりはないのに、録音が見当たらない場合。
確認ポイント:
- 「最近削除した項目」を確認
- ボイスメモアプリの左下
- 30日以内なら復元可能
- 検索機能を使う
- アプリ上部の検索欄でキーワード検索
- iCloud同期を確認
- 別のデバイスにあるかも
- Time Machineから復元
- バックアップがあれば過去の状態に戻せる
大量のボイスメモを整理する方法
録音が溜まってきたら、定期的に整理しましょう。
フォルダ分けして保管
書き出したファイルは、用途別にフォルダ分けすると管理しやすいです。
おすすめのフォルダ構成:
ボイスメモ保管庫/
├── 2024年/
│ ├── 01月/
│ ├── 02月/
│ └── ...
├── 会議録音/
├── インタビュー/
├── メモ/
└── その他/
不要な録音は削除
削除の手順:
- ボイスメモアプリで削除したい録音を選択
- Deleteキーを押す
- または右クリック → 削除
- 「最近削除した項目」に移動
- 30日後に自動的に完全削除
- またはすぐに完全削除も可能
クラウドストレージにバックアップ
重要な録音は、複数の場所にバックアップしておくと安心です。
バックアップ先の例:
- 外付けハードドライブ
- iCloud Drive
- Dropbox
- Google Drive
- OneDrive
メタデータを活用
ファイルに情報を追加しておくと、後で探しやすくなります。
Finderでタグ付け:
- ファイルを右クリック
- 「タグ」を選択
- カラータグや独自のタグ名を追加
コメントを追加:
- ファイルを選択
- Command + I で情報ウィンドウ
- 「Spotlightコメント」欄にメモを記入
ボイスメモの実用的な活用例
書き出し機能を使った、便利な使い方を紹介します。
仕事での活用
会議の議事録作成:
- 会議をボイスメモで録音
- MP3に変換して文字起こしサービスへ
- テキスト化されたものを議事録として整理
顧客との打ち合わせ記録:
- 重要な内容を確実に記録
- 後で確認して漏れがないかチェック
アイデアメモ:
- 思いついたアイデアを即座に録音
- 後でPCで聞き返して整理
学習での活用
語学学習:
- 自分の発音を録音
- ネイティブの発音と比較
- 改善点を確認
講義の復習:
- 授業を録音(許可を得て)
- 重要な部分を何度も聞き返す
- 試験前の復習に活用
音読練習:
- 教材を音読して録音
- 自分の声で復習できる
創作での活用
楽曲制作:
- メロディのアイデアをハミング
- リズムパターンを口で録音
- 後でDAWに取り込んで制作
ポッドキャスト:
- 素材として録音
- 編集ソフトで仕上げ
ボイスドラマ:
- 台本を読み上げて録音
- キャラクターごとに分けて編集
プライベートでの活用
家族の声を記録:
- 子どもの成長記録
- おじいちゃん、おばあちゃんの昔話
- 大切な思い出として保存
ペットの鳴き声:
- 可愛い鳴き声を録音
- 写真と一緒に保存
旅行の音声日記:
- 観光地での感想を録音
- 現地の雰囲気を音で記録
まとめ:ボイスメモを自由に活用しよう
ボイスメモの書き出し方法をマスターすれば、録音データの活用の幅が大きく広がります。
この記事のポイントまとめ
基本の書き出し方法:
- ドラッグ&ドロップが最も簡単
- デスクトップや任意のフォルダに保存可能
- 複数選択で一括書き出しも可能
共有機能を活用:
- メール、AirDrop、メッセージで送信
- その他の共有先も豊富
- 用途に応じて使い分け
ファイル形式:
- 標準はm4a形式
- MP3に変換で互換性アップ
- ミュージックアプリやオンラインサービスで変換可能
iPhoneとの連携:
- iCloud同期で自動的に統合
- AirDropでも簡単に転送
- どちらのデバイスからでもアクセス
トラブル対処:
- ドラッグできない→アプリ再起動
- ファイルが大きい→圧縮や変換
- 同期しない→設定確認とネット接続チェック
整理のコツ:
- フォルダ分けして管理
- 分かりやすい名前に変更
- クラウドにもバックアップ
こんな使い方がおすすめ
定期的にバックアップ:
- 月に1回、重要な録音を外付けドライブへ
- iCloudストレージの節約にもなる
用途別に保存先を決める:
- 仕事用→外付けドライブ
- プライベート→iCloud Drive
- 一時的なメモ→デスクトップ(定期的に整理)
共有する前に確認:
- 個人情報が含まれていないか
- 音質は十分か
- ファイルサイズは適切か
最後に:録音を大切に保管しよう
ボイスメモで録音した音声は、かけがえのない記録です。
大切な会議、インタビュー、家族の声、ペットの鳴き声など、後から再現できない貴重なデータ。
この記事で紹介した方法を使って、確実に保存・共有・活用してください。
デジタルデータは複製が簡単なので、複数の場所にバックアップしておくと安心です。
あなたの大切な音声記録が、いつまでも聞き返せる形で残りますように。
この記事が、ボイスメモをもっと便利に使うお手伝いになれば嬉しいです!
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