「プロジェクトのファイルをチームで共有したい」
「家族で写真を共有するフォルダを作りたい」
「取引先と資料をやり取りする安全な場所が欲しい」
複数の人と効率的にファイルを共有したいとき、Google Driveの共有フォルダが便利です。
この記事では、Google Driveで共有フォルダを作成する方法から、権限設定、セキュリティ対策、便利な活用法まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
Google Driveの共有フォルダとは?

まず、共有フォルダの基本から理解していきましょう。
共有フォルダの特徴
共有フォルダは、複数の人が同じフォルダにアクセスできる仕組みです。
できること:
- 同じファイルを複数人で閲覧
- 共同でファイルを編集
- 新しいファイルを追加
- フォルダ内のファイルをダウンロード
- コメントやフィードバックを残す
メリット:
- メールでファイルを送る手間が不要
- 常に最新版を共有できる
- ストレージ容量を節約(同じファイルを複数人が持つ必要がない)
- バージョン履歴で変更を追跡
- どこからでもアクセス可能
普通のフォルダとの違い
通常のフォルダ:
- 作成した本人だけがアクセス可能
- プライベートな状態
- 他の人には見えない
共有フォルダ:
- 指定した人がアクセス可能
- 権限によって閲覧だけ、または編集もできる
- 共有された人のドライブにも表示される
共有の種類
Google Driveには、2つの共有方法があります。
特定のユーザーと共有:
- Googleアカウントを持つ特定の人だけ
- メールアドレスで招待
- 最も安全な方法
リンクを知っている全員と共有:
- リンクを知っていれば誰でもアクセス可能
- Googleアカウントなしでも閲覧可能(設定による)
- 便利だがセキュリティリスクもある
共有フォルダの作成方法(基本編)
実際に共有フォルダを作ってみましょう。
ステップ1:フォルダを作成
まず、共有するフォルダを作ります。
新しくフォルダを作る場合:
- Google Driveを開く
- ブラウザで
drive.google.com
にアクセス - Googleアカウントでログイン
- 左上の「新規」ボタンをクリック
- 青い「+」マークのボタン
- 「フォルダ」を選択
- フォルダ名を入力
- 分かりやすい名前をつける
- 例:「2024年プロジェクト」「家族の写真」
- 「作成」をクリック
既存のフォルダを共有する場合:
- すでに作成したフォルダを右クリック
- 次のステップに進む
ステップ2:共有設定を開く
作成したフォルダを共有します。
方法1:右クリックから
- 共有したいフォルダを右クリック
- 「共有」を選択
- 共有設定ウィンドウが開く
方法2:フォルダを選択してから
- フォルダを1回クリックして選択
- 画面右上の人型アイコン(共有)をクリック
- 共有設定ウィンドウが開く
ステップ3:ユーザーを追加
特定の人を招待する方法です。
- 「ユーザーやグループを追加」の入力欄をクリック
- 共有したい相手のメールアドレスを入力
- Googleアカウントのメールアドレス
- 複数人の場合は、カンマで区切って入力
- または改行で区切る
- 候補が表示されたら選択
- Googleコンタクトに登録されている人は候補に出る
- 権限を選択(右側のドロップダウンメニュー)
- 「閲覧者」
- 「閲覧者(コメント可)」
- 「編集者」
- 任意でメッセージを入力
- 通知メールに含まれるメッセージ
- 「送信」ボタンをクリック
これで、指定した相手に共有の招待が送られます。
ステップ4:権限の意味を理解する
3種類の権限があります。
閲覧者(Viewer):
- ファイルを見ることができる
- ダウンロード可能
- 編集はできない
- コメントもできない
閲覧者(コメント可)(Commenter):
- ファイルを見ることができる
- コメントを追加できる
- ダウンロード可能
- 編集はできない
編集者(Editor):
- ファイルを見ることができる
- ファイルを編集できる
- 新しいファイルを追加できる
- ファイルを削除できる
- 他の人を招待できる(設定による)
用途に応じて適切な権限を選びましょう。
リンクで共有する方法
メールアドレスがわからない人や、不特定多数と共有したい場合の方法です。
リンク共有の設定手順
- フォルダを右クリック → 「共有」
- 共有設定ウィンドウの「一般的なアクセス」セクション
- または「リンクを取得」セクション
- 「制限付き」から「リンクを知っている全員」に変更
- ドロップダウンメニューをクリック
- 権限を選択
- 閲覧者
- 閲覧者(コメント可)
- 編集者
- 「リンクをコピー」ボタンをクリック
- コピーしたリンクを共有したい相手に送る
- メール、チャット、SNSなど
リンク共有のメリットとデメリット
メリット:
- メールアドレスが不要
- 大勢に一度に共有できる
- 社外の人とも簡単に共有
- QRコードにも変換可能
デメリット:
- リンクが漏れると誰でもアクセス可能
- 誰がアクセスしているか把握しにくい
- セキュリティリスクが高い
機密情報を含むフォルダには、リンク共有は使わない方が安全です。
リンク共有の詳細設定
より細かく設定できます。
アクセス制限:
- 自分の組織内のユーザー(Google Workspaceの場合)
- リンクを知っている全員
追加オプション:
- 閲覧者と閲覧者(コメント可)のダウンロード、印刷、コピーの無効化
- チェックを入れると、ファイルを保存できなくなる
- スクリーンショットは防げない
- 編集者によるアクセス権の変更と新しいユーザーの追加を禁止する
- 編集者が勝手に他の人を招待できないようにする
共有後の管理
共有した後も、設定を変更したり管理したりできます。
共有ユーザーの確認
誰と共有しているか確認する方法です。
- フォルダを右クリック → 「共有」
- 「アクセスできるユーザー」セクションを確認
- 共有している全員が表示される
- それぞれの権限も表示
- 各ユーザーの横に権限が表示される
権限の変更
後から権限を変更できます。
- フォルダの共有設定を開く
- 変更したいユーザーの横のドロップダウンメニュー
- 新しい権限を選択
- 閲覧者、閲覧者(コメント可)、編集者
- 自動的に保存される
変更は即座に反映されます。
共有の解除
特定のユーザーとの共有を停止する方法です。
- フォルダの共有設定を開く
- 削除したいユーザーの横のドロップダウンメニュー
- 「アクセス権を削除」を選択
- 確認ダイアログで「削除」
そのユーザーは、フォルダにアクセスできなくなります。
リンク共有の無効化
リンクでの共有を停止する方法です。
- フォルダの共有設定を開く
- 「一般的なアクセス」の「リンクを知っている全員」部分
- 「制限付き」に変更
- 自動的に保存される
既存のリンクは無効になります。
共有フォルダの見つけ方
自分が共有されたフォルダを探す方法です。
共有アイテムから探す
- Google Driveの左側メニュー
- 「共有アイテム」をクリック
- 自分が共有されている全てのファイルとフォルダが表示
- フォルダアイコンのものが共有フォルダ
マイドライブに追加
共有フォルダをマイドライブに追加すると、アクセスしやすくなります。
- 「共有アイテム」から目的のフォルダを探す
- フォルダを右クリック
- 「マイドライブに追加」を選択
- または「ドライブに整理」→ 保存場所を選択
これで、マイドライブからも直接アクセスできます。
検索で探す
フォルダ名が分かっている場合。
- 画面上部の検索バーに入力
- 候補から選択
- または Enter で検索結果を表示
スマートフォンでの共有フォルダ作成

iPhoneやAndroidでも共有フォルダを作れます。
Google Driveアプリでの手順
フォルダの作成と共有:
- Google Driveアプリを開く
- 右下の「+」ボタンをタップ
- 「フォルダ」を選択
- フォルダ名を入力して「作成」
- 作成したフォルダの「︙」(縦三点)をタップ
- 「共有」を選択
- 「ユーザーを追加」をタップ
- メールアドレスを入力または選択
- 権限を選択
- 送信アイコンをタップ
スマートフォンでも、基本的な操作はブラウザ版と同じです。
よくあるトラブルと解決方法
共有フォルダを使っていると、時々問題が起こります。
トラブル1:相手が共有フォルダを見つけられない
原因:
- 招待メールが届いていない
- 迷惑メールフォルダに入っている
- 違うGoogleアカウントでログインしている
対処法:
- 招待メールを確認してもらう
- Gmail の受信トレイ
- 迷惑メールフォルダ
- 正しいアカウントでログイン
- 招待されたメールアドレスと同じアカウント
- リンクを直接送る
- 共有設定画面でリンクをコピー
- チャットやメールで直接送信
- もう一度招待を送る
- 共有設定から再度招待
トラブル2:編集できない
権限が「閲覧者」になっている可能性があります。
対処法:
- フォルダの所有者に連絡
- 編集権限をリクエスト
- 所有者側での対処
- 共有設定を開く
- 該当ユーザーの権限を「編集者」に変更
- 自分の権限を確認
- フォルダ名の下に表示される
- 「閲覧者」「編集者」などの表記
トラブル3:フォルダが「制限付き」と表示される
リンク共有が「制限付き」に設定されている場合。
対処法:
- フォルダの所有者に連絡
- 所有者側での対処
- 共有設定を開く
- 「リンクを知っている全員」に変更
- または個別に招待を送る
トラブル4:容量がいっぱいになる
原因:
- 共有フォルダのファイルは、所有者の容量を消費
- 編集者が追加したファイルも所有者の容量
対処法:
- 不要なファイルを削除
- 大きなファイルを圧縮
- Google Oneで容量を追加購入
- 100GB:月額250円
- 200GB:月額380円
- 2TB:月額1,300円
- ファイルの所有権を譲渡
- 容量に余裕がある人に所有者を変更
トラブル5:誰かがファイルを削除してしまった
対処法:
- ゴミ箱を確認
- 左側メニューの「ゴミ箱」
- 削除から30日以内なら復元可能
- 復元方法
- ゴミ箱でファイルを右クリック
- 「復元」を選択
- バージョン履歴から復元
- ファイルを右クリック → 「バージョン履歴を管理」
- 以前のバージョンを復元
- 予防策
- 重要なファイルはバックアップを取る
- 編集権限を限定する
セキュリティとプライバシーの注意点
安全に共有フォルダを使うためのポイントです。
基本的なセキュリティ対策
1. 必要最小限の権限を与える
- 閲覧だけで十分なら「閲覧者」
- 編集が必要な人だけ「編集者」
2. 定期的に共有設定を見直す
- 月1回程度、誰と共有しているか確認
- 不要になった共有は解除
3. リンク共有は慎重に
- 機密情報は個別招待で
- リンクを安易に転送しない
4. 二段階認証を有効化
- Googleアカウントのセキュリティを強化
- 不正アクセスを防ぐ
機密情報の扱い
避けるべきこと:
- パスワードを共有フォルダに保存
- クレジットカード情報の共有
- マイナンバーなど個人情報の保存
- 社外秘の資料をリンク共有
推奨される方法:
- 特定のユーザーのみと共有
- 閲覧権限のみ付与
- ダウンロード・印刷・コピーを無効化
- 定期的にアクセスログを確認(Workspaceの場合)
退職者や契約終了時の対応
プロジェクトメンバーが抜ける場合。
やるべきこと:
- 共有設定から該当ユーザーを削除
- 必要に応じてファイルの所有権を譲渡
- リンク共有を使っていた場合は無効化して新しいリンクを発行
- 重要なファイルはパスワード保護
組織での利用時の注意
Google Workspaceを使っている場合。
管理者向け:
- 組織外との共有ポリシーを設定
- 共有の監査ログを確認
- データ損失防止(DLP)ルールを設定
ユーザー向け:
- 会社のポリシーを確認
- 個人アカウントとの混同に注意
- 退職時のデータ移行手順を確認
共有フォルダの便利な活用例
実際にどう使えるか、具体例を紹介します。
ビジネスシーンでの活用
プロジェクト管理:
- プロジェクトごとにフォルダ作成
- メンバー全員を編集者として招待
- 議事録、資料、スケジュールを共有
- サブフォルダで整理
取引先との資料共有:
- 取引先専用フォルダを作成
- 先方の担当者を閲覧者として招待
- 提案書、見積書、契約書を共有
- ダウンロード禁止設定で流出防止
チーム内のナレッジ共有:
- 部署やチームの共有フォルダ
- マニュアル、テンプレート、参考資料
- 新メンバーがいつでも閲覧できる
個人・家族での活用
家族の写真アルバム:
- 家族全員を編集者として招待
- 旅行やイベントの写真を共有
- 誰でも追加・ダウンロード可能
趣味のグループ:
- サークルやクラブの資料共有
- イベント写真、予定表、会計報告
- メンバー全員で情報を共有
勉強グループ:
- ゼミやサークルのノート共有
- 課題、レポート、参考資料
- 共同でまとめノートを作成
教育現場での活用
先生から生徒へ:
- クラスごとのフォルダ作成
- 授業資料、課題を配布
- 生徒は閲覧者として招待
生徒から先生へ:
- 課題提出用フォルダ
- 生徒が自分のファイルをアップロード
- 先生が添削・コメント
グループワーク:
- グループごとのフォルダ
- 共同でレポート作成
- 進捗を共有
Google Driveの容量管理
共有フォルダと容量の関係を理解しましょう。
容量の消費ルール
基本ルール:
- ファイルの所有者の容量を消費
- 共有されている人の容量は消費しない
- 共有フォルダ内にファイルを追加すると、追加した人が所有者に
例:
- Aさんが作成した写真 → Aさんの容量を消費
- Aさんの共有フォルダにBさんが写真を追加 → Bさんの容量を消費
- Bさんがその写真の所有権をAさんに譲渡 → Aさんの容量を消費
無料プランの容量
Google アカウント(無料):
- 15GBまで無料
- Gmail、Google Drive、Google フォトで共有
容量の節約方法:
- 不要なファイルを削除
- ゴミ箱を空にする
- Gmailの古いメールを削除
- Google フォトの設定を確認
Google Oneへのアップグレード
容量が足りない場合、有料プランを検討しましょう。
料金プラン:
- 100GB:月額250円
- 200GB:月額380円
- 2TB:月額1,300円
追加特典:
- Google の専門家によるサポート
- 家族との共有(最大5人)
- 追加のメンバー特典
チームドライブ(共有ドライブ)との違い
Google Workspaceには「共有ドライブ」という機能もあります。
通常の共有フォルダとの違い
共有フォルダ:
- 個人が所有
- 所有者が退職するとトラブルの可能性
- 無料アカウントでも使用可能
共有ドライブ:
- 組織が所有
- メンバーが退職しても影響なし
- Google Workspace(有料)専用
どちらを使うべきか
共有フォルダがおすすめ:
- 個人や小規模チーム
- 一時的なプロジェクト
- 無料アカウントで十分
共有ドライブがおすすめ:
- 企業や組織での利用
- 長期的なプロジェクト
- メンバーの入れ替わりが多い
まとめ:共有フォルダで効率的なコラボレーションを
Google Driveの共有フォルダは、チームワークを劇的に改善するツールです。
この記事のポイントまとめ
共有フォルダの作成:
- 新規作成または既存フォルダを共有
- 右クリック → 「共有」で設定
- メールアドレスまたはリンクで共有
権限の種類:
- 閲覧者:見るだけ
- 閲覧者(コメント可):コメント可能
- 編集者:編集・追加・削除が可能
共有方法の選択:
- 特定のユーザー:メールで招待(安全)
- リンク共有:誰でもアクセス(便利だがリスクあり)
セキュリティ対策:
- 必要最小限の権限
- 定期的に共有設定を見直し
- 機密情報はリンク共有しない
- 二段階認証を有効化
トラブル対処:
- 見つからない → 招待メール確認
- 編集できない → 権限を確認
- 削除された → ゴミ箱から復元
- 容量不足 → 不要ファイル削除
活用シーン:
- ビジネス:プロジェクト管理、資料共有
- 家族:写真アルバム、書類保管
- 教育:授業資料、課題提出
- 趣味:グループ活動、情報共有
こんな使い方がおすすめ
プロジェクトごとにフォルダ分け:
- メインフォルダ:プロジェクト名
- サブフォルダ:議事録、資料、成果物など
- 担当者ごとのフォルダも作成
権限を段階的に付与:
- 初めは閲覧者で招待
- 必要に応じて編集者に昇格
- 不要になったら解除
バックアップを忘れずに:
- 重要なファイルは定期的にダウンロード
- ローカルや別のクラウドにも保存
- 「完全にクラウド任せ」は避ける
最後に:まずは小さく始めよう
共有フォルダは、使い始めると手放せなくなる便利な機能です。
最初は家族や親しい友人との小さなプロジェクトから始めてみましょう。
慣れてきたら、職場やコミュニティでも活用してみてください。
「メールでファイルを送る」という面倒な作業から解放され、より創造的な作業に時間を使えるようになります。
この記事が、あなたのチームワークをより効率的にする手助けになれば嬉しいです。
快適な共同作業を楽しんでくださいね!
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