「共有フォルダにファイルをドラッグしても反応しない」
「アップロードボタンを押してもエラーが出る」
「他の人はアップロードできるのに、自分だけできない」
Google Driveの共有フォルダにファイルをアップロードしようとして、こんな問題に遭遇したことはありませんか?
この記事では、共有フォルダにアップロードできない原因を特定し、それぞれの解決方法を初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
アップロードできない主な原因

まず、どんな原因が考えられるか整理しましょう。
よくある原因トップ5
1. 権限の問題(最も多い)
- 閲覧者権限しかない
- 編集者権限が必要
2. 容量不足
- 自分のストレージがいっぱい
- フォルダ所有者のストレージがいっぱい
3. ブラウザやアプリの問題
- キャッシュが溜まっている
- 古いバージョンを使っている
- 拡張機能が干渉している
4. ネットワークの問題
- インターネット接続が不安定
- Wi-Fiの速度が遅い
- ファイアウォールやセキュリティソフトがブロック
5. ファイルの問題
- ファイルサイズが大きすぎる
- ファイル名に使えない文字が含まれる
- ファイル形式が対応していない
それぞれの原因と解決方法を詳しく見ていきましょう。
原因1:権限が不足している
これが最も多い原因です。
権限の種類を確認
Google Driveの共有フォルダには、3種類の権限があります。
閲覧者(Viewer):
- ファイルを見ることだけができる
- ダウンロードは可能
- アップロードはできない
閲覧者(コメント可)(Commenter):
- ファイルを見てコメントできる
- アップロードはできない
編集者(Editor):
- ファイルを見ることができる
- 編集できる
- アップロード可能
- ファイルの削除も可能
つまり、アップロードするには「編集者」権限が必要なんです。
自分の権限を確認する方法
方法1:フォルダ名で確認
- Google Driveで共有フォルダを開く
- フォルダ名の下や横を確認
- 「閲覧者」と表示されている → アップロード不可
- 「編集者」と表示されている → アップロード可能
方法2:共有設定から確認
- フォルダを右クリック
- 「共有」を選択
- 「アクセスできるユーザー」セクションで自分の名前を探す
- 横に表示されている権限を確認
権限が不足している場合の対処法
自分でできること:
- フォルダの所有者に連絡
- 編集者権限をリクエスト
- メールやチャットで依頼
- 所有者側での対処(所有者または編集権限を持つ人):
- 共有設定を開く
- 該当ユーザーの権限を「編集者」に変更
- 保存すると即座に反映される
一時的な解決策:
- 別の編集者にファイルをアップロードしてもらう
- メールで送ってアップロードを依頼
原因2:ストレージ容量が不足
容量がいっぱいだとアップロードできません。
Google Driveの容量制限
無料アカウント:
- 15GBまで無料
- Gmail、Google Drive、Google フォトで共有
- 超えるとアップロード不可
Google Workspace(有料):
- プランによって容量が異なる
- Business Starter:30GB/ユーザー
- Business Standard:2TB/ユーザー
- Business Plus:5TB/ユーザー
誰の容量が消費されるか
重要なポイントです。
ルール:
- ファイルの所有者の容量を消費
- 共有フォルダにアップロードすると、アップロードした人が所有者になる
- つまり、あなたがアップロードすると、あなたの容量を消費
例:
- Aさんの共有フォルダ
- あなたがファイルをアップロード
- → あなたの容量が減る
- Aさんの容量は減らない
容量を確認する方法
自分の容量を確認:
- Google Driveを開く
- 左下の「保存容量」を確認
- 「◯GB / 15GB使用中」と表示
- 残り容量が少ないと警告が出る
詳細を確認:
- 保存容量の部分をクリック
- 「ストレージを管理」を選択
- 何が容量を使っているか表示される
- Drive
- Gmail
- Google フォト
容量不足の解決方法
無料でできること:
- 不要なファイルを削除
- Google Drive内の大きなファイルを削除
- 削除後、ゴミ箱を空にする(重要!)
- Gmailの古いメールを削除
- 添付ファイルが大きいメールを検索
- 検索キーワード:
has:attachment larger:10M
- 不要なメールを削除
- Google フォトの設定を見直す
- 「高画質」で保存していたものを確認
- バックアップ設定を調整
- ファイルの所有権を譲渡
- 容量に余裕がある人に所有権を移す
- ファイルを右クリック → 「共有」→「所有権を譲渡」
有料オプション:
Google Oneにアップグレード:
- 100GB:月額250円
- 200GB:月額380円
- 2TB:月額1,300円
「設定」→「ストレージを購入」から申し込み可能です。
原因3:ブラウザやアプリの問題
技術的な問題が原因の場合もあります。
ブラウザのキャッシュをクリア
古いデータが溜まっていると不具合が起きます。
Google Chromeの場合:
- 右上の「︙」→「設定」
- 「プライバシーとセキュリティ」
- 「閲覧履歴データの削除」
- 期間:「全期間」を選択
- 以下にチェック:
- Cookieと他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- 「データを削除」をクリック
Safari(Mac)の場合:
- メニューバーの「Safari」→「設定」
- 「詳細」タブ
- 「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェック
- メニューバーの「開発」→「キャッシュを空にする」
別のブラウザで試す
使っているブラウザの問題かもしれません。
試してみる:
- ChromeがダメならSafari
- SafariがダメならFirefox
- それでもダメならMicrosoft Edge
動作するブラウザが見つかれば、元のブラウザの問題です。
ブラウザ拡張機能を無効化
広告ブロックなどの拡張機能が干渉することがあります。
確認方法:
- シークレットモード(プライベートブラウズ)で開く
- Chrome:Shift + Command + N(Mac)
- Safari:Shift + Command + N(Mac)
- Google Driveにアクセス
- アップロードを試す
- 成功したら拡張機能が原因
拡張機能を無効化:
- Chrome:右上の「︙」→「拡張機能」→「拡張機能を管理」
- 一つずつオフにして確認
- 原因の拡張機能を特定
Google Driveアプリの再インストール
スマートフォンやタブレットの場合。
手順:
- Google Driveアプリをアンインストール
- デバイスを再起動
- App StoreまたはGoogle Play Storeから再インストール
- ログインして再試行
ブラウザを最新版にアップデート
古いバージョンでは不具合が起きることも。
Chrome:
- 右上の「︙」→「ヘルプ」→「Google Chromeについて」
- 自動的に更新確認と更新が行われる
Safari:
- macOSのアップデートに含まれる
- 「システム設定」→「ソフトウェアアップデート」
原因4:ネットワークの問題
インターネット接続が原因の場合もあります。
インターネット接続を確認
基本的なチェック:
- 他のWebサイトが開くか確認
- Google、YouTube、ニュースサイトなど
- Wi-Fiアイコンを確認
- 画面右上(Mac)や下部(Windows)
- 接続されているか確認
- ルーターを再起動
- 電源を抜いて30秒待つ
- 再度電源を入れて接続
アップロード速度を確認
Wi-Fiの速度が遅いとアップロードに時間がかかります。
速度テスト:
- speedtest.netにアクセス
- 「GO」ボタンをクリック
- アップロード速度を確認
- 1Mbps以下:遅い(大きなファイルは困難)
- 1〜10Mbps:普通
- 10Mbps以上:快適
改善方法:
- ルーターに近づく
- 有線LAN接続に変更
- 他のデバイスの使用を控える
- Wi-Fi帯域を変更(2.4GHz→5GHz)
ファイアウォールやVPNの確認
セキュリティソフトがブロックしている可能性も。
確認方法:
- 一時的にファイアウォールを無効化
- セキュリティソフトの設定から
- アップロードを試す
- すぐに再度有効化
- VPN接続を切断
- VPNアプリをオフ
- Google Driveにアクセス
- 会社のネットワークの場合
- IT部門に相談
- 社内ポリシーでブロックされている可能性
モバイルデータ通信で試す
Wi-Fiが問題なら、別の回線で確認しましょう。
スマートフォンの場合:
- Wi-FiをオフにしてLTE/4G/5Gで試す
パソコンの場合:
- スマートフォンのテザリング機能を使用
- または別のWi-Fiネットワークで試す
原因5:ファイルの問題
ファイル自体に問題がある場合もあります。
ファイルサイズの制限
Google Driveには、ファイルサイズの上限があります。
制限:
- 個別ファイル:5TBまで(実質無制限に近い)
- ただし、アップロードには時間がかかる
- 大きなファイルはエラーになりやすい
大きなファイルの対処法:
- ファイルを圧縮
- ZIP形式で圧縮
- 動画ファイルは圧縮効果が低い
- ファイルを分割
- 複数のファイルに分ける
- 分割ツールを使用
- 別のサービスを併用
- 大容量ファイルはWeTransfer
- またはDropbox、OneDriveなど
ファイル名の問題
使えない文字が含まれていると、アップロードできないことがあります。
使えない文字:
/
(スラッシュ)\
(バックスラッシュ)<
(小なり)>
(大なり):
(コロン)"
(ダブルクォート)|
(パイプ)?
(クエスチョン)*
(アスタリスク)
対処法:
- ファイル名を変更
- 特殊文字を削除またはアンダースコア(_)に置き換え
- シンプルな名前にする
同名のファイルが存在
フォルダ内に同じ名前のファイルがあると、エラーになることも。
対処法:
- ファイル名を変更
- 日付を追加(例:報告書_2024.pdf)
- バージョン番号を追加(例:企画書_v2.docx)
- 既存ファイルを確認
- フォルダ内を検索
- 同名ファイルを探す
ファイルが破損している
ファイル自体が壊れている可能性も。
確認方法:
- 別のファイルをアップロードしてみる
- 小さなテキストファイルなどで試す
- 元のファイルを開けるか確認
- パソコンで正常に開くか
- ファイルを作り直す
- または別の場所から再ダウンロード
原因6:その他の技術的問題
その他の原因と対処法です。
Cookieの問題
Cookieが原因で認証に失敗することがあります。
対処法:
- Google Driveからログアウト
- Cookieを削除(前述の方法で)
- 再度ログイン
- アップロードを試す
アカウントの問題
複数のGoogleアカウントを使っていると混乱することも。
確認ポイント:
- 正しいアカウントでログインしているか
- 右上のアイコンをクリック
- 現在のアカウントを確認
- 招待されたアカウントと一致しているか
- 共有の招待が届いたメールアドレス
- 現在ログインしているアカウント
対処法:
- 正しいアカウントに切り替える
- または別のブラウザで正しいアカウントでログイン
一時的なサーバーエラー
Google Drive側の問題の場合も。
確認方法:
- Google Workspaceステータスダッシュボードを確認
https://www.google.com/appsstatus/dashboard/
にアクセス- Google Driveの状態を確認
- 緑色のチェックマーク:正常
- 自分の環境の問題
- 赤色や黄色の警告:障害発生中
- 復旧を待つ
対処法:
- しばらく待ってから再試行
- 30分〜1時間後に再度試す
同期の問題(デスクトップアプリ)
Google Drive デスクトップアプリを使用している場合。
対処法:
- アプリを再起動
- メニューバーのアイコンから終了
- 再度起動
- 同期を一時停止してから再開
- メニューバーのアイコン → 一時停止
- 再開
- アプリを再インストール
- アンインストール
- 公式サイトから最新版をダウンロード
段階的なトラブルシューティング
問題を効率的に解決する手順です。
ステップ1:基本的な確認
まずは簡単な確認から。
- インターネット接続を確認
- 他のサイトが開くか
- 権限を確認
- 「編集者」権限があるか
- 容量を確認
- ストレージに空きがあるか
この3つでほとんどの問題が解決します。
ステップ2:ブラウザの問題を排除
次にブラウザ関連をチェック。
- ページをリロード
- Command + R(Mac)
- Ctrl + R(Windows)
- 別のブラウザで試す
- シークレットモードで試す
- キャッシュをクリア
ステップ3:ファイルの問題を確認
ファイル自体をチェック。
- 別の小さなファイルで試す
- テキストファイルなど
- ファイル名を変更
- シンプルな名前に
- ファイルサイズを確認
- 大きすぎないか
ステップ4:ネットワークを確認
接続環境をチェック。
- ルーターを再起動
- 有線接続に変更
- 別のネットワークで試す
ステップ5:アカウントとシステム
最終確認。
- 正しいアカウントか確認
- ログアウト→ログイン
- デバイスを再起動
- Google Driveのステータスを確認
予防策とベストプラクティス
問題を未然に防ぐ方法です。
定期的なメンテナンス
月1回のチェック:
- ストレージ容量の確認
- 不要なファイルの削除
- ブラウザキャッシュのクリア
権限の事前確認
新しい共有フォルダを使う前に。
- 自分の権限を確認
- 必要なら編集者権限をリクエスト
- テストアップロードをしてみる
ファイル管理のルール
アップロード前に:
- ファイル名をシンプルに
- サイズが大きい場合は圧縮を検討
- ファイルが開けるか確認
バックアップの習慣
重要なファイルは:
- ローカルにもコピーを保存
- 別のクラウドサービスにもバックアップ
- 外付けドライブにも保存
チームでのルール作り
共同作業の場合。
決めておくこと:
- ファイル命名規則
- フォルダ構造
- アップロード時の注意事項
- 容量管理の担当者
エラーメッセージ別の対処法
具体的なエラーメッセージが出た場合の対処法です。
「権限がありません」
原因:
閲覧者権限しかない
解決策:
フォルダ所有者に編集者権限をリクエスト
「保存容量が不足しています」
原因:
ストレージがいっぱい
解決策:
- 不要なファイルを削除
- ゴミ箱を空にする
- Google Oneにアップグレード
「アップロードに失敗しました」
原因:
ネットワークまたはファイルの問題
解決策:
- インターネット接続を確認
- ファイルサイズを確認
- 別のファイルで試す
「このファイルは大きすぎます」
原因:
ファイルサイズが制限を超えている
解決策:
- ファイルを圧縮
- ファイルを分割
- 別のサービスを使用
「ネットワークエラー」
原因:
インターネット接続の問題
解決策:
- Wi-Fi接続を確認
- ルーターを再起動
- 別のネットワークで試す
まとめ:問題は必ず解決できる
Google Driveへのアップロードエラーは、原因さえ特定できれば解決できます。
この記事のポイントまとめ
主な原因トップ5:
- 権限不足(編集者権限が必要)
- 容量不足(自分または所有者の容量)
- ブラウザの問題(キャッシュ、拡張機能)
- ネットワークの問題(接続、速度)
- ファイルの問題(サイズ、名前)
基本的な確認手順:
- 権限を確認(編集者か?)
- 容量を確認(空きがあるか?)
- インターネット接続を確認
- 別のブラウザで試す
- 小さなファイルで試す
効果的な解決策:
- キャッシュをクリア
- 別のブラウザを使用
- シークレットモードで試す
- ファイル名を変更
- ルーターを再起動
- デバイスを再起動
予防策:
- 定期的に容量をチェック
- 権限を事前確認
- ファイル名はシンプルに
- 重要ファイルはバックアップ
トラブル解決のコツ
焦らず段階的に:
- 簡単な確認から始める
- 一つずつ試す
- 何が効果があったか記録
- 次回のために覚えておく
それでもダメなら:
- Google Driveヘルプフォーラムで質問
- IT部門に相談(会社の場合)
- 別のクラウドサービスを一時的に使用
最後に:諦めないで
アップロードできないと焦りますが、必ず原因があり、解決策もあります。
この記事で紹介した方法を一つずつ試してみてください。
ほとんどの場合、「権限」「容量」「ブラウザ」のどれかが原因です。
基本的な確認から始めて、段階的にトラブルシューティングしていけば、必ず解決できますよ。
快適なGoogle Driveライフを取り戻してくださいね!
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