新しいパソコンを買ったとき、「Thunderbirdのメール設定ってどうやって移せばいいの?」と困っていませんか?
実は、Thunderbirdにはプロファイルという仕組みがあって、これを丸ごと移すだけで、メールアカウントの設定から過去のメールデータまで、すべてを新しいPCに引き継げるんです。
この記事では、初めての方でも迷わないように、Thunderbirdのメール設定移行を手順ごとに分かりやすく解説していきます。
Thunderbirdの「プロファイル」って何?

プロファイルとは、Thunderbirdがあなたの設定やデータを保存している専用フォルダのこと。
このプロファイルには、次のような情報がすべて入っています。
- メールアカウントの設定(サーバー情報、パスワードなど)
- 受信トレイや送信済みメールのデータ
- アドレス帳(連絡先)
- メールフィルタや振り分けルール
- 拡張機能(アドオン)の設定
- メール署名
つまり、このプロファイルフォルダをコピーして新しいPCに持っていけば、Thunderbirdの環境をそのまま再現できるわけです。
移行前に確認しておくべきこと
作業を始める前に、以下の点をチェックしておきましょう。
1. メールの受信方式を確認する
あなたのメールアカウントはIMAPとPOPのどちらで設定されているでしょうか?
- IMAP:メールがサーバー上に保存される方式。複数の端末で同じメールを見られる
- POP:メールを端末にダウンロードする方式。サーバーからは削除されることが多い
POPで設定している場合、メールデータは旧PCにしか残っていないため、プロファイル移行が特に重要になります。
2. Thunderbirdのバージョン
新旧のPCで、できるだけ同じバージョンのThunderbirdを使うとスムーズです。
バージョンが大きく違うと、設定の互換性に問題が出る可能性があります。
【手順1】旧PCでプロファイルフォルダを探す
まずは、今使っているPCからプロファイルフォルダを取り出す作業から始めます。
Windowsの場合
- Thunderbirdを起動した状態で、メニューバーから「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」を選択
- 「プロファイルフォルダー」の項目にある「フォルダーを開く」ボタンをクリック
- プロファイルフォルダが開きます(例:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\xxxxx.default-release
)
Macの場合
- 同様に「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」を選択
- 「プロファイルフォルダー」の「Finderで表示」をクリック
- プロファイルフォルダが開きます(例:
~/Library/Thunderbird/Profiles/xxxxx.default-release
)
フォルダ名に「.default-release」や「.default」といった文字が含まれているのが目印です。
【手順2】プロファイルフォルダをバックアップする
プロファイルフォルダの親フォルダをコピー
開いたプロファイルフォルダから、1つ上の階層(Profilesフォルダ)に移動しましょう。
ここには「xxxxx.default-release」のようなフォルダが入っています。
このProfilesフォルダ全体を、USBメモリや外付けハードディスク、クラウドストレージ(Googleドライブなど)にコピーしてください。
なぜProfilesフォルダごとコピーするの?
プロファイルフォルダ単体ではなく、Profilesフォルダごとコピーすることで、複数のプロファイルがある場合にも対応できます。
また、プロファイル管理ファイル(profiles.ini)も一緒に保存できるため、移行がよりスムーズになるんです。
【手順3】新PCにThunderbirdをインストール
新しいPCで作業を始めます。
Thunderbirdをダウンロード
公式サイト(https://www.thunderbird.net/ja/)から、最新版のThunderbirdをダウンロードしてインストールしてください。
重要:初回起動時の注意点
インストール後、まだThunderbirdを起動しないでください。
先に起動してしまうと、新しいプロファイルが自動的に作られてしまい、後の作業が少し複雑になります。
【手順4】新PCにプロファイルを配置する
Windowsの場合
- エクスプローラーで次の場所を開きます
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Thunderbird
- この中に、旧PCからコピーしたProfilesフォルダを貼り付け
- 既にProfilesフォルダがある場合は、上書きまたは統合してください
Macの場合
- Finderで次の場所を開きます(移動メニューから「フォルダへ移動」で入力)
~/Library/Thunderbird
- 同様にProfilesフォルダを貼り付け
AppDataフォルダが見つからない場合
Windowsでは、AppDataフォルダは初期状態で隠しフォルダになっています。
エクスプローラーの「表示」タブで「隠しファイル」にチェックを入れると表示されます。
【手順5】Thunderbirdを起動して確認
プロファイルの配置が完了したら、Thunderbirdを起動してみましょう。
正常に移行できているかチェック
- メールアカウントが設定されているか
- 過去のメール(受信トレイ、送信済みアイテムなど)が表示されるか
- アドレス帳に連絡先が登録されているか
- フィルタ設定や振り分けルールが残っているか
- 拡張機能(アドオン)が有効になっているか
すべて問題なく表示されていれば、移行は成功です!
メール受信・送信のテストをしよう
設定が正しく移行できたか、念のためテストメールを送受信してみることをおすすめします。
送信テスト
自分の別のメールアドレス(スマホのメールなど)に、テストメールを送ってみましょう。
正常に送信できれば、送信サーバー(SMTP)の設定は問題ありません。
受信テスト
送ったテストメールに返信するか、別のアカウントから自分宛にメールを送って、受信できるか確認してください。
よくあるトラブルと解決方法
パスワードが保存されていない
プロファイルを移行しても、セキュリティ上の理由でパスワードが引き継がれないことがあります。
この場合は、Thunderbirdの設定画面から各アカウントのパスワードを再入力してください。
メールが表示されない
プロファイルフォルダを正しく配置できていない可能性があります。
もう一度、手順4を確認して、Profilesフォルダの場所が正しいかチェックしましょう。
アカウント設定がリセットされている
Thunderbirdを先に起動してしまった場合、新しいプロファイルが作られている可能性があります。
「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」から現在のプロファイルフォルダを確認し、正しいプロファイルを読み込めているか確認してください。
補足:プロファイルマネージャーを使った高度な移行方法
複数のプロファイルを使い分けたい場合や、より細かい設定をしたい方向けに、プロファイルマネージャーという機能があります。
プロファイルマネージャーの起動方法(Windows)
- Thunderbirdを完全に終了
- Windowsキー+Rで「ファイル名を指定して実行」を開く
thunderbird.exe -ProfileManager
と入力してOK- プロファイル選択画面が表示される
ここから、新しいプロファイルの作成や、既存プロファイルの切り替えができます。
ただし、通常の移行作業では、前述の手順で十分対応できるため、この方法は必要に応じて活用してください。
まとめ:Thunderbird移行は「プロファイルコピー」で簡単!
Thunderbirdのメール設定移行は、一見難しそうに見えますが、実はプロファイルフォルダをコピーするだけでほとんどの作業が完了します。
移行のポイントをおさらい
- プロファイルフォルダには、すべての設定とメールデータが保存されている
- 旧PCで「Profilesフォルダ」をバックアップ
- 新PCの適切な場所にコピー
- Thunderbirdを起動して動作確認
- 必要に応じてパスワードを再入力
この手順を踏めば、新しいPCでも今まで通りThunderbirdを使い続けられます。
メールは大切なコミュニケーションツールなので、移行作業は慎重に行いつつ、万が一に備えてバックアップは必ず取っておきましょう。
快適なメール環境で、新しいPCライフを楽しんでくださいね!
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