「Thunderbirdに保存したメールのパスワードを確認したいのに、どこを見ても表示されない…」
メールアカウントのパスワードを忘れてしまって、Thunderbirdから確認しようとしても、うまく表示できずに困っていませんか?
この記事では、Thunderbirdに保存されたパスワードを確認する方法と、確認できない場合の原因と対処法を詳しく解説していきます。
Thunderbirdのパスワード管理の仕組み

まず、Thunderbirdがどのようにパスワードを保存しているのか理解しておきましょう。
パスワードはどこに保存される?
Thunderbirdは、メールアカウントのパスワードをプロファイルフォルダ内に暗号化して保存しています。
具体的には、以下のファイルに保存されます:
logins.json
:パスワード情報が暗号化された形で記録されているkey4.db
:パスワードを暗号化・復号化するための鍵ファイル
セキュリティのための暗号化
パスワードは平文(そのままの文字)では保存されず、暗号化されています。
これは、万が一パソコンが不正アクセスされても、パスワードが簡単には盗まれないようにするためです。
パスワードを確認する基本的な方法
Thunderbird内でパスワードを確認するには、専用の画面を使います。
手順:保存されたパスワードを表示する
- Thunderbirdを起動
- 画面上部のメニューから「設定」(または「ツール」→「オプション」)を選択
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「パスワード」セクションにある「保存されたパスワード」ボタンをクリック
- 保存されたパスワード一覧が表示される
パスワードを表示させる
初期状態では、パスワードは「●●●●●」のように隠された状態で表示されます。
実際のパスワードを見る方法:
- 保存されたパスワード画面の右下にある「パスワードを表示」ボタンをクリック
- 確認メッセージが出るので「はい」を選択
- パスワードが平文で表示される
これで、登録されているメールアカウントのパスワードを確認できます。
パスワードが確認できない原因と対処法
「保存されたパスワード」を開いても、パスワードが表示されない、または空欄になっている場合があります。
原因1:マスターパスワードが設定されている
マスターパスワードとは、Thunderbirドに保存されたすべてのパスワードを保護するための、いわば「パスワードの親玉」です。
症状
保存されたパスワードを表示しようとすると、マスターパスワードの入力を求められる
対処法
マスターパスワードを覚えている場合:
- マスターパスワード入力画面で正しいパスワードを入力
- パスワード一覧が表示される
マスターパスワードを忘れた場合:
残念ながら、マスターパスワードを忘れると、保存されたパスワードは復元できません。
この場合は、後述の「パスワードをリセットする方法」を参照してください。
原因2:パスワードがそもそも保存されていない
Thunderbirdでメール設定をした際に、「パスワードを保存する」のチェックを外していた可能性があります。
症状
パスワード一覧に該当のメールアカウントが表示されない、または空欄になっている
対処法
パスワードを再入力して保存する:
- Thunderbirdでメールの受信や送信を試みる
- パスワード入力画面が表示される
- 正しいパスワードを入力
- 「パスワードマネージャーにこのパスワードを保存する」にチェックを入れる
- OKをクリック
これで、次回からパスワードが保存されます。
原因3:プロファイルファイルが破損している
パスワードを保存しているlogins.json
やkey4.db
ファイルが破損すると、パスワードが読み込めなくなります。
症状
- 保存されたパスワード画面が開かない
- 開いても何も表示されない
- エラーメッセージが出る
対処法
プロファイルファイルを再構築する:
- Thunderbirdを完全に終了
- プロファイルフォルダを開く
- Thunderbirdのメニュー「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」→「フォルダーを開く」
logins.json
とkey4.db
ファイルをバックアップ(別の場所にコピー)- これらのファイルを削除
- Thunderbirdを再起動
ただし、この方法を実行すると保存されていたすべてのパスワードが消えるため、各アカウントのパスワードを再入力する必要があります。
原因4:Thunderbirdのバージョンが古い
古いバージョンのThunderbirdでは、パスワード表示機能が制限されていることがあります。
対処法
Thunderbirdを最新版にアップデート:
- メニューから「ヘルプ」→「Thunderbirdについて」を選択
- 自動的に更新チェックが始まる
- 更新があればインストール
- 再起動後、再度パスワード確認を試す
マスターパスワードを忘れた場合の対処法
マスターパスワードを忘れてしまうと、保存されたパスワードにアクセスできなくなります。
マスターパスワードはリセットできない
残念ながら、Thunderbirdにはマスターパスワードを「リセット」する機能はありません。
これはセキュリティを保つための仕様です。
強制的にパスワードをリセットする方法
保存されたパスワードをすべて削除することで、マスターパスワードも無効化できます。
手順:
- Thunderbirdを完全に終了
- プロファイルフォルダを開く
- 以下のファイルを削除(削除前にバックアップ推奨)
key4.db
logins.json
- Thunderbirdを再起動
この方法を使うと、マスターパスワードは解除されますが、保存されていたすべてのアカウントパスワードも消えます。
再度、各メールアカウントのパスワードを手動で入力する必要があります。
パスワードを確認できない時の代替手段
Thunderbirdでパスワードが確認できない場合、他の方法でパスワードを知る方法があります。
方法1:メールサービスのWebサイトでパスワードリセット
メールアカウントのパスワードを完全に忘れてしまった場合、メールサービスの公式サイトでパスワードをリセットしましょう。
Gmail、Yahoo!、Outlookなどの場合:
- ブラウザでメールサービスのログイン画面を開く
- 「パスワードを忘れた場合」をクリック
- 本人確認(電話番号、予備のメールアドレスなど)を行う
- 新しいパスワードを設定
- 新しいパスワードをThunderbirdに入力
方法2:ブラウザの保存パスワードを確認
ブラウザ(Chrome、Firefox、Edgeなど)にパスワードを保存している場合、そこから確認できます。
Chromeの場合:
- Chromeを開く
- 右上のメニュー「︙」→「設定」
- 「自動入力とパスワード」→「Google パスワード マネージャー」
- 保存されたパスワード一覧から該当のメールアカウントを探す
- 「目のアイコン」をクリックしてパスワードを表示
Firefoxの場合:
- Firefoxを開く
- メニュー「≡」→「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「ログインとパスワード」の「保存されているログイン情報」をクリック
- 該当サイトを探して「パスワードを表示」をクリック
方法3:パスワード管理アプリを使う
1Password、LastPass、Bitwardenなどのパスワード管理アプリを使っている場合、そこから確認できます。
パスワード管理アプリは、すべてのパスワードを一元管理できて便利なので、まだ使っていない方にはおすすめです。
パスワードを安全に管理するコツ
今後パスワードで困らないよう、適切な管理方法を紹介します。
1. パスワードマネージャーを活用する
パスワードマネージャーとは、すべてのパスワードを安全に保存・管理できる専用アプリのこと。
主な利点:
- 複雑なパスワードを自動生成できる
- すべてのパスワードを一箇所で管理
- 自動入力機能で入力の手間が省ける
- マスターパスワード1つだけ覚えればOK
おすすめのパスワードマネージャー:
- 1Password(有料、高機能)
- Bitwarden(無料プランあり、オープンソース)
- LastPass(無料プランあり)
2. パスワードをメモに残す(物理的に)
デジタル管理が不安な方は、紙のメモに書いて、安全な場所(鍵付き引き出しなど)に保管する方法もあります。
ただし、紛失や盗難のリスクもあるため、保管場所には注意してください。
3. 定期的なバックアップ
Thunderbirdのプロファイルフォルダを定期的にバックアップしておくと、万が一の時も安心です。
バックアップには以下が含まれます:
- メールデータ
- 保存されたパスワード
- アカウント設定
- アドレス帳
セキュリティ上の注意点
パスワードを確認・管理する際は、セキュリティにも気を配りましょう。
マスターパスワードを設定する
Thunderbirdのマスターパスワード機能を使えば、万が一パソコンを他人に使われても、パスワードが流出しません。
設定方法:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「マスターパスワードを使用する」にチェック
- 任意のマスターパスワードを設定
マスターパスワードは、絶対に忘れないように、安全な場所にメモしておきましょう。
パスワードの使い回しを避ける
複数のサービスで同じパスワードを使い回すのは危険です。
1つのサービスから情報が漏れると、他のサービスも芋づる式に不正アクセスされる可能性があります。
各サービスごとに、異なる強固なパスワードを設定しましょう。
怪しいリンクやメールに注意
フィッシング詐欺メールで、偽のログイン画面にパスワードを入力してしまうと、アカウントが乗っ取られます。
メール内のリンクをクリックする前に、送信元のメールアドレスやURLをしっかり確認してください。
よくある質問
Q. Thunderbirdのパスワードを表示しても「*」のまま見られない
「パスワードを表示」ボタンをクリックしていない可能性があります。
保存されたパスワード画面の下部にある「パスワードを表示」ボタンを押すと、実際のパスワードが表示されます。
Q. 保存されたパスワード一覧に何も表示されない
パスワードがそもそも保存されていないか、プロファイルファイルが破損している可能性があります。
メール受信時にパスワードを求められたら、「パスワードマネージャーにこのパスワードを保存する」にチェックを入れて保存してください。
Q. Thunderbirdのパスワードをエクスポートできる?
Thunderbird自体にパスワードのエクスポート機能はありませんが、プロファイルフォルダ内のlogins.json
ファイルをバックアップすることで、間接的に保存できます。
ただし、このファイルは暗号化されているため、別のPCで使うには対応するkey4.db
ファイルも必要です。
まとめ:パスワード確認できない時は段階的に対処しよう
Thunderbirdで保存したパスワードが確認できない問題は、原因によって対処法が異なります。
解決の流れ:
- 基本の確認方法を試す:「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「保存されたパスワード」
- マスターパスワードの確認:設定されている場合は入力が必要
- パスワードが保存されているか確認:保存し忘れていないか
- プロファイルファイルの確認:破損している場合は再構築
- 代替手段を使う:メールサービスでリセット、ブラウザから確認
パスワードは、今後の管理も重要です。
パスワードマネージャーを活用したり、安全な場所にメモを残したりして、いざという時に困らないよう備えておきましょう。
そして、マスターパスワードを設定する場合は、絶対に忘れないようにすることが何より大切です!
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