「WindowsのパソコンでAndroidアプリを使いたい」
Windows 11には、WSA(Windows Subsystem for Android)という機能があり、PCでAndroidアプリを直接実行できるようになっています。
スマホゲームをPCの大画面で楽しんだり、モバイル専用アプリをパソコンで使ったりと、便利な使い方ができます。
この記事では、WSAの基本から使い方、注意点まで詳しく解説していきます。
重要なお知らせ:
Microsoft は 2024年3月に、WSAのサポート終了を発表しました。2025年3月5日をもってAmazon Appstoreとすべてのアプリとアプリ内購入へのサポートが終了しています。既存ユーザーは2025年3月まで使用できましたが、新規インストールはできなくなっています。
WSA(Windows Subsystem for Android)とは

まず、WSAの基本を理解しておきましょう。
WSAの正式名称と定義
WSA(Windows Subsystem for Android)は、Windows 11上でAndroidアプリを実行できるようにするMicrosoft公式の機能です。
日本語では「Windows Subsystem for Android」または「Androidサブシステム」と呼ばれます。
簡単に言うと
WSAを使えば、WindowsのパソコンでAndroidのアプリやゲームが動かせるようになります。
身近な例え:
スマホの中身をパソコンに持ってきたようなイメージです。
Android専用のアプリが、Windowsの普通のソフトウェアのように使えます。
どんなことができる?
WSAでできること:
- Androidのゲームをパソコンでプレイ
- モバイル専用のアプリ(SNS、メッセンジャーなど)をPCで使用
- スマホとPCでファイルを簡単に共有
- PCのキーボード・マウスでAndroidアプリを操作
WSAとエミュレーターの違い
Android エミュレーター(BlueStacksなど)との違いを理解しましょう。
WSAの特徴
メリット:
- Microsoft公式:安全性が高い
- Windows 11に統合:シームレスな動作
- 軽量:システムリソースを効率的に使用
- 仮想化技術:Hyper-Vベースで高速動作
デメリット:
- Windows 11専用(Windows 10では使えない)
- サポート終了済み(2025年3月)
- Google Playストアは非公式手段でのみ利用可能
サードパーティ製エミュレーター
代表例:
- BlueStacks
- NoxPlayer
- MEmu
- LDPlayer
メリット:
- Windows 10でも使える
- Google Playストアが標準で使える
- 引き続きサポートされている
デメリット:
- 動作が重いことがある
- 広告が表示される場合がある
- セキュリティリスク(サードパーティ製)
WSAのシステム要件

WSAを使うには、パソコンが一定の条件を満たす必要があります。
必須要件
OS:
- Windows 11(Windows 10では使用不可)
- 64ビット版のみ対応
プロセッサ(CPU):
- Intel Core i3第8世代(Kaby Lake Refresh)以上
- AMD Ryzen 3000シリーズ以上
- Qualcomm Snapdragon 8cx Gen 2以上
メモリ(RAM):
- 最低8GB(16GB推奨)
ストレージ:
- SSD推奨
- 空き容量10GB以上
その他:
- 仮想化技術が有効になっている(BIOS/UEFI設定)
- 仮想マシンプラットフォーム機能が有効
確認方法
Windows 11の確認:
- 設定→「システム」→「バージョン情報」
- 「エディション」で確認
仮想化の確認:
- タスクマネージャーを開く(Ctrl+Shift+Esc)
- 「パフォーマンス」タブ→「CPU」
- 「仮想化」の項目が「有効」になっているか確認
WSAのインストール方法(サポート終了前の情報)
注意:WSAは2025年3月にサポート終了しており、新規インストールはできなくなっています。
以下は参考情報として、過去のインストール方法を記載します。
Microsoft Storeからのインストール(公式・終了済み)
手順(過去の方法):
- Microsoft Storeを開く
- 検索ボックスに「Amazon Appstore」と入力
- 検索結果から「Amazon Appstore」を選択
- 「入手」ボタンをクリック
- Windows Subsystem for Androidが自動的にインストールされる
- インストール完了後、再起動が必要な場合がある
初回セットアップ
インストール後の初回起動時:
- Amazon Appstoreが起動
- Amazonアカウントでサインインを求められる
- アカウント情報を入力
- 利用規約に同意
- セットアップ完了
WSAの基本的な使い方(参考情報)
以下は、WSAがサポートされていた時期の使い方です。
Androidアプリのインストール
Amazon Appstore経由:
- Amazon Appstoreを開く
- インストールしたいアプリを検索
- 「入手」または「インストール」をクリック
- ダウンロードとインストールが自動的に開始
- インストール完了後、スタートメニューからアプリを起動
アプリの起動と操作
起動方法:
- スタートメニューから直接起動
- タスクバーにピン留めして素早くアクセス
操作方法:
- マウス:タップやスワイプ操作が可能
- キーボード:テキスト入力や一部ゲームの操作
- タッチパッド:ジェスチャー操作
ファイルの共有
WindowsとAndroidアプリ間でファイルを共有できました。
共有フォルダの場所:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Packages\MicrosoftCorporationII.WindowsSubsystemForAndroid_8wekyb3d8bbwe\LocalCache\Userdata
このフォルダにファイルを置くと、Androidアプリからアクセスできました。
WSA設定のカスタマイズ(参考情報)
WSAには、詳細なカスタマイズ設定がありました。
WSA設定画面を開く
手順:
- スタートメニューで「Windows Subsystem for Android」を検索
- 「Windows Subsystem for Android の設定」を開く
主要な設定項目
サブシステムリソース:
- 必要に応じて:使用時のみWSAを起動(省リソース)
- 継続的に:常にWSAを起動(素早い起動)
- 起動しない:WSAを完全に停止
開発者向けオプション:
- 開発者モードの有効化
- ADB(Android Debug Bridge)への接続
- IPアドレスの表示
ネットワーク設定:
- ネットワークアクセスの許可
- プライバシー設定
サポート終了後の代替手段

WSAのサポート終了により、以下の代替方法が推奨されます。
代替案1:Androidエミュレーター
BlueStacks(最も人気):
- 公式サイト:https://www.bluestacks.com/
- 特徴:軽量、高速、Google Play対応
- 用途:ゲーム、一般アプリ全般
NoxPlayer:
- 特徴:マルチインスタンス対応
- 用途:複数のAndroidを同時実行したい場合
LDPlayer:
- 特徴:ゲーム特化
- 用途:モバイルゲームのプレイ
代替案2:Google Play Games(PC版)
Googleが提供するPC向けのAndroidゲームプラットフォーム。
特徴:
- Google公式
- ゲームに特化
- Windows 10/11対応
利用方法:
- 公式サイトからダウンロード
- Googleアカウントでログイン
- 対応ゲームをプレイ
制限:
- ゲーム専用(一般アプリは不可)
- 対応タイトルが限定的
代替案3:スマホとPCの連携機能
Windows「スマホ連動」機能:
- AndroidスマホとWindows PCを連携
- 通知の同期
- メッセージの送受信
- 画面ミラーリング
完全なアプリ実行ではありませんが、多くの用途をカバーできます。
WSAに関するよくあった問題(参考)
過去にWSAを使用していた際の一般的な問題です。
問題1:インストールできない
原因:
- システム要件を満たしていない
- 仮想化が無効になっている
対処法:
- BIOS/UEFIで仮想化技術(Intel VT-x、AMD-V)を有効化
- Windows機能で「仮想マシンプラットフォーム」を有効化
問題2:アプリが起動しない
原因:
- WSAが正しく起動していない
- アプリの互換性問題
対処法:
- WSA設定でサブシステムを再起動
- Windowsを再起動
- アプリを再インストール
問題3:動作が重い・カクカクする
原因:
- メモリ不足
- CPUパワー不足
対処法:
- 他のアプリを閉じてメモリを解放
- WSA設定でリソース割り当てを調整
- グラフィック設定を下げる
問題4:Google Playストアが使えない
理由:
WSAは公式にはAmazon Appstoreのみをサポートしていました。
Google Playを使うには、非公式な手段(APKインストール、サイドローディング)が必要でしたが、これにはセキュリティリスクが伴いました。
セキュリティとプライバシー
WSA使用時のセキュリティ面の注意点です。
Microsoft公式の利点
WSAのセキュリティ:
- Microsoftによる公式サポート(終了前)
- Windows 11のセキュリティ機能と統合
- サンドボックス環境で実行
注意すべきポイント
非公式APKのインストール:
信頼できないソースからのAPK(Androidアプリファイル)インストールは、マルウェアのリスクがあります。
推奨事項:
- 公式ストア(Amazon Appstore)からのみインストール
- 不明なソースからのAPKは避ける
- ウイルス対策ソフトを最新に保つ
よくある質問
Q. WSAはまだ使えますか?
A. 2025年3月にサポート終了しており、新規インストールはできません。
既にインストール済みのユーザーも、Amazon Appstoreへのアクセスが終了しているため、新しいアプリのインストールはできません。
Q. Windows 10でWSAは使えますか?
A. いいえ、Windows 11専用でした。
Windows 10では、サードパーティ製のAndroidエミュレーターを使用する必要があります。
Q. WSAでGoogle Playは使えましたか?
A. 公式にはAmazon Appstoreのみ対応していました。
非公式な方法でGoogle Playをインストールすることは技術的には可能でしたが、Microsoftのサポート対象外であり、セキュリティリスクも伴いました。
Q. WSAは無料ですか?
A. はい、WSA自体は無料でした。
ただし、一部のAndroidアプリ内課金や有料アプリには別途費用がかかりました。
Q. WSAのアンインストール方法は?
A. 設定から削除できます。
- 設定→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「Windows Subsystem for Android」を探す
- 「…」→「アンインストール」
Q. サポート終了後、代わりに何を使えば良い?
A. BlueStacksなどのエミュレーターがおすすめです。
- ゲーム用:BlueStacks、LDPlayer
- 一般アプリ:BlueStacks、NoxPlayer
- Google公式:Google Play Games(ゲーム専用)
まとめ:WSAの代替手段で引き続きAndroidアプリを楽しもう
Windows Subsystem for Androidは、革新的な機能でしたが、2025年3月にサポート終了となりました。
WSAの特徴(過去):
- Windows 11でAndroidアプリを実行
- Microsoft公式の安全な環境
- Amazon Appstore経由でアプリインストール
- 軽量で高速な動作
サポート終了の影響:
- 新規インストール不可
- Amazon Appstoreへのアクセス終了
- 既存アプリも徐々に動作不良の可能性
代替手段:
- BlueStacks:最も人気のあるエミュレーター
- Google Play Games:ゲーム専用の公式ソリューション
- NoxPlayer、LDPlayer:ゲーム特化型
- スマホ連動機能:一部機能の代替
今後の選択:
WSAのサポート終了により、WindowsでAndroidアプリを使いたい場合は、上記の代替手段から自分の用途に合ったものを選びましょう。
特にBlueStacksは、Windows 10/11両対応で、Google Playストアも使えるため、最も包括的な代替手段となっています。
この記事を参考に、自分に合ったAndroidアプリ実行環境を見つけてくださいね!
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