「Macを売りたいけど、『探す』機能はオフにした方がいいの?」
Macを手放す前や修理に出す前には、「探す(Find My)」機能をオフにする必要があります。
この機能を有効にしたまま譲渡すると、新しい所有者がMacを使えなくなったり、あなたの位置情報が漏れたりする可能性があるため、正しい手順でオフにすることが重要です。
この記事では、Mac の「探す」機能をオフにする方法と、売却・譲渡時の注意点を詳しく解説していきます。
「探す(Find My)」機能とは

まず、「探す」機能について基本を理解しておきましょう。
「探す」機能の定義
「探す(Find My)」は、紛失したり盗まれたりしたAppleデバイスの位置を特定し、遠隔操作できるApple公式のセキュリティ機能です。
以前は「iPhoneを探す」「Macを探す」など別々でしたが、現在は「探す」に統一されています。
できること
「探す」機能を有効にしていると、以下のことができます:
位置情報の確認:
- 別のデバイス(iPhone、iPad、他のMacなど)から、Macの現在位置を地図で確認できる
サウンド再生:
- Macから音を鳴らして、家の中などで見つけやすくする
紛失モード:
- Macをロックし、画面にメッセージや連絡先を表示
- 悪意のある第三者が使えないようにする
リモートでデータ消去:
- 遠隔操作でMac内のすべてのデータを削除
- 盗難時などに個人情報を守る
アクティベーションロック:
- Apple IDとパスワードなしでは、Macを初期化・再アクティベートできないようにする
なぜオフにする必要があるのか
売却・譲渡する場合:
- 「探す」がオンのままだと、新しい所有者がMacをセットアップできない
- アクティベーションロックがかかり、あなたのApple IDでしかロック解除できない
修理に出す場合:
- 修理業者が動作確認できない可能性がある
- Apple公式の修理では、事前にオフにするよう求められることが多い
プライバシー保護:
- 位置情報の追跡を停止
- デバイスの所有権を完全に手放す
「探す」をオフにする前の重要な確認事項
機能をオフにする前に、必ず確認すべきことがあります。
確認1:Apple IDとパスワードを確認
「探す」をオフにするには、Apple IDのパスワードが必要です。
パスワードを忘れた場合:
- Apple ID管理ページ(https://appleid.apple.com/)にアクセス
- 「Apple IDまたはパスワードをお忘れですか?」をクリック
- パスワードリセット手順に従う
確認2:バックアップを取る
売却・譲渡する場合、データを消去する前に必ずバックアップを取りましょう。
バックアップ方法:
- Time Machine:外付けドライブに完全バックアップ
- iCloud:重要なファイルをiCloud Driveに保存
- 手動コピー:必要なファイルを外部ストレージにコピー
確認3:他のデバイスへの影響を理解する
「探す」をオフにすると、以下の影響があります:
- そのMacの位置情報が他のデバイスから見られなくなる
- 他のAppleデバイス(iPhone、iPad、AirPodsなど)の「探す」機能には影響しない
- ファミリー共有で位置情報を共有している場合、そのMacの情報が表示されなくなる
Mac「探す」機能をオフにする方法
具体的な手順を詳しく解説します。
方法1:システム設定から直接オフにする(推奨)
手順(macOS Ventura以降):
- 画面左上のAppleメニュー()をクリック
- 「システム設定」を選択
- 左側のサイドバーで、一番上の自分の名前(Apple ID)をクリック
- 右側に表示される項目から「iCloud」を選択
- 下にスクロールして「”探す”を表示」をクリック
- 「”探す”を使用」のトグルスイッチをオフにする
- Apple IDのパスワード入力を求められるので、入力して「続ける」
- 確認画面で「オフにする」をクリック
手順(macOS Monterey以前):
- Appleメニュー→「システム環境設定」
- 「Apple ID」をクリック
- 左側のサイドバーで「iCloud」を選択
- 「”探す”」のチェックを外す
- Apple IDのパスワードを入力
- 「オフにする」を選択
方法2:iCloudから完全にサインアウト(完全消去の場合)
Macを売却・譲渡する場合、iCloudから完全にサインアウトすることで、「探す」も自動的にオフになります。
手順:
- システム設定→Apple ID
- 画面下部の「サインアウト」をクリック
- Macに残すデータを選択(通常は何も残さない)
- Apple IDのパスワードを入力
- 「サインアウト」を確認
この方法で、「探す」を含むすべてのiCloud機能が無効になります。
方法3:Web経由でリモート削除(Macが手元にない場合)
すでにMacを手放してしまった場合、iCloud.comから削除できます。
手順:
- ブラウザで https://www.icloud.com/ にアクセス
- Apple IDでサインイン
- 「探す」アプリをクリック
- 「すべてのデバイス」から該当のMacを選択
- 「アカウントから削除」をクリック
- 確認して削除
注意:
この方法では、Mac側で「探す」が有効なままなので、新しい所有者が使用する際にアクティベーションロックがかかる可能性があります。可能な限り、Mac本体から直接オフにしましょう。
「探す」がオフにできない場合の対処法
うまくオフにできない時のトラブルシューティングです。
問題1:パスワードが認証されない
症状:
正しいパスワードを入力しても「パスワードが正しくありません」と表示される
対処法:
原因1:パスワードが間違っている
- 大文字・小文字を正確に入力
- Apple ID管理ページでパスワードを確認・リセット
原因2:2ファクタ認証の問題
- 2ファクタ認証が有効な場合、信頼できるデバイスに送られる確認コードも必要
- iPhoneなど他のデバイスで確認コードを受け取る
原因3:キーボード配列の問題
- 日本語キーボードと英語キーボードの切り替えを確認
- 数字キーの入力モードを確認
問題2:「探す」の項目が表示されない
対処法:
- インターネット接続を確認
- macOSを最新版にアップデート
- Macを再起動してから再試行
問題3:「この操作を完了できませんでした」エラー
対処法:
手順1:ネットワーク接続を確認
- Wi-Fiまたは有線LANでインターネットに接続されているか確認
手順2:Appleのサーバー状態を確認
- Appleシステム状況ページ(https://www.apple.com/jp/support/systemstatus/)で「iCloud」と「探す」のステータスを確認
手順3:再起動してから再試行
- Macを再起動
- 再度オフにする手順を実行
問題4:ファームウェアパスワードがかかっている
企業支給のMacなど、ファームウェアパスワードが設定されている場合、IT部門に連絡して解除してもらう必要があります。
Mac売却・譲渡時の完全な手順

「探す」をオフにするだけでなく、安全に譲渡するための全手順です。
ステップ1:バックアップを取る
Time Machineでバックアップ:
- 外付けドライブを接続
- システム設定→「Time Machine」
- 「今すぐバックアップを作成」
ステップ2:iCloudからサインアウト
手順:
- システム設定→Apple ID→「サインアウト」
- Macに残すデータのチェックをすべて外す
- Apple IDパスワードを入力
- サインアウト
これで「探す」も自動的にオフになります。
ステップ3:Bluetoothペアリングを解除
手順:
- システム設定→「Bluetooth」
- ペアリング済みのデバイス(マウス、キーボード、ヘッドフォンなど)を削除
ステップ4:NVRAMをリセット
手順:
- Macをシャットダウン
- 電源を入れてすぐにOption + Command + P + Rキーを同時に押し続ける
- 約20秒後、起動音が2回鳴ったら(またはAppleロゴが2回表示されたら)キーを放す
ステップ5:macOSを再インストール
手順(Intelプロセッサ搭載Mac):
- Macを再起動
- Command + Rキーを押し続けてmacOSリカバリーを起動
- 「ディスクユーティリティ」を選択
- 内蔵ドライブを選択して「消去」
- 戻って「macOSを再インストール」を選択
手順(Apple Silicon搭載Mac – M1/M2/M3など):
- Macをシャットダウン
- 電源ボタンを長押しして起動オプションを表示
- 「オプション」→「続ける」
- ディスクユーティリティでドライブを消去
- macOSを再インストール
ステップ6:セットアップアシスタントを終了しない
再インストール後、セットアップアシスタントが起動しますが、ここで進めずに終了します。
手順:
- 「ようこそ」画面でCommand + Qキーを押す
- 「シャットダウン」を選択
これで、新しい所有者が初期セットアップから始められる状態になります。
「探す」を再度オンにする方法
何らかの理由でオフにした後、再度有効にしたい場合の手順です。
再有効化の手順
手順:
- システム設定→Apple ID→「iCloud」
- 「”探す”を表示」をクリック
- 「”探す”を使用」をオンにする
- 必要に応じて「”探す” ネットワーク」と「位置情報を送信」もオンにする
推奨設定
「”探す” ネットワーク」をオン:
- 電源オフやオフライン状態でも、近くの他のAppleデバイス経由で位置情報を送信
- 紛失時の発見率が高まる
「位置情報を送信」をオン:
- バッテリー残量が少なくなった時、自動的に位置情報を送信
- シャットダウン前の最後の位置を記録
セキュリティとプライバシーの考慮事項
「探す」機能に関するセキュリティ面の注意点です。
オフにすることのリスク
紛失時に見つけられない:
- 「探す」をオフにすると、Macを紛失した時に位置を特定できない
- 盗難時の遠隔データ消去もできない
アクティベーションロックが無効:
- 第三者が簡単にMacを初期化して使用できる
- 盗難の抑止力が低下
オンにすることのメリット
盗難・紛失対策:
- 万が一の時にMacの位置を特定できる
- 遠隔でロックやデータ消去が可能
アクティベーションロック:
- Apple IDなしではMacを使えないため、盗難の抑止力になる
プライバシーへの配慮
位置情報の取り扱い:
- 位置情報はエンドツーエンド暗号化されている
- Appleでも内容を見ることはできない
ファミリー共有の注意:
- ファミリー共有で位置情報を共有している場合、家族にMacの位置が見られる
- プライバシーが気になる場合は、位置情報の共有を個別に設定
よくある質問
Q. 「探す」をオフにすると、他のAppleデバイスにも影響する?
A. いいえ、影響しません。
各デバイスごとに「探す」機能は独立しています。Macでオフにしても、iPhoneやiPadの「探す」は有効なままです。
Q. Mac売却後、新しい所有者がアクティベーションロックで困っている
A. iCloud.comからデバイスを削除してください。
- https://www.icloud.com/ にアクセス
- 「探す」→「すべてのデバイス」
- 該当のMacを選択→「アカウントから削除」
これでアクティベーションロックが解除されます。
Q. 「探す」をオフにしたら、iCloudのデータも消える?
A. いいえ、消えません。
「探す」をオフにしても、iCloud DriveやiCloud写真などのデータは消えません。
ただし、iCloudから完全にサインアウトした場合、Mac上のiCloudデータが削除される可能性があります(サインアウト時に選択可能)。
Q. 修理に出す前に必ず「探す」をオフにする必要がある?
A. Apple公式修理では推奨されています。
Apple StoreやApple正規サービスプロバイダでは、修理前に「探す」をオフにするよう求められることが多いです。
サードパーティの修理店では、ケースバイケースですが、念のためオフにしておくと安心です。
Q. 「探す」がオフにできない場合、強制的にオフにする方法は?
A. 正規の方法でのみオフにすべきです。
強制的にオフにする裏技は存在しますが、セキュリティ上の理由から推奨されません。
どうしてもオフにできない場合は、Appleサポートに連絡して対処方法を確認してください。
まとめ:「探す」は正しい手順でオフにしよう
Mac の「探す」機能は、紛失・盗難対策として重要ですが、売却・譲渡時には必ずオフにする必要があります。
「探す」をオフにする手順:
- システム設定→Apple ID→iCloud
- 「”探す”を表示」→「”探す”を使用」をオフ
- Apple IDパスワードを入力して確認
売却・譲渡時の完全手順:
- Time Machineでバックアップ
- iCloudからサインアウト(「探す」も自動オフ)
- Bluetoothペアリング解除
- NVRAMリセット
- macOS再インストール
- セットアップアシスタントは完了させない
トラブル時の対処:
- パスワードが認証されない→2ファクタ認証の確認
- オフにできない→再起動してから再試行
- すでに譲渡済み→iCloud.comから削除
セキュリティの考慮:
- オフにすると紛失時に追跡できない
- 売却・修理以外では有効のまま推奨
- プライバシーはエンドツーエンド暗号化で保護
「探す」機能は、Macのセキュリティを守る重要な機能です。
普段は有効にしておき、必要な時だけ正しい手順でオフにするようにしましょう。
この記事を参考に、安全にMacを手放したり、トラブルなく管理してくださいね!
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