Thunderbirdのメールをエクスポートする方法|バックアップから移行まで完全解説

プログラミング・IT

「パソコンを買い替えるので、メールデータを移したい」「大事なメールをバックアップしておきたい」「別のメールソフトに乗り換えたい」

そんな時に必要なのが、メールのエクスポートです。

Thunderbirdには、メールやアドレス帳、設定情報をエクスポートする機能が備わっています。ただし、目的によって最適な方法が異なるんです。

この記事では、Thunderbirdからメールをエクスポートする様々な方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。あなたの目的に合った方法がきっと見つかりますよ!


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  1. エクスポートとは?バックアップとの違い
    1. エクスポートとは
    2. バックアップとは
    3. どちらを選ぶべき?
  2. エクスポート方法は4種類ある
    1. 方法1:個別メールをEML形式でエクスポート
    2. 方法2:フォルダ全体をmbox形式でエクスポート
    3. 方法3:アドオンを使った一括エクスポート
    4. 方法4:プロファイル全体のバックアップ
  3. 方法1:個別メールをEML形式で保存
    1. ステップ1:保存したいメールを選択
    2. ステップ2:メールをドラッグ&ドロップ
    3. もう一つの方法:右クリックから保存
  4. 方法2:フォルダ全体をエクスポート
    1. ImportExportTools NGアドオンのインストール
    2. フォルダをエクスポートする手順
    3. mbox形式とEML形式の違い
  5. 方法3:アドレス帳をエクスポート
    1. ステップ1:アドレス帳を開く
    2. ステップ2:エクスポート形式を選択
    3. おすすめの形式
  6. 方法4:プロファイル全体をバックアップ
    1. プロファイルフォルダの場所を確認
    2. プロファイルをコピーする手順
    3. プロファイルに含まれる内容
  7. 新しいパソコンでメールを復元する方法
    1. EMLファイルの復元
    2. mboxファイルの復元
    3. プロファイル全体の復元
  8. 他のメールソフトへの移行
    1. Outlook(Windows)への移行
    2. Apple Mail(Mac)への移行
    3. Gmail(Webメール)への移行
  9. エクスポート時の注意点
    1. 1. エクスポート前の準備
    2. 2. 大量のメールをエクスポートする場合
    3. 3. 添付ファイル付きメールの扱い
    4. 4. データの保管場所
  10. エクスポートがうまくいかない時の対処法
    1. 問題1:ファイルが保存できない
    2. 問題2:エクスポートが途中で止まる
    3. 問題3:アドオンがインストールできない
  11. エクスポートファイルの管理方法
    1. ファイル名の付け方
    2. フォルダ構造の例
    3. 定期的なバックアップスケジュール
  12. よくある質問
    1. Q1. エクスポートしたメールは何年くらい保管できますか?
    2. Q2. エクスポートすると、元のメールは消えますか?
    3. Q3. エクスポートしたファイルをスマホで見られますか?
    4. Q4. 何GB分のメールもエクスポートできますか?
  13. 企業での利用時の注意点
    1. 情報セキュリティの観点
    2. 退職時のメール処理
  14. まとめ:目的に合った方法を選ぼう

エクスポートとは?バックアップとの違い

まずは基本的な用語を確認しましょう。

エクスポートとは

エクスポートは、データを外部ファイルとして書き出すこと。

簡単に言えば、Thunderbirdの中にあるメールを、別のファイルとして保存する作業です。

バックアップとは

バックアップは、データ全体をコピーして保存すること。

Thunderbirdの場合、プロファイルフォルダ全体をコピーする方法が一般的です。

どちらを選ぶべき?

エクスポートが向いているケース:

  • 特定のメールだけを保存したい
  • 他のメールソフトにデータを移行したい
  • 長期保管用のファイルを作りたい

バックアップが向いているケース:

  • すべてのデータを丸ごと保存したい
  • 同じThunderbirdで復元する予定
  • 設定情報も含めて保存したい

エクスポート方法は4種類ある

Thunderbirdでは、目的に応じて複数のエクスポート方法が使えます。

方法1:個別メールをEML形式でエクスポート

特徴:

  • 1通ずつメールを保存できる
  • 最もシンプルな方法
  • 他のメールソフトでも開ける

向いているケース:

  • 特定の重要なメールだけを保存したい
  • 取引先とのやり取りを記録したい

方法2:フォルダ全体をmbox形式でエクスポート

特徴:

  • フォルダ単位でまとめて保存
  • Thunderbirdの標準形式
  • 大量のメールを一度に処理できる

向いているケース:

  • プロジェクト単位でメールを保存
  • 年度ごとにアーカイブを作成

方法3:アドオンを使った一括エクスポート

特徴:

  • より柔軟なエクスポートが可能
  • 様々な形式に対応
  • 設定のカスタマイズができる

向いているケース:

  • Outlookなど他のソフトへの移行
  • 特殊な形式での保存が必要

方法4:プロファイル全体のバックアップ

特徴:

  • すべてのデータを一括保存
  • 設定情報も含まれる
  • 最も確実な方法

向いているケース:

  • パソコンの買い替え
  • システムの再インストール前
  • 完全なバックアップが必要な時

方法1:個別メールをEML形式で保存

最もシンプルな方法から解説します。

ステップ1:保存したいメールを選択

  1. Thunderbirdを起動
  2. 左側のフォルダツリーから該当フォルダを開く
  3. 保存したいメールをクリックして選択

複数のメールを選択する場合:

  • 連続した複数:最初のメールをクリック → Shiftを押しながら最後のメールをクリック
  • 飛び飛びの複数:Ctrl(MacはCommand)を押しながら各メールをクリック

ステップ2:メールをドラッグ&ドロップ

  1. 選択したメールをドラッグ
  2. エクスプローラー(Macの場合はFinder)の保存先フォルダにドロップ
  3. 自動的に.eml形式で保存される

EML形式とは?

メール1通を1つのファイルとして保存する標準的な形式。ほとんどのメールソフトで開けます。

もう一つの方法:右クリックから保存

  1. メールを右クリック
  2. 「名前を付けて保存」を選択
  3. 保存場所とファイル名を指定
  4. 「保存」をクリック

方法2:フォルダ全体をエクスポート

大量のメールを一度に保存する方法です。

ImportExportTools NGアドオンのインストール

この方法には、専用のアドオンが必要です。

インストール手順:

  1. メニューから「アドオンとテーマ」を開く
  2. 検索ボックスに「ImportExportTools NG」と入力
  3. 検索結果から選んで「Thunderbirdに追加」をクリック
  4. 「追加」を確認
  5. Thunderbirdを再起動

アドオンとは?

Thunderbirdに機能を追加するための拡張プログラムのこと。スマホのアプリのようなものです。

フォルダをエクスポートする手順

  1. エクスポートしたいフォルダを右クリック
  2. 「ImportExportTools NG」を選択
  3. 「フォルダをエクスポート」にカーソルを合わせる
  4. 以下から選択:

エクスポート形式の選択肢:

  • mbox形式 – Thunderbirdの標準形式(推奨)
  • EML形式(個別ファイル) – 1通ずつファイルに
  • HTML形式 – ブラウザで閲覧可能
  • プレーンテキスト – テキストエディタで開ける
  • CSV形式 – Excelで管理できる

mbox形式とEML形式の違い

mbox形式:

  • 複数のメールが1つのファイルにまとまっている
  • ファイル数が少なく管理しやすい
  • Thunderbirdで簡単に復元できる

EML形式(個別):

  • メール1通が1ファイル
  • 特定のメールを探しやすい
  • 他のメールソフトでも開きやすい

方法3:アドレス帳をエクスポート

メールアドレスの連絡先も忘れずに保存しましょう。

ステップ1:アドレス帳を開く

  1. Thunderbirdのメニューから「ツール」を選択
  2. 「アドレス帳」をクリック

または:

  • Windows: Ctrl + Shift + B
  • Mac: Command + Shift + B

ステップ2:エクスポート形式を選択

  1. アドレス帳のメニューから「ツール」を選択
  2. 「エクスポート」をクリック
  3. 保存場所を指定

選べる形式:

  • LDIF形式 – Thunderbirdの標準形式
  • vCard形式 – スマホや他のアプリと互換性が高い
  • CSV形式 – Excelで編集できる

おすすめの形式

Thunderbirdで復元する場合:
LDIF形式がおすすめ

他のアプリで使う場合:
vCard形式が汎用的

Excelで管理したい場合:
CSV形式が便利


方法4:プロファイル全体をバックアップ

最も確実で、すべてのデータを保存できる方法です。

プロファイルフォルダの場所を確認

Windows 10/11の場合:

C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\

Macの場合:

~/Library/Thunderbird/Profiles/

簡単な開き方:

  1. メニューから「ヘルプ」を選択
  2. 「トラブルシューティング情報」をクリック
  3. 「プロファイルフォルダー」の横にある「フォルダーを開く」ボタンをクリック

プロファイルをコピーする手順

  1. Thunderbirdを完全に終了(重要!)
  2. プロファイルフォルダを開く
  3. フォルダ全体を別の場所にコピー

コピー先の例:

  • 外付けハードディスク
  • USBメモリ
  • クラウドストレージ(Dropbox、Google Driveなど)
  • 別のパソコン

プロファイルに含まれる内容

プロファイルには、以下のすべてが含まれます:

  • すべてのメール
  • アドレス帳
  • アカウント設定
  • パスワード
  • フィルター設定
  • カスタマイズ内容
  • アドオン

つまり、Thunderbirdの環境を丸ごと保存できます。


新しいパソコンでメールを復元する方法

エクスポートしたデータを、新しい環境で使う手順を解説します。

EMLファイルの復元

方法1:ドラッグ&ドロップ

  1. 新しいThunderbirdを起動
  2. EMLファイルをThunderbirdのフォルダにドラッグ
  3. 自動的にインポートされる

方法2:ダブルクリック

  1. EMLファイルをダブルクリック
  2. Thunderbirdが起動してメールが開く
  3. 必要に応じて保存

mboxファイルの復元

  1. ImportExportTools NGをインストール
  2. フォルダを右クリック
  3. 「ImportExportTools NG」→「mboxファイルをインポート」
  4. 保存したmboxファイルを選択

プロファイル全体の復元

方法1:プロファイルフォルダを置き換える

  1. 新しいパソコンにThunderbirdをインストール
  2. 一度起動して、すぐに終了
  3. プロファイルフォルダの場所を確認
  4. 既存のプロファイルフォルダを削除
  5. バックアップしたプロファイルフォルダをコピー
  6. Thunderbirdを起動

方法2:プロファイルマネージャーを使う

  1. Thunderbirdを終了
  2. プロファイルマネージャーを起動
  • Windows: thunderbird.exe -p
  • Mac: ターミナルから専用コマンド
  1. 「フォルダーを選択」でバックアップしたフォルダを指定

他のメールソフトへの移行

Thunderbirdから別のメールソフトに乗り換える場合の方法です。

Outlook(Windows)への移行

ステップ1:Thunderbirdでエクスポート

  1. ImportExportTools NGをインストール
  2. フォルダを右クリック
  3. 「PST形式でエクスポート」を選択(可能な場合)

または、EML形式でエクスポート

ステップ2:Outlookでインポート

  1. Outlookを起動
  2. 「ファイル」→「開く/エクスポート」→「インポート/エクスポート」
  3. ウィザードに従って進む

Apple Mail(Mac)への移行

方法:

  1. Thunderbirdでmbox形式でエクスポート
  2. Apple Mailを起動
  3. 「ファイル」→「メールボックスを読み込む」
  4. 「Apple Mail形式のメールボックス」を選択
  5. エクスポートしたmboxファイルを指定

Gmail(Webメール)への移行

方法1:IMAPで同期

  1. ThunderbirdでGmailをIMAP設定
  2. ローカルフォルダからGmailのフォルダにドラッグ
  3. 自動的にGmailサーバーにアップロード

方法2:Googleテイクアウトを使う
より高度な方法として、Googleの公式ツールも利用できます。


エクスポート時の注意点

トラブルを避けるため、以下の点に気をつけましょう。

1. エクスポート前の準備

やっておくべきこと:

  • 不要なメールを削除
  • ごみ箱を空にする
  • メールボックスを最適化
  • 十分な保存先の容量を確認

2. 大量のメールをエクスポートする場合

注意点:

  • 時間がかかる可能性がある
  • 作業中はThunderbirdを操作しない
  • バッテリー駆動の場合は電源に接続

3. 添付ファイル付きメールの扱い

確認事項:

  • 添付ファイルも含めてエクスポートされるか
  • ファイルサイズの制限はないか
  • 大容量ファイルは別途保存を検討

4. データの保管場所

推奨する保管方法:

  • 最低2箇所にバックアップ(二重化)
  • 外部メディアとクラウドの併用
  • 定期的に動作確認

エクスポートがうまくいかない時の対処法

問題1:ファイルが保存できない

原因:

  • 保存先の容量不足
  • 書き込み権限がない
  • ファイル名に使えない文字が含まれている

解決方法:

  1. 保存先のドライブを変更
  2. 管理者権限で実行
  3. ファイル名をシンプルにする

問題2:エクスポートが途中で止まる

原因:

  • 大量のメールで処理に時間がかかっている
  • メモリ不足
  • 破損したメールが含まれている

解決方法:

  1. フォルダを分割してエクスポート
  2. 他のアプリケーションを終了
  3. 問題のメールを特定して除外

問題3:アドオンがインストールできない

原因:

  • Thunderbirdのバージョンが古い
  • インターネット接続の問題

解決方法:

  1. Thunderbirdを最新版に更新
  2. 手動でアドオンをダウンロード
  3. 公式サイトから直接インストール

エクスポートファイルの管理方法

保存したファイルを効果的に管理するコツをご紹介します。

ファイル名の付け方

分かりやすいファイル名をつけましょう。

良い例:

2025-01-受信トレイ-バックアップ.mbox
プロジェクトA-メール-2024年度.mbox
重要メール-2025年1月.zip

避けるべき例:

メール.mbox
backup.mbox
新しいフォルダー.mbox

フォルダ構造の例

メールバックアップ/
├── 2025年/
│   ├── 01月/
│   ├── 02月/
│   └── 03月/
├── プロジェクト別/
│   ├── プロジェクトA/
│   └── プロジェクトB/
└── 重要メール/
    └── 契約関連/

定期的なバックアップスケジュール

推奨頻度:

  • 毎日: 重要な業務メール
  • 毎週: 一般的なメール
  • 毎月: アーカイブ用
  • 年1回: 完全バックアップ

よくある質問

Q1. エクスポートしたメールは何年くらい保管できますか?

A. デジタルデータとしては、ほぼ永久に保管可能です。

ただし、以下の点に注意:

  • 保存メディアの寿命(HDDは5〜10年程度)
  • ファイル形式の互換性
  • 定期的なメディアの更新を推奨

Q2. エクスポートすると、元のメールは消えますか?

A. いいえ、消えません。

エクスポートは「コピーして保存」する機能です。Thunderbird内のメールはそのまま残ります。

Q3. エクスポートしたファイルをスマホで見られますか?

A. 可能ですが、専用アプリが必要な場合があります。

  • EML形式:メールアプリで開ける
  • mbox形式:専用アプリが必要
  • HTML形式:ブラウザで閲覧可能

Q4. 何GB分のメールもエクスポートできますか?

A. 容量に制限はありませんが、現実的な問題があります。

大容量データの場合:

  • 処理に時間がかかる
  • 一度に処理せず、分割推奨
  • 十分な保存先容量が必要

一般的には、1回のエクスポートは10GB程度までが安全です。


企業での利用時の注意点

会社のメールをエクスポートする場合、特別な注意が必要です。

情報セキュリティの観点

確認すべき事項:

  • 会社の情報管理規定に違反しないか
  • 個人情報が含まれていないか
  • 機密情報の取り扱いルール

推奨する対策:

  • エクスポートファイルを暗号化
  • パスワード付きZIPで圧縮
  • 社外への持ち出し前に上司に確認

退職時のメール処理

一般的なルール:

  • 会社のメールは会社の資産
  • 個人的なバックアップは原則禁止
  • 必要な場合は上司の許可を得る

まとめ:目的に合った方法を選ぼう

Thunderbirdのメールエクスポートには、様々な方法があります。

用途別おすすめ方法:

特定のメールだけ保存したい
→ EML形式でドラッグ&ドロップ

フォルダ単位でまとめて保存
→ ImportExportTools NGでmbox形式

パソコンの買い替え
→ プロファイル全体をバックアップ

他のメールソフトに移行
→ 移行先に応じた形式でエクスポート

アドレス帳も保存
→ LDIF形式またはvCard形式

エクスポートの基本原則:

  1. 定期的に実行 – 後悔する前にバックアップ
  2. 複数の場所に保存 – 二重化でリスク軽減
  3. 復元テストを実施 – 本当に使えるか確認
  4. 整理してから実行 – 不要なメールは削除
  5. セキュリティに配慮 – 機密情報の取り扱いに注意

大切なメールは、いつ失われるか分かりません。この記事を参考に、今すぐバックアップを取ることをおすすめします!

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