「(x + 2)(x + 3) = ?」
「展開しなさいって言われても、何をどうすれば…」
「公式が覚えられない!」
数学の授業で「展開」という言葉を聞いて、こんな悩みを抱えていませんか?
実は展開って、かっこを外して式を広げるだけの、とってもシンプルな作業なんです。でも、これをマスターすると、複雑な計算が一瞬でできるようになり、高校数学でも大活躍する超重要スキルになります!
この記事を読めば、展開の基本から応用まで完全に理解でき、もう「展開しなさい」という問題で困ることはありません。さあ、一緒に展開の世界を探検しましょう!
展開って何?30秒で分かる基本概念

展開を一言で説明すると
展開 = かっこを外して、式を広げること
もっと具体的に言うと、掛け算の形になっている式を、足し算と引き算の形に変えることです。
例えで理解:
2(x + 3) を展開すると 2x + 6
イメージ:
2個の箱に、xと3が入っている
→ 2個のxと、2個の3がある
→ 2x + 6
展開の反対は「因数分解」
関係性を理解しよう:
- 展開:かっこを外す(広げる)
- 因数分解:かっこでくくる(まとめる)
展開
(x + 2)(x + 3) ―――→ x² + 5x + 6
←―――
因数分解
お互いに逆の操作なんです!
基本の展開をマスターしよう!
レベル1:分配法則(これが基本中の基本)
まずは一番簡単な展開から始めましょう。
基本ルール:
a(b + c) = ab + ac
具体例:
3(x + 4) = 3×x + 3×4 = 3x + 12
5(2x - 1) = 5×2x + 5×(-1) = 10x - 5
-2(x + 3) = -2×x + (-2)×3 = -2x - 6
💡 コツ:
前の数字を、かっこの中の全部にかける!マイナスの符号に注意!
レベル2:(x + a)(x + b)型の展開
中学校で最も重要な展開パターンです。
公式:
(x + a)(x + b) = x² + (a + b)x + ab
仕組みを理解:
(x + 2)(x + 3)を展開する
ステップ1:すべての組み合わせを掛ける
= x×x + x×3 + 2×x + 2×3
ステップ2:計算する
= x² + 3x + 2x + 6
ステップ3:同類項をまとめる
= x² + 5x + 6
練習問題:
(x + 4)(x + 5) = x² + 9x + 20
(x + 1)(x - 3) = x² - 2x - 3
(x - 2)(x - 7) = x² - 9x + 14
レベル3:面積図で理解する展開
視覚的に理解すると、忘れにくくなります!
(x + 2)(x + 3)を面積で考える
x 2
┌────┬───┐
x │ x² │2x │
├────┼───┤
3 │ 3x │ 6 │
└────┴───┘
全体の面積 = x² + 2x + 3x + 6 = x² + 5x + 6
これで展開の意味が見えてきますね!
覚えるべき乗法公式(これだけは暗記!)
公式1:和の平方
(a + b)² = a² + 2ab + b²
覚え方:
「最初の2乗 + 2倍の積 + 最後の2乗」
例:
(x + 3)² = x² + 6x + 9
(2x + 5)² = 4x² + 20x + 25
公式2:差の平方
(a - b)² = a² - 2ab + b²
注意: 真ん中はマイナス!
例:
(x - 4)² = x² - 8x + 16
(3x - 2)² = 9x² - 12x + 4
公式3:和と差の積
(a + b)(a - b) = a² - b²
これは魔法の公式! 真ん中の項が消えます。
例:
(x + 5)(x - 5) = x² - 25
(2x + 3)(2x - 3) = 4x² - 9
公式4:(x + a)(x + b)型
(x + a)(x + b) = x² + (a + b)x + ab
覚え方:
「x²、足して係数、かけて定数」
実践!よくある展開パターン
パターン1:3つ以上の項がある場合
(x + 2)(x² + 3x + 1)の展開
方法:一つずつ掛けていく
= x(x² + 3x + 1) + 2(x² + 3x + 1)
= x³ + 3x² + x + 2x² + 6x + 2
= x³ + 5x² + 7x + 2
パターン2:文字が2つある場合
(x + y)(x - y) = x² - y²
(2x + 3y)² = 4x² + 12xy + 9y²
(x + 2y)(x + 3y) = x² + 5xy + 6y²
パターン3:係数がついている場合
2(x + 3)(x - 1)の展開
ステップ1:まずかっこ同士を展開
(x + 3)(x - 1) = x² + 2x - 3
ステップ2:係数をかける
2(x² + 2x - 3) = 2x² + 4x - 6
よくある間違いと対処法
間違い1:符号のミス
❌ 間違い例:
(x - 3)² = x² - 9 (2abの項を忘れている)
✅ 正解:
(x - 3)² = x² - 6x + 9
対策: 公式を声に出して確認!
間違い2:係数の処理ミス
❌ 間違い例:
(2x + 3)² = 2x² + 12x + 9 (最初の項が間違い)
✅ 正解:
(2x + 3)² = 4x² + 12x + 9 (2xの2乗は4x²)
対策: 係数も一緒に2乗することを忘れない!
間違い3:項の見落とし
❌ 間違い例:
(x + 2)(x + 3) = x² + 6 (中間の項を忘れている)
✅ 正解:
(x + 2)(x + 3) = x² + 5x + 6
対策: すべての組み合わせを書き出す!
展開の実生活での活用

面積や体積の計算
正方形の土地を拡張する場合:
元の土地:1辺 x メートル
各辺を3メートル拡張
新しい面積 = (x + 3)²
= x² + 6x + 9
増えた面積 = 6x + 9 平方メートル
商品の値段計算
割引計算:
元の値段:x円
10%引きを2回適用
1回目:0.9x円
2回目:0.9 × 0.9x = 0.81x円
つまり、(1 - 0.1)² = 0.81
19%引きになる(20%引きではない!)
プログラミングでの応用
# 展開を使った高速計算
# (x + 5)² を計算する
# 方法1:愚直に計算
result1 = (x + 5) * (x + 5)
# 方法2:展開公式を使用
result2 = x**2 + 10*x + 25
# 方法2の方が計算が速い!
展開をマスターするコツ
暗記より理解
理解のステップ:
- まず分配法則を完璧にする
- 面積図でイメージをつかむ
- 公式の成り立ちを理解
- たくさん練習して体で覚える
効率的な練習方法
レベル別練習:
初級:1日5問、基本の展開
中級:1日3問、乗法公式を使う
上級:1日2問、複雑な展開
チェック方法:
展開した後、因数分解して元に戻るか確認!
間違いノートを作る
記録すべきこと:
- 間違えた問題
- なぜ間違えたか
- 正しい解き方
- 次回気をつけること
展開から次のステップへ
因数分解への橋渡し
展開ができれば、因数分解も怖くない!
展開:(x + 2)(x + 3) → x² + 5x + 6
因数分解:x² + 5x + 6 → (x + 2)(x + 3)
逆の操作だから、展開を完璧にすれば因数分解も分かる!
高校数学への準備
高校で使う展開:
- 3次式の展開
- 二項定理
- 部分分数分解
中学の展開が基礎になります!
練習問題にチャレンジ!
基本問題
3(x + 4)
を展開せよ(x + 5)(x + 2)
を展開せよ(x - 3)²
を展開せよ
応用問題
(2x + 1)(3x - 2)
を展開せよ(x + y + 2)²
を展開せよ(x + 1)(x - 1)(x² + 1)
を展開せよ
解答:
基本:1. 3x + 12、2. x² + 7x + 10、3. x² – 6x + 9
応用:1. 6x² – x – 2、2. x² + y² + 2xy + 4x + 4y + 4、3. x⁴ – 1
まとめ:展開は数学の基本ツール!使いこなそう!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
今すぐ覚えるべき3つのポイント
- 展開 = かっこを外して広げる
- 分配法則が基本
- すべての項を掛け忘れない
- 乗法公式は必須暗記
- (a + b)² = a² + 2ab + b²
- (a + b)(a – b) = a² – b²
- 符号に注意
- マイナス×マイナス=プラス
- 係数も忘れずに処理
レベル別学習ガイド
今から始める人
→ 分配法則から丁寧に
基本ができた人
→ 乗法公式をマスター
もっと上を目指す人
→ 複雑な展開にチャレンジ
展開は、数学の世界への入り口です。
これをマスターすれば、因数分解も、方程式も、そして高校数学も怖くありません。毎日少しずつ練習して、展開を自分の武器にしてください!
数学の楽しさは、ここから始まります!
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