「Midjourneyで生成した画像、もっと大きくしたい!」
「Upscaleボタンがいっぱいあるけど、違いが分からない…」
「印刷用の高解像度画像が欲しいんだけど、どうすれば?」
Midjourneyで素晴らしい画像が生成できても、最初は小さいグリッド表示。
これを大きく、美しくするのがUpscale(アップスケール)機能です。
でも、U1〜U4、Upscale 2x、4x、Subtle、Creative…たくさんのオプションがあって混乱しますよね。
この記事では、MidjourneyのすべてのUpscale機能を完全解説。用途に応じた最適な高画質化の方法が必ず見つかります!
Upscaleって何?基本を理解しよう

Upscaleは「賢い拡大」
通常の画像拡大との違い:
- 普通の拡大:ピクセルを引き伸ばすだけ(ボヤける)
- MidjourneyのUpscale:AIが細部を補完しながら拡大(鮮明なまま)
例えるなら:
- 通常の拡大 = 虫眼鏡で見る(粗が見える)
- Upscale = 画家が細部を描き足す(美しく仕上がる)
Midjourneyの画像生成フロー
- プロンプト入力 → 4枚のグリッド画像(低解像度)
- Upscale選択 → 1枚を選んで高解像度化
- 追加Upscale(必要に応じて) → さらに大きく
最初のグリッドは512×512px程度。これを1024×1024px以上にするのがUpscaleの役割です。
基本のUpscale:U1〜U4ボタンの使い方
グリッド画像の番号を理解する
Midjourneyが生成する4枚のグリッド:
[1] [2]
[3] [4]
ボタンの対応:
- U1 → 左上の画像をUpscale
- U2 → 右上の画像をUpscale
- U3 → 左下の画像をUpscale
- U4 → 右下の画像をUpscale
基本Upscaleで何が起こる?
Version 5.2以降(現在のデフォルト):
- 解像度:1024×1024pxに拡大
- 細部が追加される
- 色調整や明瞭化も自動実行
- 約10〜20秒で完了
旧バージョン(V4など):
- 解像度は同じく1024×1024px
- 処理方法が若干異なる
- Light Upscaleオプションあり
追加のUpscaleオプション:もっと大きく、もっと美しく
Upscale 2x / 4x(解像度を倍増)
基本Upscale後に表示される追加オプションです。
Upscale 2x:
- 解像度:2048×2048px
- 用途:Web用高画質画像、小さめの印刷
- 処理時間:約30秒
- GPU時間消費:中程度
Upscale 4x:
- 解像度:4096×4096px
- 用途:大判印刷、商用利用
- 処理時間:約60秒
- GPU時間消費:多い
- 注意:プランによって制限あり
Upscale Subtle vs Creative
V5.2から導入された2つの異なるアプローチ:
Upscale (Subtle):
- 特徴:元画像に忠実
- 変化:最小限の補正
- 用途:元のイメージを保ちたい時
- おすすめ:人物、写真風の画像
Upscale (Creative):
- 特徴:創造的な解釈を追加
- 変化:ディテールを大胆に追加
- 用途:より芸術的に仕上げたい時
- おすすめ:イラスト、ファンタジー系
バージョン別Upscale機能の違い
V6の最新Upscale
特徴:
- より自然な拡大
- テクスチャの品質向上
- エッジの処理が改善
- 2xと Subtleがデフォルト
V5.2のUpscale
特徴:
- Subtle/Creativeの選択肢
- バランスの取れた処理
- 安定性が高い
V5.1以前
特徴:
- Light/Regular Upscale
- シンプルな選択肢
- 処理速度重視
Niji(アニメ特化)のUpscale
特徴:
- 線画の保持を重視
- アニメ調の色彩維持
- セル画風の処理
実践テクニック:用途別の最適なUpscale選択
SNS投稿用
推奨設定:
基本Upscale(U1〜U4)のみでOK
理由:1024×1024pxで十分
Instagram、Twitter、Facebookに最適
Web サイト用
推奨設定:
基本Upscale → Upscale 2x
理由:Retina ディスプレイ対応
ファイルサイズとのバランス良好
印刷用(ポスター、チラシ)
推奨設定:
基本Upscale → Upscale 4x → 外部ツールで追加処理
理由:300dpi の印刷に対応
A3サイズまで対応可能
NFT・デジタルアート販売
推奨設定:
基本Upscale → Upscale (Creative) 2x
理由:アーティスティックな仕上がり
コレクター向けの高品質
高度なテクニック:プロ級の仕上がりを目指す
複数回Upscaleの活用
段階的Upscale戦略:
- 基本Upscaleで確認
- Subtle で自然に拡大
- 必要に応じて2x追加
- 外部AIツールで最終調整
プロンプトでUpscaleを制御
高解像度を意識したプロンプト:
highly detailed, 4k, ultra HD, sharp focus, intricate details
これらのキーワードを追加すると、Upscale時により良い結果が得られます。
Varyボタンとの組み合わせ
ワークフロー:
- 基本生成
- Vary (Subtle) で微調整
- 気に入ったらUpscale
- さらにVary (Region) で部分修正
Remix モードでの調整
/settings → Remix Mode ON
Upscale前にプロンプトを微調整して、より理想的な結果を得られます。
外部ツールとの連携:さらなる高画質化
AI アップスケーラーの活用
Real-ESRGAN:
- 無料
- 写真に強い
- 4倍まで拡大可能
Topaz Gigapixel AI:
- 有料(約$100)
- プロ仕様
- 6倍まで拡大可能
waifu2x:
- 無料
- アニメ・イラスト特化
- ブラウザで使える
Photoshop との連携
ワークフロー:
- Midjourney で 4x Upscale
- Photoshop で開く
- 「イメージ」→「画像解像度」
- 「ディテールを保持 2.0」で拡大
- Camera Raw フィルターで仕上げ
コスト管理:GPU時間を賢く使う
各Upscaleのコスト
操作 | GPU時間消費 | 相対コスト |
---|---|---|
基本Upscale | 低 | 1x |
Upscale 2x | 中 | 2x |
Upscale 4x | 高 | 4x |
Creative | 中 | 2x |
Subtle | 低〜中 | 1.5x |
節約のコツ
無駄を避ける:
- 用途を明確にしてから Upscale
- テスト段階では基本Upscaleのみ
- 最終版だけ高解像度化
効率的な使い方:
- Relaxモードで Upscale(時間はかかるが安い)
- 複数枚まとめて処理
- 不要な再Upscaleを避ける
トラブルシューティング
問題:Upscaleボタンが表示されない
解決策:
- Discord の再起動
- 別のチャンネルで試す
/settings
で設定確認
問題:Upscale後の画質が悪い
解決策:
- 元画像の品質を確認
- 異なるUpscaleオプションを試す
- プロンプトに detail 系キーワード追加
問題:処理が遅い
解決策:
- Fast モードに切り替え
- 混雑時間を避ける(日本時間深夜〜早朝が空いている)
- 優先度の低いものは Relax モード
よくある質問
Q1. 最大何ピクセルまで拡大できる?
A. Midjourney内では4096×4096px(4x)が最大。それ以上は外部ツールを使用。
Q2. Upscale Subtle と Creative どっちがいい?
A. 用途による:
- 写真的 → Subtle
- アート的 → Creative
- 迷ったら両方試して比較
Q3. 一度Upscaleしたら元に戻せない?
A. 戻せません。気に入らない場合は、元のグリッドから再度別の選択をするか、Varyで調整。
Q4. モバイルでもUpscaleできる?
A. はい、Discord アプリから同じ操作が可能。ただし画像確認は PC の方が適している。
Q5. 商用利用の場合の推奨解像度は?
A. 最低2048×2048px、できれば4096×4096px。印刷物なら外部ツールで追加拡大を推奨。
実例:ビフォーアフター比較
ポートレート写真の場合
元画像(グリッド): 512×512px
↓ 基本Upscale
1024×1024px(顔の細部が追加)
↓ Upscale Subtle 2x
2048×2048px(自然な仕上がり)
ポイント: 人物は Subtle で自然さを保つ
ファンタジーイラストの場合
元画像(グリッド): 512×512px
↓ 基本Upscale
1024×1024px(基本ディテール)
↓ Upscale Creative 2x
2048×2048px(装飾や質感が豊かに)
ポイント: 創造的な要素は Creative で強化
まとめ:Upscaleマスターへの道
MidjourneyのUpscale機能、完全に理解できましたね!
押さえておくべきポイント:
- U1〜U4 で基本の1024px化
- 2x/4x で解像度アップ
- Subtle/Creative で仕上がり調整
- 用途に応じて 選択を変える
- 外部ツール でさらに高品質化
最適なUpscale選択:
- ✅ SNS → 基本Upscaleで十分
- ✅ Web → 2x がベスト
- ✅ 印刷 → 4x + 外部ツール
- ✅ 人物 → Subtle 推奨
- ✅ アート → Creative 推奨
今すぐ実践:
- ✅ お気に入り画像でUpscale比較
- ✅ Subtle vs Creative を体験
- ✅ 用途を決めてから処理
- ✅ GPU時間を意識して効率化
- ✅ この記事をブックマーク
最後のアドバイス:
Upscaleは単なる拡大ではなく、作品を完成させる大切なプロセス。適切なUpscaleを選ぶことで、あなたのAIアートは次のレベルに到達します。
小さな種(グリッド画像)から、美しい花(高解像度作品)を咲かせましょう!
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