「配信でプロっぽい音声にしたい…」
「ボイスチェンジャー以上のエフェクトを使いたい!」
「DTMで使ってるVSTをDiscordでも使えないかな?」
実は、VSTプラグインをDiscordで使えるようにすれば、まるでレコーディングスタジオのような高品質な音声処理ができるんです!
この記事では、VSTプラグインの基本から、Discordでの設定方法、おすすめのプラグイン、トラブル解決まで、すべて分かりやすく解説していきます!
VSTプラグインとは?基本を理解しよう

VSTプラグインの基礎知識
VST(Virtual Studio Technology)とは:
- Steinberg社が開発した音楽制作用の規格
- DAW(音楽制作ソフト)で使うエフェクトや楽器
- プロの現場でも使われる本格的なツール
VSTでできること:
🎤 ボーカルエフェクト
├─ コンプレッサー(音量を整える)
├─ イコライザー(音質調整)
├─ リバーブ(響きを追加)
└─ オートチューン(音程補正)
🎸 楽器・音源
├─ シンセサイザー
├─ ドラム音源
├─ ピアノ音源
└─ ギターアンプシミュレーター
🎭 特殊エフェクト
├─ ボイスチェンジャー
├─ ディストーション
├─ ディレイ・エコー
└─ モジュレーション系
なぜDiscordでVSTを使いたいのか
メリット:
- プロ級の音質向上
- 無限のカスタマイズ性
- 配信のクオリティアップ
- 個性的な音声演出
- 音楽制作の共有が簡単
活用シーン:
- ゲーム配信での音声改善
- 歌配信・カラオケ
- ポッドキャスト収録
- TRPG・なりきりプレイ
- 音楽制作の共同作業
必要なソフトウェアと基本設定
方法1:VoiceMeeter + VSTホスト(無料・人気)
必要なソフト:
- VoiceMeeter Banana(無料)
- 仮想オーディオミキサー
- https://vb-audio.com/Voicemeeter/
- Cantabile Lite(無料)または VSTHost(無料)
- VSTプラグインを動かすホスト
- VB-Cable(無料)
- 仮想オーディオケーブル
設定手順:
ステップ1:VoiceMeeterの設定
1. VoiceMeeter Bananaをインストール
2. Hardware Input 1 → マイクを選択
3. Hardware Out A1 → ヘッドホンを選択
4. Virtual Input → VSTホストからの入力用
ステップ2:VSTホストの設定
1. Cantabile Liteをインストール
2. Audio Engine → ASIO(推奨)or WASAPI
3. Input → マイクまたはVoiceMeeter出力
4. Output → VB-Cable または VoiceMeeter入力
ステップ3:Discordの設定
1. 設定 → 音声・ビデオ
2. 入力デバイス → VoiceMeeter Output
3. 出力デバイス → デフォルト
方法2:OBS Studio経由(配信者向け)
メリット:
- 配信と同時に使える
- 視覚的に分かりやすい
- 無料で高機能
設定方法:
1. OBSにVSTプラグインを追加
音声ミキサー → フィルタ → VST 2.x
2. 音声モニタリング設定
モニターと出力(配信に送る)
3. Virtual Cableで音声ルーティング
OBS → VB-Cable → Discord
方法3:専用ソフトウェア(有料だが簡単)
Voicemod Pro:
- VST対応(Pro版のみ)
- 設定が簡単
- 月額約$12
Audio Hijack(Mac):
- 直感的なインターフェース
- 高度なルーティング
- $64(買い切り)
おすすめVSTプラグイン(無料&有料)
音質向上系(無料)
1. ReaPlugs(Reaper付属)
含まれるプラグイン:
- ReaEQ:高性能イコライザー
- ReaComp:コンプレッサー
- ReaGate:ノイズゲート
- ReaFIR:ノイズ除去
2. TDR Nova(無料)
- ダイナミックイコライザー
- 周波数ごとの細かい調整
- プロも使う品質
3. OrilRiver(無料)
- 高品質リバーブ
- 部屋の響きを追加
- カラオケ配信に最適
ボイスチェンジャー系(無料)
1. Graillon 2(無料版あり)
- ピッチシフト
- 男声⇔女声変換
- ロボットボイス
2. MAutoPitch(無料)
- オートチューン効果
- 音程補正
- ケロケロボイス
プロ仕様(有料)
1. Waves Plugins
人気プラグイン:
- Renaissance Compressor($29〜)
- SSL E-Channel($29〜)
- CLA Vocals($29〜)
価格:セール時は激安
2. iZotope RX
- 最強のノイズ除去
- AI搭載
- $129〜
3. Antares Auto-Tune
- 業界標準のピッチ補正
- リアルタイム処理対応
- $399〜
用途別・設定例とプリセット
ゲーム配信向け設定
チェーンの例:
マイク入力
↓
1. ノイズゲート(-40dB)
↓
2. コンプレッサー(3:1、-12dB)
↓
3. EQ(低音カット、高音少しブースト)
↓
4. リミッター(-1dB)
↓
Discord出力
設定値の目安:
- ゲート:しきい値 -40〜-35dB
- コンプレッサー:レシオ 3:1〜4:1
- EQ:80Hz以下カット、3kHz軽くブースト
歌配信・カラオケ向け設定
エフェクトチェーン:
1. ノイズ除去
2. コンプレッサー(軽め)
3. ピッチ補正(お好みで)
4. EQ(ボーカル用)
5. リバーブ(ホール or プレート)
6. ディレイ(短め、薄く)
おすすめ設定:
- リバーブ:20-30%ミックス
- ディレイ:1/8拍子、10-15%
- EQで200Hz付近を少しカット(こもり防止)
TRPG・なりきり向け設定
キャラクター別プリセット:
ロボット/機械:
- ボコーダー or リングモジュレーター
- ディストーション(軽め)
- ディレイ(メタリック)
悪役/ダークボイス:
- ピッチシフト(-3〜-5半音)
- ディストーション
- リバーブ(大きめの空間)
妖精/かわいい系:
- ピッチシフト(+3〜+5半音)
- フォルマントシフト
- 軽いコーラス
よくあるトラブルと解決法
Q:音が遅れる(レイテンシー)
原因と対策:
バッファサイズの調整:
小さくする → 遅延減少、CPU負荷増加
大きくする → 遅延増加、CPU負荷減少
推奨:128〜256サンプル
ASIOドライバーの使用:
- ASIO4ALL(無料)をインストール
- WASAPIより低遅延
- 専用オーディオインターフェース推奨
Q:音が割れる・ノイズが入る
チェックポイント:
- 入力ゲインが高すぎない?
- -12dB〜-6dBを目安に
- CPU使用率は?
- 80%超えたら負荷軽減
- サンプルレート統一
- 全て48kHzに統一推奨
Q:VSTが認識されない
解決方法:
1. VST2 か VST3 か確認
2. 正しいフォルダにインストール
C:\Program Files\VstPlugins(一般的)
3. 32bit/64bit の確認
4. ホストアプリでスキャン実行
Q:Discord側で音が出ない
設定確認:
- Discord入力デバイスは正しい?
- VoiceMeeterの出力設定は?
- Windowsの既定デバイスは?
- 音声テストで確認
CPU負荷を抑えるコツ
軽量化テクニック
基本原則:
- 必要最小限のプラグインのみ使用
- 高品質より安定性優先
- リアルタイム処理に適したプラグイン選択
具体的な対策:
❌ 重いプラグイン
- コンボリューションリバーブ
- 高品質ピッチシフター
- アナログモデリング系
⭕ 軽いプラグイン
- アルゴリズムリバーブ
- シンプルなEQ
- 基本的なコンプレッサー
システム最適化
Windows設定:
- 電源プランを「高パフォーマンス」
- Windows オーディオ拡張を無効化
- 不要なバックグラウンドアプリ終了
オーディオ設定:
- サンプルレート:48kHz
- ビット深度:16bit(配信には十分)
- モノラル処理(ステレオ不要なら)
法的注意点と配慮事項
著作権・ライセンス
注意事項:
- 商用利用可能か確認
- クラックソフトは絶対使用禁止
- 配信での使用が許可されているか
他のユーザーへの配慮
マナー:
- 過度なエフェクトは不快感の原因
- 音量バランスに注意
- 相手に確認してから使用
高度な活用:DAWとの連携
DAWから直接Discord配信
Cubase/Studio One/Ableton等:
DAW → ASIO ループバック → VB-Cable → Discord
メリット:
- 楽曲制作をリアルタイム共有
- 高度なミキシング可能
- MIDIコントローラー使用可
リモート音楽制作
セットアップ:
- 低遅延設定(ASIO必須)
- 高ビットレート設定
- 同期ツール併用(Parsec等)
まとめ:VSTでDiscordの音声を次のレベルへ!
VSTプラグインを使えば、Discordの音声品質が劇的に向上します!
今すぐ始める手順:
- VoiceMeeter Bananaをインストール
- 無料のVSTホストを導入
- ReaPlugsで基本エフェクト
- 設定を少しずつ調整
レベル別おすすめ:
- 初心者 → VoiceMeeter + 基本エフェクト
- 中級者 → OBS経由 + 複数VST
- 上級者 → DAW連携 + プロ仕様VST
最初は設定が大変に感じるかもしれませんが、一度セットアップすれば、配信や通話のクオリティが別次元になります。
プロのような音声で、あなたのDiscordライフをもっと楽しく、もっとクリエイティブにしてみませんか?
コメント