「このWebサイトが位置情報の使用を求めています」「カメラへのアクセスを許可しますか」…
こんなポップアップを見て、よく分からないまま「許可」をタップしていませんか?
実は、Safariの「常に許可」設定は便利な反面、使い方を間違えると個人情報が危険にさらされる可能性があるんです。
この記事では、どのサイトに何を許可すべきか、許可した設定をどう管理するか、そして安全性を保ちながら便利に使う方法まで、すべて解説します。もう迷うことなく、自信を持って権限設定ができるようになりますよ。
Safariが求める5つの主要な権限とリスク

1. 位置情報(Location)
最も慎重に扱うべき権限です。
許可すると何ができる?
- 現在地を使った地図表示
- 近くのお店や施設の検索
- 天気予報の自動取得
- 配達先の自動入力
潜在的なリスク:
- 行動パターンの追跡
- 自宅や職場の特定
- ストーカー被害の可能性
- プライバシーの侵害
許可すべきサイト:
- ✅ Google Maps、Apple Maps
- ✅ 天気予報サービス
- ✅ 信頼できる配達サービス
- ✅ 公式の不動産サイト
絶対に許可してはいけないサイト:
- ❌ 怪しい懸賞サイト
- ❌ 無料ゲームサイト
- ❌ 広告だらけのサイト
- ❌ 個人情報収集が目的のサイト
2. カメラ(Camera)
ビデオ通話やQRコード読み取りに必要な権限です。
許可すると何ができる?
- ビデオ会議への参加
- QRコードのスキャン
- 書類や写真の撮影
- ARコンテンツの利用
潜在的なリスク:
- 盗撮される可能性
- プライベートな空間の露出
- 意図しない録画
許可すべきサイト:
- ✅ Zoom、Teams、Google Meet
- ✅ 銀行の本人確認
- ✅ 医療機関のオンライン診療
3. マイク(Microphone)
音声通話や音声入力に使用される権限です。
許可すると何ができる?
- 音声通話
- 音声入力・音声検索
- 音声メモの録音
潜在的なリスク:
- 盗聴の危険性
- 会話の無断録音
- 音声データの悪用
許可すべきサイト:
- ✅ ビデオ会議サービス
- ✅ 音声翻訳サービス
- ✅ オンライン英会話
4. 通知(Notifications)
プッシュ通知を送信する権限です。
許可すると何ができる?
- 新着メッセージの通知
- ニュース速報
- セール情報の配信
- リマインダー機能
潜在的なリスク:
- スパム通知の嵐
- 集中力の低下
- フィッシング詐欺の入口
- バッテリー消費の増加
許可すべきサイト:
- ✅ 重要なニュースサイト(1-2個まで)
- ✅ 仕事で使うWebアプリ
- ✅ カレンダーサービス
5. モーションセンサー(Motion & Orientation)
デバイスの動きや向きを検出する権限です。
許可すると何ができる?
- 画面の自動回転
- ゲームの操作
- フィットネストラッキング
- VR/ARコンテンツ
潜在的なリスク:
- 行動パターンの分析
- デバイスの持ち方から個人特定
デバイス別:権限設定の詳しい手順
iPhone・iPadでサイトごとの権限を設定
個別サイトの設定方法:
- 設定アプリを開く
- ホーム画面の歯車アイコン
- Safariを選択
- 下にスクロールして見つける
- 「Webサイトの設定」セクション
- カメラ
- マイク
- 位置情報サービス
- 通知
- 各権限をタップして管理
- 「確認」:毎回聞く(推奨)
- 「拒否」:常に拒否
- 「許可」:常に許可
サイト訪問時の設定:
- Webサイトにアクセス
- 「ぁあ」アイコンをタップ
- URLの左側にある
- 「Webサイトの設定」を選択
- 権限を個別に設定
- カメラ:許可/確認/拒否
- マイク:許可/確認/拒否
- 位置情報:許可/確認/拒否
Macでの詳細設定
Safari環境設定での管理:
- Safari → 環境設定
- またはCommand + ,(カンマ)
- 「Webサイト」タブを選択
- 左側のメニューから権限を選択
- カメラ
- マイク
- 画面共有
- 位置情報サービス
- 通知
- 自動再生
- サイトごとに設定
- 許可
- 拒否
- 確認(推奨)
現在開いているサイトの設定:
- Safari → このWebサイトでの設定
- 権限を個別に調整
- 設定は自動保存される
「常に許可」を設定すべきサイトと避けるべきサイト
安全に「常に許可」できるサイト
位置情報を許可してもよいサイト:
- 地図サービス
- maps.google.com
- maps.apple.com
- map.yahoo.co.jp
- 天気予報
- weather.com
- tenki.jp
- weathernews.jp
- 公式配達サービス
- Amazon
- 楽天市場
- ヤマト運輸、佐川急便
カメラ・マイクを許可してもよいサイト:
- ビデオ会議
- zoom.us
- teams.microsoft.com
- meet.google.com
- オンライン診療
- 病院の公式サイト
- 公式遠隔医療サービス
絶対に「常に許可」してはいけないサイト
危険なサイトの特徴:
- URLが不自然(スペルミス、数字の羅列)
- HTTPSではない(鍵マークがない)
- 広告が異常に多い
- 個人情報を過度に要求
- 日本語が不自然
- 運営者情報が不明
特に注意すべきカテゴリ:
- 無料ゲームサイト
- アダルトサイト
- 違法コンテンツサイト
- 懸賞・プレゼントサイト
- 個人運営のブログ(信頼性による)
許可した権限の確認と削除方法
すべての許可設定を一覧で確認
iPhone・iPadでの確認:
- 設定 → Safari
- 各権限項目をタップ
- 許可したサイト一覧が表示
- サイトごとの設定状態を確認
- 不要な許可を削除
- 左にスワイプして削除
- または「編集」→選択→削除
Macでの確認:
- Safari → 環境設定 → Webサイト
- 各権限カテゴリを選択
- サイトリストを確認
- 不要なサイトを選択して「削除」
一括リセットする方法
すべての権限設定をリセットしたい場合。
iPhone・iPadでのリセット:
- 設定 → Safari
- 「詳細」をタップ
- 「Webサイトデータ」
- 「全Webサイトデータを削除」
注意:
- すべてのログイン情報も削除される
- 保存したパスワードは残る
- ブックマークは影響なし
定期的な権限の見直し
月に一度は権限を見直しましょう。
チェックポイント:
- 使わなくなったサイトの権限を削除
- 位置情報の許可は最小限に
- 通知が多すぎる場合は整理
- 不審なサイトがないか確認
セキュリティを高める追加設定
プライバシーレポートを活用
どのサイトがどんな情報を要求しているか確認できます。
確認方法:
- Safariのスタートページ
- 「プライバシーレポート」をタップ
- トラッカーと権限要求を確認
サイト越えトラッキングを防ぐ
権限管理と合わせて設定すべき機能です。
設定方法:
- 設定 → Safari
- 「サイト越えトラッキングを防ぐ」をオン
- 「IPアドレスを非公開」もオン
コンテンツブロッカーとの併用
権限を要求する悪質な広告もブロックできます。
おすすめの組み合わせ:
- 権限は「確認」設定
- +AdGuardなどのブロッカー
- +プライベートブラウジング活用
よくあるトラブルと解決法
Q:毎回許可を求められて面倒
A:信頼できるサイトだけ「常に許可」に。
ただし、以下のサイトに限定:
- 仕事で毎日使うサイト
- 公式の地図サービス
- 銀行などの金融機関
Q:許可したのに機能しない
A:システム設定も確認が必要です。
確認手順:
- 設定 → プライバシーとセキュリティ
- 各権限(位置情報、カメラなど)
- Safariが許可されているか確認
Q:間違えて許可してしまった
A:すぐに設定から削除できます。
- 設定 → Safari → 該当する権限
- サイトを左スワイプで削除
- または「ぁあ」→Webサイトの設定で変更
Q:子供のiPhoneの設定は?
A:スクリーンタイムで制限をかけましょう。
- 設定 → スクリーンタイム
- コンテンツとプライバシーの制限
- 「位置情報サービス」「カメラ」などを制限
場面別おすすめ設定
仕事用デバイスの場合
推奨設定:
- ビデオ会議サイト:カメラ・マイク「許可」
- 社内システム:必要な権限のみ「許可」
- その他:すべて「確認」または「拒否」
個人用デバイスの場合
推奨設定:
- 地図アプリ:位置情報「確認」
- SNS:通知「拒否」(アプリを使う)
- ショッピング:すべて「確認」
家族共有デバイスの場合
推奨設定:
- すべての権限:「確認」
- 通知:「拒否」
- 定期的に許可リストを確認
プライバシーを守る10の鉄則
権限管理の基本ルール
- デフォルトは「確認」設定
- 毎回聞かれるのが最も安全
- 「常に許可」は最小限
- 本当に必要なサイトだけ
- 位置情報は特に慎重に
- 地図と天気以外は基本的に不要
- 定期的な見直し
- 月1回は設定を確認
- 怪しいと思ったら拒否
- 迷ったら許可しない
- HTTPSサイトのみ信頼
- 鍵マークを確認
- 通知は厳選する
- 本当に必要な通知だけ
- カメラ・マイクは使用時のみ
- 会議が終わったら権限削除も検討
- 子供のデバイスは制限
- スクリーンタイムで管理
- バックアップを取る
- 設定変更前に現在の設定をメモ
最新の脅威と対策
ソーシャルエンジニアリング攻撃
権限を悪用した新しい詐欺手法が増えています。
最新の手口:
- 偽のコロナ接触確認アプリ
- 偽の災害情報サイト
- なりすましビデオ通話
対策:
- 公式アプリ・サイトを使用
- URLを必ず確認
- 急な権限要求は疑う
ゼロデイ攻撃への備え
未知の脆弱性を突く攻撃にも注意が必要です。
基本的な対策:
- iOSを常に最新に保つ
- Safariも最新版を使用
- 不要な権限は即削除
まとめ:賢い権限管理で安全なWeb生活を
Safariの「常に許可」設定は、使い方次第で便利にも危険にもなります。
今すぐやるべき3つのこと:
✅ 現在の権限設定を確認
- 設定 → Safari → 各権限をチェック
- 不要な許可を削除
✅ デフォルトを「確認」に変更
- 新しいサイトは毎回確認する設定に
✅ 信頼できるサイトだけ「許可」
- 仕事や日常で必須のサイトのみ
重要なメッセージ:
あなたの位置情報、カメラ、マイクへのアクセスは、あなたの貴重なプライバシーです。「面倒だから全部許可」は絶対にNG。
少しの手間で、大きな安全が手に入ります。この記事で学んだことを活かして、便利さとセキュリティのバランスを取りながら、安心してWebを楽しんでください。
さあ、今すぐ設定アプリを開いて、不要な権限を削除しましょう。あなたのプライバシーは、あなた自身で守れるのです!
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