「このWebサイトはどうやって作られているんだろう?」
「綺麗なデザインのCSSコードを参考にしたい」
「JavaScriptのエラーを調べたい」
こんな時、Webページのソースコードを見ることで、サイトの構造や仕組みが分かります。
実は、Safariでもソースコードを表示できるんです。ただし、デバイスによって方法が異なり、特にiPhoneやiPadでは少し工夫が必要です。
今回は、Mac、iPhone、iPadそれぞれでSafariのソースコードを表示する方法を、初心者の方にも分かりやすく、実践的に解説していきます。
ソースコードとは?見て分かること

ソースコードで確認できる3つの要素
Webページのソースコードには、主に3種類のコードが含まれています。
1. HTML(構造)
- ページの骨組み
- テキストや画像の配置
- リンクやボタンの設置
2. CSS(デザイン)
- 色やフォント
- レイアウトや配置
- アニメーション効果
3. JavaScript(動作)
- ユーザーの操作に反応する処理
- 動的なコンテンツの制御
- データの送受信
これらを見ることで、Webサイトがどのように作られているかを学べます。
ソースコードを見る目的
学習・参考目的:
- Web制作の勉強
- デザインの参考
- コーディング技術の習得
デバッグ目的:
- エラーの原因調査
- 表示崩れの確認
- パフォーマンス問題の特定
セキュリティ確認:
- 怪しいコードの発見
- 個人情報の扱い確認
- 外部スクリプトのチェック
Macでソースコードを表示する方法
方法1:開発メニューを有効にする(推奨)
ステップ1:開発メニューの表示
- Safariを開く
- メニューバーから「Safari」→「環境設定」(Command + カンマ)
- 「詳細」タブをクリック
- 「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェック
- 環境設定を閉じる
ステップ2:ソースコードを表示
- ソースを見たいWebページを開く
- メニューバーの「開発」をクリック
- 「ページのソースを表示」を選択
- 新しいウィンドウでソースコードが表示される
ショートカットキー:
Option + Command + U で即座に表示できます!
方法2:右クリックから表示
- Webページ上で右クリック
- 「ページのソースを表示」を選択
ただし、この項目は開発メニューが有効な場合のみ表示されます。
方法3:URLバーを使う方法
- アドレスバーに以下を入力:
view-source:https://example.com
- Enterキーを押す
この方法は他のブラウザでも使える汎用的な方法です。
iPhone・iPadでソースコードを表示する方法
iOSのSafariには標準でソースコード表示機能がないため、工夫が必要です。
方法1:ショートカットアプリを使う(最も簡単)
ショートカットの作成手順
- 「ショートカット」アプリを開く
- 右上の「+」をタップ
- 「アクションを追加」をタップ
- 検索で「WebページでJavaScriptを実行」を選択
- 以下のコードを入力:
var source = document.documentElement.outerHTML;
var newWindow = window.open();
newWindow.document.write('<pre>' +
source.replace(/</g, '<')
.replace(/>/g, '>') +
'</pre>');
completion(true);
- ショートカット名を「ソース表示」に設定
- 「共有シートに表示」をオン
ショートカットの使い方
- Safariでページを開く
- 共有ボタン(四角に上矢印)をタップ
- 「ソース表示」ショートカットを選択
- 新しいタブでソースが表示される
方法2:ブックマークレットを使う
ブックマークレットの設定
- 適当なページをブックマークに追加
- ブックマークを編集
- 名前を「ソースを表示」に変更
- URLを以下のコードに置き換え:
javascript:(function(){
var w=window.open();
w.document.write('<html><head><title>Source</title></head><body><pre style="word-wrap:break-word;white-space:pre-wrap;">'+
document.documentElement.innerHTML.replace(/</g,'<').replace(/>/g,'>')+
'</pre></body></html>');
})();
ブックマークレットの使い方
- ソースを見たいページを開く
- アドレスバーをタップ
- 「ソースを表示」と入力
- ブックマーク候補から選択
- 新しいタブでソースが表示される
方法3:View Sourceアプリを使う
App Storeには、ソースコード表示専用のアプリがあります。
おすすめアプリ:
- View Source – シンプルで使いやすい
- Source Browser – 高機能でカラー表示対応
- HTML Viewer Q – 日本語対応で初心者向け
アプリの使い方(View Sourceの例)
- App Storeからアプリをインストール
- Safariでページを開く
- 共有ボタンをタップ
- 「View Source」を選択
- アプリが起動してソースが表示される
Webインスペクタで詳細に調べる
Mac版Safariの強力な機能
単純なソース表示より詳しく調べたい場合は、Webインスペクタを使います。
Webインスペクタの起動
- 開発メニューから「Webインスペクタを表示」
- またはOption + Command + I
- または要素を右クリック→「要素の詳細を表示」
インスペクタでできること
要素タブ:
- HTMLの階層構造を確認
- リアルタイムでHTMLを編集
- 適用されているCSSを確認
- 要素のサイズや余白を視覚化
コンソールタブ:
- JavaScriptのエラーを確認
- コンソールログの表示
- JavaScriptコードを実行
ネットワークタブ:
- 読み込まれたファイル一覧
- 各ファイルのサイズと時間
- APIの通信内容を確認
ソースタブ:
- JavaScriptファイルの中身
- ブレークポイントの設定
- ステップ実行でデバッグ
ソースコードの見方:初心者向け解説
HTMLの基本構造を理解する
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>ページタイトル</title>
<link rel="stylesheet" href="style.css">
</head>
<body>
<header>
<h1>見出し</h1>
</header>
<main>
<p>本文テキスト</p>
</main>
<script src="script.js"></script>
</body>
</html>
重要なタグ:
<head>
– ページの設定情報<body>
– 実際に表示される内容<div>
– レイアウト用のボックス<a href="">
– リンク<img src="">
– 画像
CSSの読み方
.header {
background-color: #333; /* 背景色 */
color: white; /* 文字色 */
padding: 20px; /* 内側の余白 */
margin: 0; /* 外側の余白 */
}
よく使われるプロパティ:
color
– 文字の色font-size
– 文字のサイズwidth/height
– 幅と高さdisplay
– 表示方法position
– 配置方法
JavaScriptの基本
// ボタンクリック時の処理
document.getElementById('button').addEventListener('click', function() {
alert('クリックされました');
});
よく見るパターン:
document.getElementById()
– 要素の取得addEventListener()
– イベントの設定console.log()
– デバッグ用の出力fetch()
– データの取得
実践的な活用方法
デザインの参考にする
CSSを調べる手順
- 気に入ったデザインの要素を右クリック
- 「要素の詳細を表示」
- 右側のスタイルパネルでCSSを確認
- 値を変更して効果を確認
- 気に入ったコードをメモ
エラーの原因を特定する
JavaScriptエラーの調査
- Webインスペクタのコンソールタブを開く
- 赤いエラーメッセージを確認
- エラーの行番号をクリック
- 問題のコードを確認
- 修正方法を検討
パフォーマンスを分析する
読み込み速度の確認
- ネットワークタブを開く
- ページを再読み込み(Command + R)
- ファイルサイズと読み込み時間を確認
- 重いファイルを特定
- 最適化の方法を検討
セキュリティとプライバシーの注意点
ソースコードから分かる情報
公開されている情報:
- HTML構造
- CSSスタイル
- クライアントサイドのJavaScript
- 画像やファイルのURL
見えない情報:
- サーバーサイドのコード(PHP、Pythonなど)
- データベースの内容
- 他のユーザーの情報
- 管理画面のコード
注意すべきポイント
個人情報の取り扱い
- ソースコードに個人情報が含まれていないか確認
- APIキーなどの秘密情報が露出していないか
- コメントに不適切な情報がないか
著作権の尊重
- ソースコードにも著作権がある
- 学習目的での参照は問題ない
- そのままコピーして使用は避ける
- ライセンス表記を確認する
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
Q1: ソースが文字化けする
原因: 文字エンコーディングの問題
解決法:
- 表示メニュー→「テキストエンコーディング」
- 「UTF-8」や「Shift_JIS」を試す
- ブラウザを再起動
Q2: JavaScriptで生成された内容が見えない
原因: 動的に生成されるコンテンツ
解決法:
- Webインスペクタを使用
- 要素タブで確認(レンダリング後のHTML)
- コンソールでJavaScriptを実行
Q3: ソースが圧縮されていて読めない
原因: minify(圧縮)されたコード
解決法:
- オンラインの整形ツールを使用
- Webインスペクタの「Pretty Print」機能
- Chrome拡張機能などの整形ツール
便利なツールとテクニック
ソースコード解析ツール
オンラインツール:
- Beautifier.io – コードの整形
- JSFiddle – コードの実行テスト
- CodePen – HTML/CSS/JSの確認
ブラウザ拡張機能
Safari Extensions:
- Develop Menu – 開発者向け機能拡張
- Source Viewer – ソース表示の強化
- Web Developer – 総合開発ツール
キーボードショートカット集
Mac版Safari:
Cmd + Option + U
– ソース表示Cmd + Option + I
– インスペクタCmd + Option + C
– コンソールCmd + Shift + C
– 要素選択モード
まとめ:ソースコードは学習の宝庫
Safariでソースコードを表示する方法について、基本から応用まで解説してきました。
重要ポイントのおさらい:
- Macは開発メニューから簡単に表示 – Option + Command + U
- iPhone/iPadはショートカットが便利 – 共有シートから実行
- Webインスペクタで詳細分析 – リアルタイム編集も可能
- セキュリティと著作権に注意 – 適切な利用を心がける
- 学習と問題解決に活用 – Web制作スキルの向上
ソースコードを見ることは、Web制作を学ぶ最良の方法の一つです。
優れたWebサイトのコードを研究し、自分の知識として吸収していくことで、より良いWebサイトを作れるようになります。最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ理解できるようになっていきます。
この記事を参考に、ぜひWebサイトの裏側を探検してみてください!
コメント