「Macでサーバーに接続したいけど、どうすればいい?」
「ターミナルって難しそう…」
「WindowsのPuTTYみたいなソフトは必要なの?」
実は、Macには最初からSSHが使えるって知ってましたか?
特別なソフトをインストールする必要は一切ありません。この記事を読めば、10分後にはあなたもSSHマスターになれます!
今回は、MacでSSHコマンドを使う方法を、実際の画面を想像しながら一緒に学んでいきましょう。
朗報!MacにはSSHが最初から入ってる

Windowsユーザーが羨む事実
WindowsユーザーがPuTTYなどの専用ソフトをダウンロードしている間に、MacユーザーはすでにSSHが使える状態なんです。
これは、macOSがUnix系のOSだから。つまり、サーバー管理に必要なツールが最初から揃っているということ。
確認してみよう!本当に入ってる?
ターミナルを開いて、次のコマンドを打ってみてください:
ssh -V
こんな表示が出れば成功です:
OpenSSH_9.0p1, LibreSSL 3.3.6
バージョン番号は違っても大丈夫。OpenSSHという文字が見えれば、準備完了です!
ターミナルの開き方:3つの簡単な方法
「そもそもターミナルってどこにあるの?」
大丈夫、3つの方法を紹介します。一番簡単な方法から試してみてください。
方法1:Spotlight検索を使う(最速!)
- Command + スペースキーを押す
- 「terminal」または「ターミナル」と入力
- Enterキーを押す
これだけ!3秒で開けます。
方法2:Launchpadから探す
- Launchpadを開く(ロケットのアイコン)
- 「その他」フォルダをクリック
- ターミナルアイコンをクリック
方法3:Finderから直接開く
- Finderを開く
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」
- ターミナル.appをダブルクリック
プロのヒント: よく使うなら、Dockに追加しておくと便利です!
基本のSSH接続:たった1行のコマンド
最もシンプルな接続方法
サーバーに接続する基本形はこれだけ:
ssh ユーザー名@サーバーのアドレス
実際の例:
ssh tanaka@192.168.1.100
または
ssh admin@example.com
初めて接続する時は、こんなメッセージが出ます:
The authenticity of host 'example.com' can't be established.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])?
これは「このサーバーに接続するのは初めてだけど、信頼する?」という確認。
yesと入力してEnterを押せばOKです。
パスワードを聞かれたら
admin@example.com's password:
パスワードを入力します。画面には表示されませんが、ちゃんと入力されているので安心してください。
よく使うSSHコマンドのオプション集
ポート番号を指定する(-p)
標準の22番以外のポートを使う場合:
ssh -p 2222 user@example.com
使用例: セキュリティのためにポート番号を変更しているサーバーへの接続
詳細情報を表示する(-v)
接続がうまくいかない時のトラブルシューティング:
ssh -v user@example.com
もっと詳しく見たい場合は-vv
や-vvv
も使えます。
圧縮して通信する(-C)
遅い回線で接続する時に便利:
ssh -C user@example.com
データを圧縮して送るので、通信速度が向上します。
X11転送を有効にする(-X)
リモートのGUIアプリケーションを使う場合:
ssh -X user@example.com
注意: XQuartzのインストールが必要な場合があります。
SSH鍵認証:パスワード入力から解放される方法
毎回パスワードを入力するのは面倒ですよね?
SSH鍵認証を使えば、パスワードなしで安全に接続できます。
ステップ1:鍵ペアを作成する
ターミナルで次のコマンドを実行:
ssh-keygen -t ed25519 -C "あなたのメール@example.com"
質問される内容と回答例:
- 保存場所を聞かれたら:そのままEnter(デフォルトでOK)
- パスフレーズを聞かれたら:セキュリティを高めたい場合は設定、簡単にしたい場合は空Enter
- 確認のため再入力:同じものを入力
ステップ2:公開鍵をサーバーに送る
一番簡単な方法:
ssh-copy-id user@example.com
このコマンドが使えない場合の手動方法:
cat ~/.ssh/id_ed25519.pub | ssh user@example.com "mkdir -p ~/.ssh && cat >> ~/.ssh/authorized_keys"
ステップ3:鍵認証で接続する
設定が完了したら、パスワードなしで接続できます:
ssh user@example.com
魔法みたいでしょう?でも、これが現代の標準的な接続方法なんです。
Mac特有の便利機能:SSHをもっと快適に
1. キーチェーンにパスフレーズを保存
SSH鍵にパスフレーズを設定した場合、毎回入力するのは大変。
Macのキーチェーンに保存しましょう:
ssh-add --apple-use-keychain ~/.ssh/id_ed25519
一度入力すれば、次回から自動的に読み込まれます。
2. ~/.ssh/configファイルで接続を簡単に
よく接続するサーバーの設定を保存できます:
nano ~/.ssh/config
以下の内容を追加:
Host myserver
HostName example.com
User admin
Port 2222
IdentityFile ~/.ssh/id_ed25519
これで、長いコマンドの代わりに:
ssh myserver
だけで接続できるように!
3. iTerm2を使ってさらに便利に
標準のターミナルも十分使えますが、iTerm2という無料アプリを使うと:
- タブ機能で複数の接続を管理
- 画面分割で複数のサーバーを同時操作
- プロファイルで接続先ごとの設定を保存
プロの多くが愛用している理由が分かります。
トラブルシューティング:困った時の解決法
問題1:Permission deniedと言われる
原因と解決法:
- ユーザー名が間違っている
- 正しいユーザー名を確認
- パスワードが間違っている
- Caps Lockがオンになっていないか確認
- 鍵認証の権限設定が間違っている
chmod 700 ~/.ssh
chmod 600 ~/.ssh/id_ed25519
問題2:Connection refusedエラー
チェックポイント:
- サーバーが起動しているか
- ファイアウォールで遮断されていないか
- ポート番号が正しいか
確認コマンド:
nc -zv example.com 22
問題3:接続が遅い、固まる
解決策:
- DNS解決を無効化
ssh -o "AddressFamily inet" user@example.com
- キープアライブを設定
~/.ssh/configに追加:
ServerAliveInterval 60
ServerAliveCountMax 3
実践的な使用例:こんな時に便利!
1. ファイルをサーバーにコピー(SCP)
ローカルのファイルをサーバーに送る:
scp ~/Desktop/file.txt user@example.com:~/
サーバーからファイルを取得:
scp user@example.com:~/file.txt ~/Desktop/
2. ディレクトリを丸ごと同期(rsync)
rsync -avz ~/Documents/project/ user@example.com:~/project/
メリット: 変更されたファイルだけを転送するので高速!
3. トンネリング:安全な通信路を作る
ローカルの8080番ポートをサーバーの80番ポートに転送:
ssh -L 8080:localhost:80 user@example.com
ブラウザでhttp://localhost:8080
にアクセスすると、サーバーの80番ポートにつながります。
まとめ:MacでSSHを使うのは想像以上に簡単!
今日学んだことをおさらいしましょう:
✅ Macには最初からSSHが入っている(追加インストール不要)
✅ ターミナルはCommand + スペースで簡単に開ける
✅ 基本コマンドはssh ユーザー名@サーバー
だけ
✅ SSH鍵認証でパスワード入力から解放される
✅ ~/.ssh/configで接続をもっと簡単にできる
✅ Macのキーチェーン機能でパスフレーズも自動化
最初は「ターミナル怖い…」と思うかもしれません。
でも、実際に使ってみると「なんだ、こんなに簡単だったのか!」と感じるはずです。
Macを使っているあなたには、すでに強力なツールが備わっています。
今日からさっそく、SSHを使ってサーバー管理を始めてみませんか?
コマンドラインの世界へようこそ!
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