「PostgreSQLのバージョンってどうやって調べるの?」 「複数のバージョンがインストールされてて、どれを使ってるか分からない…」 「新しい機能を使いたいけど、自分のバージョンで使えるか確認したい」
こんな疑問を持っているあなたへ。
実は、PostgreSQLのバージョン確認はたった5秒でできるんです。でも、方法を知らないと意外と困りますよね。
この記事では、5つの確認方法を難易度順に紹介します。状況に応じて、最適な方法を選んでください!
なぜバージョン確認が必要?3つの重要な理由

1. 機能の互換性チェック
PostgreSQLは頻繁にアップデートされ、新機能が追加されます:
バージョン | 主な新機能 |
---|---|
PostgreSQL 15 | MERGE文のサポート |
PostgreSQL 14 | 並列処理の改善 |
PostgreSQL 13 | インデックスの並列バキューム |
PostgreSQL 12 | JSON パスによる問い合わせ |
使いたい機能があなたのバージョンで使えるか、確認が必要です。
2. セキュリティアップデートの確認
古いバージョンにはセキュリティの脆弱性がある可能性:
- サポート終了したバージョンは危険
- 定期的なバージョン確認が大切
- 企業では特に重要
3. トラブルシューティング
エラーが出た時、バージョン情報は必須:
- Stack Overflowで質問する時
- バグレポートを送る時
- 技術サポートを受ける時
「バージョンは?」と必ず聞かれます!
方法1:コマンドプロンプトで確認(最速5秒)
基本コマンド
最も簡単な方法:
- Windows + Rキーを押す
- 「cmd」と入力してEnter
- 以下のコマンドを入力:
psql --version
結果の例:
psql (PostgreSQL) 15.3
これだけ!5秒で完了です。
もし「コマンドが見つかりません」と出たら
原因: 環境変数PATHが設定されていない
解決方法:
フルパスで実行:
"C:\Program Files\PostgreSQL\15\bin\psql" --version
バージョン番号(上記の例では「15」)は、インストールしたバージョンに合わせて変更してください。
方法2:PostgreSQLに接続して確認(詳細情報も取得)
psqlで接続する方法
- コマンドプロンプトを開く
- PostgreSQLに接続:
psql -U postgres
- パスワードを入力
- 接続後、以下のコマンドを実行:
SELECT version();
結果の例:
PostgreSQL 15.3, compiled by Visual C++ build 1914, 64-bit
より詳しい情報が表示されます!
短縮版コマンド
接続後、こちらでもOK:
SHOW server_version;
結果の例:
15.3
バージョン番号だけを取得
SELECT current_setting('server_version_num');
結果の例:
150003
この数字の読み方:
- 15 = メジャーバージョン
- 00 = マイナーバージョン
- 03 = パッチバージョン
方法3:pgAdminで確認(GUIで簡単)
pgAdmin 4での確認方法
pgAdminは、PostgreSQLの公式管理ツールです。
手順:
- pgAdmin 4を起動
- 左側のツリーで「Servers」を展開
- 接続したいサーバーを右クリック
- 「Properties」を選択
- 「General」タブの「Version」を確認
または、もっと簡単に:
- サーバーに接続
- サーバー名の横にバージョンが表示される 例:
PostgreSQL 15 (localhost:5432)
ダッシュボードで確認
- サーバーを選択
- 右側の「Dashboard」タブ
- 「Server Activity」セクション
- 上部にPostgreSQL Versionが表示
方法4:Windowsのプログラム一覧から確認
コントロールパネルから
- コントロールパネルを開く
- 「プログラムのアンインストール」をクリック
- インストール済みプログラムの一覧から「PostgreSQL」を探す
- 名前にバージョンが含まれている 例:
PostgreSQL 15 (64-bit)
Windows 10/11の設定から
- Windows + Iキーで設定を開く
- 「アプリ」をクリック
- 「アプリと機能」を選択
- 検索ボックスに「PostgreSQL」と入力
- バージョンが表示される
スタートメニューから
- スタートメニューを開く
- 「PostgreSQL」フォルダを探す
- フォルダ名にバージョンが含まれる 例:
PostgreSQL 15
方法5:サービスから確認

Windowsサービスでの確認
- Windows + Rキー
- 「services.msc」と入力してEnter
- 「postgresql」で始まるサービスを探す
- サービス名にバージョンが含まれる 例:
postgresql-x64-15
詳細情報の確認:
- サービスを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「実行ファイルのパス」を確認 例:
"C:\Program Files\PostgreSQL\15\bin\pg_ctl.exe"
パスにバージョン番号が含まれています!
複数バージョンがインストールされている場合
どのバージョンが動いているか確認
ポート番号で判別:
デフォルトでは:
- PostgreSQL 15: ポート 5432
- PostgreSQL 14: ポート 5433
- PostgreSQL 13: ポート 5434
確認コマンド:
netstat -an | findstr :5432
特定のバージョンに接続
psql -U postgres -p 5432 -c "SELECT version();"
ポート番号を指定することで、特定のバージョンに接続できます。
環境変数の確認
echo %PGDATA%
echo %PATH%
どのバージョンのパスが優先されているか分かります。
PowerShellを使った高度な確認方法
インストール済みPostgreSQLを一覧表示
Get-WmiObject -Class Win32_Product | Where-Object {$_.Name -like "*PostgreSQL*"} | Select-Object Name, Version
レジストリから情報取得
Get-ItemProperty HKLM:\Software\PostgreSQL\Installations\* | Select-Object Version, Base_Directory
サービス情報の詳細取得
Get-Service -Name "postgresql*" | Select-Object Name, DisplayName, Status
トラブルシューティング:よくある問題と解決方法
問題1:psqlコマンドが使えない
症状:
'psql' は、内部コマンドまたは外部コマンド、
操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。
解決方法:
- 環境変数PATHに追加:
- システムのプロパティ → 環境変数
- PATHに
C:\Program Files\PostgreSQL\15\bin
を追加 - PCを再起動
- フルパスで実行:
"C:\Program Files\PostgreSQL\15\bin\psql" --version
問題2:接続できない
症状:
psql: error: connection to server at "localhost" (::1), port 5432 failed
解決方法:
- サービスが起動しているか確認:
sc query postgresql-x64-15
- サービスを開始:
net start postgresql-x64-15
問題3:パスワードが分からない
解決方法:
pg_hba.conf
を編集- 認証方法を一時的に
trust
に変更 - パスワードをリセット
- 認証方法を元に戻す
場所:C:\Program Files\PostgreSQL\15\data\pg_hba.conf
問題4:どのポートで動いているか分からない
確認方法:
netstat -an | findstr LISTENING | findstr postgres
または、postgresql.conf
ファイルを確認:
C:\Program Files\PostgreSQL\15\data\postgresql.conf
port = 5432
の行を探す。
バージョン番号の読み方
PostgreSQLのバージョニング
PostgreSQL 10以降:
- メジャーバージョン.マイナーバージョン
- 例:15.3 = メジャー15、マイナー3
PostgreSQL 9.6以前:
- メジャー.マイナー.パッチ
- 例:9.6.24 = メジャー9.6、パッチ24
サポート期限の確認
PostgreSQLは各メジャーバージョンを5年間サポート:
バージョン | リリース日 | サポート終了 |
---|---|---|
PostgreSQL 16 | 2023年9月 | 2028年11月 |
PostgreSQL 15 | 2022年10月 | 2027年11月 |
PostgreSQL 14 | 2021年9月 | 2026年11月 |
PostgreSQL 13 | 2020年9月 | 2025年11月 |
PostgreSQL 12 | 2019年10月 | 2024年11月 |
古いバージョンを使っている場合は、アップグレードを検討しましょう!
まとめ:状況に応じた最適な確認方法を選ぼう
今日学んだ5つの方法をまとめます:
✅ コマンドプロンプト(psql --version
):最速5秒 ✅ SQL接続(SELECT version()
):詳細情報も取得 ✅ pgAdmin:GUIで視覚的に確認 ✅ プログラム一覧:インストール状況を確認 ✅ Windowsサービス:実行中のサービスを確認
おすすめの使い分け:
- とにかく早く確認 → psql –version
- 詳細情報が必要 → SELECT version()
- GUI派 → pgAdmin
- 複数バージョン管理 → サービス確認
PostgreSQLのバージョン確認は、データベース管理の基本中の基本。
この記事で学んだ方法を使えば、どんな状況でも素早くバージョンを確認できます。トラブルシューティングの第一歩として、ぜひ活用してください!
快適なPostgreSQL生活を!
次のステップにおすすめ:
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