はじめに:ピン留め権限の基本を理解しよう
Discordにおけるメッセージのピン留め機能は、重要な情報をチャンネル内で目立たせるための重要なツールです。
2025年初頭の大型アップデートにより、ピン留めシステムは大幅に改善されました。
主要なアップデート内容
- チャンネルあたりのピン留め上限が50件から250件に増加
- 専用の「メッセージをピン留め」権限が新設
このガイドでは、ピン留め権限の設定方法から効果的な管理方法まで、すべてを詳しく解説します。
必要な権限の詳細
ピン留めに必要な2つの権限
メッセージをピン留めするための権限は、現在2つの方法で付与できます。
1. 新しい方法
「メッセージをピン留め」(PIN_MESSAGES)権限
- 2025年に新設された専用権限
- より細かい権限管理が可能
2. 従来の方法
「メッセージの管理」(MANAGE_MESSAGES)権限
- 後方互換性のために残されている
- ピン留め以外の機能も含む包括的な権限
どちらの権限でもピン留めが可能です。
デフォルトでピン留めできるユーザー
以下のユーザーは、デフォルトでピン留め権限を持っています:
- サーバーオーナー
- すべてのチャンネルで制限なし
- 管理者権限を持つユーザー
- すべての制限を回避
- 「メッセージをピン留め」または「メッセージの管理」権限を持つロールのメンバー
- 設定されたチャンネルでピン留め可能
一般メンバー(@everyone)には、デフォルトでピン留め権限は付与されていません。
ロール権限の設定方法
サーバーレベルでの権限設定
特定のロールにピン留め権限を付与する手順を解説します。
基本的な設定手順
- サーバー設定を開く
- サーバー名の横の下向き矢印をクリック
- 「ロール」セクションを選択
- 権限を付与したいロールを選択
- 既存のロールまたは新規作成
- 「権限」タブを開く
- 「メッセージをピン留め」権限をオンに切り替える
- 変更を保存
この設定により、該当ロールを持つすべてのメンバーが、アクセス可能なチャンネルでメッセージをピン留めできるようになります。
重要な注意点
権限は加算式で適用されます。
複数のロールを持つユーザーは、それらすべてのロールの権限を組み合わせた権限を持ちます。
チャンネル固有の権限オーバーライド
特定のチャンネルでのみピン留め権限を付与または制限したい場合の設定方法です。
チャンネル権限の設定手順
- 対象チャンネルを右クリック
- 「チャンネルの編集」を選択
- 「権限」タブを開く
- 「+」ボタンをクリック
- ロールまたはメンバーを追加
- 「メッセージをピン留め」権限を設定
権限の3つの状態
- ✅ 許可:サーバー設定を上書きして権限を付与
- ❌ 拒否:権限を削除(@everyoneに対してのみ有効)
- / ニュートラル:サーバーレベルの設定を使用
重要:「許可」は常に「拒否」より優先されます。ただし、@everyoneロールに対する「拒否」設定は例外で、基本権限として機能します。
権限システムの階層構造

Discordの権限システムは複雑な階層構造を持っています。正しく理解することが重要です。
サーバー権限とチャンネル権限の違い
サーバーレベル権限
すべてのチャンネルに対する基本的な権限を設定します。
チャンネルレベル権限
特定のチャンネルでサーバー権限を上書きできます。
チャンネル権限は加算式で適用され、複数のロールのうちいずれか一つでも「許可」があれば、その権限が付与されます。
権限の優先順位
権限は以下の順序で優先されます:
- サーバーオーナー(最高優先度・すべての制限を回避)
- 管理者権限(チャンネルレベルの制限を回避)
- ユーザー固有のチャンネルオーバーライド
- ロール固有のチャンネルオーバーライド
- カテゴリーレベルの権限(同期されたチャンネルに継承)
- サーバーレベルのロール権限
- @everyoneロールの権限(最低優先度)
250件のピン留め上限とその管理
新しい上限について
2025年のアップデートで、通常のテキストチャンネルのピン留め上限は250件に増加しました。
この制限は各チャンネルごとに独立しており、サーバー全体での制限はありません。
上限に達した場合の対処法
上限の250件に達すると、新しいメッセージをピン留めすることができなくなります。
対処法4選
- 古いピン留めを手動で削除
- 不要になったピン留めを定期的に整理
- 専用のアーカイブチャンネルを作成
- 古いピン留めを別チャンネルに移動
- ピン留め管理ボットの活用
- 「Passel」や「Pinbot」などのボットで自動アーカイブ
- ピン留めローテーションポリシーの導入
- 定期的な見直しスケジュールを設定
フォーラムチャンネルの特別な制限
フォーラムチャンネルには特別な制限があります。
1つのフォーラムチャンネルにつき1つの投稿のみピン留め可能です。新しい投稿をピン留めするには、既存のピン留めを解除する必要があります。
特定ユーザーへの権限付与と制限
個別ユーザーへの権限付与
特定のユーザーだけにピン留め権限を付与する最も効果的な方法を紹介します。
方法1:専用ロールを作成
- 専用のロールを作成
- 例:「ピン留め管理者」
- そのロールに「メッセージをピン留め」権限を付与
- 対象ユーザーにそのロールを割り当て
方法2:チャンネルレベルで個別設定
- チャンネルの権限設定で特定のユーザーを追加
- そのユーザーに対して**「メッセージをピン留め」を「許可」に設定**
権限の制限方法
特定のユーザーからピン留め権限を制限する方法です。
- 該当するロールから削除
- チャンネルレベルで個別に「拒否」設定
- ただし、より高い権限を持つロールがある場合は無効
- @everyoneの権限を「拒否」に設定
- 許可したいユーザーのみ個別に「許可」
チャンネルタイプ別の特殊考慮事項
各チャンネルタイプでの動作
通常のテキストチャンネル
- 標準的なピン留め権限が適用
- 250件の上限が設定
アナウンスチャンネル
- 通常のチャンネルと同じ権限システム
- サーバー全体への重要な告知に使用されることが多い
- ピン留めの管理は特に重要
スレッドチャンネル
- 親チャンネルから権限を継承
- スレッド作成者が自動的にピン留め権限を持つわけではない
- スレッドごとに独立した250件の上限
- 親チャンネルとは共有されない
ボイスチャンネルのテキストチャット
- 通常のテキストチャンネルと同じ権限システム
- 音声関連の告知や指示をピン留めするのに便利
ステージチャンネル
- 付属テキストチャンネルも標準的なルールに従う
トラブルシューティングガイド
よくある問題と解決方法
問題1:「メッセージの管理」権限があるのにピン留めできない
原因:チャンネルレベルのオーバーライドで権限が拒否されている
解決策:
- チャンネルの権限設定を確認
- 「メッセージをピン留め」が拒否されていないことを確認
問題2:ボットがピン留めできない
原因:ボットに明示的な権限が付与されていない
解決策: ボットのロールに「メッセージをピン留め」または「メッセージの管理」権限を付与
問題3:2段階認証(2FA)関連の問題
サーバーで「モデレーター向け2FA要件」が有効になっている場合の注意点:
- ピン留め権限を持つユーザーは必ず2FAを有効にする必要があります
- 2FAが有効でない場合、大きなバナーが表示される
- 権限を削除するか2FAを有効にするまでバナーは消えない
モバイルとデスクトップの違い
機能面では同じですが、インターフェースに若干の違いがあります。
デスクトップ版
- 右クリックまたは3点メニューからアクセス
- チャンネルヘッダーのピンアイコンでピン留め表示
モバイル版
- メッセージを長押し後、メニューオプションを選択
- チャンネル名メニューから「ピン留め」を選択して表示
サーバー管理のベストプラクティス
大規模サーバーでのピン留め管理戦略
効率的な組織化のために、以下の戦略を推奨します。
推奨戦略4選
- 専用ピン留めチャンネルの作成
- 重要情報のカテゴリーごとに別々のチャンネルを設置
- ピン留めローテーションポリシー
- 月次または四半期ごとの定期レビューを実施
- カテゴリーベースのピン留め
- ルール、イベント、FAQ等を別々のチャンネルで管理
- ボット統合
- PasselやPinbotなどの管理ボットで自動化
権限管理の推奨事項
ロールベースのアプローチ
以下のような階層を設定することをお勧めします:
- 管理者:すべてのチャンネルでピン留め可能
- モデレーター:公開チャンネルでのピン留め権限
- 信頼されたメンバー:特定のコミュニティチャンネルでのみ権限
- 一般メンバー:ピン留め権限なし
代替手段の活用
すべての情報をピン留めする必要はありません。
代替手段:
- アナウンスチャンネル:一方向の重要な告知用
- ウェルカムチャンネル:新規メンバー向けの恒久的な情報
- FAQチャンネル:頻繁に参照される情報
- ボットコマンド:動的な情報取得システム
ピン留めの効果的な使用
重要な原則
ピン留めは本当に重要な情報にのみ使用することが重要です。
過度なピン留めは、かえって重要な情報を埋もれさせる原因となります。
メンテナンスのポイント
- 定期的なメンテナンスを行う
- 古くなった情報は速やかに削除
- ピン留めする際は明確な説明を追加
- なぜその情報が重要なのかをメンバーが理解できるようにする
実践的な設定例
中規模コミュニティサーバーの設定例
1000人規模のゲーミングコミュニティを例に、実践的な設定を説明します。
ロール構成
- 管理者:全権限
- モデレーター:「メッセージをピン留め」権限をサーバーレベルで付与
- VIPメンバー:特定のVIPチャンネルでのみピン留め権限
- 一般メンバー:ピン留め権限なし
チャンネル設定
- #お知らせ:管理者のみピン留め可能
- #一般:モデレーター以上がピン留め可能
- #ヘルプ:全モデレーターがFAQをピン留め
- #VIPラウンジ:VIPメンバーもピン留め可能
この設定により、権限の濫用を防ぎながら、必要な情報を効果的に管理できます。
成長に応じた見直し
サーバーの成長に応じて、権限構造を定期的に見直すことも重要です。
メンバー数の増加やコミュニティの性質の変化に合わせて、柔軟に対応しましょう。
まとめ:効果的なピン留め管理のために
Discord のピン留め機能は、適切に使用すれば強力なコミュニケーションツールとなります。
2025年のアップデートで250件まで増加した上限を活かし、権限を適切に管理することで、より良いサーバー運営が可能になります。
重要なポイント
- 新しい「メッセージをピン留め」権限を活用する
- 権限の階層構造を理解する
- チャンネルごとの特性に応じた設定を行う
- 定期的なメンテナンスを忘れない
- 本当に重要な情報にのみピン留めを使用する
これらのベストプラクティスに従うことで、効果的なピン留め管理を実現できるでしょう。
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