「Thunderbirdのフォルダって、どれを移行すればいいの?」 「プロファイルフォルダの中身が謎すぎる…」 「必要なファイルだけ選んで移行したい」
そんな疑問、この記事で完全に解決します!
Thunderbirdの移行で一番不安なのは、「どのファイルが何のデータなのか分からない」ことですよね。プロファイルフォルダを開いても、見慣れないファイル名がズラリ…でも実は、各フォルダやファイルにはちゃんと役割があるんです。
この記事では、Thunderbirdのフォルダ構成を完全解説し、確実に移行する方法をお教えします。必要なデータだけを選んで移行することも、丸ごと移行することも、自在にできるようになりますよ!
Thunderbirdのフォルダ構成の全体像

プロファイルフォルダの場所
Windows 10/11:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\[ランダム文字列].default-release
Mac:
~/Library/Thunderbird/Profiles/[ランダム文字列].default-release
Linux:
~/.thunderbird/[ランダム文字列].default-release
フォルダ構成の全体マップ
Thunderbird/
├── Profiles/
│ └── xxxxxxxx.default-release/ ← これがプロファイルフォルダ
│ ├── Mail/ ← メールデータ(POP3)
│ ├── ImapMail/ ← メールデータ(IMAP)
│ ├── abook.sqlite ← アドレス帳
│ ├── prefs.js ← 設定ファイル
│ ├── extensions/ ← アドオン
│ ├── calendar-data/ ← カレンダーデータ
│ └── その他多数のファイル
└── profiles.ini ← プロファイル管理ファイル
それぞれ詳しく見ていきましょう!
【詳細解説】各フォルダ・ファイルの役割
メールデータフォルダ
Mail/フォルダ(POP3アカウント用)
構成:
Mail/
├── pop.gmail.com/ ← Gmailのデータ
│ ├── Inbox ← 受信トレイ
│ ├── Inbox.msf ← インデックスファイル
│ ├── Sent ← 送信済み
│ ├── Sent.msf
│ ├── Drafts ← 下書き
│ └── Trash ← ごみ箱
└── Local Folders/ ← ローカルフォルダ
├── Inbox
└── カスタムフォルダ
重要ポイント:
- 拡張子なしファイル = 実際のメールデータ
- .msfファイル = インデックス(なくても再生成される)
- フォルダ名.sbd = サブフォルダ用ディレクトリ
ImapMail/フォルダ(IMAPアカウント用)
構成:
ImapMail/
├── imap.gmail.com/
│ ├── INBOX.msf
│ ├── [Gmail].sbd/
│ │ ├── すべてのメール.msf
│ │ ├── 送信済みメール.msf
│ │ └── 下書き.msf
│ └── msgFilterRules.dat ← フィルタルール
└── outlook.office365.com/
└── 同様の構成
IMAPの特徴:
- メール本体はサーバーに存在
- .msfファイルがメインの保存対象
- オフラインデータは設定次第
重要な設定ファイル
prefs.js(最重要!)
すべての設定が記録されているファイル。
含まれる設定:
- アカウント情報
- サーバー設定
- 表示設定
- ツールバーカスタマイズ
- 拡張機能の設定
バックアップ必須の理由: これがないと、すべてを手動で再設定する必要があります!
abook.sqlite(アドレス帳)
含まれるデータ:
- 個人用アドレス帳
- 記録用アドレス帳(自動収集)
- カスタムアドレス帳
- 配布リスト
関連ファイル:
abook.sqlite ← メインのアドレス帳
abook-1.sqlite ← 追加アドレス帳
history.sqlite ← アドレス履歴
拡張機能とテーマ
extensions/フォルダ
extensions/
├── {アドオンID}/ ← 解凍型アドオン
├── addon@example.xpi ← パッケージ型アドオン
└── extensions.json ← アドオン管理情報
移行時の注意:
- アドオンの互換性を確認
- 新環境で再インストールが安全
- 設定は prefs.js に保存
その他の重要ファイル・フォルダ
calendar-data/(カレンダー)
calendar-data/
├── local.sqlite ← ローカルカレンダー
└── cache.sqlite ← キャッシュ
Lightning カレンダーのデータが保存されています。
session.json(セッション情報)
開いていたタブやウィンドウの状態を記録。
cert9.db(証明書)
SSL証明書やセキュリティ例外の情報。
key4.db と logins.json(パスワード)
key4.db ← マスターパスワード
logins.json ← 保存されたパスワード
セキュリティ上、特に慎重に扱う必要があります。
移行パターン別の必要ファイル
パターン1:完全移行(すべて移行)
必要なもの:
- プロファイルフォルダ全体
- profiles.ini
手順:
- プロファイルフォルダを丸ごとコピー
- 新環境に貼り付け
- profiles.ini を調整
パターン2:メールとアドレス帳だけ移行
必要なファイル:
Mail/ ← POP3メール
ImapMail/ ← IMAPメール
abook.sqlite ← アドレス帳
msgFilterRules.dat ← フィルタ(各メールフォルダ内)
手順:
- 新環境でアカウントを手動設定
- Thunderbirdを終了
- 上記ファイルを上書きコピー
パターン3:設定だけ移行
必要なファイル:
prefs.js ← すべての設定
cert9.db ← 証明書
key4.db ← セキュリティ
logins.json ← パスワード
メールデータは移行せず、設定のみ引き継ぎます。
パターン4:特定アカウントだけ移行
必要なもの:
Mail/pop.example.com/ ← 特定のPOP3アカウント
または
ImapMail/imap.example.com/ ← 特定のIMAPアカウント
複数アカウントから選択して移行できます。
フォルダ構成のトラブルシューティング
よくある問題と解決法
問題1:フォルダが見つからない
原因: 隠しフォルダになっている
解決方法(Windows):
- エクスプローラーの「表示」タブ
- 「隠しファイル」にチェック
- AppDataフォルダが表示される
問題2:.default-releaseと.defaultの違い
説明:
.default-release
= 通常使用のプロファイル.default
= 古いバージョンのプロファイル
新しいThunderbirdは -release
付きを使用。
問題3:ファイルサイズが巨大
原因と対策:
global-messages-db.sqlite が大きい:
- グローバル検索のインデックス
- 削除しても再生成される
- 移行時は除外してもOK
Inbox が数GB:
- メールデータの蓄積
- 「ファイル → 最適化」で圧縮
- 不要メールを削除後に最適化
移行前のクリーンアップ
不要ファイルの削除
安全に削除できるファイル:
*.msf ← インデックス(再生成される)
global-messages-db.sqlite ← 検索DB(再構築可能)
cache/ ← キャッシュフォルダ
crashes/ ← クラッシュレポート
minidumps/ ← ダンプファイル
フォルダの最適化
手順:
- 各フォルダを右クリック
- 「最適化」を選択
- 削除済みメールの領域が解放される
これで移行データのサイズを大幅に削減できます!
OS間移行の注意点
Windows → Mac 移行
パスの違い:
- Windows:
Mail\Local Folders\Inbox
- Mac:
Mail/Local Folders/Inbox
文字コードの問題:
- 日本語フォルダ名は文字化けする可能性
- 移行後に手動で修正
32bit → 64bit 移行
基本的に問題なし:
- プロファイルフォルダは共通
- アドオンの互換性のみ確認
異なるThunderbirdバージョン間
新しいバージョンへの移行:
- 通常は自動的に変換される
- バックアップを必ず取る
古いバージョンへの移行:
- 非推奨(データ破損の可能性)
- どうしても必要なら新規作成後、部分移行
効率的な移行のためのベストプラクティス
移行前チェックリスト
- [ ] Thunderbirdのバージョンを確認
- [ ] プロファイルフォルダのサイズを確認
- [ ] 不要メールを削除
- [ ] フォルダを最適化
- [ ] 完全バックアップを作成
段階的移行のすすめ
推奨手順:
- Day 1: 設定とアドレス帳を移行
- Day 2: メインアカウントのメールを移行
- Day 3: その他のアカウントを移行
- Day 4: 拡張機能とカスタマイズ
移行ツールの活用
ImportExportTools NG:
- フォルダ単位でのエクスポート/インポート
- メールフォーマットの変換
- 部分的な移行に最適
MailStore Home:
- プロファイル全体のバックアップ
- 複数バージョンの管理
- 検索可能なアーカイブ作成
移行後の確認ポイント
動作確認チェックリスト
基本機能:
- [ ] すべてのアカウントが表示される
- [ ] メールの送受信ができる
- [ ] フォルダ構造が維持されている
- [ ] フィルタが動作する
データ確認:
- [ ] 過去のメールが読める
- [ ] アドレス帳の連絡先がある
- [ ] 下書きが残っている
- [ ] カレンダーの予定が表示される
設定確認:
- [ ] 署名が設定されている
- [ ] 表示設定が維持されている
- [ ] アドオンが有効になっている
トラブル時の対処
メールが表示されない:
- フォルダを右クリック → プロパティ
- 「修復」ボタンをクリック
- インデックスが再構築される
設定が反映されない:
- Thunderbirdを完全終了
- prefs.js が正しくコピーされているか確認
- profiles.ini のパスを確認
まとめ:フォルダ構成を理解して、完璧な移行を!
Thunderbirdのフォルダ構成、もう怖くありませんね?
この記事の重要ポイント:
- プロファイルフォルダの構造
- Mail/ImapMail:メールデータ
- abook.sqlite:アドレス帳
- prefs.js:設定ファイル
- 移行パターンの選択
- 完全移行:フォルダごとコピー
- 部分移行:必要ファイルのみ
- 段階移行:安全で確実
- クリーンアップで効率化
- .msfファイルは除外可能
- フォルダ最適化でサイズ削減
- 不要ファイルの削除
- 移行後の確認
- チェックリストで漏れ防止
- トラブル時は修復機能を活用
フォルダ構成を理解していれば、移行も怖くありません。必要なデータだけを選んで、スマートに移行できます。
大切なメールデータを守りながら、新しい環境でも快適にThunderbirdを使い続けてください!📁✨
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