「スマホとPCの両方でメールを見たいのに、Thunderbirdでダウンロードしたらスマホから消えちゃった…」 「『サーバーにメッセージを残す』って設定があるはずなのに、どこにも表示されない」 「ネットの説明通りに探しても、その項目が見当たらない」
こんな困った経験、ありませんか?
実はこの問題、メールの受信方式の違いが原因であることがほとんどなんです。 設定が「表示されない」のではなく、そもそも「必要ない設定」になっている可能性が高いんですね。
今回は、この謎を完全に解明して、あなたが求める設定方法を確実に見つけられるよう、詳しく解説していきます。 この記事を読み終われば、複数デバイスでメールを快適に使えるようになりますよ!
まず理解しよう:POP3とIMAPの決定的な違い

なぜ設定が表示されないのか?根本原因はココ!
「サーバーにメッセージを残す」設定は、POP3アカウントにだけ存在します。 IMAPアカウントでは、この設定自体が表示されません。
その理由:
POP3(Post Office Protocol 3)の仕組み
- メールをサーバーからダウンロードして手元に保存
- 基本的にダウンロード後はサーバーから削除される
- だから「残す」設定が必要
IMAP(Internet Message Access Protocol)の仕組み
- メールは常にサーバー上で管理
- 各デバイスはサーバーの内容を見ているだけ
- そもそも削除されないので「残す」設定が不要
つまり、設定が見つからない最大の理由は、あなたのアカウントがIMAPで設定されている可能性が高いんです!
今すぐ確認!あなたのアカウントはPOP3?IMAP?
確認方法(30秒でできます)
ステップ1:アカウント設定を開く
方法A:メニューバーから(Windows/Linux)
- Thunderbird右上の「≡」(ハンバーガーメニュー)をクリック
- 「アカウント設定」をクリック
方法B:メールアドレスから
- 左側のアカウント名を右クリック
- 「設定」を選択
方法C:ツールメニューから(旧バージョン)
- 「ツール」→「アカウント設定」
ステップ2:サーバー設定を確認
左側メニューで確認したいアカウントの「サーバー設定」をクリック。
ここを見る!
サーバーの種類: POP メールサーバー
または
サーバーの種類: IMAP メールサーバー
結果別の対処法
「IMAP」と表示されている場合: → そもそも「残す」設定は不要です!すでに全デバイスで同期されています。
「POP」と表示されている場合: → 次のセクションで設定方法を説明します。
POP3で「サーバーにメッセージを残す」設定をする方法
設定場所と手順(Thunderbird最新版)
ステップ1:サーバー設定画面を開く
- メニュー「≡」→「アカウント設定」
- 対象アカウントの「サーバー設定」をクリック
ステップ2:ダウンロード設定を見つける
画面を下にスクロールすると、「ダウンロード」というセクションがあります。
ステップ3:設定項目をチェック
以下の項目が表示されているはずです:
☐ ダウンロード後もサーバーにメッセージを残す
このチェックボックスをオンにすると、さらに詳細オプションが表示されます:
☐ ダウンロードしてから [ 14 ] 日以上経過したメッセージは削除する ☐ ごみ箱を空にしたらサーバーから削除
おすすめ設定パターン
パターン1:永久保存型(容量に余裕がある場合)
✅ ダウンロード後もサーバーにメッセージを残す
☐ ダウンロードしてから○日以上経過したメッセージは削除する
☐ ごみ箱を空にしたらサーバーから削除
パターン2:定期削除型(容量節約したい場合)
✅ ダウンロード後もサーバーにメッセージを残す
✅ ダウンロードしてから [30] 日以上経過したメッセージは削除する
☐ ごみ箱を空にしたらサーバーから削除
パターン3:手動管理型
✅ ダウンロード後もサーバーにメッセージを残す
☐ ダウンロードしてから○日以上経過したメッセージは削除する
✅ ごみ箱を空にしたらサーバーから削除
それでも表示されない!別の原因と解決法
原因1:Thunderbirdのバージョンが古い
症状: 設定画面のレイアウトが違う
解決法:
- ヘルプ→「Thunderbirdについて」でバージョン確認
- バージョン91以降に更新することを推奨
- 公式サイトから最新版をダウンロード
原因2:アカウントの追加方法が間違っている
症状: 自動設定でIMAPになってしまう
解決法:手動でPOP3設定を行う
- 新規アカウント追加画面で「手動設定」をクリック
- 受信サーバーで「POP3」を選択
- 以下の標準ポート番号を設定:
- POP3: 995(SSL/TLS)または110(なし)
- SMTP: 587(STARTTLS)または465(SSL/TLS)
原因3:メールプロバイダーがPOP3を制限
症状: POP3設定ができない
よくあるケース:
- Gmail:POP3は設定で有効化が必要
- Outlook.com:POP3アクセスを許可する必要あり
- Yahoo!メール:アプリパスワードの設定が必要
プロバイダー別設定ガイド:主要サービスの設定方法
Gmail
POP3を有効にする手順
- Gmailをブラウザで開く
- 設定(歯車アイコン)→「すべての設定を表示」
- 「メール転送とPOP/IMAP」タブ
- 「すべてのメールでPOPを有効にする」を選択
- 「変更を保存」
Thunderbird側の設定:
- 受信サーバー:pop.gmail.com
- ポート:995
- セキュリティ:SSL/TLS
- 認証方式:通常のパスワード認証
Outlook.com / Hotmail
事前準備
- Outlook.comにサインイン
- 設定→「Outlookのすべての設定を表示」
- 「メール」→「同期メール」
- POPオプションを有効化
Thunderbird側の設定:
- 受信サーバー:outlook.office365.com
- ポート:995
- セキュリティ:SSL/TLS
Yahoo!メール
アプリパスワードの生成
- Yahoo! JAPANにログイン
- 「登録情報」→「セキュリティ」
- 「アプリパスワード」を生成
Thunderbird側の設定:
- 受信サーバー:pop.mail.yahoo.co.jp
- ポート:995
- パスワード:生成したアプリパスワードを使用
POP3とIMAP、結局どっちがいいの?
それぞれのメリット・デメリット
POP3を選ぶべき場合
メリット:
- ローカル保存でオフラインでも閲覧可能
- サーバー容量を節約できる
- プライバシー重視(手元に保存)
デメリット:
- 複数デバイスでの同期が面倒
- 既読状態が同期されない
- フォルダ分けが同期されない
おすすめの人:
- 主に1台のPCでメールを管理したい
- サーバー容量が限られている
- 重要メールをローカルに保存したい
IMAPを選ぶべき場合
メリット:
- 完全自動同期
- どのデバイスからも同じ状態
- フォルダ構成も同期
デメリット:
- サーバー容量を消費
- オフラインでは新着メールが読めない
- サーバー障害の影響を受ける
おすすめの人:
- 複数デバイスで使いたい
- チームでメールを共有したい
- クラウド管理を好む
トラブルシューティング:よくある質問と解決策
Q:設定したのに他のデバイスからメールが消える
原因: 他のメールソフトがPOP3で「削除」設定になっている
解決法: すべてのデバイスで「サーバーに残す」設定を確認。 特にスマホのメールアプリの設定を要チェック!
Q:サーバー容量がいっぱいになった
原因: メールを残し続けて容量オーバー
解決法:
- 「○日後に削除」設定を有効化
- 定期的に手動で古いメールを削除
- IMAPに切り替えて選択的に削除
Q:設定を変更したら過去のメールが消えた
原因: POP3→IMAP切り替え時の同期問題
解決法:
- 元のPOP3設定に戻す
- ローカルフォルダにメールをバックアップ
- 改めてIMAP設定を行う
Q:「サーバーにメッセージを残す」がグレーアウトしている
原因: グローバル設定で制限されている
解決法:
- 「編集」→「設定」(または「オプション」)
- 「詳細」→「ネットワークとディスク領域」
- 関連する制限設定を確認
実は知らない便利な関連設定
部分ダウンロード設定
大きな添付ファイルを後回しにできます:
設定方法:
- サーバー設定
- 「次のサイズより大きいメッセージは取得しない」
- サイズを指定(例:1000KB)
新着メールチェック間隔
設定場所: サーバー設定
新着メッセージがないか [10] 分ごとに確認する
おすすめ:10〜15分(頻繁すぎるとサーバー負荷に)
ローカルフォルダの活用
POP3でダウンロードしたメールの整理に:
- 重要メールを「ローカルフォルダ」に移動
- アカウント削除してもメールは残る
- バックアップも簡単
まとめ:設定が見つからない問題は必ず解決できる!
Thunderbirdで「サーバーにメッセージを残す」設定について、詳しく解説してきました。
重要ポイントの確認:
✅ この設定はPOP3アカウントにのみ存在
✅ IMAPなら最初から全デバイス同期
✅ アカウント設定でPOP3/IMAPを確認
✅ 必要に応じてPOP3に切り替え可能
✅ プロバイダーによって事前設定が必要
設定が「見つからない」と思ったら、まず受信方式を確認することが解決への第一歩です。
IMAPで問題ないなら、そのまま使い続けて大丈夫。 POP3が必要なら、この記事の手順で確実に設定できます。
複数デバイスでメールを使うのは、もはや当たり前の時代。 正しい設定で、どこからでも快適にメールを管理できるようにしましょう!
もし設定でつまずいたら、この記事をブックマークして、何度でも確認してくださいね。 きっとあなたの「メール環境改善」の役に立つはずです!
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