「グラボのVRAM 8GBって何のこと?」 「ゲームの推奨スペックにVRAM 6GB以上って書いてあるけど…」 「VRAMが足りないとどうなるの?」
ゲーミングPCやグラフィックボードを選ぶ時、必ず出てくる「VRAM」という言葉。でも、普通のメモリ(RAM)との違いがよく分からない人も多いですよね。
実は、VRAMはゲームや動画編集の快適さを左右する超重要な要素。これを理解すれば、グラボ選びで失敗することがなくなります!
この記事では、VRAMの意味から仕組み、必要容量まで、初心者にも分かりやすく完全解説します。
VRAMとは?基本的な意味を理解しよう

VRAM(ビデオラム)の正式名称と役割
VRAMとは:
- Video Random Access Memoryの略
- 日本語では「ビデオメモリ」「グラフィックメモリ」
- グラフィックボード(GPU)に搭載された専用メモリ
- 映像データを一時的に保存する場所
簡単に言うと:
VRAM = グラボ専用の作業台
画像や3Dデータを置いておく場所
身近な例え: 画家に例えると…
- GPU(グラボ)= 画家
- VRAM = パレット(絵の具を置く場所)
- 大きいパレット = 多くの色を同時に使える
VRAMと普通のRAM(メモリ)の違い
混同しやすい2つのメモリ:
項目 | VRAM(ビデオメモリ) | RAM(システムメモリ) |
---|---|---|
搭載場所 | グラフィックボード上 | マザーボード上 |
用途 | 映像・画像処理専用 | システム全般 |
アクセス | GPUが使用 | CPUが使用 |
容量 | 4GB〜24GB | 8GB〜64GB |
速度 | 超高速(専用設計) | 高速 |
交換 | 不可(グラボと一体) | 可能 |
覚え方:
- RAM = パソコン全体の机
- VRAM = 絵を描く専用の机
VRAMに保存されるデータ
VRAMの中身:
- テクスチャデータ
- ゲームの壁や地面の模様
- キャラクターの服の柄
- 高解像度ほど容量大
- 3Dモデルデータ
- キャラクターの形状
- 建物や車の構造
- ポリゴン情報
- フレームバッファ
- 今画面に表示している映像
- 次に表示する映像の準備
- シェーダー情報
- 光の反射や影の計算
- エフェクトデータ
これら全部がVRAMに入らないと、カクカクしたり表示がおかしくなったりします!
VRAM容量による性能差
容量別の用途と快適度
2〜4GB:エントリーレベル
できること:
✅ 軽いゲーム(フルHD・低設定)
✅ 2D作業
✅ 動画視聴
✅ 古いゲーム
できないこと:
❌ 最新ゲーム(高設定)
❌ 4K解像度
❌ VR
❌ AI画像生成
6〜8GB:ミドルレンジ(最も人気)
できること:
✅ ほとんどのゲーム(フルHD・高設定)
✅ 一部のゲーム(WQHD)
✅ 動画編集
✅ 3DCG入門
✅ 軽いAI処理
できないこと:
❌ 4K最高設定
❌ 重いレイトレーシング
❌ プロ向け3DCG
10〜12GB:ハイエンド
できること:
✅ ほぼ全てのゲーム(WQHD・最高設定)
✅ 4Kゲーミング(中設定)
✅ VRゲーム
✅ 本格的な動画編集
✅ AI画像生成
できないこと:
❌ 8K解像度
❌ 超重量級の作業
16GB以上:プロフェッショナル
できること:
✅ 4K最高設定
✅ 8K動画編集
✅ プロ向け3DCG
✅ 大規模AI学習
✅ すべての作業が快適
解像度とVRAM使用量の関係
解像度が上がるとVRAM使用量が激増:
解像度 | ピクセル数 | VRAM使用量の目安 | 推奨VRAM |
---|---|---|---|
フルHD(1920×1080) | 約200万 | 3〜4GB | 6GB以上 |
WQHD(2560×1440) | 約370万 | 5〜6GB | 8GB以上 |
4K(3840×2160) | 約830万 | 8〜10GB | 12GB以上 |
8K(7680×4320) | 約3300万 | 16GB以上 | 24GB以上 |
解像度が2倍になると、VRAM使用量は約4倍に!
用途別の必要VRAM容量

ゲーム用途
ゲームジャンル別の目安:
軽量級(eスポーツ系):
Valorant、CS2、LoL、Fortnite
必要VRAM:4〜6GB
推奨:6GB
中量級(人気タイトル):
Apex Legends、原神、FF14
必要VRAM:6〜8GB
推奨:8GB
重量級(最新AAA):
Cyberpunk 2077、Hogwarts Legacy
必要VRAM:8〜12GB
推奨:12GB以上
レイトレーシング有効時:
通常の1.5〜2倍のVRAMが必要
最低でも10GB以上推奨
クリエイティブ用途
作業内容別の必要VRAM:
動画編集:
フルHD編集:4〜6GB
4K編集:8〜12GB
8K編集:16GB以上
エフェクト多用:+4GB
3DCG制作:
趣味レベル:8GB
セミプロ:12〜16GB
プロ:24GB以上
AI画像生成(Stable Diffusion等):
512×512:6GB
1024×1024:10GB
高解像度:12GB以上
写真編集:
Photoshop:4〜8GB
複数レイヤー:8GB以上
配信・実況での必要量
配信時の追加VRAM使用:
- OBS使用:+1〜2GB
- 高画質配信:+2〜3GB
- 複数ソース:+2GB
配信する場合は、ゲーム推奨値+3GBが目安!
VRAM不足の症状と対処法
VRAM不足で起きる問題
典型的な症状:
- カクカクする(FPS低下)
- 特に新しいエリア読み込み時
- 爆発エフェクト時
- テクスチャがぼやける
- 低解像度テクスチャに自動変更
- 近づいても綺麗にならない
- ポップイン現象
- 突然オブジェクトが出現
- LOD(Level of Detail)の切り替えが目立つ
- クラッシュ
- 「メモリ不足」エラー
- ゲームが強制終了
- 画面がチラつく
- テクスチャの読み込み遅延
- 一時的な表示バグ
VRAM使用量を減らす設定
ゲーム内設定の調整優先順位:
- 解像度を下げる(最も効果的)
- 4K → WQHD:約50%削減
- WQHD → フルHD:約40%削減
- テクスチャ品質を下げる
- ウルトラ → 高:約30%削減
- 高 → 中:約25%削減
- 影の品質を下げる
- 約10〜20%削減
- アンチエイリアスを調整
- MSAA → FXAA:大幅削減
- レイトレーシングをオフ
- 約30〜50%削減
VRAMの確認方法
Windows での確認方法
方法1:タスクマネージャー
- Ctrl + Shift + Esc
- 「パフォーマンス」タブ
- 「GPU」を選択
- 「専用GPUメモリ」を確認
方法2:設定アプリ
- 設定 → システム → ディスプレイ
- 「ディスプレイの詳細設定」
- 「アダプターのプロパティ」
- 専用ビデオメモリを確認
方法3:GPU-Z(詳細確認)
- GPU-Zをダウンロード(無料)
- Memory Sizeを確認
- Memory Usedで使用量も分かる
ゲーム内での確認
多くのゲームで確認可能:
- 設定画面にVRAM使用量表示
- 推奨VRAM以上か確認
- バーが赤くなったら要調整
グラボ選びとVRAM
現行グラボのVRAM容量一覧
NVIDIA GeForce(2024年):
RTX 4090:24GB(最強)
RTX 4080:16GB
RTX 4070 Ti:12GB
RTX 4070:12GB
RTX 4060 Ti:8GB/16GB
RTX 4060:8GB
RTX 3060:12GB(コスパ良)
AMD Radeon:
RX 7900 XTX:24GB
RX 7900 XT:20GB
RX 7800 XT:16GB
RX 7700 XT:12GB
RX 7600:8GB
VRAM容量とグラボ性能の関係
注意点:
VRAM容量 ≠ グラボ性能
例:
- RTX 3060(12GB)より
- RTX 4060(8GB)の方が高性能
VRAMは「容量」、性能は「GPU本体」で決まります!
将来を考えたVRAM選び
2024年のトレンド:
- 最低8GBが標準に
- 12GBあれば3年は安心
- 4Kなら16GB以上推奨
おすすめ構成:
- 予算重視:8GB(RTX 4060等)
- バランス:12GB(RTX 4070等)
- 長期使用:16GB以上
よくある質問(FAQ)
Q:VRAMは増設できる?
A: できません。
VRAMはグラボに直付けされているため、増設や交換は不可能。グラボごと交換が必要です。
Q:共有GPUメモリって何?
A: システムRAMの一部を借りる機能。
VRAMが足りない時、通常のRAMを一時的に使用。ただし速度が遅いので、あくまで緊急用です。
Q:GDDR6とGDDR6Xの違いは?
A: 速度の違いです。
- GDDR6:標準的な速度
- GDDR6X:約20%高速(ハイエンド用)
- 容量より速度の違い
Q:内蔵GPUのVRAMは?
A: システムRAMを共有します。
Intel UHDやAMD Radeon(内蔵)は、通常のRAMの一部(通常2GB程度)をVRAMとして使用。
Q:VRAMをクリアする方法は?
A: ゲームやアプリを終了すれば自動でクリア。
または、PCを再起動。VRAMは電源が入っている間だけデータを保持します。
まとめ:VRAMを理解してグラボ選びを成功させよう!
VRAMについて、理解できましたか?
VRAMの重要ポイント:
- グラボ専用のメモリ
- 映像処理に特化
- 通常のRAMとは別物
- 増設不可
- 容量の目安
- フルHDゲーム:6〜8GB
- WQHDゲーム:8〜12GB
- 4Kゲーム:12GB以上
- クリエイティブ:用途次第
- 不足すると
- カクカクする
- テクスチャがぼやける
- 最悪クラッシュ
- 将来性を考えて
- 最低8GB
- できれば12GB
- 長く使うなら16GB
購入アドバイス:
- ゲーム中心なら解像度に合わせて選ぶ
- 2〜3年先を見越して余裕を持った容量を
- VRAMだけでなくGPU性能も確認
VRAMは後から増やせないので、最初の選択が重要です。予算が許す限り、多めの容量を選んでおくと後悔しません。
快適なゲーミング&クリエイティブライフを送ってください!🎮
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