「VSCodeをインストールしたいけど、Cドライブの容量が少ない…」 「会社のPCで管理者権限がないけど、VSCode使いたい」 「複数のバージョンを使い分けたい」 「USBメモリから起動できたら便利なのに」
こんな悩み、プログラミングを始めた多くの人が経験します。
実は、VSCode(Visual Studio Code)はインストール方法が複数あり、状況に応じて最適な方法を選べるんです。この記事では、通常のインストール先から、場所の変更方法、さらにはインストール不要のポータブル版まで、すべて分かりやすく解説します!
VSCodeの標準インストール先:OS別の場所を確認

Windows版のデフォルトインストール先
システムインストーラー(System Installer)の場合:
C:\Program Files\Microsoft VS Code\
すべてのユーザーが使える形でインストールされます。
ユーザーインストーラー(User Installer)の場合:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Programs\Microsoft VS Code\
現在のユーザーのみが使える形でインストールされます。
設定ファイルの保存場所:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Code\
拡張機能、設定、キャッシュなどが保存されます。
Mac版のインストール先
アプリケーション本体:
/Applications/Visual Studio Code.app
設定ファイルの保存場所:
~/Library/Application Support/Code/
拡張機能の保存場所:
~/.vscode/extensions/
Linux版のインストール先
パッケージマネージャーでインストールした場合:
/usr/share/code/
実行ファイル:
/usr/bin/code
設定ファイルの保存場所:
~/.config/Code/
インストール方法の選び方:あなたに最適なのはどれ?
3つのインストール方法を比較
1. システムインストーラー(管理者権限必要)
- メリット:全ユーザーが使える、システムに統合
- デメリット:管理者権限が必要
- こんな人におすすめ:自分のPCで、複数アカウントで使う人
2. ユーザーインストーラー(管理者権限不要)
- メリット:管理者権限不要、個人設定を維持
- デメリット:自分のアカウントでしか使えない
- こんな人におすすめ:会社のPCなど、権限が制限されている人
3. ポータブル版(インストール不要)
- メリット:USBでも起動可能、レジストリを汚さない
- デメリット:手動での更新が必要
- こんな人におすすめ:複数PC で使いたい、お試しで使いたい人
インストール先を変更する方法:Cドライブ以外に入れたい!
Windows でインストール先を変更
方法1:インストーラーで指定
- VSCodeインストーラーをダウンロード
- インストーラーを実行
- 「インストール先の選択」画面で「参照」をクリック
- 好きなフォルダを選択(例:
D:\Tools\VSCode
) - そのまま進めてインストール完了
方法2:既存のインストールを移動
- VSCodeを一旦アンインストール
- 設定ファイルをバックアップ
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Code\
- 新しい場所を指定して再インストール
- 設定ファイルを復元
設定ファイルの保存先を変更
ポータブル版を使う場合: VSCode のインストールフォルダに data
フォルダを作成すると、 すべての設定がそこに保存されます。
D:\VSCode\
├── Code.exe
├── data\ ← このフォルダを作る
├── user-data\ ← 設定ファイル
└── extensions\ ← 拡張機能
ポータブル版の使い方:インストール不要で持ち運び可能
ポータブル版のセットアップ
手順:
- 公式サイトから.zip版をダウンロード
- code.visualstudio.com にアクセス
- 「Other downloads」から「.zip」版を選択
- 好きな場所に解凍
例:D:\Portable\VSCode\ USBメモリ:\VSCode\
- dataフォルダを作成 解凍したフォルダ内に「data」という名前のフォルダを新規作成
- Code.exe を実行 これで起動完了!
ポータブル版のメリット・デメリット
メリット:
- レジストリを使わない(システムをクリーンに保てる)
- USBメモリで持ち運べる
- 複数バージョンを同時に使える
- 設定ごとバックアップが簡単
デメリット:
- 自動更新されない(手動で更新が必要)
- ファイルの関連付けが自動で行われない
- システムのPATHに自動追加されない
複数バージョンの共存:安定版と開発版を使い分ける
VSCode と VSCode Insiders の違い
VSCode(安定版):
- 月1回の定期アップデート
- 安定性重視
- 通常の開発作業向け
VSCode Insiders(開発版):
- 毎日アップデート
- 最新機能をいち早く試せる
- バグがある可能性も
両方インストールする方法
- 異なるフォルダにインストール
C:\Program Files\Microsoft VS Code\ ← 安定版 C:\Program Files\Microsoft VS Code Insiders\ ← 開発版
- 設定は別々に管理される
%APPDATA%\Code\ ← 安定版の設定 %APPDATA%\Code - Insiders\ ← 開発版の設定
- 拡張機能も別管理 同じ拡張機能を両方にインストール可能
インストール先の容量問題:スペースを節約する方法
VSCode本体とキャッシュの容量
典型的な使用容量:
- VSCode本体:約300MB
- 拡張機能:100MB〜数GB(インストール数による)
- キャッシュ:500MB〜2GB
- 合計:1GB〜5GB程度
容量を節約する方法
1. 不要な拡張機能を削除
表示 → 拡張機能 → インストール済み → 不要なものをアンインストール
2. キャッシュをクリア
ファイル → 基本設定 → 設定 → 「Clear Cache」で検索
3. 古いバージョンのフォルダを削除
%APPDATA%\Code\CachedData\ の中の古いフォルダを削除
シンボリックリンクで容量対策
Cドライブの容量が少ない場合の裏技:
- VSCodeの設定フォルダを別ドライブに移動
- シンボリックリンクを作成
# コマンドプロンプト(管理者)で実行
mklink /D "C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Code" "D:\VSCode-Data\Code"
トラブルシューティング:よくある問題と解決法
「インストールできない」エラー
原因と対策:
- 管理者権限がない → ユーザーインストーラーを使用
- ウイルス対策ソフトがブロック → 一時的に無効化、または例外設定に追加
- 容量不足 → 最低1GB以上の空き容量を確保
「アンインストールできない」問題
手動削除の方法:
- タスクマネージャーでVSCodeのプロセスを終了
- インストールフォルダを削除
- 設定フォルダも削除:
%APPDATA%\Code\%USERPROFILE%\.vscode\
- レジストリエントリを削除(上級者向け)
パスが通らない問題
手動でPATHを追加:
- システムのプロパティ → 環境変数
- Path を編集
- VSCodeのインストール先を追加
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Programs\Microsoft VS Code\bin
企業・チーム開発での導入:統一環境の作り方
設定の共有方法
Settings Sync を使う:
- GitHubアカウントでサインイン
- 設定の同期をオン
- チーム全員が同じ設定を共有
設定ファイルを配布:
.vscode/
├── settings.json # ワークスペース設定
├── extensions.json # 推奨拡張機能
└── launch.json # デバッグ設定
サイレントインストール
コマンドラインでの一括インストール:
VSCodeSetup.exe /VERYSILENT /MERGETASKS=!runcode
グループポリシーでの配布: 企業のIT部門が一括配布する際に使用
インストール方法別おすすめ設定
個人開発者向け
おすすめ:ユーザーインストーラー
- 設定:デフォルトの場所でOK
- 拡張機能:必要に応じて追加
- 同期:Settings Syncを有効化
企業での利用
おすすめ:システムインストーラー
- 設定:共有設定ファイルを配布
- 拡張機能:必須のものを事前インストール
- 更新:IT部門で管理
勉強・お試し利用
おすすめ:ポータブル版
- 設定:dataフォルダで管理
- 拡張機能:最小限に留める
- 更新:必要な時だけ手動
まとめ:自分に合ったインストール方法を選ぼう!
VSCodeのインストール先と方法の選び方:
場所の選択:
- 容量に余裕がある → デフォルトのCドライブでOK
- Cドライブが少ない → Dドライブなどに変更
- 持ち運びたい → ポータブル版をUSBに
インストール方法:
- 自分のPCなら → システムインストーラー
- 会社のPCなら → ユーザーインストーラー
- お試しなら → ポータブル版
重要なポイント:
- 設定ファイルの場所も把握しておく
- 拡張機能で容量が増えることを想定
- バックアップ方法も確認
最後にアドバイス:
VSCodeは柔軟性が高く、様々な環境に対応できます。最初は標準的な方法でインストールして、必要に応じて変更するのがおすすめです。
ポータブル版は、複数のPCで同じ環境を使いたい人には特におすすめ。USBメモリに入れておけば、どこでも自分の開発環境が使えます。
まずは、あなたの使用環境と目的に合った方法を選んで、快適なコーディング環境を構築してくださいね!
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