ドライバーファイルとは?場所から更新、トラブル解決まで完全解説

プログラミング・IT

「ドライバーを更新してくださいって言われたけど、どうすればいい?」 「.sysファイルや.infファイルって何?」 「ドライバーファイルってどこに保存されてるの?」

PCを使っていると必ず出会うドライバーという言葉。でも、その実体であるドライバーファイルについて、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。

実は、ドライバーファイルはWindowsとハードウェアをつなぐ架け橋となる重要なファイルです。正しく管理できれば、PCのパフォーマンス向上やトラブル解決に大きく役立ちます。

今回は、ドライバーファイルの基本から、保存場所、更新方法、さらにはトラブル時の対処法まで、初心者にも分かりやすく解説していきます!


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  1. ドライバーファイルとは?基本を理解しよう
    1. ハードウェアとOSをつなぐ通訳者
    2. ドライバーファイルの種類と拡張子
    3. ドライバーが必要なハードウェア
  2. ドライバーファイルの保存場所
    1. Windows標準ドライバーの場所
    2. メーカー製ドライバーの場所
    3. ダウンロードドライバーの一時保存場所
  3. ドライバーファイルの確認方法
    1. デバイスマネージャーで確認
    2. コマンドプロンプトで詳細確認
    3. PowerShellで高度な確認
  4. ドライバーファイルの更新方法
    1. 方法1:Windows Update経由
    2. 方法2:デバイスマネージャーから更新
    3. 方法3:メーカー公式サイトから
    4. 方法4:ドライバー更新ツール
  5. ドライバーファイルのバックアップ
    1. 手動バックアップ方法
    2. DISMコマンドでバックアップ
    3. サードパーティツールでバックアップ
  6. ドライバーファイルのインストール
    1. INFファイルからの手動インストール
    2. PnPUtilコマンドでインストール
  7. トラブルシューティング
    1. ドライバーファイルが見つからない
    2. ドライバー署名エラー
    3. ドライバーの競合
    4. ドライバー更新後の不具合
  8. ドライバーファイルの削除
    1. 不要ドライバーのクリーンアップ
    2. ディスククリーンアップ
  9. よくある質問と回答
    1. Q1:ドライバーは常に最新にすべき?
    2. Q2:Generic Driverって何?
    3. Q3:ドライバーファイルを直接編集できる?
    4. Q4:32bitと64bitのドライバーは互換性ある?
  10. まとめ

ドライバーファイルとは?基本を理解しよう

ハードウェアとOSをつなぐ通訳者

ドライバー(デバイスドライバー)は、Windowsとハードウェアがコミュニケーションするためのソフトウェアです。

分かりやすく例えると:

  • Windows = 日本語を話す人
  • ハードウェア = 英語を話す人
  • ドライバー = 通訳者

ドライバーがなければ、いくら高性能なグラフィックボードやプリンターを接続しても、Windowsは使い方が分からないのです。

ドライバーファイルの種類と拡張子

主要なドライバーファイル:

拡張子種類役割
.sysシステムドライバー実際の動作を制御するメインファイル
.infセットアップ情報インストール方法を記述
.dllダイナミックリンクライブラリ共有機能を提供
.catカタログファイルデジタル署名情報
.exe実行ファイルインストーラー

例:NVIDIAグラフィックドライバー

nvlddmkm.sys - カーネルモードドライバー
nv_disp.inf - インストール情報
nvapi64.dll - API関数
nvidia.cat - 署名カタログ

ドライバーが必要なハードウェア

ドライバーが必須のデバイス:

  • グラフィックボード(GPU)
  • サウンドカード
  • ネットワークアダプター(LAN/WiFi)
  • プリンター・スキャナー
  • マザーボード(チップセット)
  • ストレージ(SSD/HDD)
  • USB機器
  • Bluetooth機器

ドライバーファイルの保存場所

Windows標準ドライバーの場所

システムドライバーの保存先:

C:\Windows\System32\drivers\

ここには**.sysファイル**が格納されています。

ドライバーストア:

C:\Windows\System32\DriverStore\FileRepository\

インストール済みドライバーの完全なパッケージが保存されています。

INFファイルの場所:

C:\Windows\INF\

セットアップ情報ファイルが格納されています。

メーカー製ドライバーの場所

一般的な保存先:

NVIDIA:

C:\Program Files\NVIDIA Corporation\
C:\ProgramData\NVIDIA Corporation\

AMD:

C:\AMD\
C:\Program Files\AMD\

Intel:

C:\Program Files\Intel\
C:\Intel\

Realtek(サウンド):

C:\Program Files\Realtek\
C:\Windows\System32\Realtek\

ダウンロードドライバーの一時保存場所

Windows Updateのキャッシュ:

C:\Windows\SoftwareDistribution\Download\

メーカーインストーラーの展開先:

C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Temp\
C:\NVIDIA\DisplayDriver\[バージョン]\
C:\AMD\[製品名]\

ドライバーファイルの確認方法

デバイスマネージャーで確認

現在のドライバー情報を見る:

  1. デバイスマネージャーを開く(Win+X → M)
  2. 確認したいデバイスを右クリック
  3. **「プロパティ」**を選択
  4. 「ドライバー」タブで以下を確認:
    • ドライバーのバージョン
    • ドライバーの日付
    • デジタル署名者

コマンドプロンプトで詳細確認

driverqueryコマンド:

# すべてのドライバーを一覧表示
driverquery

# 詳細情報付きで表示
driverquery /v

# 署名情報も含めて表示
driverquery /si

# CSVファイルに出力
driverquery /fo csv > drivers.csv

PowerShellで高度な確認

より詳しい情報取得:

# インストール済みドライバーの一覧
Get-WindowsDriver -Online

# 特定のドライバーの詳細
Get-WindowsDriver -Online -Driver "nvlddmkm.inf"

# サードパーティドライバーのみ表示
Get-WindowsDriver -Online | Where-Object {$_.ProviderName -ne "Microsoft"}

ドライバーファイルの更新方法

方法1:Windows Update経由

最も安全な更新方法:

  1. 設定→「更新とセキュリティ」
  2. 「詳細オプション」
  3. 「オプションの更新プログラム」
  4. 「ドライバー更新プログラム」
  5. 必要なドライバーにチェック
  6. 「ダウンロードしてインストール」

メリット:

  • Microsoft検証済み
  • 自動でバックアップ作成
  • 問題時はロールバック可能

方法2:デバイスマネージャーから更新

個別デバイスの更新:

  1. デバイスマネージャーを開く
  2. 対象デバイスを右クリック
  3. 「ドライバーの更新」
  4. 「ドライバーを自動的に検索」

手動インストール:

  1. 「コンピューターを参照してドライバーを検索」
  2. ダウンロードしたドライバーフォルダを指定
  3. INFファイルを選択

方法3:メーカー公式サイトから

最新版を確実に入手:

グラフィックボード:

  • NVIDIA: GeForce Experience経由
  • AMD: Radeon Software
  • Intel: Intel Driver & Support Assistant

手動ダウンロード手順:

  1. デバイスの正確な型番を確認
  2. メーカーサイトのサポートページへ
  3. OSとビット数(64bit/32bit)を選択
  4. ダウンロード→インストール

方法4:ドライバー更新ツール

自動検出・更新ツール:

ツール名特徴価格
Driver Booster豊富なドライバーDB無料版あり
Driver Easy使いやすいUI無料版あり
Snappy Driver Installer完全無料・オープンソース無料
Dell SupportAssistDellデバイス専用無料

注意: サードパーティツールは慎重に選択してください。


ドライバーファイルのバックアップ

手動バックアップ方法

DriverStoreフォルダのコピー:

  1. 以下のフォルダを別ドライブにコピー:
C:\Windows\System32\DriverStore\FileRepository\
  1. 約2-5GBの容量が必要

DISMコマンドでバックアップ

コマンドプロンプト(管理者):

# ドライバーのエクスポート
dism /online /export-driver /destination:D:\DriverBackup

# 特定のドライバーのみエクスポート
pnputil /export-driver "oem1.inf" D:\DriverBackup

サードパーティツールでバックアップ

Double Driver(無料):

  1. ソフトを起動
  2. **「Backup」**を選択
  3. バックアップしたいドライバーにチェック
  4. 保存先を指定して実行

バックアップ推奨タイミング:

  • Windows大型アップデート前
  • ドライバー更新前
  • クリーンインストール前

ドライバーファイルのインストール

INFファイルからの手動インストール

右クリックインストール:

  1. INFファイルを右クリック
  2. **「インストール」**を選択
  3. 管理者権限で実行

デバイスマネージャー経由:

  1. デバイスマネージャーでデバイスを選択
  2. 「ドライバーの更新」
  3. 「コンピューターを参照」
  4. 「コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択」
  5. **「ディスク使用」**でINFファイルを指定

PnPUtilコマンドでインストール

コマンドプロンプト(管理者):

# ドライバーの追加
pnputil /add-driver C:\Drivers\mydriver.inf

# インストールも同時に実行
pnputil /add-driver C:\Drivers\mydriver.inf /install

# フォルダ内の全ドライバーを追加
pnputil /add-driver C:\Drivers\*.inf /subdirs /install

トラブルシューティング

ドライバーファイルが見つからない

対処法:

  1. Windows Updateを実行
  2. メーカーサイトから再ダウンロード
  3. システムファイルチェッカー実行:
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

ドライバー署名エラー

署名のないドライバーをインストール:

  1. テストモードを有効化:
bcdedit /set testsigning on
  1. PC再起動
  2. ドライバーインストール
  3. 完了後はテストモード無効化

一時的に署名を無効化:

  • 起動時にF8 → 「ドライバー署名の強制を無効にする」

ドライバーの競合

古いドライバーの完全削除:

  1. デバイスマネージャーで**「デバイスのアンインストール」**
  2. **「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除する」**にチェック
  3. PC再起動
  4. 新しいドライバーをインストール

ドライバー更新後の不具合

ロールバック方法:

  1. デバイスマネージャー
  2. 問題のデバイス→プロパティ
  3. 「ドライバー」タブ
  4. 「ドライバーを元に戻す」

システムの復元:

  1. 復元ポイントから復元
  2. 更新前の状態に戻る

ドライバーファイルの削除

不要ドライバーのクリーンアップ

DriverStore Explorerを使用:

  1. 管理者権限で起動
  2. **「Old Drivers」**にチェック
  3. 削除したいドライバーを選択
  4. 「Delete Driver(s)」

手動削除:

# インストール済みドライバーの一覧
pnputil /enum-drivers

# 特定ドライバーの削除
pnputil /delete-driver oem1.inf

ディスククリーンアップ

古いドライバーパッケージの削除:

  1. ディスククリーンアップを起動
  2. 「システムファイルのクリーンアップ」
  3. **「デバイスドライバーパッケージ」**にチェック
  4. 実行

よくある質問と回答

Q1:ドライバーは常に最新にすべき?

A:必ずしもそうではありません

「動いているものは触らない」が基本。問題がなければ更新不要です。ただし、セキュリティ更新は例外。

Q2:Generic Driverって何?

A:Windows標準の汎用ドライバー

基本機能のみ。メーカー製ドライバーの方が高機能・高性能です。

Q3:ドライバーファイルを直接編集できる?

A:推奨しません

デジタル署名が無効になり、動作しなくなります。設定変更はレジストリやツールから。

Q4:32bitと64bitのドライバーは互換性ある?

A:ありません

必ずOSのビット数と一致するドライバーが必要です。


まとめ

ドライバーファイルは、PCとハードウェアをつなぐ重要な架け橋です。

押さえておくべきポイント:

  • 主要ファイルはC:\Windows\System32\driversに保存
  • 更新はWindows Update優先、次にメーカー公式
  • トラブル前にバックアップを作成
  • 問題があればロールバックで対処
  • 不要なドライバーは定期的にクリーンアップ

正しいドライバー管理で、PCのパフォーマンスを最大限に引き出し、安定した動作を実現できます。

まずは、デバイスマネージャーで現在のドライバー状況を確認することから始めてみてください!

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