「Windows 11のHomeとPro、どっちを買えばいいの?」 「価格差2万円の価値はある?」 「自分の使い方ならHomeで十分?それともProが必要?」
パソコンを購入する時、必ず悩むのがWindowsのエディション選び。特にHomeとProの違いは分かりにくく、約2万円の価格差をどう判断すればいいか迷いますよね。
実は、一般的な使い方なら90%以上の人はHomeで十分なんです。でも、残りの10%の人にとっては、Proの機能が必須だったりします。
この記事では、HomeとProの違いを具体的な使用シーンと共に解説します。読み終わる頃には、あなたにぴったりのエディションが明確になっているはずです!
価格差と入手方法:まず知っておきたい基本情報

各エディションの価格(2024年時点)
Microsoft公式価格:
【Windows 11 Home】
・新規:19,360円(税込)
・アップグレード:なし(Proへのみ可能)
【Windows 11 Pro】
・新規:28,380円(税込)
・HomeからProへ:13,750円(税込)
価格差:約9,000円(新規購入時)
OEM版(PC同時購入)の場合:
- Home:実質0円~5,000円追加
- Pro:10,000円~20,000円追加
- 価格差:約10,000円~15,000円
購入方法の違い
入手経路:
- プリインストール版
- 新品PC購入時に付属
- 最も一般的でお得
- そのPCでのみ使用可能
- パッケージ版/ダウンロード版
- 単体購入
- 別のPCへの移行可能
- 最も高価
- DSP版
- パーツと同時購入
- 価格は中間
- そのPCでのみ使用可能
機能比較表:一目で分かる違い
主要機能の対応表
機能カテゴリ | Windows Home | Windows Pro |
---|---|---|
基本機能 | ||
Microsoft Store | ✅ | ✅ |
Windows Update | ✅ | ✅ |
Cortana | ✅ | ✅ |
Microsoft Edge | ✅ | ✅ |
セキュリティ | ||
Windows Defender | ✅ | ✅ |
BitLocker暗号化 | ❌ | ✅ |
Windows情報保護(WIP) | ❌ | ✅ |
ネットワーク | ||
ドメイン参加 | ❌ | ✅ |
リモートデスクトップ(ホスト) | ❌ | ✅ |
仮想化 | ||
Hyper-V | ❌ | ✅ |
Windowsサンドボックス | ❌ | ✅ |
管理機能 | ||
グループポリシー | ❌ | ✅ |
Windows Update for Business | ❌ | ✅ |
その他 | ||
最大RAM容量 | 128GB | 2TB |
最大CPU数 | 1個 | 2個 |
Pro限定機能の詳細解説:本当に必要?
1. BitLocker(ドライブ暗号化)
BitLockerとは:
- ハードディスク全体を暗号化
- PCの盗難・紛失時にデータを保護
- TPMチップと連携して自動暗号化
こんな人に必要:
- ノートPCを持ち歩く営業職
- 機密データを扱う仕事
- 個人情報を扱う医療・法律関係者
- 在宅勤務で会社データを扱う人
代替手段(Home版):
・VeraCrypt(無料)
・7-Zipの暗号化機能
・個別ファイルの暗号化
※ただし、BitLockerほど透過的ではない
2. リモートデスクトップ(ホスト機能)
機能の詳細:
- 他のPCから自分のPCを遠隔操作
- 外出先から自宅PCにアクセス
- スマホからもアクセス可能
Home版の制限:
- クライアント機能のみ(他のPCに接続は可能)
- ホスト機能なし(接続を受け付けられない)
必要な場面:
- 在宅勤務で会社PCにアクセス
- 外出先から自宅PCを操作
- 複数PC間でのファイル共有
代替ツール(無料):
・TeamViewer(個人利用無料)
・Chrome リモートデスクトップ
・AnyDesk(個人利用無料)
・Parsec(ゲーム向け)
3. Hyper-V(仮想化機能)
Hyper-Vでできること:
- 仮想マシンの作成・実行
- 異なるOSの同時実行
- 開発環境の分離
- テスト環境の構築
必要な人:
- プログラマー・開発者
- IT管理者
- 複数OS環境が必要な人
- サーバー環境をテストしたい人
代替ソフト:
・VirtualBox(無料)
・VMware Player(個人利用無料)
※性能はHyper-Vに劣る場合あり
4. ドメイン参加
ドメインとは:
- 企業ネットワークへの参加機能
- Active Directoryとの連携
- 一元的なユーザー管理
必要な環境:
- 企業のネットワーク
- 学校・大学のネットワーク
- Windows Serverがある環境
個人利用では: ほぼ不要。自宅でドメインを構築している人は稀。
5. グループポリシー
グループポリシーの機能:
- Windowsの詳細な設定変更
- 複数ユーザーの一括管理
- セキュリティポリシーの適用
- Windows Updateの細かい制御
活用例:
・Windows Updateの自動更新を完全制御
・不要な機能の無効化
・プライバシー設定の詳細調整
・起動時のプログラム制御
Home版での代替:
- レジストリエディター(一部可能)
- サードパーティツール
- ただし、Proほど柔軟ではない
6. Windows Update for Business
機能内容:
- 更新タイミングの詳細制御
- 最大365日の延期が可能
- 更新プログラムの選択的適用
- 再起動タイミングの完全制御
Home版の制限:
- 最大35日の延期のみ
- 自動更新が基本
- 再起動の強制あり
使用シーン別:どちらを選ぶべき?

Homeで十分な人
一般的な個人利用:
✅ Web閲覧、動画視聴
✅ Office作業(Word、Excel等)
✅ 写真・動画編集
✅ ゲーム
✅ プログラミング学習
✅ 音楽制作
✅ イラスト制作
具体的なユーザー像:
- 学生(情報系以外)
- 一般的な会社員(BYOD以外)
- クリエイター
- ゲーマー
- 家族共用PC
Proが必要な人
ビジネス・専門用途:
✅ 企業ドメインへの参加必須
✅ リモートデスクトップのホスト必要
✅ BitLockerでの暗号化必須
✅ 仮想マシンを頻繁に使用
✅ Windows Updateの完全制御必要
✅ 複数のテスト環境構築
具体的なユーザー像:
- IT管理者・エンジニア
- 在宅勤務の正社員
- 機密データを扱う職業
- 開発者(特にWeb系)
- 小規模事業主
HomeからProへのアップグレード方法
アップグレードの手順
Microsoft Storeから購入:
- 設定を開く(Windowsキー + I)
- システム → ライセンス認証
- 「Windowsのエディションをアップグレード」
- 「Microsoft Storeを開く」
- Windows 11 Proを購入(13,750円)
- プロダクトキー入力
- 再起動で完了
プロダクトキーで直接アップグレード:
- 設定 → システム → ライセンス認証
- 「プロダクトキーを変更する」
- Proのプロダクトキーを入力
- 自動的にアップグレード開始
アップグレード時の注意点
データとアプリ:
- すべてのデータは保持される
- インストール済みアプリも維持
- 設定もそのまま引き継がれる
所要時間:
- 通常10~30分
- ネット環境により変動
- 再起動1~2回
ダウングレードについて:
- 10日以内なら可能
- 設定 → 回復 → 復元
- 10日経過後は不可
コスト削減のテクニック
安く購入する方法
1. OEM版を選ぶ
- PC購入時に同時購入
- 単体購入より大幅に安い
- ただし、そのPCでのみ使用可能
2. 学生・教職員割引
- Microsoft Education Store
- 最大10%割引
- 学校のメールアドレスで認証
3. ボリュームライセンス
- 5ライセンス以上で割引
- 中小企業向け
- 管理も楽
本当にProが必要か再確認
チェックリスト:
- [ ] BitLockerが業務上必須
- [ ] ドメイン参加が必須
- [ ] リモートデスクトップホストが必要
- [ ] Hyper-Vを日常的に使う
- [ ] グループポリシーでの管理が必要
1つも該当しない → Home版で十分!
よくある質問と誤解
Q1:ゲームをするならProの方が速い?
A: いいえ、ゲーム性能は同じです。HomeもProも基本的なOSカーネルは同一。ゲーム用ならHomeで十分。
Q2:Proの方がセキュリティが高い?
A: 基本的なセキュリティ機能(Windows Defender等)は同じ。ProはBitLockerなどの追加機能があるだけ。
Q3:メモリ128GB以上使うならPro必須?
A: はい、Homeは128GBまで。ただし、一般用途で128GB以上必要なケースは極めて稀。
Q4:仮想環境を使うなら絶対Pro?
A: Hyper-Vを使いたいならPro必須。ただし、VirtualBoxなど無料の代替もある。
Q5:会社のPCは必ずPro?
A: ドメイン参加が必要な大企業は必須。小規模事業所やBYODならHomeでも可。
Windows HomeとProの違い まとめ
📊 結論:90%以上の人はHomeで十分
価格差:約9,000円~20,000円(購入方法により変動)
🔑 Pro限定の主要機能
必須レベルの違い
- BitLocker暗号化 – ノートPC持ち歩き・機密データ扱う人向け
- リモートデスクトップ(ホスト) – 外から自分のPCを操作したい人向け
- ドメイン参加 – 企業ネットワーク接続に必須
- Hyper-V – 仮想環境での開発・テストが必要な人向け
その他の違い
- グループポリシー(詳細設定)
- Windows Update制御(最大365日延期可能)
- 最大メモリ:Home 128GB vs Pro 2TB
✅ Homeで十分な人
- 一般的なPC利用(Web、動画、Office作業)
- ゲーム、写真・動画編集
- プログラミング学習
- クリエイティブ作業全般
🏢 Proが必要な人
- IT管理者・エンジニア
- 企業ドメイン参加が必須の会社員
- 機密データを扱う職業(医療・法律等)
- 在宅勤務で会社データにアクセスする人
- 仮想環境を頻繁に使う開発者
💡 重要ポイント
- ゲーム性能は同じ – Proの方が速いわけではない
- 基本セキュリティも同じ – Windows Defenderは共通
- 無料の代替ツールが豊富 – TeamViewer、VirtualBoxなど
- 後からアップグレード可能 – 13,750円で随時可能
🎯 選び方の基準
Proを選ぶべき場合のチェックリスト:
- 会社のドメイン参加が必須
- BitLockerが業務上必要
- リモートデスクトップのホスト機能が必要
- Hyper-Vを日常的に使う
→ 1つも該当しないならHome版で決まり!
必要になったら後からアップグレードも可能なので、迷ったらまずはHomeから始めるのが賢明です。
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