「Linuxでネットワークが繋がらない…」 「どのネットワークカードを使っているか分からない…」 「IPアドレスってどうやって確認するの?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、Linuxでネットワークインターフェースを確認する方法はたくさんあるんです。古いコマンドから最新のコマンドまで、状況に応じて使い分けることができます。
この記事では、初心者でも迷わずにネットワーク情報を確認できるよう、複数の方法を実例付きで詳しく解説していきます。
サーバー管理やトラブルシューティングに必須の知識なので、一緒にマスターしていきましょう!
ネットワークインターフェースの基礎知識

そもそもインターフェースとは?
ネットワークインターフェースは、コンピュータがネットワークと通信するための「窓口」のようなものです。
分かりやすく言うと、郵便を送るときの「ポスト」みたいな役割ですね。
主なインターフェースの種類:
- eth0, eth1 → 有線LAN(イーサネット)
- wlan0, wlp2s0 → 無線LAN(Wi-Fi)
- lo → ループバック(自分自身との通信用)
- docker0 → Dockerの仮想ネットワーク
- virbr0 → 仮想マシン用のブリッジ
最近のLinuxでは、「予測可能なネットワークインターフェース名」という仕組みで、enp3s0
やwlp2s0
のような名前になることも多いです。
方法1:ipコマンド(最新・推奨)
基本的な使い方
現在最も推奨される方法がip
コマンドです。
# すべてのインターフェースを表示
ip addr show
# 短縮形でも同じ
ip a
表示される情報の見方:
2: enp3s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP>
↑インターフェース名
inet 192.168.1.100/24
↑IPアドレス
よく使うipコマンドのバリエーション
# 特定のインターフェースだけ確認
ip addr show enp3s0
# IPv4アドレスだけを表示
ip -4 addr show
# IPv6アドレスだけを表示
ip -6 addr show
# インターフェースの状態を確認
ip link show
# ルーティングテーブルを確認
ip route show
説明:
UP
は有効状態、DOWN
は無効状態を表します/24
はサブネットマスクを意味します(255.255.255.0と同じ)
方法2:ifconfig(従来の方法)
ifconfigのインストール
最近のディストリビューションでは、初期状態で入っていないことがあります。
# Ubuntu/Debian系
sudo apt install net-tools
# RHEL/CentOS/Fedora系
sudo yum install net-tools
# または
sudo dnf install net-tools
ifconfigの使い方
# すべてのインターフェースを表示
ifconfig
# 特定のインターフェースを確認
ifconfig eth0
# 無効なインターフェースも含めて表示
ifconfig -a
出力例の見方:
eth0: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST>
inet 192.168.1.100 netmask 255.255.255.0
↑IPアドレス ↑サブネットマスク
方法3:nmcliコマンド(NetworkManager)
デスクトップ環境でよく使われるNetworkManagerのコマンドです。
接続状態の確認
# デバイスの一覧と状態
nmcli device status
# 接続の詳細情報
nmcli connection show
# 特定の接続の詳細
nmcli connection show "接続名"
Wi-Fi関連の確認
# Wi-Fiの状態確認
nmcli radio wifi
# 利用可能なWi-Fiネットワーク一覧
nmcli device wifi list
# 現在の接続情報
nmcli device show wlan0
方法4:システムファイルから直接確認
/sys/class/netディレクトリ
カーネルが管理している情報を直接確認できます。
# インターフェース一覧
ls /sys/class/net/
# MACアドレスを確認
cat /sys/class/net/enp3s0/address
# インターフェースの状態(up=1, down=0)
cat /sys/class/net/enp3s0/operstate
# 統計情報を確認
cat /sys/class/net/enp3s0/statistics/rx_bytes
cat /sys/class/net/enp3s0/statistics/tx_bytes
/proc/net/devファイル
ネットワーク統計情報を確認できます。
# ネットワークの送受信統計
cat /proc/net/dev
GUI(グラフィカル)での確認方法

GNOME(Ubuntu、Fedoraなど)
- 設定アプリを開く
- 「ネットワーク」または「Wi-Fi」を選択
- 歯車アイコンをクリックで詳細表示
KDE Plasma
- システムトレイのネットワークアイコンをクリック
- 「接続情報」を選択
コマンドでGUIツールを起動
# GNOME
gnome-control-center network
# KDE
systemsettings5 network
よく使う確認シナリオ
シナリオ1:IPアドレスだけ知りたい
# すっきりとIPアドレスだけ表示
ip -br addr show
# または hostname コマンド
hostname -I
シナリオ2:MACアドレスを確認したい
# ip コマンドで確認
ip link show | grep ether
# 特定インターフェースのMACアドレス
cat /sys/class/net/enp3s0/address
シナリオ3:ネットワーク速度を確認
# ethtoolをインストール
sudo apt install ethtool
# 速度とデュプレックスモードを確認
sudo ethtool enp3s0 | grep Speed
トラブルシューティング
インターフェースが表示されない場合
確認ポイント:
- ドライバーの確認
# ネットワークカードの認識確認
lspci | grep -i network
lspci | grep -i ethernet
# USBデバイスの場合
lsusb
- モジュールの読み込み確認
# 読み込まれているモジュール
lsmod | grep -E "e1000|r8169|iwlwifi"
- dmesgでエラー確認
# ネットワーク関連のログ
dmesg | grep -i network
dmesg | grep -i eth
インターフェースがDOWNの場合
# インターフェースを有効化
sudo ip link set enp3s0 up
# または
sudo ifconfig enp3s0 up
# NetworkManagerで有効化
nmcli device connect enp3s0
便利なワンライナー
使用中のインターフェースとIPを一覧表示
# アクティブなインターフェースのみ
ip -br addr show | grep UP
# JSON形式で出力(スクリプト用)
ip -j addr show
外部IPアドレスの確認
# 外部から見たIPアドレス
curl ifconfig.me
# または
curl ipinfo.io/ip
セキュリティの観点から
情報漏洩に注意
ネットワーク情報を確認する際の注意点:
- スクリーンショットにIPアドレスが含まれないよう注意
- ログファイルに残る可能性がある
- 公開サーバーの情報は慎重に扱う
ディストリビューション別の違い
Ubuntu/Debian
- NetworkManagerがデフォルト
- netplanを使用(18.04以降)
RHEL/CentOS/Rocky Linux
- NetworkManagerまたはnetwork-scripts
- nmcliコマンドが充実
Arch Linux
- systemd-networkdが主流
- networkctlコマンドも使用可能
# systemd-networkdの場合
networkctl list
networkctl status enp3s0
まとめ – もうネットワーク確認で迷わない!
Linuxでネットワークインターフェースを確認する方法、たくさんありましたね。
覚えておきたいポイント:
✅ 最新のip
コマンドが推奨(ifconfigは非推奨) ✅ ip addr show
で基本情報がすべて分かる ✅ NetworkManager使用時はnmcli
が便利 ✅ トラブル時はdmesg
やlspci
で原因調査 ✅ GUIでも確認可能だが、コマンドの方が詳細
状況に応じて使い分けることで、ネットワークトラブルも素早く解決できるようになります。
最初はip addr
コマンドから始めて、徐々に他のコマンドも覚えていけば大丈夫です。
これらのコマンドは、サーバー管理やネットワークトラブルシューティングの基本中の基本。
ぜひ実際に試してみて、自分の環境でどんな情報が表示されるか確認してみてください!
Happy Networking! 🖧
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